電力会社
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マクベスさんの評価
ユーザー評価:5点
プレイ数:5回
投稿者:
マクベス大佐
| 2009/03/27 23:19 | コメント(0) | トラックバック(0)
発電所を竸って手に入れて、技術革新しながら送電網を拡大していくゲームで、本格的マネージメントゲームの人気作であり、フリーゼの作品の中では最も人気の高いであろう作品でもあります。
このゲームの重要な肝となるメカニクスは3つあります。
1.発電所の競り
2.送電網の陣取り
3.順位マネージメント
まず1の発電所の競りからですが、発電所の競りは早抜けのメリットのほぼ全くない普通のフリーオークションです。今時普通のフリーオークションは流行らず、大半のゲームの競りは非公開入札や一巡入札に置き換えられ、はや抜けのメリットが用意されていることが多々あるのにも関わらず、少々古臭いように思います。
フリーオークションなので、可処分所得が大きなプレイヤーが必ず競りに勝つような印象があり、発電所の強弱のバランス相まって少々荒っぽいバランスだと思います。
また、競りに参加しない理由はあまりなく、我慢するという選択肢を取り難いのも残念なところです。大概は我慢しても、残り物の発電所をそれなりの値段で落とすことを狙うかですね(結構重要ですけどね)。
未来のマーケットに期待するにしても、大概は未来のマーケットの魅力的な発電所が降りてくることはないし、1ミスが致命的になりがちな本作において、かなりの賭けなので上策とは言いがたいです。
2の送電網の陣取りは、多人数アブストラクトなので、誰を叩くのかという問題と、最適解の問題があることが気になります。基本はトップを苦しめるのがベタなので、打つべき手は結構明確なのではないかと思い、ジレンマがあるのかと言われれば微妙だと思います。マップによる地方の強弱のバランスも結構露骨な印象があり、どうかなと思うところもあります。
3の順位管理も、順位を上げておくべきか沈めておくべきかというのが結構明確な印象がありジレンマの余地はあまりないように思います。
また1~3全ての要素には、初見殺し的な部分が満遍なく含まれています。競りという初見殺しに発電所の強弱のバランスの情報。地方による強弱のバランスと空気を読んで建設しないといけない多人数アブストラクトな送電網の敷設。かなり繊細に管理しなければいけない順位管理の要素といい、とても初心者にはお勧めできないだけでなく、場を荒らすことも多い初心者をお断り的な雰囲気すら漂うゲームだと思います。
ジレンマを求めるにしても、それほどなく慣れてくれば何をすべきか明確になってくる印象があり、理詰めのゲームであるように思います。一応発電所のめくれというランダムはありますが、理詰めの部分は決して小さくなく、ある一定回数を超えると繰り返し遊ぶ魅力を失ってくる部分が小さくないように思います。
それだけでなく紙幣のやり取りも多く、処理や手続きも結構面倒な部類に入るゲームなので、プレイ容易性も決して低くはないです。そのため、プレイ回数を積むとどんどん遊ぶ意欲をなくしていきがちです。
他にも1ミスが致命傷になることが多く、挽回が困難で負け確定みたいな状態に陥ることがもあり、初見殺しに拍車をかけています。
悪くはないのですが、何の捻りもない古臭いフリーオークションに、多人数アブストラクトな陣取り。新しい要素は順位管理ですが、それもジレンマの発生要因としては小さく、慣れてくるとジレンマがどんどん薄れていく印象があり、マップをひっかえとっかえ遊ばないとリプレイ意欲がそがれていく印象があります。故に、遊びこみたいのならば、拡張マップは必須です。
比較的少ないルールで高い満足度が得られる作品というのは、最大の強みですが、初見殺し要素が多分にあり、初心者に薦めにくい印象があり、最大の売りもいくらか殺されてしまっている印象があります。今となっては、たまに遊べば良いかなと思う程度で、あえて所有する価値を見いだせなくなりました。
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