第43回横浜クニツィア会です。神奈川地区センター和室で9:30-20:30の11時間。今回は参加者は6人と少なめでしたが、「ズーヴァディス」や「インフェルノ」などを6人で遊べました。出版社でたどるクニツィアゲーム11回目はラベンスバーガー第1弾です。1995年から2001年までの初期作品5点を持ち込みました。
ハイソサエティ High Society (1995)
ベガス Vegas (1996)
ノアの方舟 (1999)
カエルのフレディ Freddy Frosch (2000)/Leapin' Lily Pad (2004)
なかま集め Affenbande (2001)/Monkey Madness(2004)
なお、この時期にラベンスバーガーは別ブランドのアレアを立ち上げて「ラー(1999)」、「タージマハル(2000)」、「ロイヤルターフ(2001)」、「パラッツォ(2005)」の4点を出版していますが、これは別扱いとします。
「ハイソサエティ」はラベンスバーガーでは最も古いゲームで、このあとも何度もいろいろな出版社からリメイクされている短時間競りゲームの傑作です。アミーゴの「珍獣動物園(2003)」やフォクサルの「億万長者と破産(2014)」など別タイトルでもリメイクされています。初版にあたるラベンスバーガー版は絵柄がちょっとレトロで一番好きな版のひとつで、タイブレークのルールも現在とは少しだけ違います。
https://www.gamers-jp.com/playgame/archives/000838.html#highsociety
「ベガス」はラベンスバーガーでの最初の大箱で、ダイスとマジョリティ争いのゲームです。シュピールボックス付録の「投票日 Wahltag(1994)」を元にしたゲームで、のちにファンタジーフライトから「マギノール(2001)」としてリメイクされています。
https://www.gamers-jp.com/playgame/archives/001605.html#vegas
「ノアの方舟」はラベンスバーガーUSAから出版された大きな船形の箱が印象的な子供用の記憶ゲームです。クニツィアとしては4−5個目の子供ゲームであり、2018年にマッドムースから小箱でリメイクされています。
「カエルのフレディ Fredy Frosch」と「なかま集め Affenbande」も同じく記憶や運を使った子供ゲームで、このサイズの箱が今後のラベンスバーガーの子供ゲームの基本のサイズになります。これら2つのゲームはドイツ語版のあとに、それぞれ Leapin' Lily Pad とMonkey Madness というタイトルで英語版が2004年に出版されています。さらに「カエルのフレディ」はシリウスの「モンキーランド(2011)」やツォッホの「赤い花はどこ?(2023)」としてリメイクされています。もしかしたら「なかま集め」もリメイクされているかもしれませんが、現時点では不明です。
この日は、これらから「ベガス」を除く4種を遊びました。今回の初プレイは「ファンタスティックス」と「なかま集め」、そして版違いの初プレイは「カエルのフレディ」と「アニマルエクスプレス」です。
リトル アマデウス はじめてのオーケストラ Little Amadeus: Mein erstes Orchester
(プレイ時間 10分)
これまで2-3人が適正だと思いつつも4人でしか遊んだことがなかったので、タカシノさんと2人プレイを試してみました。高得点を取るかセットコレクションボーナスを目指すかのジレンマがあり、2人の方がパスする場面も増えて、ゲーム性は上がると思います。ただ少し単調な展開を感じやすいので、ベストは3人なのではと思います。次回は3人を試してみたいものです。
結果:自分 61、タカシノ 56
パルミラ Palmyra (グループSNE版)
(説明 5分 プレイ時間 40分)
タカシノさんリクエストその1。今回持ち込んだのはグループSNE版です。壺の倒れやすさではegシュピール版と大差ないのは残念ですが、グラフィックの雰囲気は悪くないです。今回は1ラウンド後に緑の壺が30まで高騰するという展開でしたが、税金や蜃気楼で手番順をうまく操作して第2、第3ラウンドでのスタートプレイヤーになることに成功し、安く買ったものを高く売り抜けることができました。短時間なのによくできた経済ゲームだと思います。
ところでグループSNE版ではバリアントルールで「モトリーフールの安く買って高く売れ」も遊べるようにカードが追加されていますが、契約書が5枚になったときの基礎点が書いていないのは残念です。基礎点は12点です。
結果:自分 157、タカシノ 121、ヤスシ 119
ブルー ラグーン Blue Lagoon (ブルーオレンジ版)
(説明 10分 プレイ時間 55分)
タカシノさんリクエストその2。結構久し振りに遊ぶ「ブルーラグーン」です。ほぼアブストラクト(運の要素はゲーム開始時と前半終了時の産物トークンだけ)というジャンルでは完成度が高いです。陣取り、コネクション、と考えることも多く、ボード上の様々な場所で小競り合いが始まります。どこを優先させるかは悩ましく難しいです。やっぱり良いゲームですね。
結果:たかた 157、自分 141、ヤスシ 135、タカシノ 128
ダックメンタ アート Duckomenta Art
(説明 10分 プレイ時間 25分)
ヤスシさんが「モダンアートカードゲーム」をリクエストしてくれたので、今回はアヒルをモチーフにした「ダックメンタアート」を持ち込みました。ゲームとしては全く同じです。久し振りに見ると、1枚1枚のカードが色々なパロディーになっていて味わい深いです。
このゲームは3、4ラウンド目で爆発的に点数が増えていくという印象があるのですが、今回の展開はかなり平坦で、最後に言ってもあまり点数が伸びませんでした。こういう展開は珍しいです。
結果:ヤスシ 71、自分 65、たかた 60、タカシノ 59
ピューマフィア Pumafiosi (スタンダード版)
(説明 10分 プレイ時間 40分)
タカシノさんリクエストその3。タカシノさんは今日リクエストしてくれたゲームのルールをちゃんと下調べしてきてくれたみたいで熱心です。
第1ディールからカード運に恵まれずに40番台しか手札にないなど厳しい展開でした。あやうく一度も勝てなそうなこともあり、そのペナルティのマイナス10点を防ぐべくローカードで勝ってマイナス3点に甘んじるという情けない状況です。そんなわけで圧倒的な最下位でした。
結果:たかた 49、タカシノ 38、ヤスシ 30、自分 14
ファンタスティックス FantaSticks
(説明 10分 プレイ時間 35分)
昔ポーランドのトレフルから出版されていた「ファミリービンゴ」というパーティーゲームがありましたが、テキストが読めずに諦めていました。しかし、去年のエッセンでようやくその英語版リメイクの「ファンタスティック」を手に入れることができ、ようやく今回初プレイに漕ぎ着けました。
手番プレイヤーが色々なミニゲームのカードの指示に従い、ミニゲームに勝つと自分のビンゴボードにチップを1枚置けます。こうして4x4の16マスのビンゴボードで1列を作ると勝利。このビンゴの部分はおまけなのですが、ミニゲームが8種類もあります。ウィットチャレンジ、スキルチャレンジ、スピードビルダー、メモリービルダー、ナンバークイズ、ナレッジクイズ、シークレットプラン、クリエイトイト、の8種類で、とくにスピードビルダーやメモリービルダーは燃えます。
この手のパーティーゲームはたくさんありますが、その中でもかなり完成度は高いのではないでしょうか? 今回は5人で遊び、はたさんがどんどん勝っていってビンゴを完成させました。
結果:はた 勝利 (たっくん、たかた、タカシノ、自分)
ズー ヴァディス Zoo Vadis (デラックス版)
(説明 15分 プレイ時間 55分)
今回で4回目となる「ズーヴァディス」です。ファクションバッグという各動物コマを収納するバッグを購入してしまいました。でもこれは実用的で雰囲気も良いです。各動物の特殊能力にもだいぶ慣れてきて、交渉の広げ方もわかってきました。
自分はタイガーの受け持ちです。飼育員のチップがあってもその得点を獲得できるという能力です。あまり強そうではないのですが、手番に飼育員を4点や5点の点数チップの上に移動させて他のプレイヤーに使ってもらうようにしました。渋いですがなかなか面白い能力だと思います。序盤に色々な交渉をうまく成立させることができ、さらになんとかギリギリに最上段に到着して初勝利。1番最初に到着していたたかたさんがどんどんピーコックを動かしてくるのでなんと3マスもピーコックで埋まってしまい危なかったです。
結果:自分(タイガー) 21(5)、たっくん(サイ) 17(2)、たかた(アルマジロ) 15(1)、はた(ハイエナ) 13(4)、ヤス(マーモセット) 15(脱落)、タカシノ(クロコダイル) 9(脱落)、(括弧内は上に到着した順位。3、6、7番はピーコック)
ノアの方舟 Noah's Ark (ラベンスバーガー版)
(プレイ時間 各5−15分)
大きな船型の箱に入ったメモリーゲームです。ゲーム1とゲーム2があり、どちらも6x6のグリッドに36枚のタイルを並べて開始します。どちらも方舟タイル8枚が捲られたらゲーム終了です。
ゲーム1:タイルをめくって自分のトークンを置きます。グリッドのタイルには必ずプレイヤートークンが置かれていることになります。同じ動物のペアをめくると、それぞれトークンを載せているプレイヤーのものになります(1枚1点)。そしてもう1回手番ができます。方舟をめくるとグリッドのすべてのトークンは除去されてすべてのタイルを裏返します。ここまででいかに覚えておくかがゲームの鍵です。
ゲーム2:プレイヤートークンは使いません。手番にはいくつかの選択肢があります。1つ目の選択肢はグリッドのタイルをめくることです。めくったタイルは自分の前に移動させて伏せておくか、または既に自分を含む誰かの前に伏せてあるタイル1枚を公開します。ここで同じ動物ならば成功となり、それぞれのプレイヤーがタイルを獲得してもう1手番行いますますが、異なる動物だと失敗となり、タイルはそれぞれの場所で再び伏せられます。2つ目の選択肢は自分の前に伏せてあるタイルと自分を含む誰かの前に伏せてあるタイルを公開します。1つ目の選択肢と同様に成功か失敗かを判断します。なお、方舟のタイルは単なるパスになります。
今回はゲーム1と2をそれぞれ2回ずつ遊びました。特にゲーム2は初プレイです。リメイクでは記載がなくなってしまったゲーム2ですが、なかなか面白かったです。たかたさんが、はたさんの前に同じタイル2枚があるのを知っていたみたいですが、ルール上めくる権利がありません。まためくってもはたさんが2点を得ることになってしまいそうです。ちょっと面白い状況ですが、黙って見ているのが良いのでしょう。どちらのゲームもたかたさんが記憶力の良さを発揮して、4戦中3勝していました。最後は意地で頑張って1勝。でもどんどん記憶力が衰えてきて辛いです。
結果
1戦目(ゲーム1):たかた 12、自分 10、はた 6
2戦目(ゲーム1):たかた 11、はた 7、自分 6
3戦目(ゲーム2):たかた 5、はた 5、自分 4
4戦目(ゲーム2):自分 7、たかた 6、はた 5
カエルのフレディ Freddy Frosch
(プレイ時間 各5分)
ラベンスバーガーの小箱の子供ゲームはこのサイズで統一されている感じがしますが、クニツィアではこの「カエルのフレディ」がシリーズ第1弾に当たります。初プレイですが、遊んでみたら「モンキーランド」や「赤い花はどこ?」と同じルールですね。この「カエルのフレディ」が一番古いようです。
このゲームは勢いでどんどん得点が勝ち取れることがあり、そのペースにうまく乗ると非常に気持ちが良いです。そんなわけで2戦2勝。
結果
1戦目:自分 12、たかた 5、はた 1
2戦目:自分 10、たかた 6、はた 2
なかま集め Affenbande
(プレイ時間 各3分)
名前は聞いたことがあったのですが、遊ぶのは初めて。手番プレイヤーはひとつずつバッグからサルのコマを引いていき、該当するプレイヤーのミニボードに置いていきます。それを自分のサルを引くまで続けます。こうして早く6匹の猿を集めたら終了です。本質的には運だけなのですが、自分の手番には自分のボードにサルは1匹しか増えないというのが心理的には面白いところです。思ったよりもワクワクできますね。
結果
1戦目:たかた 6、自分 5、はた 3
2戦目:たかた 6、はた 5、自分 5
インフェルノ Inferno (テンデイズゲームズ第2版)
(プレイ時間 3ディール25分)
6人で3ディール戦です。公平のためにスタートプレイヤーを1人おきに回して3ディール行いました。手札の赤いカードが少なくてつらい展開が多かったのですが、さらに2回くらい大きく失敗をしてしまい沈みました。もうちょっと保守的にプレイした方が良かったですね。
結果:はた 20、たっくん 23、たかた 61、ヤスシ 70、自分 78、タカシノ 97
ハイ ソサエティ High Society (ラベンスバーガー版)
(説明 5分 プレイ時間 20分)
短時間競りゲームの傑作「ハイソサエティ」です。燃えます。1回1回の競りが熱く、悩ましい場面が多かったです。はたさんがx2、x1/2、そしてx2と3枚を競り落とし、最後に7を競り落として鮮やかに勝ち切りました。素晴らしい。
結果:はた 14(40)、自分 8(59)、タカシノ 7(63)、たかた 2(74)、ヤスシ 18(33脱落)
アニマル エクスプレイス Animal Express
(プレイ時間 3ディール25分)
フィンランドのタクティックから出版されたゲームです。6匹の動物の宅配業者のレースをテーマにしたカードゲームで楽しみにしていたのですが、ルールをよく読むと「魔獣の王」や「カップケーキの女王」と全く同じでした。カードを並べる代わりに三輪車に乗った動物たちを動かします。各動物はスタートであるボード周辺の各宅配施設からゴールである中央の公園までの6マスをレースします。
ゲームとしては面白いのですが、テーマと雰囲気を重視しすぎたあまり、プレイアビリティがかなり悪いのは残念です。3位以内に入るのが大切なのですが、どの動物が上位なのかがわかりづらく、さらにゲーム上大切な6匹の動物のタイブレークがわからないのが最大の欠点です。タイブレークはカード枚数が少ない順に、ウサギ、キリン、ゾウ、ワニ、ネズミ、カタツムリの順なのですが、ボード上では時計回りにウサギ、ネズミ、ゾウ、ワニ、キリン、カタツムリとなっており、全く対応していません。三輪車のコンポーネントはすごく良い雰囲気なので、なんとかプレイアビリティと両立させて欲しかったです。
他にもテーマと雰囲気を重視しすぎて失敗したゲームの代表として「メンバーズオンリー」のリメイクの「グレン画廊」や「ペンギンパーティー」のもとになった「ペンギン」があがると思いますが、この「アニマルエクスプレス」も含めてクニツィア3大コンポーネント失敗ゲームになるかもしれません。
結果:タカシノ 15、自分 10、ヤスシ 8、たかた 7、はた 4
他には「ゼメック(カルカソンヌディブルク)基本ゲーム」「リバース(アイルランド)」「ポイズン(アウトセット版)」が遊ばれていました。
次回は4月12日です。
https://twipla.jp/events/668696
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