第39回横浜クニツィア会です。会場は神奈川区民館の料理室で終日11時間の開催です。初参加2名を含む11名が参加してくれました。出版社で見るクニツィアゲームの7回目はフランクコスモスです。
ラストパラダイス Das Letzte Paradies (1993年)
1993年でまだ扱っていなかった最後のゲームです。フランクコスモスは現在のコスモスの前身にあたる会社です。調べた限りでは同じ会社のようですが、コスモスから出版するのは1998年の「砂漠を越えて」まで5年間の開きがあるので、今回はフランクコスモスからの唯一のゲームである「ラストパラダイス」を扱いました。
「ラストパラダイス」は当時のフランクコスモスの標準の大きさの、現代の基準ではかなり大きな箱です。握り競りを16回行うだけですが、1番高くビッドした人が2番目にビッドした人の金額を支払うという「ネットオークション方式」をまだインターネットが普及していない時代に考案したのは驚くべきです。さらにこのゲームには交渉の要素もあり、金銭に非常にシビアでよく元本割れすることで知られています。
今回も新作「リバース」や名作「モダンアート」、「ハイソサエティ」など様々なゲームを楽しみました。初プレイは「がらくた市」だけですが、「モンキーランド」は2回目で、ほぼ内容を忘れていたので新鮮でした。なお、版違いの初プレイは「海上丝路(交易王の中国版)」と「ラマ(ギガミック版)」です。
海上丝路 Maritime Silk Road
(説明 5分 プレイ時間 30分)
Game Harbor から出版された「交易王」の中国語版です。タイトルの「丝」は「絹」のことで、つまり「海のシルクロード」という意味らしいです。英題で Maritime Silk Road となっています。当データベースではこの漢字が使えないので「絹」で代用しています。点数チップは裏がすべて同じデザインなので、裏向きにすれば正確な点数がわかりづらいのは良いことです。
ようやくこの版を遊ぶことができました。デザインもわかりやすく遊びやすいと思います。みんなが契約書や商館を買うのを横目に船1隻を追加しただけで我慢して勝利。
結果:自分 71(船)、ハスカップ 63(船契)、もと 47(船船商)、らくだ 39(契)
エスカレーション Escalation (ニューゲームズオーダー版)
(プレイ時間 3ディール20分)
おそらく3人がベストだと思われる「エスカレーション」です。短時間なので3ディール戦を遊びました。3ディール目では6が手札に多く集まってきて、山札が尽きた時には5枚の6と1枚のワイルド(1−7)という手札でなんと合計値36です。ここで6枚すべてのカードを出して36として終了させても良かったのですが、出した瞬間にディールが終わってしまうので、左隣りのプレイヤーに失点させようと5枚の6だけ出して30としました。しかし、ここで引き取ってくれたのは良いのですが、そのあとワイルド1−7の1枚が出せずにこちらも失点を喰らうことになってしまいました。
結果(3ディール):自分 17、ヤスシ 67、もと 73
モダンアート Modern Art (CMON版)
(説明 10分 プレイ時間 55分)
3モ(3人モダンアート)です。3人だと一応バリアンとルールがあり、このCMON版にも記載されていますが、個人的には通常通りに遊んで問題ないと思っています。
毎ラウンド4種以上の画家の絵が出るという展開で、自分が既に購入した絵の画家を買い支えるのか、それとも別の画家の絵を高値で売る方を選ぶかは迷うところです。白熱する展開でしたが、最終的に勝利しました。
結果:自分 620、もと 418、ヤスシ 385
マラブンタ Marabunta (スペースカウボーイズ版)
(プレイ時間 35分)
ここでこの日唯一遊んだ2人用ゲームの「マラブンタ」です。中央ボード、個人ボードともに初級者用で遊びました。ようやく少しやり方がわかってきたような気がします。思うよりもずっと早くゲームが終わるので、そのタイミングの見極めがかなり大切ですね。今回はカップケーキ作戦と称し、木箱4つでカップケーキ2つを得たりと積極的にカップケーキを取っていきました。19点というのはこれまでで一番高い点数かもしれません。
結果:自分 19、ヤスシ 13
ハイソサエティ High Society (ラベンスバーガー版)
(プレイ時間 各15−25分)
初参加のピザさん持ち込みのゲームです。久し振りに遊ぶラベンスバーガーの初版で、好みもあると思いますがこの絵が一番好きです。ビッドでは両替ができない、悪いカードの競りは通常と逆、赤いカード4毎が出たらサドンデス終了、小切手の残金合計が最下位だと脱落、という4点がこのゲームの特徴です。
1戦目では何ともとさんが手札の小切手を全て使い切ってしまい脱落が判明。幸いほぼゲームが終わりだったので、あまりバランスは崩れませんでした。ピザさんとハスカップさんが資産7ずつで同点でしたが、初版のタイブレークルール(小切手残金が多い方の勝利)に従ってピザさんの勝利。
2戦目では手札を使い切ってしまったら敗北確定だということを確認したので、もとさんは最後の小切手1枚は取っておいたようです。自分はこの1枚を15−25くらいだと思っており、同じことを考えていたピザさんは勝負できなかったみたいでしたが、なんと最後の小切手は1。これは誰も小切手を使い切らなければ敗北確定です。なかなか凄い展開が続きましたが、やはりハイソサエティは名作ですね。
結果
1戦目:ピザ 7、ハスカップ 7、自分 6、ヤスシ 3、もと 18(脱落)
2戦目:自分 13、ハスカップ 9、ピザ 8、ヤスシ 5、もと 10(脱落)
ラマ Lama (ギガミック版)
(説明 プレイ時間 20分)
続けて4人でラマを遊びました。ギガミック版で白い缶入りなのですが、このバージョンは初めて遊びます。ギークビットの点数チップを使用。やはり4人がベストだと思います。終盤にハスカップさんに突き放され、他の3人はすべて失点40以上になり終了です。
結果:ハスカップ 11、自分 42、もと 44、ピザ 52
ホエール ライダーズ Whale Riders
(説明 15分 プレイ時間 40分)
嵐のシステムがシンプルながらも面白い「ホエールライダーズ」です。自分は最後尾に近い位置でおこぼれを拾っていく展開で、終盤になってスピードを上げました。しかし3枚しかミッションカードを達成できなかったこともあって5人中4位。一応5−6人でも楽しめますがベストは4人なのかもしれません。
結果:ハスカップ 22、ピザ 21、たっくん 21、自分 18、もと 12
インフェルノ Inferno (テンデイズゲームズ第2版)
(プレイ時間 3ディール35分)
本来は7人までなのですが、8人でも遊べるだろうということで3ディール戦を行いました。7人だと時々山札がなくなって終了になります。手札12枚、山札16枚だからです。8人で手札12枚だと山札は4枚にしかなりません。これではあまりにもゲームがすぐに終わってしまうということで、手札10枚、山札20枚としました。
2ディール目までは失点を抑えて上位にいたのですが、3ディール目で佐藤さんの甘い言葉「1周も持ちませんよ、安心して出した方が良い」に騙されて大量失点。終わってみれば8人中6位でした。
後で思ったのですが終盤はどうしょうもないことが多いので、山札切れを増やすのであれば8人で手札11枚、山札12枚が良いかもしれません。今回は山札20枚だったので山札切れは1度も起こりませんでした。もし次回8人で遊ぶ機会があれば、手札11枚を試してみます。
結果:もと 9、ヤスシ 16、ピザ 30、佐藤 50、はた 55、自分 58、ハスカップ 66、たっくん 69
リバース Rebirth
(説明 20分 プレイ時間 70分)
この日は序盤に別のメンバーでスコットランドが遊ばれていましたが、自分はアイルランドをもう1回遊んでみたかったのでアイルランドを提案しました。
塔による特殊能力で手札が3枚になったり、伏せた4枚から引けたりと、通常は1枚しかない手札運を軽減しています。これをミッション達成につながるような良いタイミングで使いたいものです。4ヶ所の塔/城を繋ぐというミッションは難しいかに思えましたが、意外と何人かがやっていました。考えどころはスコットランドよりもかなり多くなっていると思います。
前回は気づきませんでしたが、2箇所、3箇所を取らないと達成しないx2と13点の塔は、アイコンが2分割3分割されていて条件を表しています。ミッションは全員共通が8枚に個人ミッションが各1枚でこの部分はちゃんと説明しないと間違えやすいものも多いです。日本語の対照表くらい作るべきなのかもしれません。それより、このゲームは日本で流通するのでしょうか。クニツィアにしては珍しくテキストが多いので、できればカードを日本語化して流通して欲しいものです。
結果(アイルランド):自分 156、たっくん 144、ピザ 138、はた 115
がらくた市 Benjamin Blümchen: KrimsKrams
(プレイ時間 各5−10分)
かなり古い子供ゲーム。原題の Benjamin Blümchen はドイツの子供向けアニメーションのようです。実は2セット持っているのですが、どちらも中古だけあって欠品があり、2セット合わせてようやく全てのコンポーネントが揃いました。1+1=1だったのですね。
バリアント1:キャラクター5人の周りにタイルを5枚ずつ裏向きに置いてスタート。タイルは5種類のカテゴリーのいずれかのアイテムが1−3個描かれています。カラーダイスを振って出た色に対応するキャラクターの周りのタイルを1枚めくります。既に自分が持っているアイテムでなければ獲得できます。そうでなければ元に戻します。キャラクターの周りにタイルがなければ何もできません。白色はワイルドでどのキャラクターの周りのタイルでもめくれます。こうして5枚のタイルを集めれば勝利です。
バリアント2:基本的にはバリアント1と同じですが、目的は10個のアイテムを集めることです。そして既に持っているアイテムをめくったとき、それが自分の持っているものよりもアイテムの数が多ければ交換できます。つまりアップグレードができるのです。
今回はタイルがないキャラクターの色を振ってしまったらワイルド扱いにしていましたが、これは間違いでした。バリアント1は自分が勝ち、バリアント2は接戦の末たっくんが勝ちました。それほど悪くないと思います。キッズゲーム会などあれば持ち込みたいです。
結果
1戦目(バリアント1):自分 5、ちょこ 4、たっくん 4、ぴーかん 3
2戦目(バリアント2):たっくん 10、ちょこ 9、自分 9、ぴーかん 8
ラスト パラダイス Das Letzte Paradies
(説明 15分 プレイ時間 30分)
ようやく「ラストパラダイス」の時間です。冒頭で述べた通り、フランクコスモス時代の唯一のクニツィアゲームです。非常に大きな箱ですが綺麗なグラフィックです。
4人プレイで元本は60。ここからいかに収益を出せるかというのが難しいところです。自分は4つのホテル&ヴィラでうまく5区画制覇のアイランドボーナスを獲得。そのあとはひたすら交渉していたのですが、途中から相手プレイヤーがホテル&ヴィラにするのか自然にするのかどちらが良いのかよくわからなくなってしまいました。自分も自然保護の木のトークンを1つ持っており、自然が非常に少ない展開だったのでうまくいけば1つだけで2位になれると思っていたのです。そこまで甘くはありませんでしたが、終わってみればなんとか1位になれました。
結果:自分 80、佐藤 77、ヤスシ 41、もと 36
モンキー ランド Apenjungle/Monkey Land
(説明 10分 プレイ時間 各5−10分)
記録を見たら2011年に遊んだことがあるみたいですが、ほぼ何も覚えていませんでした。今回遊んだのはぴーかんさん持ち込みのオランダ語版 Apenjungle です。8匹ある猿の裏には特定の果物が描かれており、トークンと同じ果物を探すという記憶のゲームです。しかし、猿は毎回別の場所に移動するので記憶がどんどんずれていきます。
1戦目はかなり真剣に遊んで果物トークン12枚獲得し1位。そこで佐藤さんが真剣になり、2戦目は佐藤さんの本気で完敗でした。「ぶんぶんかくれんぼ」にちょっと似たシステムで面白いですね。これはまた遊びたい。
結果
1戦目:自分 12、佐藤 6、ヤスシ 4、もと 2
2戦目:佐藤 13、ヤスシ 6、自分 3、もと 2
他には「カスカデロ」、「ショッテントッテン」、「バイキングシーソー」、「皇(ハン)」、「ラマカダブラ」、「コード破り」、「ベーオウルフザムービー」、「ウィンナーワルツ」が遊ばれていました。
次回は12月7日です。
https://twipla.jp/events/641041
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