東京・月島で、マイシティを遊ぶ「マイシティ会」を行いました。今回が記念すべき第1回目です。
マイ シティ My City (アークライト版)
(説明 20分 プレイ時間 各20−40分)
マイシティはクニツィアが初めて出版したレガシーシステムのゲームです。ポリオミノ(正方形を繋げた形)の建物をボードに並べて自分の街の出来栄えを競います。ポリオミノはドミノ(正方形x2)からペントミノ(正方形x5)までですが、そのうち8種類しか用意されていません。その8種類が3色あり、各プレイヤーは計24枚を1セットとして持ちます。具体的にはドミノ、トリオミノ(L)、ペントミノ(U)は1種ずつですが、テトロミノは5種(IOTJZ)あります。
ボードは11x11の正方グリッドで、平原の中央に南北に河が流れ、東西の端には山岳と森林があります。平原には木や岩が描かれているマスもあります。全員持ち点10点でスタート。「フィット」と同様に、24枚の建物に対応したカードを山札とし、毎回プレイヤーのひとりが山札から1枚めくって、全員が対応する建物を自分のボードに配置していきます。最初の建物は河沿い、以降は既存の建物に辺で隣接させなければなりません。指示された建物が建てられない、あるいは建てたくないときには2通りの選択肢があります。1つ目はこれ以上は建物を建てないと決めて、エピソードから抜けることです。2つ目は1点を失ってこの建物をパスし、エピソードに残ることです。こうして全員がエピソードから抜けたらエピソードを終了し得点計算をします。4人プレイだと、得点の上位2位は進行状況マスと呼ばれる全エピソードを通した勝利点にあたるものがもらえます。以降のバランスを取るために、下位のプレイヤーは以降有利になるようになっています。
24のエピソードは8つのチャプターに分かれています。チャプターごとに封筒があり、各封筒には3エピソードずつ、追加のルールやコンポーネントが入っているというわけです。各エピソードは30分程度で終わるようになっています。
いつもリプレイ度の高いゲームデザインを目指しているクニツィアが、まさか1度しか遊べないといわれるレガシーに挑戦するとは思いませんでしたが、余計にどんなゲームなのかと興味を持ちました。出版されてすぐにコスモスのドイツ語版を購入しました。クニツィアのゲームはほとんど言語異存がないので、ドイツ語版を買ってからギークに英語ルールが上がるのを少し待つというのが一番早い方法なのです(当時、すでに英語ルールが上がっていました)。しかし、今回はストーリーが進むにつれて開けていく封筒の中の説明には言語異存が強く、ギークではアメリカ人がドイツ語をグーグル翻訳しても遊びづらいと書き込んでいたのが散見されたこともあり、とりあえずドイツ語版で遊ぶのは断念。ドイツ語版は2周目に遊ぶことにして、次にコスモスの英語版を買いました。しかし、なかなか24エピソードを遊んでくれるプレイヤーが集まらず、ずっとそのままでした。そうこうしているうちに、アークライトから日本語版が出版されて、ゲームマーケットで購入。それとほぼ同時に、24エピソードを遊んでくれるプレイヤーが見つかり、日本語版で遊ぶことになりました。これでようやく遊べます。
まずは、レガシーゲームらしく各プレイヤーがボードに自分で決めた都市の名前を書きます。それぞれ「モックヴィル」「オールリバー」「ミルキータウン」「クニツィアポリス」という名前にしました。24エピソードが終わる時、どの町がどのように発展しているのでしょうか? いよいよ最初の封筒、チャプター1「新たなる大地」を開けます。
エピソード1:まずは基本ルールを理解するためのエピソード。終了時に見えている木は1本1点、岩は1個マイナス1点、平原は1マスにつきマイナス1点です。ボードには木が10本(5マスx2本)、岩16個(8マスx2個)、平原82マスあり、平原と岩を計90マスをすべて埋めて木を残すのが理想的です。みんなでポリオミノのマス数を数えると、なんとちょうど90マス分あります。つまり1つもミスをせずに埋めれば、最高の20点(持ち点10点+木10点)が取れるわけです。このあたりにクニツィアっぽさを感じます。それなら20点を目指そうということになったのですが、もちろんそんなにうまくはいきませんでした。テトロミノにJとZはあるのにその反転のLとSがないのが非常に苦しいです。
勝者は14点を獲得したミロさん、続いて2位は12点のもっちぇさんでした。それぞれこのエピソードに対して2点、1点の総合点(進行状況マス)を得ます。1位のミロさんは岩2個のシール、下位2名は木1本のシールをもらって指定された範囲のどこかに貼ります。やっとレガシーゲームらしくなってきました。
(エピソード2以降はネタバレになるので、文字色を背景と同色にしてあります。選択すると見られます。まだ、遊んでいないならば、遊ぶまでは見ない方がゲームがより楽しめるでしょう)
エピソード2:建物各色につき最大のグループの建物数が得点となります(つまり最大24点)。色という要素が加わっただけでかなり難しくなりますね。それでも上位2名と下位2名は変わらず。エピソードの進行状況点(総合点)やもらえるシールも変わらず。
エピソード3:開始時に全員井戸のシールを指定された範囲に貼ります。どんどん各プレイヤーのボードが変わってきます。井戸の4辺に4つの建物を隣接させればボーナス4点です。建物と井戸のボーナス得点をどうやって両立させるかが難しいです。勝利したもっちぇさんは岩2個のシール、下位2名は2個目の井戸をもらえます。自分は2位になり初めて進行状況点1点を得ましたが、2位なので何もシールをもらえず。
チャプター2「教会」の封筒を開けます。シールだけでなく、新たな建物タイルやカードが入っています。なるほど、レガシーとはこういうものなのですね。
エピソード4:各プレイヤーは、教会の建物3枚を受け取ります。なんと、これまで欠けていたテトロミノの反転LとS、それにペントミノのX(十字形)です。対応する3枚のカードに加えてブロックカード1枚をデッキに加えます。教会のカード3枚はビックリマークが付いており、これはパスできないと言う意味です。つまり建てられないならば、エピソードから抜けなければならないのです。これはきつい。さらにブロックカードが出ると、その次のカードは(教会カードでも)無視されます。よって建てたかった建物が建てられなくなったりして、予定が狂うのです。得点はエピソード3までと同じです。結果によって全員さらに追加で教会タイルを得ますが、なんとこのタイルの大きさが異なるのです。1位はテトロミノO(正方形x4)、2位はトリオミノL(正方形x3)、3位以下はドミノ(正方形x2)と上位ほど大きくで邪魔になりそうなタイルです。対応したカードも追加されます。ここでもっちぇさんが1位となりその後、大きな教会に苦労していました。
注意:教会は紫色ですが、各色の建物のグループに対するボーナスには適用されません。日本語ルールでは曖昧ですが、英語ルールなどでは明らかです。ルールシートのエピソード2の日本語と英語の比較です。「以降、建物の色について勝利点を獲得します。」- "From now on, you will be getting additional points in the scoring assessment for each of the three building colors."(日本語では「3色」という部分が抜けている)
エピソード5:教会に3色の建物を隣接させれば3点という教会ボーナスが付きます。各プレイヤー教会を4枚持っているので、最大12点となります。このエピソードで、ようやく自分は1位を取ることができました。嬉しい! 3位以下のプレイヤーは教会1枚を選んで、そこに書かれた教会ボーナス3点を5点に変更できます。
エピソード6:エピソード5と同じですが、パスができません。エピソード5でも終盤にパスを1回しただけかだったので、そこまで辛いとは思いませんでしたが、最下位でした。エピソード終了時に受け取れるものはエピソード5と同じです。
総合結果は以下の通りです。これで全体の4分の1終了です。次回が楽しみです。
結果
チャプター1:新たなる大地
エピソード1(25分):ミロ 14、もっちぇ 12、Mina 10、自分 10
エピソード2(25分):もっちぇ 29、ミロ 28、自分 25、Mina 22
エピソード3(25分):もっちぇ 32、自分 31、ミロ 25、Mina 18
チャプター2:教会
エピソード4(40分):もっちぇ 32、Mina 25、ミロ 15、自分 14
エピソード5(30分):自分 32、もっちぇ 24、Mina 20、ミロ 18
エピソード6(20分):ミロ 28、Mina 26、もっちぇ 23、自分 20
進行状況(総合点):もっちぇ 8、ミロ 5、自分 3、Mina 2
ココナッツ島 Isle of Coconuts
(プレイ時間 25分)
手軽で結構ゲーマー向けなダイスゲーム「ココナッツ島」です。最近勝率が高かったのですが、今回は序盤にリードしていたミロさんをマークしていたらMinaさんに出し抜かれてMinaさんの勝利。自分は場を荒らしただけで最下位でした。
結果:Mina 11、ミロ 8、もちぇ 6、自分 6
サンファン2 Puerto Rico: Das Kartenspiel
(説明 10分 プレイ時間 各45-50分)
2004年に出版された「サンファン」といえば、かつてボードゲームギークで1位を取り続けていた「プエルトリコ」のカードゲームとして日本語版もメビウスから出版されていました。その後、カードの数値などを調整した改訂版がアレア中箱版として2014年に出版されましたが、これは日本語版はありませんでした。一般には「サンファン2014」「サンファン第2版」などと呼ばれていたようです。その後、アレアは箱が小さいカードゲームシリーズのひとつとしてこの第2版を「プエルトリコカードゲム」として発売。その日本語版はメビウスから出版された「サンファン2」というわけです。舞台となったサンファンも元はプエルトリコという都市名だったのが現在は島名になったりといったややこしい歴史があるのですが、ゲームの方も同じくらいややこしいですね。まとめると以下のようになります。
サンファン San Juan(アレア小箱シリーズ5番、2004年)
サンファン第2版 San Juan (アレア中箱シリーズ11番、2014/2015年、日本語版なし)
サンファン2 Puerto Rico: Das Kartenspiel (アレアカードゲームシリーズ5番、2018年、サンファン第2版と同じゲーム)
サンファンを遊ぶのは本当に久しぶりです。細かいカードの数値が変わっているらしいのですが、以前の初版をあまり覚えていないので、相違には気がつかなかったです。ランダムに売れる価格を決めるタイルがカードになっていました。ひとつ言えることは「サンファン」を遊んでいると「プエルトリコ」が無性に遊びたくなるということです。やはり、選ばれなかったフェイズのカードに1コイン置くという「プエルトリコ」のルールは秀逸です。「サンファン」はとにかくカードの種類が多い!
結果
1戦目:もっちぇ 27、ミロ 24、Mina 20、自分 18
2戦目:ミロ 33、Mina 30、もっちぇ 29、自分 27
シャーロック ホームズ ベーカー街221B Sherlock Holms, Consulting Detective: 221B Baker Street
(プレイ時間 25分)
リクエストで持ち込んだ、クニツィアのシャーロックホームズです。もちろん上級ルールです。今回は効率的に僅差で相手に勝つようにしたり、必要に応じてもっと馬車を使ったりと、少し慣れてきました。途中でせっかく覚えていた犯人をもっちぇさんに取られてしまったのが痛かった! 慣れてくるといくつかの事件を未解決にするために能動的にホームズカードをためてゲームを終わらせるようになるのかもしれません。
結果:ミロ 15、自分 14、もっちぇ 13、Mina 12
キャット イン ザ ボックス Cat in the Box
(プレイ時間 2ディール20分)
最後に、少し余った時間で話題のトリックテイク「キャットインザボックス」を2ディールだけ遊びました。いつでもボイドを宣言して切り札として出せるのは面白いですが、宣言したトリック数をパラドックスが起こる前に確定させなければなりません。やはりパラドックスは100%起こります。これが30%くらいになればゲームとしてもう少し楽しめる気がします。
結果:Mina 12、自分 7、もっちぇ 2、ミロ -2
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