まさのぶさん主催のコロコロ堂クニツィア会は、今回で第10回最終回ということです。ファーストシーズンの最終回ということで、セカンドシーズンを期待してしまいます。ここで新たに知り合った方も多いので、ぜひ続けて欲しいものです、と思っていたらあと1回はあるみたいですね(詳しくはこの記事の最後を見てください)。
マウマウ!! ボードゲーム Mau Mau!! Das Brettspiel
(説明 15分 プレイ時間 各20−30分)
「マウマウ!!」というのは「ウノ」みたいなカードゲームらしいのですが、クニツィアがその「マウマウ!!」をボードゲーム化したものです。手札のタイルは5枚で、列に沿って隣りに出されたタイルと同色か同数字(シンボル)を出します。こうして手札が1枚になったら「マウ!」と宣言し、出し切ったら「マウマウ!!」と宣言して5点を獲得します。そして新たに5枚を手持ちのタイルとし、ゲームを続けるのです。ボードのマスが埋まったらゲーム終了です。「マウ!」や「マウマウ!!」の言い忘れを指摘されるとタイルを1枚引かなければなりません。
タイルには特殊効果もあり、ドロー2(連鎖する)、ワイルド、パス(次のプレイヤーに1枚渡す)、ストップ(次のプレイヤーをスキップ)の4種があります。パスは「エルファーラウスボードゲーム」にも使われている要素で、なかなか興味深いです。
ボードゲームなので、列に分岐があり、また特殊効果があるマスもあります。1枚破棄できたり、他のプレイヤーにカードを引かせたり、同じ数字なら重ねられたり、1−2点を得たり、といった感じです。
説明した時には一番肝心な5点の説明を見逃してしまい混乱しましたが、遊び始めたら思いの外面白かったです。両方の面を1回ずつ遊びました。
結果
1戦目:自分 38、ぽん 23、Kei 18
2戦目:自分 33、Kei 24、ぽん 17、河上 15
多重塔 Tajuto
(説明 15分 プレイ時間 70分)
河上さんの希望で「多重塔」を遊びました。得点タイルを獲得するタイミングが難しく、どうしても欲張って収益を上げようとしてしまいます。しかし、それではやはり遅すぎるのです。今回は予想された4つの塔がそのまま完成するという素直な展開でした。
結果:aya 16、自分 12、河上 11、まお 2
ラムセス王のピラミッド Ramses Pyramid
(説明 20分 プレイ時間 25分)
「ラムセス王のピラミッド」は2009年にレゴから出版されました。クニツィアがデザインしたレゴゲームは2つだけで、2年後に続編にあたる「ラムセス王の帰還」が出版されています。初めて遊ぶときには、組立図を見ながらレゴのピラミッドを完成させなければなりません。完成したピラミッドは各段が固定されておらず回転できる構造になっています。またピラミッドを1周するマス目が示されており、各マスの脇には神殿や水晶が置かれます。ボードの周囲にはプレイヤー色に対応したテントがあり、集めた水晶はこのテントの脇に置いて所有を示します。6面ダイスは各面に2x2のレゴの板で貼り付るようになっており、辺はゴム製なのでよく跳ねます。各面は数字と特殊能力の組み合わせで、1(回転)、1(回転)、2(略奪)、2(なし)、3(ミイラ)、3(ミイラ)となっています。つまり特殊能力がない面は1面のみです。
ゲームの目的は、ピラミッドの頂上に到達して、ピラミッドの中にある宝物を獲得することです。手番ではダイスを振り、特殊能力に従ってから、目の数だけ進めます。
回転:ピラミッドのある層より上を任意に回転させる。
略奪:他のプレイヤーのテントから水晶を奪う。
ミイラ:頂上のミイラ1体を1段下げ、その後、頂上にいないミイラをすべて1段ずつ下げる(つまりいま下げたミイラは2段下がることになる)。
ピラミドの入り口がスタートです。まずは周囲8マスを時計回りに一周します。それぞれのマスでは水晶を取って自分のテントに置くか、神殿をこっそりと見て、その中の水晶の色を覚えるかのどちらかです。神殿は8マス中6マスに置かれており、誰かが神殿のなかを確認するたびに、その神殿は空いている残り2マスのどちらかに移動します。
周囲を1周してスタートに戻ったら、いよいよピラミッドに登ります。ここではダイスを振らずに水平移動してピラミッドの同じ段の別の辺に移動しても構いません。ダイスを振ったときには、特殊効果に従ってから移動します。そしてピラミッドをのぼることもくだることもできます。移動ではそこに置かれた水晶と同色の水晶を自分のテントに持っているか、あるいは神殿を1つ公開して見つけなければなりません。また、ミイラのいる場所には入れず、ミイラに遭遇するとスタートに戻されます(もう1周することはできず、またのぼり始めなければなりません)。ミイラがいた場所までのぼり、次の手番でミイラの目を出せば勝利です。
記載されているバリアント
(バリアント2は常に使っても良いと思います)
1:ミイラがすべて下にたどり着くまでに勝たなければならないというチーム戦を行う。全員がチームでも2対2でも良い。
2:最後にミイラがいた場所まで登ってミイラの目を出したら、ピラミッドを開けて、そこにある4色の水晶をすべて神殿から探さなければならない。できなければゲームから脱落する。
子供向けのダイスゲームですが、神殿が移動するので記憶が大変です。この移動するものを記憶するというのは「ぶんぶんかくれんぼ」などを思わせます。また、ミイラに遭遇すると下からやり直しというのは、「ビビ ブロックスベルグと青いフクロウの秘密」の吊り橋のように、子供には辛いかもしれません。子供が泣かないことを祈るばかりです。序盤に神殿から水晶を多く獲得し、多く記憶できた方が有利に思われますが、中盤以降は他のプレイヤーが神殿を公開してくれるのでそこまでハンディキャップにはならないと思います。
基本のシステムは悪くないのですが、レゴなのでプレイアビリティーが少々悪いです。特に神殿を開けるのに手間取ったり、コマを動かすのが大変だったりということで、ボードゲームにレゴを使う必然性があまりありません。でも見栄えは良いので、レゴが好きならコレクションとして持っていても良いでしょう。
このゲームは2009年にエッセン・シュピールを初めて訪れた時に購入した思い出のゲームで、当時はレゴのブースもありレゴがボードゲームに力を入れていた時代です。そのあと数回遊んだきりだったのですが、今回本当に久し振りに遊びました。以前はミイラがもっとどんどん迫ってきて怖かったという記憶がありますが、今回はミイラの目が多く、割と早くミイラが去って行きました。また気が向いたときに遊びたいものです。
結果:Kei 勝利(aya、ぽん、自分 敗北)
ラムセス王の帰還 Ramses Return
(説明 10分 プレイ時間 10分)
「ラムセス王の帰還」は2011年にレゴから出版されました。クニツィアがデザインしたレゴゲーム2種のうち、後にデザインされたもので、前作「ラムセス王のピラミッド」の続編になっています。箱のサイズは半分になりボードもコンパクトになりました。ボードは5x5のマス目になっており、中央の3x3のうち、中心がスタート地点、その周囲8マスのうち6マスに神殿が置かれます。四隅のマスには異なる宝物が3つずつ置かれます。目的はこれら4種の宝物のうち3種類を集めることです。6面ダイスは、赤橙、黄青、緑、紫、3(ミイラ)、3(ミイラ)という構成です。
手番にはダイスを振り、色の目が出たら同じ色の水晶を所有しているか神殿から見つければ2マス進めますが、そうでなければまったく進めません。いずれにせよ、神殿は水晶ごと空いている2マスのどちらかに移動しますが、中央からの出口を完全にブロックしてはいけません。移動先の水晶や宝物は獲得できます。ミイラの目がでると自分は3マスまで任意の方向に、そしてミイラは外周を時計回りに3マス移動します(どちらを先に行っても良い)。ミイラに追いつかれるたら宝物を1つ(なければ水晶を1つ)そのマスで失い、スタートに戻らなければなりません。神殿のシステムは「ラムセス王のピラミッド」と同じですが、それよりもすっきりとしています。
記載されているバリアント
1.秘密の回廊:ボード上の水晶は獲得できません。その代わりにダイスの目に対応する水晶を神殿から見つけたときに、2マス進むか、ボード上の同色のクリスタルのマスまで移動するかができます。
2.ジンクス(不運):ダイスの色の面4面を、赤緑、橙緑、黄紫、青紫、というように変更します(つまり、どの色の面にも緑か紫が含まれます)。緑か紫の水晶のマスに入ったら、そこで止まり、水晶を自分のコマの頭に載せなければなりません。ジンクスにかけられたのです。ジンクスにかけられているあいだは、ボード上の緑と紫の水晶は無視し、色の面を振ったら両方の水晶(頭に載せているものは除く)を探さなければなりません。ミイラに捕まると、ジンクスは解かれます。通常のミイラのルールに従った後、頭の上の水晶を好きな場所に置きます。
3.ラムセスの怒り(2人用):紫と緑の水晶を外周から取り除きます。3(ミイラ)の目がでたら、ミイラは5マス動きます。目的は4種類の宝物をすべて集めることです。
このゲームはワシントンDC在住時に近所のラビリンスというゲームショップで見つけたものです。レゴとゲームというのはあまり相性が良くない気がしますが、それでも遊べるゲームにはなっています。Keiさんがミイラの後ろから回っていくという、王道の作戦で首尾よく3種の宝物を獲得して勝利。
結果:Kei 3、aya 1、自分 1、ぽん 0
ドラゴンパレード Dragon Parade (Z−MAN版)
(説明 5分 プレイ時間 25分)
「ドラゴンパレード」はZ−MANが2007年に、そしてピアトニクが2008年に出版したゲームで、3−5人で遊べます。中国の「竜舞」をテーマにしたゲームです。日本では「獅子舞」の方が知られていますが、中国では「竜舞」の方が一般的なのでしょうか。ラウンドの最後にドラゴン(竜)がどこで舞を終えるかを当てる賭けのゲームです。
コンポーネントはゲームボード、カード36枚(2スートx18)、プレイヤーコマ15個(5色x3個)、ドラゴンコマ1個、それに得点用のコイン30枚(価値5x10枚 、価値1x20枚)です。ボードは左右対称で、紫禁城を中心として左が赤、右が黄で19マスずつ伸びています。数字が1から19まで振られており、20に該当するマスの手前には鳥居が描かれています。カードは36枚で赤と黄の2スートが18枚ずつです。各スートは数値が1−8まであり、1、8が1枚ずつ、2、7が2枚ずつ、3−6が3枚ずつという構成です。
各プレイヤーにコマ3個と手札6枚を配り、ドラゴンを紫禁城に置いたらラウンドスタートです。手番にはカードを1枚プレイし、その色の方向(赤なら左、黄なら右)に数値と等しい数だけドラゴンを移動します。そのあと、ドラゴンが最後に止まる位置を予想し、自分のコマ1個をボード上に置きます。このとき、紫禁城や鳥居の外には置けません。また自分や他のプレイヤーのコマがあるマスにも置けません(ドラゴンのいるマスには置ける)。隣接して連続したマスに置かれたコマたちはひとつのグループを構成します(1個の孤立したコマでもグループです)。コマの配置で最も大切なルールは、2つのグループをつなげるようには置けないというルールです。つまり、両隣りのマスに既にコマが置かれているマスには置けません(つまり両端の1や19のマスは空いていればいつでも置けます)。なおプレイしたカードはすべて重ねておきます。
3巡すると、全員の手札が3枚になります。ここで各プレイヤーは2枚を選び裏向きに伏せて脇によけて捨てます。そして、順番に残った1枚をプレイし、ドラゴンを移動させてラウンド終了です。ドラゴンの最終位置が決定します。
なお、ドラゴンが鳥居をくぐってしまったらサドンデスでラウンド終了です。手番プレイヤーはこの手番ではコマは置けません(最後の1枚を順番にプレイしているときにもサドンデス終了は起こり得ます)。ドラゴンは鳥居をくぐった20に該当する位置に置きます。
ラウンドが終了したら得点計算です。ドラゴンがいるマスに置かれたコマは5点。ドラゴンから一番近いグループのコマは各3点(ただしドラゴンと同じ側でなければならない)。それ以外でドラゴンと同じ側(赤か黄)のコマは各1点です。ドラゴンと反対側のコマはたとえドラゴンから一番近いグループでもすべて0点です。ドラゴンから一番近いグループというのはドラゴンを含むグループがあればそのグループを、なければ(サドンデス終了も含む)一番近い両側のグループを指します。なお例外としてドラゴンが紫禁城にいる場合は全員無得点です。
スタートプレイヤーを交代で行い、人数分のラウンドをプレイしたらゲーム終了です。もっとも得点を稼いだプレイヤーの勝利です。
エディションの違い
Z-MAN版(2007年)Dragon Parade は箱のタイトルのドラゴン DRAGON の O が5点の勝利点コインになっています。またボードではマスが金色です。ピアトニク版(2008年)Drachenparade はZ-MAN版と比べると箱もカードもサイズが大きくなっています。カードの裏面のデザインは大きく異なります。ボードのマスは白で、背景の花火の色などもZ-MAN版とは異なります。プレイヤーコマやドラゴンはほぼ同じですが、オレンジのコマだけは色合いがかなり異なり、Z-MAN版は薄く、ピアトニク版は濃いです。
メンバーズオンリーとの比較
ドラゴンパレードを語る上で、メンバーズオンリーとの比較は避けられないでしょう。手番ではカードを出して賭けのコマを置く。手札が3枚になったら1−2枚を同時に捨てて残りを出す。という流れは似ています。しかし、相違点もかなり多いです。
手番の流れ
ドラゴンパレード:カード1枚を出してからコマを置く。
メンバーズオンリー:コマを置いてからカード2枚を出す。
使用カード
ドラゴンパレード:2スート、数値1-8、各ラウンドではプレイヤー人数x6枚を使用。
メンバーズオンリー:5スート、数値1&−1、各ラウンドでは全体の約半分を使用。
手番の流れでは、メンバーズオンリーはコマを置くのは任意だったのでカードを出したら手番終了としたほうがわかりやすかったのですが、ドラゴンパレードではコマを置くのは強制であり、カードを出したらドラゴンが鳥居をくぐってしまい、コマをおかずにサドンデス終了ということがあるので、この順番になったのだと思います。
カードはメンバーズオンリーは振れ幅が1とマイナス1と小さく、5スートあるのに対し、ドラゴンパレードではそれを2スートに絞ってさらにその2スートの差分に対して賭けるように簡略化してあります。代わりに数値の幅を1−8と広げており、またグループという概念を導入したのも面白いところです。
発売された当時はメンバーズオンリーの簡易版という認識だったのですが、最近はこのグループの概念が結構面白く、またメンバーズオンリーよりも気軽に遊べるので、これはこれで良いゲームなのではないかと思うようになりました。グループのコマが3点を取れるのはドラゴンが隣りのグループの一つ手前の空白のマスまでに止まった時です。5点を狙うのは難しいので、3点を着実に狙っていくのが賢明だと思います。
今回は4人で4ラウンドを行いました。ドラゴンの動きを予想するのはやはり至難の技です。5点でぴたり当てるどころか、ドラゴンは門をくぐって出て行ってしまうこともありました。ぽんさんが確実に3点を取っていき、一歩抜きん出て勝利。毎ラウンドいろいろな展開があって面白いです。
結果:ぽん 25、aya 21、自分 18、Kei 7
マネー Money (グリフォン版)
(プレイ時間 20分)
「マネー」は5人でも遊べる貴重な競り(交換)ゲームです。今回使ったのはグリフォンの本棚シリーズと呼ばれているシリーズの1番で、このシリーズはまだ続いているみたいです。7種類の通貨を5人で争うことになり、1種類を確実に(400点以上)して2種類目にも絡んでいきたいところです。今回はポンドとドルでしたが、一方が200を超えずに190だったので90点になってしまったのが、かなり痛かったです。
結果:ぽん 510、自分 390、aya 380、Kei 290、本棚 240
頭脳絶好調 カードゲーム Einfach Genial: Das Kartenspiel
(説明 15分 プレイ時間 各25分)
久し振りに遊ぶ「頭脳絶好調カードゲーム」です。4人プレイだと、それぞれのシンボルにつき、最大4点が取れるのですが、2つのエリアをまたいで進むことになるのでなかなかうまいタイミングで使うことはできません。2戦遊んで4位と2位でした。4点以上にはならないあたりが「アキシオロータ」に似ていますね。初手番からスタートプレイヤーは得点源となるカードが4枚あるので、スタートプレイヤーが有利なのではと思っていたのですが、序盤はカードが揃っていないので、ほとんど手番による有利不利はないと思います。
結果
1戦目:aya 7−8−8−10−10−10、らくだ 6−6−6−8−9−10、ぽん 6−6−6−7−7−8、自分 5−6−7−7−9−10
2戦目:ぽん 7−8−8−8−10−10、自分 6−6−7−8−10−10、らくだ 6−6−7−7−8−10、aya 4−5−6−6−7−7
サギ師 Hochstapler
(説明 5分 プレイ時間 3ディール45分)
4人で「サギ師」を遊びました。「サギ師」の欠点は1回だけだと合計で7失点しかないので、どうしてもタイになりやすいということです。なので、今回は誰かが失点10点になるまでやるというルールにも書かれているバリアントでやってみました。しかし4人で10点というのはかなり時間がかかり、3ディールで終わりとしました。誰かが5点になったら終了というくらいが良いのではないでしょうか。そのとき勝者(最低失点者)が2人以上いたら、決着がつくまでのサドンデスにするのが妥当だと思います。次回はこのやり方で試してみます。
結果:ぽん 3、らくだ 5、自分 5、aya 8
最後は、みんなで「ダブルオアナッシング」を遊びました(自分は説明係&見学)。これでクニツィア会は終わりだということですが、終わりを惜しむ声も多く、2月19日に「とりあえずクニツィア会」を行うようです。
https://twipla.jp/events/436008
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