土嚢の会も早いもので17回目となりました。この日は新規参加者もいて総勢15人と賑やかでした。目玉はネスターゲームズの渋シリーズを使った9x9の「アッパーハンド」。そしてキノさんが自作した「ピラミッド」です。さらに色々なテストプレイもできて、非常に充実した会になりました。
グリーン Green (グリーン グリーナー グリーネスト Green Greener Greenest より)
(説明 5分 プレイ時間 30分)
ネスターの3人専用ゲームは、これまで「レッド」「ブルー」と出版されてきたので次は「イエロー」なんじゃないかと予想していましたが、「グリーン」でした。色でなく光の三原色シリーズだったのですね。そしてこの「グリーン」は「グリーン・グリーナー・グリーネスト」という3つのゲームが1つになったセットで販売されており、3人用は「グリーン」、2人用は「グリーナー」、そして1人用のパズルが「グリーネスト」という名前になっています。
今回遊んだのは3人用の「グリーン」です。3人がそれぞれ緑、白、黒のいずれかを担当し、緑は白、白は黒、黒は緑だけを捕獲できるという3すくみになっています。ランダム配置ですべてのピラミッドを並べたら、縦横に移動して(他のコマを飛び越えるのは不可)、捕獲するだけです。移動だけはできず、手番では必ず捕獲ができる移動を行わなければなりません。合法手がなければパスですが、盤面が変化してまた捕獲ができるようになることがあります。3人が連続してパスしたら終了で、自分がコントロールしている(つまり自分の色が一番上の)ピラミッドの高さの合計が多い方が勝ちです。
既視感が強いゲームで、「ユニティ」や「ゼリカン」などと同じランダム配置、「アダプトイド3人用」や「ヤバレード」のような3すくみ、「デュボン」のような得点方法と、どれもどこかで見たことがあるシステムです。序盤はほとんど意味がなく、どれを取っても取り返されるので戦略の立てようがありません。終盤になってから少し面白くなります。のちに別テーブルで2人用の「グリーナー」も遊ばれていましたが、どうだったのか気になります。
結果:ルウイ 30、キノ 26、自分 25
ピラミッド Pyramido
(プレイ時間 15−20分)
クニツィアの古いアブストラクトゲームで、なかなかよくできています。個人的には「ペンギンパーティーの元になったんじゃないか」と勝手に思っています。入手難なので、キノさんの自作コンポーネントで遊びましたが、元のものよりもコンパクトで遊びやすいかもしれません。この日におそらく一番遊ばれていたゲームで、少しずつでもこういった知られざる名作が遊ばれるのは嬉しいものです。詳細レビューはここ。
結果
1戦目:自分 勝利、ルウイ* 敗北
2戦目:自分 勝利、しょう* 敗北
アッパーハンド Upper Hand (9x9)
(プレイ時間 各10−15分)
エアンヌ&菊子さんが渋シリーズのボールを大量に買ったので、自分のと合わせて9x9のアッパーハンドを遊びました。7x7だと140個(70個ずつ)のボールが必要ですが、9x9だと285個(142個ずつ+中立1個)という莫大な数のボールが必要になります。以前ASGSで中島さんが作ったビー玉使用の9x9を遊んだことがあるのですが、ボールのサイズが一定ではないので上の方では崩れてしまいます。渋シリーズのボールは高価ですが、非常に正確にできているので、9x9でも問題なく綺麗に積み上がるのが壮観です。
7x7とはかなりプレイ感覚が異なります。7x7よりもさらに2層も層があるのです。よって、上に置くことに固執するよりも地を固めるほうが大切に思ます。上を取っても脇から固められると乗っ取られてしまうのです。また、ボードが十分に広いからか、先攻後攻による有利不利があまりないのは素晴らしいです。一時は後攻が有利なのではと思ってしまったほどですが、五分五分くらいかもしれません。中立のボールがあることも理由の一つだと思います。9x9は奇数路盤で中立のボールがあるという点では製品版である5x5の正当な後継者だと言えるでしょう。ボールの数が倍なので時間も倍かかると思いきや、そこまではかかりませんでした。
まず3回菊子さんと遊び(ここで後手が2回勝ったので後手優勢論が出た)、「ヴォロー」のあとに折口さんと2回遊びました。計5回です。1人ではボールの数が足りなくて遊べないのが難点ですが、ネスターの渋シリーズを3人が持っていれば遊べるかもしれません。まるで「看板娘」の15人プレイのようです。またぜひ遊びたい。
結果
1戦目:菊子 6、自分* 0
2戦目:自分* 2、菊子 0
3戦目:自分 15、菊子* 0
4戦目:折口* 30、自分 0
5戦目 自分* 6、折口 0
トリット Tritt
(プレイ時間 各5−10分)
トリットはネスターの初期のゲームで去年あたりにルールが変更になり気になっていました。ルールを見てみると、これまで相手のトリット(コマ)を動かすときは1マスだったのが、何マスでもよくなっただけに思えます。さほどプレイ感は変わらずに、いまひとつなのではという結論だったのですが、実はさらに新しいルールがあり、それをプリントアウトしたつもりでしていなかったということが帰宅後にわかりました。本来のルールでは手番に自分のコマを置くことと、相手のコマを動かすことの両方をやらなければならず、自分のコマを置いて3連を作るのは禁止になっています。これは結構プレイ感覚が変わるかもしれません。近いうちに検証してみます。
結果
1戦目:自分 勝利、土井* 敗北
2戦目:自分* 勝利、土井 敗北
3戦目:土井* 勝利、自分 敗北
ヴォロー Volo
(プレイ時間 各5−10分)
佐藤さんが友人を2人連れてきてくれました。ヴォローのセットが2セットあったので、4人で2人ずつに分かれて同時にヴォローを遊びました。こうするとルール説明は1回で済むので良いですね。自分は佐藤さんと対戦したのですが、この動く感覚が最初は難しいようです。動き方も独特で、シュタインらしいですね。
結果
1戦目:自分* 勝利、佐藤 敗北
2戦目:自分 勝利、佐藤* 敗北
ツタンカーメン Tutanchamun (アウトオブザボックス版)
(説明 10分 プレイ時間 25分)
折口さん持参の「ツタンカーメン」を借りて4人で遊びました。このアウトオブザボックス版は得点ボードの代わりにコインを貯金箱のようにスリットから入れるようになっています。雰囲気はあるのですが、面倒になって中盤以降はみんなピラミッドを持ち上げて下から直接入れてしまいます(意味がない!)。絵柄もアミーゴ版よりも柔らかく18歳以下でも問題なく遊べるのではないでしょうか。
このゲームはボードをよく観察して、効率よく1位2位を取り、最後はダッシュすることが大切です。手軽ですが、マジョリティー争いとは何か、を何の飾り気もなく出したようなゲームです。
結果:自分 0(勝利)、えあんぬ 5、ひげ 8、しょう 9
グラビタス Gravitas
(プレイ時間 各10分)
インテレゴ・ホルツシュピールのクニツィア3部作のひとつで、「古代ローマの新しいゲーム」の「元老院議員」を基にしたようなゲームです。各プレイヤーはタイルをボードの端からスライドさせて入れます。既にいっぱいになった列には入れられません。こうして各12枚すべて入れ終わったら決算です。決算方法が異なるゲームが3種類あり、今回は縦横計10列の直線で3連以上が自分のタイルなら得点になるというラインゲームを遊びました。中立のタイルは0点ですがどちらにも数えること、そして5連だと倍になることがなかなか面白いです。
結果:(ラインゲーム)
1戦目:自分 30、とけい* 23
2戦目:自分* 22、とけい 16
ヤバラックス Yavalax
続けて、とけいさんとヤバラックスを遊びました。13路盤でもほとんど決着がつきますね。盤端を使った戦術などを(もしあるのならば)考えてみても面白いかもしれません。ヤバラックスでは盤端に売っているのを見かけたことがありますが、有効なのかどうか気になります。
結果:自分 勝利、とけい 敗北
スチーム ウォーズ Steam Wars
「スチームウォーズ」はロボットの戦闘をテーマにしたゲームですが、運の要素が全くないアブストラクトゲームです。ルールはかなり複雑で、自分は最後まで細かいところを理解していませんでした。自分のコマも3種類あり、それらを置ける条件がわかりづらいです。基本的には自分の歯車コマを多く置いて、占領することが目的です。自分のロボットは攻撃にも防御にもなりますし、複数の勝利への道が用意されていることなどなかなか意欲的な要素もあります。かなり疲れていた自分にはルール把握ができずに辛かったので、また機会を改めて遊びたいです。
結果:戦闘員ディー 勝利、自分 敗北
終了後は1階のパスタの店で夕食です。お腹ぺこぺこで、ゲーム会の最中にはサンドイッチ以外何も食べなかったのはやはり身体には良くなかったようですね。終日ゲーム会の時にはきちんと途中で食べるようにしなければ。
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