フジマキさん主催のクローズ会に参加しました。短時間でシンプルなクニツィアのゲームを中心に、みんなで和気藹々と遊べました。
ブンブンかくれんぼ Honigbienchen
(説明 5分 プレイ時間 各5-10分)
クニツィアの蜂ゲーム第1弾は「ブンブンかくれんぼ」です。簡単なゲームが遊びたいというまここさんのリクエストで、4歳以上という子供ゲームにしてみました。記憶のゲームなのですが、どんどんと蜂の巣が移動するのでなかなかすべて覚えきれません。蜂の巣を3つ集めてあと1つ、というところまでは何度か行ったのですが、勝ち切れず。最後は2戦とも、きたやまさんが2つ持っての勝利。
結果
1戦目:きたやま 2、まここ 1、こん 1、しお 1、自分 1
2戦目:きたやま 2、まここ 1、こん 1、しお 1、自分 1
はちみつくまさん Honeybears
(プレイ時間 35分)
クニツィアの蜂ゲーム第2弾は「はちみつくまさん」です。偶然に蜂のゲームが続いただけなのですが、蜂というのはけっこう良いモチーフなのかもしれません。
こちらはかなり悩ましいレースゲームで、1のペアが5点というのがとても良い味を出しています。第3ディールでは、まここさんが左隣りのこんさんの思うがままにワイルドカードで青を進めて、こんさんは一気に34点という大量得点。これはなかなか見られません。きたやまさんと自分は終始運が悪く、完全に出遅れてしまい追いつけず。
結果:こん 105、しお 94、まここ 76、自分 51、きたやま 46
珍獣動物園 Einfach tierisch!
(説明 5分 プレイ時間 各10分)
続けて3人で「ハイソサエティー」のアミーゴ版である「珍獣動物園」です。このバージョンは結構久し振りですが、絵柄がユーモラスで良いですね。このゲームの良いところは、そのプレイヤーによって、そしてグループによって、相当相場や考え方が異なることです。なので熟練者が初心者に勝つことも結構難しいのです。今回は、思いの外みんなお金を使わずに、2回とも所持金最少で負けてしまいました。
結果(カッコ内は所持金)
1戦目:こん 22(28)、ひろぽん 11(29)、自分 19(12x)
2戦目:ひろぽん 7(51)、こん 4(50)、自分 24(28x)
バベルの塔 Der Turmbau zu Babel
(説明 10分 プレイ時間 45分)
これも久し振りに持ち込んだ「バベルの塔」です。提示したカードを手番プレイヤーに拒否されると得点になる、という独特のルールがピリリと効いており、ジレンマを高めています。どうしてリメイクの「プラネットラッシュ」ではこの部分を削ってしまったのかは、本当に不可解です。それはさておき、ニョッキさんは序盤からこのジレンマを楽しんでくれたし、誰が勝ってもおかしくない接戦で最後まで楽しめました。
結果:自分 70、ミヤ 68、しお 68、ニョッキ 62
バンパイア Vampir
(プレイ時間 各15-20分)
クニツィアのゴルトジーバー三部作のひとつ。ラミー系ともいえる「バンパイア」です。カナスタなどと同様に数字はなく、場からすべて取るというのがなかなか面白いです。よく考えたら「スパイ」にも似てますね。場から取るのは効率が良いので是非狙いたいところです。
結果
1:自分 28、ミヤ 25、こまり 23、にょん 20
2:自分 31、ミヤ 25、こまり 23、にょん 23
ツインズ Twins (オインクゲームズ版)
(説明 10分 プレイ時間 30分)
携帯性に優れたオインクゲームズ版の「ツインズ」です。ツインズとペアの違いを説明する時に白と黒があるのですが、インデックスの部分が白のカードは中央の人のシルエットが黒、インデックスが黒のカードはシルエットが白なので、お洒落なのですが説明しづらくわかりづらいです。黒が2枚といつつ、白が2枚にも見えるし。
自分は序盤に大きく稼いだ以外は徐々に沈んでいきました。破産寸前だったにょんさんが、大きく稼いで一気にトップに躍り出たのがクライマックスですね。5ディール目できたやまさんが破産して終了。自分はプラスマイナス0の12点でした。
結果:にょん 25、しんかい 18、自分 12、スナギモ 8、こういち 4、きたやま 0(破産)
リグレット Ligretto
(説明 10分 プレイ時間 各5分)
ドイツ人のアントンさんとダニエラさんに教えてもらったゲーム。トランプで遊ぶスピードの系統で、あとで調べるとどうも1960年からあるという古いゲームのようです。各自10ランク、4スートの同一のデッキを持ちます。裏面が異なるので誰のカードかがわかるようになっています。これを裏向きに10枚山札として置き、この10枚を使い切るのが目的です。さらに3枚を横に並べて、山札の1番上も含めて4枚を一斉に表にします。リアルタイムでそれぞれのスートで昇順のシークエンスをみんなで作っていくのです。つまり最初は1しか出せず、1の上には同スートの2しかだせません。場に制限はないので、1が8枚くらい並ぶこともあります。山札の一番上を出すと次のカードを表向きにします。横に並べた3枚を使っても同じです。また残ったカードの手札は3枚ずつ取って見て使うことができます。このルールがなんだかよくわからなくて(1枚ずつ見てもいいのでは、と思っていた)腑に落ちなかったのですが、あとでギークでルールを見るとこれで正しいようです。なんだか不可解なルールですね。7人で3回ほど遊びました。
結果:不明(アントン、ダニエラ、冬子、しんかい、菊子、エアンヌ、自分)
リカーーーリング Recurrring
(プレイ時間 2ディール35分)
ここで、賽苑のリカーーーリングです。エアンヌさんも菊子さんもこのゲームは好きだということで、初プレイの冬子さんを交えて理想と思われる4人で遊びました。時間の関係で2ディール戦です。1ディール目は自分がうまく勝ち切ったものの、2ディール目は冬子さんが要所要所でパスをしてきてなかなか混戦模様になり、最後は冬子さんが1点勝ち。
結果:自分 24、冬子 15、菊子 10、エアンヌ 7
メディチ カードゲーム Medici: The Card Game (コザイク版)
(説明 10分 プレイ時間 45分)
「メディチカードゲーム」は2016年にコザイク/グループSNEから、翌2017年にグレイルゲームズからそれぞれ発売されました。クニツィア3大競りゲームのひとつである1995年の「メディチ」から、競りの要素を除いたゲームです。ちょうど「モダンアート」と「モダンアートカードゲーム」の関係に似ています。クニツィアのゲームでXXカードゲームというとXXから競りを抜いたものになるのかもしれません。
各ラウンドで1枚ずつ3枚までめくること、各プレイヤーはラウンドで5枚までしかカードを獲得できないこと、カードの数値合計と5種類の交易品の個数の両方の相対順位を競うこと、得点が最少のプレイヤーから次のラウンドを始めること、といった要素はボードゲーム版「メディチ」を受け継いでいます。競りの代わりに3枚までめくって獲得するというシンプルなルールになりましたが、悩ましいのは最後にめくったカードは必ず獲得しなければならないということです。
コンポーネントはカードが110枚と得点コインが41枚だけというシンプルさです。カードは5種類それぞれの交易品につき19枚ずつで計95枚、それに加えて交易品がない数値だけのカードが15枚あり、総合計は110枚です。19枚の交易品カードの内訳は、数値2-5(それぞれ交易品1個)が4枚ずつと数値0(交易品2個)が2枚、そして数値0(交易品1個で紫色)が1枚です。15枚の交易品がないカードの内訳は、数値7が10枚、数値2(紫色)が5枚です。紫色のカードは110枚中10枚あることになります。
ゲームの目的は3ラウンドを通してもっとも多くの得点コインを得ることです。ゲーム開始時は0点から始めます。110枚すべてのカードをよくシャッフルして山札としたらゲーム開始です。手番には山札のカードを1枚ずつ、3枚まで任意の枚数をめくります。どこで止めても構いません。既にカードがめくられて並んでいるならば、まったくめくらなくても構いません。めくったカードはそれまでのカードとともに1列に並べます。そして、列の最後のカード(つまりカードを1枚でもめくったときには、最後にめくったカード)は必ず取らなければならず、それに加えてその前の2枚を任意に(どちらか1枚でも、あるいは両方でも)取ることができます。獲得したカードは皆に見えるように自分の前に並べます。
それぞれのラウンドで各プレイヤーは5枚までしかカードを獲得できませんが、紫色のカードはこの枚数制限に含まれません。5枚目を獲得したらこのラウンドでの手番はもうありません。これ以降、めくって紫色のカードだけ取るということはできないのです。1人を除いて全員が5枚獲得したら、その最後の1人にはあと1回だけ手番があります。これでラウンドは終了し決算に入ります。
決算では、まず獲得したカードの数値合計の相対順位により得点が入ります。これはボードゲーム版の「メディチ(新版)」とまったく同じ得点体系で、6人の場合は1、2、3、4、5位にそれぞれ30、20、15、10、5点が入ります。その後、交易品のない数値だけのカードをゲームから除外し、交易品ごとに自分の倉庫エリア(自分の前の獲得したカードを並べているエリアの隣り)に並べて、交易品の数の相対個数を競います。2ラウンド目以降は、この倉庫エリアに獲得した交易品カードを加えていって、獲得した交易品の累計個数を競うのです。カードそのものが、ボードゲーム版での交易品トラックの代わりになっているというわけですね。得点体系はやはりボードゲーム版と同じく1位10点、2位5点です。さらにボーナスとして、それぞれ交易品を5個獲得しているプレイヤー全員に10点が与えられます(バリアントでは、さらに8個まで増やせば20点です)。これは独占ボーナスと呼ばれていますが、独占しているわけではないので、分かりづらいネーミングです。なお、このボーナスだけはボードゲーム版と少々異なります。ボードゲーム版では交易品6個で10点、7個で20点です。
場に出ているカードはすべて山札に戻してリシャッフルし、次のラウンドはもっとも得点の少ないプレイヤーから行います。カードのリシャッフルは6人だと必須ですが、4人以下だとカードが十分にあるのであまり必要性を感じないかもしれません。3ラウンド後に最も得点の高いプレイヤーの勝利です。
競りがなくなり、山札のカードのめくりが中心なので、ボードゲーム版「メディチ」よりもずっと軽いゲームです。感覚としては「フロカティサーカス」「近衛兵(古代ローマの新しいゲームより)」「チーキーモンキー」などをもう少し複雑にしたという感じです。
カード枚数110枚というのは、ボードゲーム版「メディチ」のカード枚数36枚に比べると約3倍ですが、3ラウンドを通してリシャッフルせずにカードを使うので3倍のカードが必要になるのです。6人だと獲得枚数に含まれない紫色のカードを除くと最多で90枚(6人x5枚x3ラウンド)必要ですが、紫色以外は計100枚なので、3ラウンドを通して10枚しか余裕がありません。もっとも、ボードゲームと違ってそれが競りで流されることもないので、十分な枚数なのですが。
カードはなかなかバランスが取れており、悩ましいです。数値7の交易品なしのカードを取って、数値の相対順位を上げるべきなのか、あるいは数値0のカードでより多くの交易品を得るべきなのか、とジレンマも分かりやすいです。紫色のカードは無条件で良いカードなのですが、全体の11分の1しかないのでこれを多く得るためには多くをめくらなければなりません。でもそれには当然リスクが伴います。また何と言っても最後にめくったカードは強制的に獲得しなければならないというルールが秀逸です。
交易品はそれぞれ21個ずつあるので、6人プレイの場合は自ずと上限が見えてきます。その辺りにも注意を払ってプレイするとより戦略的になるでしょう。5個以上を獲得しても、まだまだ1位争いには気を抜けないのはボードゲーム版とはかなり異なる感覚です。なお、ボードゲーム版「メディチ」と異なり、得点は5点刻みなので、交易品で2-3人がトップタイだと5点ずつ、2人以上が2位タイだと0点です。点差が出づらいゲームなので、ここは1点刻みにしたほうが良かったのではないかと思います。
初版であるコザイク/グループSNE版(2016年)と翌年にオーストラリアから出版されたグレイルゲームズ版(2017年)があり、コンポーネントはその前後にそれぞれの出版社からリリースされたボードゲーム版「メディチ」と似ています。ボックスアートはコザイク版ではどちらも同じで、先に出たカードゲームはあとから出たボードゲームのグラフィックの上半分となっています。これはアミーゴ版の「メディチ」のグラフックが、のちの「メディチ対ストロッツィ」のグラフィックに拡張されたのを思い起こさせます。もっともコザイク版の場合はおそらく先にボードゲームのグラフィックがあり、それを一部切ってカードゲームのグラフィックにしたのだと思われますが。これに対し、グレイルゲームズ版は明るい青を基調とした鮮やかなグラフィックで、雰囲気を似せながらもボードゲームとカードゲームのグラフィックは異なります。
主要なコンポーネントであるカードは、コザイク版では初版のアミーゴ製の「メディチ」と似た雰囲気ですが、どうも平面的なグラフィックで見劣りがします。でもプレイアビリティーは悪くないです。グレイル版は、ボックスアート同様に鮮やかな色合いのグラフィックです。こちらでは獲得枚数に含まれないカードは紫色ではなく緑色です。不思議なのは、どちらの版もボードゲーム「メディチ」よりもカードのサイズが大きくなっていることです。これは逆の方が良かったのではないでしょうか。かなりテーブススペースが必要なゲームなので、カードゲームこそ小さなカードの方がプレイアビリティーが増すのではないでしょうか。
コザイク版の最大の問題点は、箱がギリギリのサイズにできているので、コインを袋に入れてしまうと箱に入りきらないことです。自分は、コインはバラバラのまま箱の仕切りの下に並べて収納しています。
グレイル版の長所としては、プレイヤー分のサマリーシートがあり、カード構成や得点体系が分かるようになっています。このサマリーシートで不思議なのは、0のカードには0と書かれていることです。実際のカードには書かれていないので、おそらく直前でデザインを変更したのではと思われます。
各エディションの違い
サマリーシート
コザイク版:なし
グレイル版:あり
コイン枚数
コザイク版:50x9枚、10x24枚、5x8枚、計41枚
グレイル版:50x12枚、10x30枚、5x12枚、計54枚
この日は最後の締めのゲームとして6人で遊びました。エアンヌさんは遊んだことがあるそうですが、これまではあまり良い印象を持っていなかったみたいです。でも3ラウンドに渡る熾烈な産物のマジョリティー争いがわかってくると面白いと言っていました。自分は1ラウンド目に合計数値に目がいってしまい、交易品でかなり出遅れてしまいました。手番で最後にめくったカードは取らなければならないので、ほどほどのところで妥協するという大人の判断が必要とされます。それができずに、終わってみれば最下位でした。6人でもさほどダウンタイムは長くないし、90年代的なプレイヤーインターアクションも、きちんと残されていて、素晴らしいゲームです。
結果:エアンヌ 140、きたやま 120、冬子 110、にょん 90、菊子 70、自分 60
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