ボードゲームサークル まんまる 2017.04.09

夕方からまんまるに参加しました。



リカーーーリング Recurrring
(プレイ時間 各40-70分)
Recurrring20170409.JPGあまりボードゲームを遊んだことがないというので、まずはカードゲームの「リカーーーリング」です。最初はみなどうしても場札を取るのを忘れてしまうみたいですが、それがこのゲームの本質なので致し方ないところです。経験者としてなんとか1位を守りました。2戦目は「ハリガリ」のあとにプレイ。今度はみなゲーマーですが、意外にも「このゲーム難しい」の連発。確かに勝ち方というのがわかりづらいのですが、それが魅力だと思うので、これも仕方ないところです。2ディール目を終えてこじこじさんと1点差でしたが、最終ディールで引き離されました。こじこじさんは3ディールとも「5を5枚」で得点しており、4人プレイだともしかしたらこの「5を5枚」が非常に強いのかもしれません。もちろんタイミングにもよりますが。

結果
1戦目:自分 31、たか 27、にゅうだ 23、ゆっこ 10、しの 9
2戦目:こじこじ 35、自分 28、じゅん 12、だだ 12



フリント船長の財宝 Der Schatz des Käpt'n Flint
(説明 5分 プレイ時間 各10分)
KaptnFlint-Boxes.JPG「フリント船長の財宝」はクニツィアがデザインし、2005年にピアトニクから出版された3-5人用のゲームです。プレイヤーは、6つの島に手札からカードを配置して、ゲームの終了を見計らいながら高得点の宝箱を獲得することを目指します。このゲームはテーマを変えて何度かリメイクされています。「デッドマンズトレジャー Dead Man's Treasure(プレイルーム、2006年)」は「フリント船長の海賊」と同様に島に残された海賊の宝箱、「コズミックパイレーツ Kosmiczni Piraci(エグモント、2014年)」は宇宙の海賊、そして「フルーツスパイ Fruit Spy(ジョリーシンカーズ、2016年)」は果物を盗む動物というテーマです。なお、同作者で同名の「フリント船長の財宝」という2人用ゲームがシュピールポックスの付録で1991年に出版されていますが、これは2人用のアブストラクトゲームで、ルールは全く異なります(詳しいレビューはこちら)。

KaptnFling-Boards.JPGゲームの前に、島が描かれた6枚のボードを自由に円環状に配置します。この6枚のうち2枚はフリント船長 Captain Flint(黒)とベン・ガン Ben Gun(赤)のコマのスタートの島で、それぞれのコマを置きます。ボードの組み合わせは本質的には5通りです。最後に20枚の宝箱トークン(1、2、6、7が2枚ずつ、3、4、5、が4枚ずつ)を裏向きにしてよく混ぜ、5人プレイのときはフリント船長とベンガンがいない島のうち2つを任意に選んで4枚ずつ、それ以外の4つの島には3枚ずつ置いてから、すべて表向きにします。4人のときは、すべての島に3枚ずつ、3人の時はすべての島に2枚ずつです。宝箱に書かれた数字が得点を示します。そして各プレイヤーは自分の色のカード8枚(数値1-7と大砲)を手札にします。

KaptnFlint-Cards.JPG手番には手札からカードを1枚裏向きにして任意の島に配置します。そのときすでにその島に配置された裏向きのカードがあれば、それを表向きにして、その右隣りに並べます。つまり、一番最後に置かれた1枚だけは見られず、それ以外は徐々に公開されるのです。ただし、大砲が表向きになったときは、配置したカードと両方を捨て札にします。大砲以外のカードが表向きになったときは、その島にいるフリント船長、ベン・ガンのコマをそれぞれ反時計回り、時計回りに隣の島に移動します(カードが置かれた時ではないことに注意してください)。

KaptnFlint-Figures.JPGこうしてどちらかのコマがボードを1周してスタートの島に戻るか、全プレイヤーがすべての手札を出し切ったらゲーム終了です。裏向きのカードをすべて表向きにして決算です。最もカード合計値の高いプレイヤーから最も高い宝箱を獲得します。つまり2位は2番目、3位は3番目に高い宝箱を得るのです。もし宝箱が余ったら1位のプレイヤーが残りをすべて獲得します。なお、10と書かれたベン・ガンのコマは、10点の動く宝箱として扱います。さらに、フリント船長のいる島は無得点で、その島にあるすべての宝箱(ベン・ガンも含む)とカードは捨てられます。カードの合計値が同じ場合には、時計回りに隣りの島で、より合計値が高い方が優先されます。それも同じならば、さらに時計回りに隣りの島、というようにタイブレークが解決されます。全部が同じ時にどうするかは書かれていないのですが、おそらくそれは起こらないでしょう。なおフリント船長がたどり着いた島のカードは捨てられるので、このタイブレークの役割もしないことに気をつけてください。

KaptnFlint-StartingBoards.JPGシンプルで短時間ながらも、考えどころがあるゲームです。フリント船長とベン・ガンの2つのコマは全員の集団心理で動いていくので、他のプレイヤーの思惑を常に考えなければなりません。最後は有利だと思ったプレイヤーが終わらせるというあたりは「フリンケピンケ」に似たものがあります。2つのコマのどちらかはスタート地点に戻るのが通常ですが、煮詰まった展開になるとカード切れで終わるので、必ずしもそうならないのが難しい所です。

またカードが少しずつ公開されていくので、他のプレイヤーが置いた裏向きのカードがだんだん推測できるようになります。とくに「デッドマンズトレジャー」以降のバージョンではカードの裏がプレイヤー色になっているので、この推理がしやすくなっています。カードを全部使い切ることはまれなので、どこまで低い数値のカードを残しておくかは考えなければなりません。最後に高い数値のカードが手札に残ってしまってはもったいないです。

KaptnFlint-Points.JPG大砲は最初は使いどころが難しく、手番を損するように思えるかもしれません。自分が優勢な島を守るために置いたり、フリント船長やベン・ガンの動きを緩めたいときに置いてゲームを長引かせるなど、色々な使い方があります。大砲が置かれると次のカードは大砲とともになくなり、その次のカードは裏向きで、どのカードも表向きにならないので、この島に関しては2回はカードが表向きにならずコマがあっても動きません。

クニツィアらしい切れ味のあるゲームですが、おそらく一番影響を受けているゲームは、同作者の「ビジネス」です(シュピールボックス、1993年 または、ゲームリンク、2010年)。こちらは完全公開情報のゲームで、カードの代わりに各プレイヤーは20個のコマを持ち、手持ちから好きなだけ置きますが、同じ場所には2度と置けないというシビアなゲームです。2つのコマやそれらの役割も同じです。「フリント船長の財宝」は「ビジネス」にカードプロットの要素を加えて遊びやくすしたゲームと言えるでしょう。

各バージョンの、コンポーネントやルールの相違は以下の通りです。

2つのコマの名称
フリント船長の財宝:フリント船長、ベン・ガン
デッドマンズトレジャー:フリント船長、ベン・ガン
コズミックパイレーツ:海賊船、商船
フルーツスパイ:ファーマー・パパ、ダリー

ボードの形状とボードが表している場所
フリント船長の財宝:台形、島
デッドマンズトレジャー:楕円形、島
コズミックパイレーツ:正方形、惑星
フルーツスパイ:長方形、農家

得点チップの名称
フリント船長の財宝:宝箱
デッドマンズトレジャー:宝箱
コズミックパイレーツ:財宝
フルーツスパイ:果物

5人の時の準備
フリント船長の財宝:コマのない島2つに4枚ずつ、残りに3枚ずつ(和訳は誤訳あり)
デッドマンズトレジャー:コマのない島2つに4枚ずつ、残りに3枚ずつ
コズミックパイレーツ:コマのない惑星2つに4枚ずつ、残りに3枚ずつ
フルーツスパイ:コマのある農家2つに4枚ずつ、残りに3枚ずつ

カードの裏面
フリント船長の財宝:すべて同じ
デッドマンズトレジャー:プレイヤー色
コズミックパイレーツ:プレイヤー色
フルーツスパイ:プレイヤー色

「大砲」カードの名称
フリント船長の財宝:大砲カード
デッドマンズトレジャー:大砲カード
コズミックパイレーツ:テレポートカード
フルーツスパイ:武器カード

「大砲」カードが表になったときの直後のカード
フリント船長の財宝:記述なし
デッドマンズトレジャー:全員に見せてから裏向きに捨てる
コズミックパイレーツ:見ないで捨てる。
フルーツスパイ:全員に見せてから裏向きに捨てる

決算の順番
フリント船長の財宝:任意
デッドマンズトレジャー:フリント船長の島の時計回りに隣りの島から、時計回りに順番に
コズミックパイレーツ:任意
フルーツスパイ:任意

カードの数値合計が同じ時のタイブレーク
フリント船長の財宝:時計回りに隣りの島(フリント船長のいる島を除く)
デッドマンズトレジャー:反時計回りに隣の島(フリント船長のいる島を含む)
コズミックパイレーツ:反時計回りに隣りの惑星(海賊船のいる惑星のカードを除く)
フルーツスパイ:反時計回りに隣りの農家(ファーマー・パパのいる農家を除く)

点数合計のタイブレーク
フリント船長の財宝:なし(和訳は誤訳あり)
デッドマンズトレジャー:フリント船長の島の反時計回りに隣りの島
(フリント船長の島の時計回りに隣りの島から時計回りに得点計算をするので、この島は最後に得点計算をした島になる。これが同点の時はカードのタイブレーク同様に反時計回りを順に見る)
コズミックパイレーツ:なし
フルーツスパイ:なし


FruitSpy-Cards.JPGもっとも大きな違いは、カードの裏面です。「フリント船長の財宝」では裏面がすべて同じなので、誰が出したカードなのかをよく覚えておく必要があります。これを逆手にとって、同じ島に続けてカードを置いて、2人が争っているように見せかけることができます。一方で、「デッドマンズトレジャー」以降のバージョンでは裏面はプレイヤー色なので、誰がどこに出しているかは明らかです。特に大砲カードは自分が裏向きに出したカードに続けて、優位性を保つために出すことが多いのですが、裏面が異なると、同じ場所に続けて出しているのが一目瞭然なので、大砲だということがバレやすいです。よって大砲カードが使いづらいかもしれません。

他にも細かい違いが多くあります。特に「デッドマンズトレジャー」は決算の順番が厳格に決められており、タイブレーク解決が少しだけ異なります。点数が同点の時のタイブレークがあるのもこのバージョンだけです。タイブレークになる隣りの島は時計回りなのか反時計回りなのかについては、「フリント船長の財宝」だけが異なりますし、大砲カードの直後のカードについては「コズミックパイレーツ」だけが異なります。また「フルーツスパイ」では全てのカードのイラストが異なり、大砲に当たる武器カードの武器もさまざまです(上の写真)。

注意しなければならないのは、上記のように「フリント船長の財宝」の和訳の一部でいくつか誤訳があることです。5人の時の準備はなぜか「フルーツスパイ」と同じにコマがいる島に4枚ずつの宝物、となっています。これだと、ベン・ガンが戻ってくると宝箱が5つあることになってしまうので、やはり元のルールの方が良いでしょう。「フルーツスパイ」のルールがおそらく間違いなのではと思われます。また、「フリント船長の財宝」では、なぜかタイブレークとしてベン・ガンを持っているプレイヤーになっていますが、原文にこの記述はありません。このタイブレークだと、該当しない場合も多く、いずれにせよ中途半端です。

KaptnFlint20170409.JPG今回は、5人プレイを2回遊びました。みんなあまりゲームをやったことがないということですが、いろいろなレベルで遊べるのがこのゲームの良いところです。高得点の宝箱を狙うも良いし、またほどほどの場所で独占を画策するのも良いでしょう。やはり終わるタイミングをうまく見計らうことが、そして3通りあるうちのどの終わり方なのかを見極めることが大切です。1戦目はわりと接戦でなんとか1位になれましたが、2戦目はうまいタイミングでゲームが終わってくれたこともあり、大勝しました。1ゲーム10分なので、何度も遊べるのも良いですね。

結果
1戦目:自分 18、しの 15、にゅうだ 15、たか 14、ゆっこ 13
2戦目:自分 27、しの 14、ゆっこ 13、たか 11、にゅうだ 11



為替裏取引 Pan tu nie stał! Cinkciarz
(プレイ時間 各15-20分)
Cinkciarz20170409.JPG「マネー」のポーランド語のエグモント版で Pan tu nie stał! シリーズのひとつです。このシリーズは「Pan tu nie stał! 長蛇の列」(万里の長城のリメイク)「Pan tu nie stał! Demoludy 共産圏旅行」(アタック/ジェムディーラーのリメイク)が出ており、今回がおそらく3作目です。

グラフィックがとても美しく、また山札を置くためのボードも付いています。カードにはどのスートにも属さない10の硬貨と同様に、あらたに20の硬貨が加わりました。また同種の硬貨を3枚集めても100のボーナスがつきます。おそらく20の硬貨の価値が、かなり高いのではないでしょうか。ちょっとバランスが心配です。ただルールがちょっとあやふやなので、もう一度きちんと翻訳してから遊びたいです。

結果
1戦目:ゆっこ 630、にゅうだ 590、しの 410、自分 360、たか 190
2戦目:にゅうだ 680、自分 630、たか 510、しの 510、ゆっこ 390



ハリガリ Halli Galli
HalliGalli20170409.JPG手番になったら自分のデッキから1枚を表向きにめくって、場の1種類の果物の合計が5になったらベルを鳴らします。最初にベルを鳴らした人は、場にあるすべてのカードを取って自分のデッキの下に入れます。自分のデッキがなくなったら脱落。最後まで残った人が勝利です。経験者のだださんとこじこじさんが仲良く同時に脱落。初プレイのゆっこさんが、序盤は出遅れたものの、その後健闘しました。最後はジャンクさんと自分の一騎打ちで、自分が勝利しました。あまり遊んだことがない(前回は10年以上前かも)のですが、自分に向いているゲームなのかもしれません。

結果:自分 (勝利)



マウアー Die Mauer
(プレイ時間 25分)
道化師さん持ち込みの「手本引き」のようなゲーム。先に手持ちのコマをすべてなくすことを目指します。親が握ったものと同じコマを握れば、親の代わりに置けます。ただしバッティングすると置けないケースが多いので、6人だとバッティングが多発して爽快感があまりないのが残念です。一応3ラウンド制らしいのですが、今回は時間の都合で1ラウンドで終了。(写真撮り忘れ)

結果:だだ 0(勝利)、まいきぃ -1、れっど -3、道化師 -10、自分 -17、じゅん -31



スティック スタック Stick Stack
(プレイ時間 各10分)
StickStack20170409.JPG「ジェンガ」「ヴィラ・パレッティ」のようなバランスゲームです。ランダムに袋から引いたスティックを塔の上に乗せていきます。このとき、スティックの色が乗せる部分の他のスティックや塔の色と合致していなければなりません。塔は下の方がバネでぐらぐらしており、いずれは崩れる運命です。崩したら負けです。7人くらいで遊びました。次の自分の手番までには誰かが失敗するだろうと思うと、手番が回ってきてしまいます。2回遊んで2回ともまいきぃさんが崩してしまいました。

結果
1戦目:まいきぃ 敗北
2戦目:まいきぃ 敗北



キングアーサー King Arthur: Das Kartenspiel
(説明 10分 プレイ時間 25分)
KingArthurDasKartenspiel20170409.JPG最後はHTPさんたちと久し振りの「キングアーサー」です。「上級ルールの紋章トークンありの方が良いの?」と聞かれたので「もちろんそうだよ」と回答。一般的にクニツィアのゲームは上級ルールで真価を発揮するものが多いです。紋章があるとすぐに手札にできないために高得点のカードを得るタイミングで負けてしまうことがあります。そのために二重攻撃や追加攻撃があるのですが、これはカードを倍使うので効率が悪く、使うタイミングが難しいでしょう。今回は自分は使わずに、最後から2枚目の得点カードを取ってゲームを終わらせて勝利。「ロンドン略奪事件」も面白いですが、こちらも悪くないですね。

結果:自分 39、まいきぃ 33、HTP 32、道化師 27、ジャンク 25

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