ネスターゲームズはそのペンシルケースに入った形状から、愛情を込めて「土嚢」と呼ぶことがあります。そのネスターゲームズからのアブストラクトゲームを中心に、さまざまなアブストラクトゲームを遊ぶ会が「土嚢の会」です。第2回を去年12月に行った以来、今回が3回目となります。現在は不定期ですが、そのうち定期的に集まりたいですね。今回は渋谷のビーズという貸しスペースを使い、総勢14人が集まりました。(結果の*印は先手を表します)今回は、土嚢の積み上がった集合写真を撮り忘れました。
アクロン Akron(8x8)
(プレイ時間 各15−35分)
久し振りに遊ぶ「アクロン」です。マーブルを使ったゲームでは最も好きなゲームの1つで、マーブルを動かす、動かすことにより上のマーブルがスライドする、という3Dならではの面白い動きがあります。一応8x8の通常ボードの他に、10x10の上級者ボードも持っていきましたが、今回は8x8のみを遊びました。
1戦目は川崎さんと、そして2、3戦目は「リミット」のあとにキノさんと遊びました。この日は一度も勝てず、0勝3敗です。全体的に、連結することを焦り過ぎました。
結果
1戦目:川崎* 勝利、自分 敗北
2戦目:キノ* 勝利、自分 敗北
3戦目:キノ 勝利、自分* 敗北
ユニティ Unity
(プレイ時間 20分)
自分のコマをすべて連結させることが目的です。ランダム配置のアブストラクトゲームで、最初は状況をつかむために結構考えるのかもしれませんが、考えても仕方がない気もします。手番では自分のコマ1つを直線状に何マスでも動かして空いたマスに移動させるか(ただし壁は越えられない)、壁を2つ配置するか、自分のコマ1つを選び、そのコマから1方向にあるコマすべて(アスタリクスコマの場合)か隣接する周囲すべてのコマ(円形コマの場合)を取り除きます。うまく自分のコマを消したり相手の連結を分断するように取り除くのですが、これによってどんどんコマ数が減っていきます。
これまで2人で遊んだことはあったのですが、今回初めての3人プレイです。最初は選択肢が非常に多くてどうすれば良いのかの見通しが悪いです。またコマのほとんどは吹き飛んでしまうのですが、あまり吹き飛ばし過ぎると相手を利するかもしれません。壁を置くのはどうも手番を損しているみたいで、終盤までは壁はまったく置かれませんでした。終盤は一気に壁が増えて動きづらくなります。
自分には今ひとつ面白さが分からないゲームです。ギークでの評価は高いので愛好者は多いようですね。
結果:土井(緑) 勝利、(川崎(紫)、自分(橙) 敗北)
ヘックス Hex(ネスターゲームズデラックス版11路盤)
(プレイ時間 各15−20分)
タロ吉さんがほとんどアブストラクトを遊んだことがないというので、コネクションゲームの元祖と言える「ヘックス」を遊びました。タロ吉さんは飲み込みが早く、なかなか鋭い手を打ってきます。タロ吉さんがすべて先手を打ったのですが、2戦目はタロ吉さんの勝利となりました。ヘックスはもっと手軽に手に入るべきゲームだと思います。日本でも以前はエポック社から販売されていたのですが、再び日本で売られる日はあるのでしょうか? できれば11路盤と14路盤の両方が出来るようにして、パイルールを正式に加えれば良いと思うのですが。
結果
1戦目:自分 勝利、タロ吉* 敗北
2戦目:タロ吉* 勝利、自分 敗北
3戦目:自分 勝利、タロ吉* 敗北
グレーシャー Glaisher
(プレイ時間 30分)
続けてタロ吉さんがやってみたいということで「グレーシャー」を遊びました。コマ数で有利に進めて、最後は端に高さ11の塔を作ってから、それを元に分割移動で一気に繋ぎました。高い塔は動きづらいのですが、端に作ることが出来ればかなり有利だと思います。
結果:自分 勝利、タロ吉* 敗北
ドミナップ Dominup
(プレイ時間 各10分)
ネスターゲームズから新作として「2進数表記ドミノ」という奇妙はダブル7のドミノが発売されました。そのときにオリジナルのルール3つも発表されて、今回は通常のドミノでも遊べるものがいくつか遊ばれていました。そのうち、自分は「ドミナップ」を試してみました。「ペントアップ」のようにドミノを積み上げていくゲームで、下のドミノと同じ数値でなければなりません。上に積めるときは積まなければならず、積んだら連続でもう1手番行います。詰めないときはテーブルの上に繋げるように置きますが、このときは数値は一致しなくても構いません。こうして最初の手札を早くなくしたプレイヤーの勝利です。
手札がオープンなのかクローズなのかがルールに明記されていないのが気になりますが、クローズだと思います。今回は通常ゲーム1回とバリアントのミゼール(早く上がったら負け)を1回遊びました。バリアントの方が面白かったです。
結果
1戦目:自分 勝利、(キノ、燃素、タロ吉 敗北)
2戦目(バリアント):自分 敗北
デュプロヘックス Duplohex
(プレイ時間 20−25分)
ネスターの新作では一番面白いのではと思われるゲームです。2種類のコマ(ディスクとリング)のどちらか1種類だけで対辺を繋ぎます。手番には両方を置くか動かすかができるので、通常のヘックスと異なり簡単にブロックできてしまいます。かなり斬新で、コネクションゲーム好きにはたまらないでしょう。
移動のルールと固定のルールがシンプルながら良くできています。夢中になり過ぎて写真を撮り忘れてしまいました。
結果
1戦目:キノ* 勝利、自分 敗北
2戦目:自分* 勝利、キノ 敗北
メルティング チェス Melting Chess
(プレイ時間 10分)
川崎さんに誘われて、チェスの動きを使ったバリアントゲームを遊びました。ギークのこのページで紹介されていたとのことです。ボードにはチェスのキング、ナイト、ルークの絵柄があり、開始時はすべてのマスにリングを置きます。自分のコマをそれに縦横に隣接するマスの動きで動かします。コマがあった場所はリングが取り除かれてそこにはもう行けません。こうして手詰まりになったら終了です。
終盤まであまりインターアクションがなく、少々微妙な感じでした。もしかしたらルールが少し間違っているのかもしれません。
結果:川崎 勝利、自分 敗北
ポゴ Po-Go
(プレイ時間 10分)
「デュプロヘックス」のようにディスクとリングを使うゲームで、「グレーシャー」のボードを使って遊びました。リングはすべて中立で。ディスクにリングが置かれた状態がプラス、置かれていない状態がマイナスというようにディスクの極を表します。同極での最大グループを作ることが目的です。タイトルは Porality-Go の略だそうです。
手番ではディスクを置き、その周囲すべての極を変えます(リングを付けたり外したりします)。これだと、ゲーム終了時にどの2つが同じ極になるかがわかるので、なんだこりゃ、ということになりゲームを中断しました。あとでよくルールを読んでみると、ディスクを置いたときにその周囲の極がすべてそのディスクと同じになるということのようで、周囲にあっても影響を受けないものもあるようですね。これだと随分ゲームが変わると思うので、今度試してみたいです。
結果:途中終了
モールヒル Mole Hill (ネスターゲームズ版)
(プレイ時間 各10−15分)
アブストラクトゲーム博物館の中島さんと昔のネスターゲームズを遊ぼうということで、クニツィアの「モールヒル」を遊びました。農夫とモグラに分かれて、モグラはできるだけ長く逃げ回ることが目的です。アシンメトリック(非対称的)なゲームなので、通常は農夫とモグラを交代で1回ずつ行って1ゲームとします。今回は計2ゲームを行いました。
1戦目は中島さんをコテンパンにして20対3と大差をつけましたが、中島さんがコツをつかんだ2戦目は立場が逆転。自分がモグラのときに欲張り過ぎたこともあって、負けてしまいました。もうネスターゲームズとしては売っていないのが残念なゲームです。
結果
1戦目:自分 20、中島 3
2戦目:中島 11、自分 5
トゥイッグス Twigs
(プレイ時間 40分)
久し振りに会うナグナツさんと最新ゲームの中でお勧めの「トゥイッグス」を遊びました。やはり最初はついつい5角形や7角形を作ってしまいます。慣れてしまえば面白い思考を要求されるゲームだと思います。結局引き分けになってしまいました。時々引き分けになってしまうのはこのゲームの欠点ですね。
結果:ナグナツ 12、自分 12(引き分け)
マーゴ Margo (侍エディション)
(プレイ時間 各15−25分)
3Dの囲碁です。久し振りに一味さんと遊びました。ゾンビ(死んでいるのに取られない)の考え方が、やはり難しいですね。おそらく前半は敵のゾンビを作ってもあまり大したことはないと思いますが、後半は敵のゾンビが効いてきます。プレイ人口がもっと増えればなあと思うゲームです。
結果
1戦目:自分 30、一味* 9
2戦目:自分* 28、一味 14
アッパーハンド Upper Hand(7x7)
(プレイ時間 各10分)
せっかくの土嚢の会ということで、「渋」や「マーゴ」の侍、将軍セットを流用したアッパーハンドを遊びました。まずはアッパーハンドが非常に強いナグナツさんです。7x7はマーブルが計140個なので、中立の赤いマーブルを1個中央に置くと、先手は70個、後手は69個のマーブルを持つことになります。今回は、中央に置かずに公平に70個ずつ持ってパイルールを使って遊びました。先手の初手のあと、後手は先手を奪うか、そのまま続けるかを選べます。ナグナツさんは中央から斜めに1個ずれた場所に置いて「ここがバランスが良いのでは」と言っていました。
先手後手で1回ずつ遊びましたが、2戦とも、先手は中央から1個ずれた場所に置いてゲームをし、後手はそのまま続けました。もちろんナグナツさんが2勝ですが、2戦目は残りが4個とかなり接戦にこぎつけました。
「リミット」のあとはキノさんと2回遊びました。こちらは1勝1敗です。それにしてもアッパーハンドはシンプルながら傑作だと思います。ネスターゲームズが製品として出してくれれば良いのにと思います。
結果
1戦目:ナグナツ 0(勝利)、自分 14(敗北)
2戦目:ナグナツ 0(勝利)、自分 4(敗北)
3戦目:キノ 0、自分 11
4戦目:自分 0、キノ 3
リミット Limit
(プレイ時間 15分)
「リミット」はマーブルを移動させたりボードを構成するヘックス取り除くことで、相手のマーブルの呼吸点をなくして捕獲するというゲームです。まずは順に盤面を作っていきます。ボードになるヘックスタイルを2枚置き、そのどちらかに自分のマーブルを置きます。すべてのマーブルを置き切ったらゲーム開始。手番にはマーブルを空いたスペースを通って幾つでも動かすことが出来ます。そのあと、マーブルが乗っているボード同士を分断しないようにボードのヘックスを1枚除去します。どちらにしても空きマスがなくなった相手のマーブルは除去されるのです。こうして最後まで生き残れば勝利です。
3人で遊んだことは余りありませんが、3人でもまあ遊べます。どうしてもキングメイクの要素が強くなってしまうのは難点です。
結果:自分 勝利、(川崎、小山 敗北)
「リミット」のあとは前述した通り、キノさんと「アッパーハンド」を2回、そして「アクロン」を2回遊びました。
フェンドー Fendo
(プレイ時間 10分)
自分のコマを動かして、その周囲に柵を置いていくというゲームです。「ミックスツアー」「ヴォロー」などの作者シュテインの新作で、シュテインファンのキノさんが手作りで作ってきてくれました。柵でうまく自分のコマだけを囲うとそれが自分の領地になります。移動した先の隣にしか柵を置けないというのがかなり不自由で、うまく囲うのは難しいですね。なかなか面白いと思うので、また遊んでみたいです。
結果:キノ* 28、自分 21
ターコカ Taacoca
(プレイ時間 10分)
ネスターゲームズから出版されているヤバラスセット(5x5x5のヘックスヘックスボード)を使ったゲーム集の本「ヤバラスとその仲間たち」Yavalath & Co.には「ヤバランカー」「ヤバレード」「マナラス」「スーザン」など既に遊んだことがある様々なゲームが掲載されていますが、「ターコカ」は未プレイなのでキノさんと遊んでみることにしました。
手番には3個のコマを同方向に1マス動かします。3個は繋がっていても離れていても構いません。自分のコマがあるマスへは動けず、相手のコマがあるマスに動けば相手のコマを取って除去できます。目的は相手の列の最前線に自分のコマ1個がたどり着くことです。
遊んでみると悪くはないです。3個のコマは同時に動かすのでか、あるいは1個ずつなのか、つまり並んだ2個のコマをその方向に2個とも動かせるのかはルールからは読み取れません。今回はこれは良いということにしました。あとでルールを詳しく見ると、大丈夫なようです。
後半から終盤になると、この同方向に動かすというルールが効いてきます。
結果:自分 勝利、キノ 敗北
ヤバランカー Yavalanchor
(プレイ時間 10分)
久し振りに赤いアンカーが中立になる5目並べの「ヤバランカー」です。きちんと防御しないとすぐに負けてしまうというあたりは「トリット」に似ていますが、「トリット」よりはちゃんとしたゲームになっています。今回は、この鋭さを忘れていて、負けてしまいました。
結果:燃素 勝利、自分 敗北
クインティ Kwinty(ブロックス Blocks より)
(プレイ時間 各5分)
シュテフェンシュピールから「ブロックス」という木製の1x1x2の2色のブロックを使ったアブストラクトゲーム集がありますが、そのうち「クインティ」を遊んでみました。壁上に積んでいき、縦横斜めに5目並べるのが目的です。唯一の制限は自分のブロックの1x1の面同士を接しさせてはいけないというところです。「コネクトフォー」の変形と言えるかもしれませんが、なかなかよくできています。先手後手交互に2回遊び、2戦2敗です。
結果
1戦目:キノ* 勝利、自分 敗北
2戦目:キノ 勝利、自分* 敗北
ヴォルデトール Voldétour
以前の土嚢の会で燃素さんが持ってきていた「ヴォルデトール」です。2−4人用で、自分のコマをボードの対角線の反対側にある塔の上まで進めるのが目的です。手番にはコマを動かすか、手持ちのブロックを置くかのどちからです。ブロックは階段状になっているものもあり、コマは高さの異なる場所に移動をするときにはこの階段を使わなければなりません。相手を邪魔しつつ、効率的にブロックを置いていきます。雰囲気としては「コリドール」に似ていますが、こちらの方が面白いと思います。
結果:不明
ブロックス デュオ Blokus Duo
最後に「ブロックスデュオ」をキノさんと遊びました。前述のシュテフェンシュピールの「ブロックス」よりもこちらは日本版があることもあって有名ですね。角を繋ぐというルールがやはり面白いです。
結果:自分 勝利、キノ 敗北
これで第3回土嚢の会は終了です。また機会を見つけて土嚢の会を開きたいと思います。
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