神奈川・大和の鶴間駅近くでナフタレンさん主催で行われているゲーム会「杏談亭」です。いつか1度くらいは行きたいと思いながら1年近くになってしまい今回が12回目でそれも最終回です。非常に和気あいあいとした会で、主催のナフタレンさんと一緒に「ハイパーロボット」などを楽しみました。
ビー アラート Bee Alert
(説明 3分 プレイ時間 各5−10分)
「ビー アラート」は2012年にアメリカのシンプリーファンから出版されたゲームです。英語のフレーズである "Be alert!"(警戒しろ)と Bee(蜂)を掛けているタイトルですね。2014年にコンパクトな「ミツバチ Honigbienchen」がアミーゴから出版されて、手に入れ易くなりました。手軽な記憶ゲームですが、たった6匹のミツバチの場所がどんどんと移り変わってわからなくなってしまうというゲームです。
コンポーネントはミツバチ6匹(赤桃黄緑青紫)とそれを隠す蜂の巣のカップ6個、そしてカードが計36枚です。カードの構成は各色のミツバチカードが5枚ずつに加えて特殊カードである蜂の巣カードと熊のカードが3枚ずつあります。
まずは6匹のミツバチの位置を全員が覚えて、上から蜂の巣カップをかぶせてゲーム開始です。手番にはカードを1枚めくり、カードが示す色のミツバチがあると思われる蜂の巣を開けます。もし正解ならば、その蜂の巣カップを自分の前に引き寄せます。そうでなければ失敗で何も起こりません。自分が既に引き寄せた蜂の巣を開けて正解だったときだけ追加でもう1回手番があります。
特殊カードが2種類あります。蜂の巣のカードは中央から(なければ他のプレイヤから)好きな蜂の巣を1つ引き寄せますが、中身を見てはいけません。熊のカードは自分が引き寄せた蜂の巣を1つ中央に返さなければなりません。蜂の巣を持っていないときは何も起こりません。
なお自分の前に複数の蜂の巣カップがあるときは、それらをシャッフルしてはいけません。よって完全に覚えていれば勝ち易くなっています。
こうして4つの蜂の巣カップを自分の前に引き寄せれば勝利です。そうでなければカードが尽きた時点で最も多くの蜂の巣カップを持っていたプレイヤーが勝利です。もし複数のプレイヤーが同数1位であれば、それらのプレイヤーだけでサドンデスの延長戦を行います。つまり、誰かが1つでも多く引き寄せた時点で終了となるのです。ただ、盛り上げるためには、生き残ったプレイヤーだけで誰かが4つ引き寄せるまで遊ぶ方が良いと思います。
コンポーネントのデザインは似ているようで少々異なります。6色の蜂のコマは起き上がり小法師のように下に重心があるのですが、「ビーアラート」では蜂の巣の上に載っているミツバチというデザインで「ミツバチ」ではコマ全体がミツバチになっています。蜂の巣のカップは「ビー アラート」の方が大きく、カードは「ミツバチ」の方が大きいです。全体的にはあとから出た「ミツバチ」の方がコンパクトながらカードも大きめで遊び易いのではないでしょうか。なお対照年齢は「ビーアラート」が5歳以上、「ミツバチ」が4歳以上となっています。
たった6匹の場所を覚える記憶ゲームですが、場所がどんどん移り変わるので3巡目辺りからミスが出始めます。子供の方が強いと思われまずが、大人と子供が一緒に遊べる良いゲームです。
今回は子供も交ぜて2回遊びました。どちらも4つの蜂のカップを引き寄せるコールド勝ちで決着しました。こういうことは珍しいです。
結果
1戦目:たく 勝利、Kana、ナフタレン、Rael、自分
2戦目:自分 勝利、Kana、はる、たく、リキ
オロンゴ Orongo
(説明 15分 プレイ時間 40分)
個人的には定番となっている「オロンゴ」です。1回目からイワイシさん10という恐ろしい多さの貝が握られる展開です。最初から山が結構出てきたので相場が高くなったのでしょう。考えどころを間違えてしまい、1位になりたくないと気になってしまったり、なるべきときに貝の誘惑に負けて空ビッドをしてしまったりと後半は歯車が狂ってきた気がします。プレイ経験のあるケンゴさんは島の先端の方(60の数字がある方)をほぼ独占して悠々と勝利です。1回は自分も先端の方にチップを置いたものの、もう少し食い込んでおくべきでした。
結果:ケンゴ 0(勝利)、自分 1、イワイシ 2、笹岡 4
(括弧内は残りの手持ちモアイ数)
ハイパーロボット Rasende Roboter
(プレイ時間 各20−35分)
ナフタレンさん、イワイシさんというハイパープレイヤーと一緒にハイパーロボットです。この日は結構冴えていて、2戦2勝でした。ターゲット2つのバリアントはやはり面白いですね。2次会でもハイパーロボットを2回遊び、そのときに最後の3チップでものすごい難問があり誰も解けませんでした。この記事の最後に載せますので良かったら解いてみて下さい。まずは面白かった4問。(右:1問目)
(左:2問目)
(右:3問目)
(左:4問目)
結果
1戦目:自分 8、イワイシ 5、ナフタレン(途中参加) 2
2戦目:結果不明
シャイベンクライスター Scheibenkleister
(プレイ時間 50分)
連想ゲームですが、ちょっと変わっています。出題者は回答となるトピックが書かれたカードを見て、それを回答者に伝えるようにヒントを言っていき、回答者は何回でも答えを言うことができます。出題者の両隣りのプレイヤーには回答の権利はありません。代わりに回答をあらかじめ見て、言ってはいけない単語を2つ極秘裏に決めておけるのです。最大で4つの禁止単語があり、これらは出題者も回答者も言ってはいけません。ただし何が禁止単語かはわからないのです。禁止単語を言わずに正解すれば出題者と正答者に1点ずつです。禁止単語を言うと中断となり、禁止単語をすべて読み上げて早い者勝ちで各プレイヤーは1回だけ回答のチャンスがあります。
禁止単語を避けるようにヒントが婉曲になっていくのが面白いです。自分はめっぽう弱く、最下位でした。
結果:アサヒナ 8、ナフタレン 8 (同点勝利) 以下不明(自分は2点で最下位)
ポイズン Poison (コザイク版)
(プレイ時間 50分)
未プレイの方と一緒にポイズンを遊びました。非常にゲーマーズゲーム的な展開で、カード1枚の読み違いの差でポイズン3枚だけの鍋を2のカードで引き取ったりなどという、スリリングな展開が続きます。鍋を早く取り過ぎても遅過ぎても駄目でタイミングが難しいですね。このコザイク版のカードは初版のデザインと似ており、プレイし易いと思います。
結果:たく 18、アサヒナ 18、自分 37、片桐 42
エクストラ Exxtra
(説明 5分 プレイ時間 20分)
「エクストラ」は1998年にアミーゴから出版されたクニツィアのダイスゲームです。2008年に「エクスケープ」というタイトルでフィロソフィアから再販されています。各プレイヤーは変わった構成の異なる2個のダイスを使ってボード上の21マスを進むのが目的です。バーストがあり、また相手プレイヤーへの妨害もある楽しいゲームです。
アルファベットのXをモチーフとしており、ボードもコマも、そしてプレイヤー色表示スタンドもすべてX字になっています。ボードの中央にはダイスを置く梯子が0−5の6段あり、その周りにスタートからゴールまでの21マスが描かれています。各プレイヤーは自分の色のコマをスタートに置き、ダイス2個とプレイヤー色表示スタンドは自分の前に置きます。ダイス2個の構成は X−1−2−3−4−7とX−1−2−3−5−6でX−1−2−3の4面は同じですが他の2面が異なります。
手番ではダイス2個を振り大きな方の目を十の位として2桁の数字を作ります。もし数字が気に入らなければ何回でも振り直しができます。これで良いと思ったら、ボードの中央にある梯子のうち空いている段に自分のダイス2個を置きます(ただし一番下の0の段だけは何組でもダイスを置けます)。次の自分の手番の最初に、まだ自分のダイスが除去されずに生き残っていれば、段数と同じだけコマを進められるのです。
置いたダイス以下の数字の他のプレ一ヤーのダイスがより高い段にあるときには、それらのダイスは取り除かれて、それぞれプレイヤーの元に戻ります。例えば以下の状況で53を0−2や4の段に置くと、5の段にある43が取り除かれます。よってあまり低い数字で4や5の段に置いても次の手番にはダイスはおそらく取り除かれているというわけです。最強の76は別の76を下に置かれない限り取り除かれません。
(5)43
(4)
(3)76
(2)
(1)
(0)
なおXの目とぞろ目には特別なルールがあります。
ダイスのXの目がでるとバーストで、出たXの目の数だけコマを戻して手番を終了します(スタート以上は戻りません)。ただし手番の第1投だけは例外で、Xは0として数えます。
11、22、33のぞろ目が出たときには、それぞれ1、2、3マスただちに進めます。そのあとそこでやめても良いし、振り続けても構いません。
こうして最初にゴールについたプレイヤーの勝利となります。
第2投以降でバーストの確率は、それぞれ 11/36 = 30.6% です。よってN回振ってバーストする確率は以下の通りになります。
回数 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 |
バーストの確率 | 0% | 30.6% | 51.8% | 66.5% | 76.7% | 83.9% | 88.8% | 92.9% |
次にダイスの組み合わせを見てみます。第1投で2個のダイスの組み合わせは高い方から以下のようになります。出目だけを見ると30通りですが、確率が分かりやすいように36通りを書いています。2回現れるもの(32、31、3X、21、2X、1X)は確率も2倍ということです。
76、75、73、72、71、7X、
64、63、62、61、6X、54、
53、52、51、5X、43、42、
41、4X、33、32、32、31、
31、3X、3X、22、21、21、
2X、2X、11、1X、1X、XX
よって第1投では42以上なら平均より上、41以下なら平均より下です。第2投以降では有効な結果は以下のように22通りあります。ここでも確率が分かりやすいように25通りを書いています。
76、75、73、72、71、64、
63、62、61、54、53、52、
51、43、42、41、33、32、
32、31、31、22、21、21、
11
これ以外の8通り(重複を数えると11通り)はバーストです。バーストしなければ51が中間値になります。51だったら梯子の真ん中くらいに置いても良いかもしれません。
このゲームが難しいのはバーストの確率が3分の1くらいあるにも関わらず、つい何度も振り直してしまう所です。もちろんそういう誘惑がありますが、序盤はあまり振り直しをせずに堅実にいった方が良いと思います。また梯子の状況や手番順によってどのタイミングでどの段が空くのか、といったことを考えなければなりません。
「エクストラ」と「エクスケープ」はコンポーネントとルールは同じです。コンポーネントの写真はすべて左側が「エクストラ」、右側が「エクスケープ」です。ダイスの面の組み合わせなどが微妙に違うのが分かります。最大の違いは「エクストラ」にはプレイヤー表示マーカー(Xと書かれたスタンド)が付属しますが、「エクスケープ」にはないことです。
新版のエクスケープには以下のバリアントルールがあります。
第1投でXXを振ったときに限り、XXを梯子に置いて上と下のすべてのダイスを取り除くことができます。XXでしかXXを取り除くことはできません。
平均で36回に1回しか起こらないというものの、最初からXXを振るという不運を解消してくれます。場合によって使い分けると良いのではないでしょうか。
なお「エクストラ」は邦訳によっては誤訳があります。以下は引用です。
「ただし、新たにダイスを置いたところより上のマスに、それより大きい目のダイスが一組でもあれば、どのダイスを除去することはできません。例えば「5」のマスに「43」、「3」のマスに「76」がある時、「4」のマスに「53」を置くと「5」のマスにある「43」は除去されますが、これを「2」のマスに置いた場合には、どのサイコロも除去されません。」
これだと、最初に挙げた例で4の段に53を置かなければ5の段の43を除去できないことになります。つまり3の段の76が43を守っているわけです。この「守り」のルールはおそらく以下の英訳から来ていると思われます(英訳にはいくつか種類があります)。どちらとも読み取れる内容です。
"If you place your dice on a row lower than a row taken by another player whose dice show a result higher than your own, then no dice are removed."
作者に直接聞いたところ、この「守り」のルールはまったくの間違いだそうです。個人的には「守り」のルールは低い数字を高い数字の隣りの段に置けばかなり安全なので不条理さも感じます。ただ、ダイスが取り除かれることが少ないのでゲームのスピードは早まるかもしれません。この「守り」のルールをバリアントとして好むプレイヤーもいるようです。
3人から6人ですが、個人的には4人くらいまでが梯子に置くときの選択肢も広くて楽しいと思います。
今回は4人で遊びました。やはり調子に乗り過ぎて、中盤以降は焦りもありXばかり出してしまいました。もう一回いけると思う一歩手前でやめるのがやはり良いのではと思います。最後はトップのシンザイさんを誰も止められずにシンザイさんがゴールインしました。
結果:シンザイ 21、たく 19、片桐 17、自分 12
海賊 Pirat
(説明 5分 プレイ時間 15分)
「海賊」は1992年の古いゲームで、のちに「略奪」「コルセア」というタイトルでリメイクされています。クニツィアにしては珍しい個人攻撃のゲームで、人数は多い方がわいわいと楽しめるでしょう。ペア戦は隣同士が組という変わったやり方で、これもまた楽しいです。ルール間違いが多いゲームなのですが、特に「攻撃するときは別のプレイヤーなら別の色」というところと「手番ではカードをプレイするか補充するかのどちらか」というのはかなり誤訳が広まっており、「全員同じ色で攻撃しなくてはならない」とか「手番はプレイして補充する」などと間違っていることが多いです。4人で遊びましたが、5人の方が良いですね。
結果:片桐 26、イワイシ 25、シンザイ 19、自分 4
DTC DTC
(説明 5分 プレイ時間 15分)
最後は軽く「DTC」を遊びました。カードで遊ぶ「ブラフ」としてもっと遊ばれても良いゲームだと思います。来年辺りにはドイツから出版されるかもしれませんね。3人とも同じくらい失点したものの、数枚の差で勝ちきりました。
結果:自分 19、シンザイ 23、イワイシ 24
このあと2次会でハイパーロボットを2回遊びました。写真がこの日の最大の難問です。ナフタレンさんによれば32手まで縮めたとのことです。32手を超える手があるのでしょうか? (写真提供:ナフタレンさん)
ナフタレン
Twitterの友人によると29手まで見つけたらしいです…。
さっぱり分からない…。
けがわ
やっと29手を見つけました。
これ以上は縮まりそうにないですね。
匿名からけがわへの返信
自分は見つからないっすー…。
ナフタレン
あ、私ですw。
けがわ
そのうち回答を書こうかと思います。
再び挑戦しましたが、やはり29未満にはなりそうにないです。
イワイシ
忘れてました、この宿題
以下でいくと28手ではないかと愚考します
R↓R←R↑R→R↓B↓R←R↑B←B↑B→B↓B←B↑B→R↓R←R↑R→R↓R←B←B↓B←B↓Y←B↑B→
イワイシ
液晶が弱くて色が見間違っていることに気がつきました
もう少し愚考します