横浜ボードゲーム会、通称「はまげー」に久し振りに参加しました。この日は南太田が会場でした。
キャンディ大好き! Futterneid
(説明 5分 プレイ時間 35分)
フリーゼの新作で、5種類のキャンディーのうち高得点のものを推測しながら集めていくゲームです。それぞれのキャンディーにはランダムに価値が決められます。さらに各プレイヤーはマイナス2からプラス2のタイルを持ち、これを極秘裏にそれぞれのキャンディーに割り当てるのです。つまりひとつのキャンディーにつきプレイヤー人数だけの裏向きのタイルが割り当てられ、そのうちひとつしか表向きになりません。
手番には、直前のプレイヤーより1つ多いか少ないか(同じはだめ)だけのキャンディーを任意の組み合わせで選んでテーブル中央のストックから取ります。ただし取ったキャンディーは次の自分の手番の最初に確保するまでは他のプレイヤーに取られる可能性があります。なぜならストックから取る代わりに、他のプレイヤー誰かが直前の手番に取ったキャンディーを取れるのです。このプレイヤーは取られる前にひとつを安全に確保できます。
個人攻撃はさておき、ゲームとして完成度が低いです。とにかくキャンディーの価値がほとんど分からないので取っ掛かりがありません。なんとなく皆なの取り方を見ながら取っていくのですが、そこにも根拠があるわけではなく、なんともあやふやなゲームという気がします。取られても一つ確保できるというルールはなくても、つまり確保せずにそのまま置いておいても次の手番になれば自動的に確保となるのだし、そのあいだにだれもひとつのキャンディーを狙うことはありませんので、これは余計なルールと思えます。
なお「となりの飴は美味そう!(美味しそうの間違いか?)」というタイトルもあるようです。
結果:道化師 128、yuji 128、自分 111、がとぅ 109
ここで「はまげー」恒例の全体ゲームです。今回は「ハイカットローカット」です。それぞれ紙に指定された範囲内で数字を1つ書き、その数字がそのまま得点になりますが、最も高い数値と最も低い数値を書いたプレイヤーは無得点なのです。3回戦で1戦目は1−50、2戦目は51−100、そして3戦目は1−100で行いました。最後の3戦目だけは2番目に高かった、或は2番目に低かったプレイヤーはその分がマイナスとなるというバリアントです。人間の心理が分かる面白いゲームだと思います。以下が結果です。
1戦目(1−50):実際の範囲 32−47
2戦目(51−100):実際の範囲 80−95
3戦目(1−100):実際の範囲 66、68−92、93
自分は1戦目は37でカットされずにすんだものの、2戦目で95(ハイカットで0)、3戦目で92(ハイから2番目なのでマイナス92)というひどい結果で、合計マイナス55点とダントツのビリでした。最終結果もハイカットローカットされていれば・・・
バベルの塔 Der Turmbau zu Babel
(説明 10分 プレイ時間 55分)
レンさんのリクエストで持参した「バベルの塔」です。今回はエリアマジョリティーにうまく絡めず、拒否されたいのに受け入れられたり、受け入れられたいのに拒否されたりということが多くて、随分と振り回される展開でした。終盤でのエリアマジョリティーの順番を間違えたのが致命的で3位でした。5人はカードの供給も多くなるので難しいですね。やはり5人の場合は補充のバリアント(建設をするときは手番プレイヤーは補充しない)が必要なのかもしれません。
結果:オオノ 78、結城 76、自分 70、がとぅ 69、レン 64
タージマハル Tadsch Mahal (アレア版)
(説明 20分 プレイ時間 80分)
インドを舞台とした「タージマハル」はアレアの大箱第3弾として2000年にドイツ語版(アレア)と英語版(リオグランデ初版)が発売されました。その後2006年にリオグランデ主導で、アバクス、イスタリ、QWGと共同で再販されています。産物の獲得というセットコレクションの要素と、宮殿の連結という陣取りの要素の二つを軸としたゲームですが、それらはすべてカードによる競りで行われるので根底は競りゲームと言えます。
ボードにはタージマハルがあるアーグラ Agra を中心としたインド中央北部が12の地域に分かれて描かれています。各地域には宮殿を建てる場所が4カ所(アーグラを含む地域は5カ所)あり、道で複雑に繋がっています。ゲームは12ラウンド制で、これら12の地域を1つずつ巡ります。1から12の数字が書かれた八角形の産物タイルを、ゲーム開始時に各地域にランダムに置いて、各地域を訪れる順番とその地域の産物が決められます。ただしアーグラを含む地域は必ず最後の12番(第12ラウンド)とします。
ゲームの目的は高得点を得ることで、主な得点源は産物と宮殿です。産物は4種7個ずつ(米、スパイス、宝石、紅茶)あり、同種でN番目の産物はN点なので同種の産物を集めれば集めるほど効率よく高得点になります。同種を7個すべて集めればそれだけで累計28点(1から7の和)です。宮殿はもう少し複雑で、建てた宮殿から道で繋がっている自分の宮殿がある地域数(建てた地域も含む)です。つまり2つ以上の宮殿をひとつの地域に建てても直接の得点にはなりませんが、将来繋がりやすくなるので高得点に結びつく可能性があるのです。最終ラウンドですべての地域を繋げば最高の12点となりますし、累計での理論上可能な最高点は1から12の和の78点です。
各ラウンドではその地域の産物タイル1枚と宮殿5つをカードを使って競ります。カードは全部で100枚(カラーカードが4スート各21枚で計84枚、ホワイトカードが通常12枚と特殊4枚で計16枚)あり、このうち特殊ホワイトカード4枚を除く96枚が山札を構成します。カードには全部で6種類のシンボルがあり、それらが競りの対象となる産物タイル1枚と宮殿5つに対応しています。象のシンボルは産物タイル、5人の人物のシンボル(大ムガール、ワジール、将軍、修道僧、王女)は5つの宮殿というわけです。これらのシンボルがカラーカードには2つ、ホワイトカードには1つ描かれています。
競りはスタートプレイヤーから始まって何巡でも続く手番順の競りです。手番にはカードを出すか撤退するかを決めます。カードを出すときにはカラーカード1枚か、それに加えてホワイトカード1枚の計2枚かのどちらかでホワイトカードだけを出すことはできません。さらにラウンド中はカラーカードの色はすべて同じでなければなりません。これまで出したカードのシンボルがすべて見えるように、自分の前にずらして重ねて置いていきます。
撤退すると、その時点でまだ競りに参加しているプレイヤーの中で単独で最多を出しているシンボルを勝ち取ります。産物タイルを取り、宮殿を建てて得点し、手札の補充を行ってから次のプレイヤーの手番になります。もうこのラウンドには参加しません。こうして最後の1人のプレイヤーが撤退したらラウンド終了です。スタートプレイヤーを左隣りに移して次のラウンドになります。
宮殿を建てられる場所は4カ所で、そのうち他地域と繋がりづらい場所には宮殿を建てると得られる小さな正方形のボーナスタイルがあります。これらは産物、1枚手札補充、2点獲得、そして4点獲得(アーグラ)といった魅力的なものが多いので将来の繋がりを取るかボーナスタイルを取るかは悩みどころです。いずれにせよ特定の場所に建てたければ早く撤退なければなりません。大ムガールのシンボルで勝つと、王冠リングを宮殿につけます。この宮殿は他の宮殿と場所を共有できるので、宮殿の繋がりによる得点に役立ちますが、ボーナスタイルは得られません。このリング付きの宮殿を含めてひとつの地域の4カ所に最大5つの宮殿が建つというわけです。
早く撤退するもうひとつのメリットとして、独特なカード補充の方法があります。ラウンド開始時に(プレイヤー数x2−1)枚のカードを表向きに並べておきます。撤退したプレイヤーは、そこから好きな2枚をドラフトできるのです。撤退が遅くなるほど選択肢が狭まり、最後まで残ったプレイヤーは1枚しかドラフトできません。競りに勝っても負けてもカードは戻ってこないこのゲームでは、カード1枚の差は大きいのです。逆に競りに参加せずにラウンドの第1手番で撤退すると、山札から追加でまず1枚補充できます。場合によってはゲーム中に何度かはラウンドの最初に撤退することになるでしょう。
このゲームを面白くしているスパイス的な要素として、何度も使える強力な4枚の特殊ホワイトカードがあります。大ムガール以外の4種類の人物シンボルで宮殿を建てると、対応する人物マーカーを獲得し、同じ人物マーカーを2枚集めると対応する特殊ホワイトカードが手に入るのです。将軍(紫)とワジール(緑)で得られるカードは、それぞれ象と大ムガールのシンボルひとつ分です。王女(黄色)で得られるカードはプレイするだけで2点獲得です。修道僧(オレンジ)で得られるカードはカラーチェンジと呼ばれ、一緒にプレイするカラーカードは、他のカラーカードと異なる色で構いません。
これらは通常のホワイトカード同様にカラーカードと一緒に追加でプレイしますが、撤退しても捨て札にならずに手札に戻ってきます。また裏からもどのカードを持っているかが分かるようになっていて、公開情報という扱いです。他のプレイヤーが新たに同じ人物マーカーを2枚集めると、そのプレイヤーにカードは渡ってしまいます。よってゲームを通して4枚のカードの取り合いが繰り広げられるのです。
こうして12ラウンドで12の地域を巡り、最後に最も得点の高いプレイヤーが勝者となります。なお手札に残ったカードは一番多いスートのカラーカードとホワイトカードはすべて1枚につき1点となります。
このゲームの魅力は何と言っても競りシステムです。同作者の「アタック/アイバンホー/ジェムディーラー/キャメロット」での競りを元にしていますが、補充がオープンカードからのドラフトであることや、各カードのシンボル数が1か2であることなどから運の要素はぐっと低くなって戦略的な渋いゲームになっています。勝っても負けても使い捨てなので、誰かと意地を張り合ってカードを出し続けると泥沼になって他のプレイヤーだけが得をしてしまいます。その辺り引き際の見極め方といったバランス感覚が要求されます。相手が先に撤退してくれるように完全には真っ向から戦わないようにするけどひとつのシンボルは取らせる、などといったことが大切なのです。特に3人プレイではきちんと他のプレイヤーのカードに対応しないと簡単に漁父の利を得られてしまいます。またどのラウンドでどの地域で戦うかはあらかじめ決まっているので、負けてよいラウンドと力を入れるべきラウンドをちゃんと考えてゲーム全体を通した計画性が求められます。3人の場合は宮殿がぐっと繋げやすくなり、相対的に宮殿の価値が上がります。5人の場合は産物の方が確実な得点源でしょう。
産物タイルに対応する象のシンボルは各スート21枚中16枚にあり、うち2枚は象のシンボルが2つのダブル象カードです。さらに通常のホワイトカードでも12枚中7枚は象です。このダブル象カードとホワイトカードの象が産物タイルを巡る戦いの決めてとなりやすいので、誰がどのスートカラーでダブル象をドラフトしたかは覚えておき、できれば必要なタイミングで紫の人物マーカー(将軍)を集めて、特殊ホワイトカードでの追加の象を獲得すると良いでしょう。
またリング付き宮殿に対応する大ムガールのシンボルは各スート21枚中4枚、通常のホワイトカードでは12枚中1枚しかありません。よって宮殿の繋がりを重視するならば、緑の人物マーカー(ワジール)を集めて得られる特殊ホワイトカードでの大ムガールは必須となってきます。
第1ラウンドの産物タイルは産物が米ひとつだけなので、無視して戦わずに撤退して3枚手札を増やすかは考えどころです。最初の2ラウンドで同じ人物マーカーを集めれば、第3ラウンドから特殊ホワイトカードが使えるところを、第1ラウンドから撤退すると不可能になってしまうのです。特殊ホワイトカードは、王女(2点獲得)は序盤に、修道僧(カラーチェンジ)は後半に役立つ傾向が強いです。
コンポーネントも雰囲気があります。カードは左上と右上のインデックスだけというちょっと珍しいデザインですが、競りの間にずらして重ねておくことで各プレイヤーの状況が分かりやすいなど機能的です。宮殿のコマも他のゲームの流用ではなく専用のコマでアレアの力の入れ方が伺えます。3人の場合に稀に宮殿が足りなくなりますが、そのための白い宮殿を以前は無料で配布していました。なくても他の色を使えば良いので問題はないのですが、これを使った6人のルールなどあればとも思います。
2000年のアレア版と2006年のリオグランデ新版での大きな違いは外箱のグラフィックと八角形の産物タイルです。アレア版では箱の背表紙と表紙に跨がっていたグラフィックを、リオグランデ新版ではそのまま拡大して箱の上部のグラフィックとしています。タイトルもリオグランデ主導なので英語の Taj Mahal です。また箱の大きさはリオグランデ新版がほんの少しだけ大きく、それに合わせて箱の中のトレイも少しだけ大きいです。また、リオグランデ新版の八角形の産物タイルには、カードの象のシンボルとの対応を示すために象のイラストが描かれています。タイルがアレア版よりも厚くなっており、このためにアレア版と同じ構造のインレットに入りきりません。他にはボードの表裏からアレアのロゴがなくなっていることなどを除けば、同じコンポーネントといって良いと思います。
2003年前後での同居人が所有しており、当時はかなりやり込んだ定番だったこともあって、個人的には思い入れのあるゲームです。最近再び遊ぶようになりましたが、さほど古さを感じさせず、面白さは変わらないのはすごいです。ただ60−90分くらいかかるので、元となった競りゲームの「アタック」とこの「タージマハル」の中間くらいのゲームがあればと個人的には思います。ちょうど「トレンディー」と「モダンアート」の中間として「モダンアートカードゲーム」があるような感じです。「タージマハールカードゲーム」なんてどうでしょうか。
今回は自分以外は初めてということでしたが、楽しくそして苦しく遊べました。何度かポカミスをしてしまい、とくにダブル象のカードが一枚も取れない勝ったのは痛かったです。最後で宮殿のつながりで7点を得るものの及びませんでした。がとぅさんは序盤ではずっと最下位だったものの中盤以降から盛り返して効率よく競りに勝ち勝利に輝きました。
結果:がとぅ 44、自分 41、道化師 39、オオノ 35
コンテナ Container
(説明 25分 プレイ時間 90分)
好きだけど勝てないゲームの筆頭である「コンテナ」です。ここはまげーでも人気があるらしく、何人かのプレイヤーが遊びたいと言ってくれました。usalapbitさんの到着を待ってプレイ開始です。今回のコンテナはしゅだっちさん自分でコンポーネントに手を加えた豪華版です。同系色が多くて見づらかったコンテナは原色となり、分かりやすくなりました。それに合わせた工場や船も自作で、さらに価格表も新しく作り直されていました。ここまで作り込むとはすごいです。自分もコピーを持っていったのですが、今回はしゅだっちさんのものを使わせていただきました。
自分は3番手で最初の2人が工場を建てたので倉庫を建てて始めました。工場と比べると収益は低いのですが、船に乗るコンテナの組み合わせをコントロールできるというメリットがあります。基本的には自分が欲しい組み合わせを倉庫に並べて、誰かに運んでもらってそれを競り落とすというのが自分の作戦です。
ところが競りの値段がかなり高くなってしまい、自分では手が届かなくなってしまいました。競り落としても利益が1−2くらいで、これでは船での輸送のメリットが大きいです。もっと輸送に力を入れようと思っているところでゲームが終わってしまいました。ショートゲームだと勝者は100前後ですが、今回は100を超えたプレイヤーが2人も出ました。
結果(括弧内は現金+コンテナ)
がとぅ 128(92+36)工場2倉庫2
usalapbit 115(7+108)工場3倉庫3
じゅだっち 91(63+28)工場1倉庫2
自分 89(39+50)工場2倉庫3
道化師 82(51+31)工場2倉庫4
イッツマイン It's Mine
(プレイ時間 各5分)
最後に「イッツマイン」の初版です。この絵柄が結構好きでゲームもリアルタイムなのであっという間に終わります。本来は点数に関わらず2回先に勝ったプレイヤーの勝利なのですが、今回は時間の都合で2回遊んだだけなので点数を記録しました。イッツマインは色々なバージョンがあるので、遊び比べてみたいですね。
結果
1戦目:がとぅ 47、自分 28、たかくわ 23、usalapbit 0
2戦目:たかくわ 28、自分 19、がとぅ 16、usalapbit 15
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