渋の会4回目です。この日は大雪の中、得点計算系4種を遊び、最後に前回ルールを大幅に間違えた「スパイア」をもう一度遊びました。「スピリット(オブ渋)」はプレイ人数が2-3人とあったので少し遊んでみると、そのままではゲームとして機能していないので、変だと思ってあとで調べたら、3人が通常で2人だとバリアントとして異なった準備が必要だったようです。なにはともあれ、これで2人で遊べる渋のゲームはルールブックに書かれた分はすべて遊んだことになります。あとは3人以上で遊ぶゲームが「スピリット」も含めて6種あるので、3人で集まったときにでも遊びたいと思います。
スプライト Sprite
(説明 5分 プレイ時間 各10-15分)
ミカー・フューラーがデザインしたボールを置くたびに得点が加算されていくゲームです。手番には自分のボールか中立の赤いボールを好きな組み合わせで2つ順に置きます。置く場所には制限はありません。ボードの上でも2x2の土台の上でも構いません。置いたのが自分のボールならば接触している中立のボールの数が、中立のボールならば接触している自分のボールの数が点数になります(例えば写真では白、赤の順に左下に置けば計5点)。点数は差分で記録していき、一方のプレイヤーは0点となります。なお先手の初手番のみ中立の赤いボールを追加で3つ目のボールとして置かなくてはなりません。
ルールを読んだときの印象よりもプレイしてみるとずっと面白いゲームです。相手の大量得点のチャンスを無得点で防いだり、相手が置いた赤いボールをうまく利用したりとなかなか激しい攻防になります。記録を見れば分かるように、先手が有利だと思いますので、先手と後手を交互に遊んで競うのが良いのではないでしょうか?
結果(*は先手)
1戦目:キノ* 2、自分 0
2戦目:自分* 4、キノ 0
3戦目:キノ* 0、自分 0(引き分け)
4戦目:自分* 2、キノ 0
スポッド Spodd
(プレイ時間 各5-10分)
ジャコモ・ガリンベティがデザインしたマジョリティを争うゲームです。ボードは斜めに置き、両端の隅に赤いボールを1つずつ置いたらスタートです。手番には自分のボールと相手のボールを1つずつ、その2つが接触するように配置しなければなりません。「スパイジ」と同じルールです。どちらもちょうど7手番ずつとなります。ピラミッドが完成したときに、上から見た縦列でのマジョリティを競うのです。各列は3−5−7−5−3個からなるので、必ずどちらかが勝者となります。5列中3列以上を獲得したプレイヤーが勝利します。
端の列は3つのボールなので先に置いた方が獲得できます。そこまで展開の幅が大きくないので、結局は先手が3対2で勝利することが多いでしょう。バリアントでは各列に1−2−3−2−1点と個数に応じた点数を配分します。合計9点のうち5点を獲得したプレイヤーが勝利します。今回は第3−4戦はこのバリアントで遊びました。短い列を捨てて中くらいの列、あるいは長い列に賭けるということができるので、バリアントの方がゲームとしては面白いと思います。クニツィアの昔のゲーム「カテナ」に似た懐かしい感じのするゲームです。
結果(*は先手)
1戦目:キノ* 3、自分 2
2戦目:自分* 3、キノ 2
3戦目(バリアント):自分 5、キノ* 4
4戦目(バリアント):キノ 5、自分* 4
スプリンク Splink
(プレイ時間 20分)
キャメロン・ブラウンとネスター・アンドレスがデザインしたアシンメトリック(非対称)なゲームです。プレイヤーの1人が先手のアトラクター、もう1人が後手のリパルサーとなります。点数を得るのはアトラクターだけで、役割を代えて2回遊びます。慣れたら競りでどちらになるかを決めるという方式もあるようです。
使用するのは白と赤のボール16個ずつで黒は使いません。手番には白と赤のボールを1つずつ置くか、既に置かれたボールを1つ動かしてから新たにボールを1つ置くか、のどちらかを行います。後者の場合は動かしたボールと置くボールは異なる色でなければならず、置くボールが既にすべて使われていてはなりません。また移動によって落下したボールの上にも置くことができます。
ピラミッドが完成したらゲーム終了です。白と赤のボールが接触している場所の数がアトラクターの得点となります。接触は60カ所で起こりますが、最大可能な得点は40くらいでしょう。最後の得点計算が難しいのはともかく、ゲーム中の損得計算が難しくて、ちょっとアイディア倒れという気がします。アトラクターは白と赤の数を同数に、リアクターは偏らせれば良いのかとも思いましたが、16個ずつで合計30個なので、どうやってもそれほど偏りませんね。どういう指針でプレイすれば良いのか知りたいです。
結果:キノ 33、自分 31
スパジリック Spagyric
(プレイ時間 各10-15分)
ネイサン・モースがデザインしたじゃんけんとヤバラスを合わせたようなゲームです。厳密な完全情報ゲームではありません。各プレイヤーは白、黒、赤の3色のボールを8つずつ持ちます。3色はじゃんけんのように白>黒>赤>白という3すくみになっており、2人で同時に出して勝った方がボード上に置けるのです。負けた方のボールはゲームから除外されます。またあいこの場合にはボールは2つとも除外されます。
目的はどの色でも良いのでちょうど4つのグループを作ることです。3つ以下や5つ以上を作ってしまうと負けになります。この条件とボードの立体的構造により、現在ホットないろが刻々と変わります。相手がどの色のボールを使ったか、そして残っているのはどの色かを覚えて勝負するのです。
思ったよりも結構遊べるゲームだと思いました。相手の使った色を覚えておくのは至難の業で、感覚で攻めていき2勝です。
結果
1戦目:自分 勝利、敗北 キノ
2戦目:自分 勝利、敗北 キノ
スパイア Spire
(プレイ時間 各5-10分)
最後に前回、かなり致命的なルールミスをした「スパイア」です。ルールは前回書いた通りですが、実際には「オプションの中立の赤いボールは自分のボールを置いたあとに置く」「どちらかが手詰まりになったらそのプレイヤーの負けで終了」としていたのですが、今回は「オプションの中立の赤いボールは自分のボールを置く前に置く」「手詰まりになった場合のみパスをする、2人がパスをしたら終了で最後に置いたプレイヤーの勝利」という正しいルールで遊びました。
ピラミッドが完成するとなると、そのすぐ下の2段目は相手のボール、さらに下の3段目は自分のボール、4段目は相手のボールが多い方が良いということになるという漠然としたストラテジーがあると思います。ただ思いのほか、ピラミッドが未完成で終わることが多いのであまり気にしない方が良いかもしれません。前回との決定的な違いは自分がパスする方が相手のボールが増えて良いということです。相手もパスしてしまうとそこでゲームが終わって相手が勝ちますが、そうでない限りはパスは些細な問題なのです。
なんともよく分からないゲームなのですが、それでも配置制限が効果的で面白いと思います。前回の間違ったルールの方が、相手の手詰まりを目指すので見通しは良く、してやったり感があったなあとは思います。
結果(*は先手)
1戦目:キノ* 勝利、自分 敗北
2戦目:キノ 勝利、自分* 敗北
3戦目:キノ* 勝利、自分 敗北
4戦目:キノ 勝利、自分* 敗北
5戦目:キノ* 勝利、自分 敗北
6戦目:自分* 勝利、キノ 敗北
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