先月は参加できなかったので2ヶ月振りのまんまるとなります。今回は「プレステル建築ゲーム」を2回も遊んだり、久し振りに「交易王」を遊んだり、またイシヅカさんと2人ゲームをたくさん遊んだりと充実した会でした。
プレステル建築ゲーム Das Prestel Architekturspiel
(説明 5分 プレイ時間 各20ー30分)
場の建物カードは、それぞれが2ー3つの部分に分かれています。この分かれた部分は5つあるデッキのどこかにあるのです。毎回デッキを1つ選び、それらのカードを探し出すのが目的です。
独創的なシステムを持つ「すきもの」に類似したシステムということで非常に興味を持って購入したゲームです。「すきもの」のような価値変動の要素はありませんが、毎回手に入れられるのは1枚で、さらに手持ちと合わせて3枚なので、そのやりくりが面白いです。ある建物を完成させるとボーナスとしてもう1点入るので、ゲーマー同士だとその牽制が起こるという心配はあります。好評で「交易王」のあとに2回戦目をプレイ。なかには「すきもの」よりもこちらの方が気に入ったというプレイヤーも何人かいました。自分はいまのところどちらも面白いと思います。
結果
1戦目:自分 15、たかりん 11、農虎 11
2戦目:自分 13、イシヅカ 12、Tak 8、河原 7、ナカタ 6
交易王 海の英雄 Handelsfürsten: Herren der Meere (ペガサス初版)
(説明 10分 プレイ時間 各30分)
「交易王:海の英雄」はクニツィアらしい切れ味の鋭いカードゲームで2-4人で遊べます。1995年にシュミットシュピーレから出版された「フェーケライ」が元になっていますが、大幅に改良が加えられておりプレイ感覚はかなり異なります。2007年にペガサスシュピーレから小箱の初版が、2009年に箱が大きくなった同社の第2版が、そして2010年にカタリストから英語版の Merchants が出版されました。なおギークの情報では2011年の中国版もあるようです。
タイトル通り交易をテーマにしたゲームで、価値が刻々と変わる6種類の交易品をタイミングよく船に載せてお金(得点)を稼ぐことを目指します。特徴的なのは、ある交易品の決算が発生すると手番プレイヤーだけでなくその交易品を持っている全プレイヤーに収入があることです。なのでクニツィアのゲームに特徴的なプレイヤー間の一時的な友好関係や相乗り、そして集団心理がスマートな形で表現されたゲームとなっています。
コンポーネントは交易品キューブが6種各5個で計30個、大きいサイズの交易品カードはキューブに対応した6種10枚ずつの計60枚、そして小さいサイズの特殊カードは船カード14枚と商館、契約書、港カードが2枚ずつの計20枚あります。さらにお金チップが適量あります。
ゲーム開始時に各プレイヤーは船カード2枚と手札になる交易品カードをランダムで3枚受け取ります。最初の所持金はありません。さらに場には交易品カードを6枚並べ、その組み合わせがその時の交易品のトレンド表しているのです。スタートプレイヤーから自分の船カードに交易品キューブを1つずつ載せます。2巡して各プレイヤーの両方の船カードにそれぞれ1つずつの交易品が載ったらいよいよゲームスタートです。なおゲームを通して船カード1枚につき交易品は常に1つしか載せられません。
手番は2つの部分からなっており、まずは小さいカードのフェイズ、次に大きいカードのフェイズになります。小さいカード(特殊カード)のフェイズでは、自分の船の交易品をひとつ場にあるキューブと交換するか、新たに小さいカードを購入する(後述)かのどちらかひとつができます。どちらもしたくないときは何もしなくても構いません(つまり3択です)。大きいカード(交易品カード)のフェイズでは手札から1種類の交易品カードを何枚でも場にプレイして得点を発生させるか、山札から交易品カードを2枚補充するかのどちらかです。ここではどちらかのアクションは必ず行わなければなりません。
交易品カードを場にプレイする時には他の場にあるカードの上に置いてトレンドを上書きします。つまり場は常に6枚なのです。プレイされた1種類の交易品について得点が発生し、船カードに載っている同種の交易品キューブ1つにつき、場のカード枚数と同じだけ得点するのです。これは上書きでなく、既にあるカードも数えます。例えば既に緑のカードが2枚場にあり、新たに緑のカード3枚が出されたら緑のキューブ1つにつき5点というわけです。2つあれば10点、3つあれば15点です。大切なのは前述した通り、得点は手番プレイヤーだけではなく全員に発生することです。なので他のプレイヤーの動向を見て、どの種類の交易品の決算が発生しそうなのかを考えるのが大切なのです。ここがこのゲームの肝といえるでしょう。
さらにこのゲームを面白くしているのが拡大再生産的な特殊カードです。船も入れて4種類あります。購入は1手番に1枚で、お金(つまり勝利点)を使うのでよく考えなければなりません。また前述した通り、特殊カードを購入した場合は交易品キューブの交換はできません。4種のカードは以下の通りです。括弧内はカードの価格です。
商館(8):手番終了時に、追加で1枚交易品カードを補充することができる(任意、しなくても良い)。
船(10):購入時に場にあるキューブをすぐに載せる。
契約書(11):決算で自分が得点した時に追加で2コインもらう。
港(12):小さなカードのフェイズで追加で1つ交易品を交換できる。
これらの能力は購入した時点から効力を発揮します。つまり、港を買った手番ですぐに交易品を1つ交換できるのです。また同種のカードの能力は累積します、商館2つなら追加で2枚、契約書2つなら追加で4コイン、港2つなら追加で2つの交易品キューブを交換となります。
こうしてゲームを続け、交易品カードの山札が無くなった瞬間にゲーム終了です。持っているお金を数え、最も多かった人の勝利となります。なお、コインは裏返すと同じになっており、持っているコインは裏返して所持金は非公開というルールです。ただ2人プレイの時は所持金公開でも良いかもしれません。
日本での評価が高く、海外(アメリカ)での評価は低いゲームの1つです。どうもルールが分かりずらいという声が多く、かなり色々な方がルールを間違えてプレイされていたようです。でも決して難しくないルールなので、ぜひ正しいルールで遊んで真価を味わって欲しいです。プレイ人数は2-4人のどれも面白く、また人数によって違った味わいになります。色々なプレイスタイルがあり、特殊カードをまったく買わなくても勝つのは可能ですが、何枚かは買った方が勝ちやすいというバランスも絶妙です。
特殊カードの組み合わせの妙もあり、商館はカードが増えるのでプレイの指針が立てやすく、またゲーム進行が早くなる傾向があります。契約書は6回使えば元が取れるしゲームが長引く程よいので商館とは逆のベクトルが働きます。港は他人と協力しなくても大量得点を取れるため使い方によっては強力です。
元になった「フェーケライ」では特殊カードは船に相当するものしか無く、また得点は場に3枚以上出ないと発生しませんでした。ゲームが進むに連れて得点があがっていくというシステムになっているのも大きな違いです。またクニツィアにしては珍しく手札制限があり(自分の知る限りでは、この「フェーケライ」と「ロンド」のみ)、5枚という手札制限がゲームのプレイの幅を狭めていたようにも思います。そのあたりが一気に改善されたこの「交易王」はもはやリメイクではなく、別のゲームと言って良いでしょう。
各エディションでルールの違いなどはありません。ペガサス初版は薄い小箱で、コンパクトで携帯性が高く、ボックスアートも含めて一番好きな版です。ペガサス第2版では、カードなどのコンポーネントは初版と同じですが、交易品キューブが大きめになっています。また箱が大きめになり、深さも増しています。ボックスアートも異なるものになっています。アメリカのカタリスト版 Merchants は特異な形状のパッケージです。ビデオゲームのパッケージのようにマジックテープがついており、本のように開けるとルール説明があるのです。さらに小さめの箱が中に入っており、そこにすべてのコンポーネントと、別の説明書があり、カードはもっと小さな箱に入っているというように、箱が三重にもなっている入れ子のような構造なのです。かなり珍しいボックスだと思います。交易品キューブはペガサス第2版と同じ大きさですが、紫(藍)と水色(魚)の色が似すぎて区別が付けずらく、プレイアビリティを損ねてしまっているのは残念です。
各エディションのコンポーネントの違いは以下の通りです。
交易品の内容
ペガサス初版/第2版(交易品キューブだけ大きさが異なる)
赤 銅 Cuprum
黄 麻 Linum
緑 綿 Gossypium
青 藍 Indicum
茶 胡椒 Piper
白 塩 Sal
カタリスト版 Merchant
水色 魚 Fish
黄 トウモロコシ Corn
緑 木材 Lumber
紫 藍 Indigo
茶 毛皮 Far
白 綿 Cotton
コインの内訳
ペガサス版(初版&第2版)
1 ーー 28枚
5 ーー 17枚
10 ー 15枚
計 263(60枚)
カタリスト版
1 ーー 27枚
5 ーー 18枚
10 ー 15枚
計 267(60枚)
この日は久し振りにペガサス初版でこのゲームを遊びました。商館と契約書の両方を取るのは相性が悪いように思えるのですが、その組み合わせでみごと1戦目を制した農虎さん。自分もこの真似をして農虎作戦と称して望んだ2戦目では、たかりんの船4艘作戦にやられました。どちらも僅差で2位という結果でしたがやはりこのゲームは傑作ですね。何度やっても面白い。
1戦目:農虎 77(商契)、自分 74(船契)、たかりん 65(船船)
2戦目:たかりん 117(船船契)、自分 115(商契)、農虎 79(船船港)
ツイクスト Twixt
(プレイ時間 40分)
ツイクストが広げられているのを覗きに行ったら成り行きでプレイすることになりました。普段余りプレイ機会がないので嬉しい限りです。イシヅカさんは初めてとのことなので、基本的な4種類の繋ぎ方などを見せてからプレイ開始です。途中で結構接戦になり、橋の架け替えを何度か行ってやっと繋げました。とても初めてとは思えません。また対戦したいものです。
結果:自分 勝利
羊と犬と狼 Sheep, Dogs and Wolves
(プレイ時間 45分)
短いゲームなのでやってみませんか? と誘って羊と犬と狼を遊びました。前回よりも配置方法が結構色々とあることに気が付き、目先の利益だけでなく考えどころもあるしっかりとしたゲームだと思いました。これはまた近いうちに遊びたいです。写真は自分が狼のときです。犬から逃れながら羊を殺していくように配置するのはなかなか難しいものです。
結果:自分 13、イシヅカ 9
ナゲッツ Nuggets
(プレイ時間 25分)
2人でのプロット陣取りゲームです。ボードには金塊(ナゲッツ)が置かれており、これを柵でわけていきます。さらに自分のタイルを裏向きにプロットしていき、柵内で数値合計が高い方が金塊の得点をもらえるというわけです。タイルは各自1ー5で高数値は1枚ずつです。
手番には、自分のタイルを1枚裏向きに置くか、柵を好きな場所に2つ置くかのどちらかです。柵をおく場合にはルールがあり、マス目の数が3以下のエリアをつくってはいけません。なので7のエリアなどは分割不可能なわけです。
自分のタイルをかなり金塊の外にされてしまい、一時はどうなるかと思いましたが、プロットの読みが当たったこともあって、勝つことができました。久しぶりに遊ぶと良いゲームですね。
結果:自分 35、イシヅカ 13
ギシンアンキノトウ Towers of Conspiracy
(説明 5分 プレイ時間 15分)
6つの塔の価値を探りながら高い価値の塔を2つ獲得するというゲームです。6つの塔は4面になっており、黄色い面と黒い面がありますが、黄色い面がそのままその塔の得点になります。この黄色と黒のすべての組み合わせがあるために全部で6つの塔があるというわけです(0ー4だが2だけは2通りある)。
面白いのはそれぞれのプレイヤーからはすべての塔の2面ずつしか見られないということです。なので何点なのか確定できる場合もありますが、そうでない場合の方が多いのです。
各ラウンドの始めに、6つの塔を反対側を見ないように気をつけながらセットアップします。勝っているプレイヤーから(同点の場合は直前のラウンドで勝ったプレイヤーから)そのラウンドを始めます。まずひとつだけ塔の底面を見ることができます。底面には塔の点数が書かれています。ここからは2つの塔を獲得するための心理戦となります。自分の欲しい塔の上にキューブを交互においていきます。キューブは2つまで重ねることができ、その2つは両方同じプレイヤーのものでもかまいません。一番上のキューブがその塔を獲得したことになります。自分の手番で既に2つの塔を獲得している場合はパスをしなければならず、2人がパスをしたらラウンド終了です。
獲得した2つの塔を見てどちらが勝ったかを決めます。塔の価値の合計が高い方が勝ちですが、2の塔を両方とも獲得すると必ず勝ちます。また合計が同じ場合は、低い数字が高い方が(つまりより平均的な数値を持っていた方が)勝ちとなります。こうしてラウンドを繰り返し、先に3ラウンド先取したプレイヤーの勝利となります。
勝利条件が良くできており、2の塔2つを狙うか4と3を狙うかは難しいところです。強い組み合わせから、2-2、4-3、4-2、3-2、4-1、3-1、4-0、2-1、3-0、2-0、1-0の順ですが、4-3では2-2に負ける恐れがあるのに対し、4-2は必勝です。同様に3-0は必敗で、0を取って勝てるのは4-0対2-1というパターンだけです。また、ゲーム中には自分が推理するだけでなく、相手が何を推理することができるのか、辺りまで考えるのが楽しいです。
カワサキさんに持ち運びに便利な横長のボードを頂いたので、それを使ってイシヅカさんと遊んでみました。推理と勘が当たってのストレート勝ちです。今度はバリアントの更なる疑心にも挑戦したいです。
結果:自分 3、イシヅカ 0
ロスト レガシー Lost Legacy
(説明 5分 プレイ時間 各5分)
「ラブレター」を発展させたゲームです。こういう展開の仕方は分かるのですが、2段階になっており、どうも最後の勘でレガシーを当てる辺りが本当に当てずっぽでしかない部分が多くて蛇足に感じました。
結果
1戦目:自分
2戦目:にゃかの
シュガー グライダー Sugar Gliders
(プレイ時間 15分)
最後は時間調整にと「シュガーグライダー(フクロモモンガ)」です。前回のように手番順に順位がつくことはなかったものの、最善手をその場でやるしかなく、あまりプレイヤーインターアクションがないのは不満点です。その代わり、短時間で終わるのはメリットと言えるかもしれません。この辺りは好みの問題でしょう。
結果:たけ 43、自分 43、未来 36、にゃかの 36
このあとはファミリーレストランでくぇいさんと「ヤバラス」や「スーザン」を遊びました。どうもありがとうございました。
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