ロール&ロール ステーション ゲーム会 2013.07.05

ヘックス Hex
(プレイ時間 各5-15分)
Hex-EpochBookGame-Box.JPG「ヘックス」はアブストラクトゲームのジャンルの1つである連結ゲームの代名詞といえるゲームです。1942にデンマークのハイン、1947年にアメリカのナッシュによって別々に考案されました。菱形のヘックスグリッドのボードを使います。11x11が基本のサイズとされていますが、ナッシュは14x14が最良のサイズだと言っているそうです。製品版にも様々なサイズがありますが、自分が所有しているものはエポックブックゲームシリーズの11x11のボードです。箱の表の写真にはウォークマンが写っていたり、裏面には妙なキャッチフレーズが書かれていたりと、時代を感じます。

Hex-EpochBookGame-Back.JPG手番にはボードに自分のコマを1つ置くだけです。決められた対辺(ひとりが縦、もうひとりが横)を自分のコマで繋げば勝利です。四隅のヘックスはどちらの辺にも属していると考えます。タイはあり得ず、ヘックスグリッドの特徴で切り違いも無いのでどちらかひとりしか繋げないことになります。通常は30手ずつ(計60手)以内に勝負がつくので自分のセットにも最初から30個ずつしかコマがついてきません。また2x2の菱形のパターンの長軸の頂点に自分のコマを置けば間に2通りあるので必ず繋がっていますので、これらも考慮に入れると非常にスピーディーなゲームになります。先手必勝が証明されていますが、通常はパイルール(先手が第1手を打ったあと後手はそのまま続けるかその手を自分の手として先手になるかを決められる)を採用します。

非常に鋭いゲームで、買った当時、中学生だった自分はこのゲームを毎日のように遊びました。思えば自分がアブストラクトゲームの面白さを最初に知ったのは「ヘックス」だったと思います。このエポックブックゲームシリーズでは他にも「ドミノ(カンテット)」「バックギャモン」「ナイルギャモン」「雀カード」「棋碁」を持っていますが、「ヘックス」と「ドミノ」が遊んだ回数が最も多く、自分の中でのアブストラクトゲームと伝統ゲームの基礎になったのではと思っています。

Hex20130705.JPGなお、「ヘックス」ではコマを動かすことは無いので、ボードを印刷して紙とペンで遊べます。「ヘックスストラテジー」という本には様々なサイズのボードがコピーできるように巻末に収録されています。またこの本を買った時におまけでヘックスパッドともらって、これを使って遊んだ時期もありました。

このエポックブックゲームシリーズのセットを使って遊ぶのは本当に久し振りです。キノさんにリクエストされた「コンヘックス」の前座にと思って持ってきました。キノさんは遊ぶのは初めてとのことなので、パイルール無しで後手を担当しました。ゲーム終了後にいくつかの基本手筋(といってもルールブックに書いてある程度なのですが)を紹介しました。近年のヘックスグリッドのアブストラクトゲームでは「ヘックス」の原理を使っているものも多く、連結ゲームの基本となるゲームなので、もっといろんな人に遊ばれて欲しいですね。入手が困難なのが欠点です。現在はネスターゲームズから11x11と14x14が売られており、他にも海外では幾つか出版社があるようです。

結果:自分 2、キノ 0



コンヘックス ConHex
(プレイ時間 各5-15分)
ConHex20130705.JPG「コンヘックス」は「ヘックス」にエリアマジョリティーの要素を取り入れたゲームです。目的は自分の獲得したエリアで、自分の対辺を繋ぐことです。ボードは様々な形のエリア(本質的には3種類だが)に分かれており、外枠には赤と黄色でどちらプレイヤーの対辺かが示されています。それぞれのエリアの頂点にはピンを置く小さな円が描かれています。ピンを置いてエリアを獲得し、そのエリアで連結させるという二段構えの構成なのです。

手番にはピンをひとつ、これらの頂点にある小さな円に置きます。エリアに置けるピンの総数のうち半数を先に取るとそのエリアを獲得でき、自分の色の板をそのエリアに置きます。特徴的なのは、ボードの中央部分は頂点が6つのエリアばかりで(例外として真ん中のエリアだけは5)、周辺はすべて頂点が3だということです。これによって、周囲から攻めて行った方が楽に繋げることも多く、必ずしも中央が強いとは限らないのです。

また置いたピンが複数のエリアに影響することが殆どなので、どこに置くかは非常に悩みます。相手より1つリードしていれば取ろうと思えばそのエリアは取れますが、あまり固執せずに相手をブロックしつつピンを置いて行くのが良いでしょう。

キノさんのリクエストで持ってきたゲームです。元になった「ヘックス」よりも、概してユーロゲーマーに対する受けは良いみたいです。エリアマジョリティ的な要素があるからでしょうか。経験を活かして3勝でした。

結果:自分 3、キノ 0



ピロス Pylos
(プレイ時間 各5-10分)
Pylos20130705.JPG15個ずつ与えられた手持ちのボールを最後まで持っているのが目的です。手番にはボード上、または2x2の正方形になっている場所の上の好きなところに自分のボールを置くことができます。手元からではなく、すでに置かれたボールを移動させることも可能ですが、その場合はより高い段に置かなければなりません。置いた結果自分のボールだけで2x2の正方形ができたら直ちにボールを2つまで手元に回収できます。なお移動や回収をするときには、上にボールが乗っていては駄目です。上級ルールもあり、これは1段目か2段目で縦横1列(斜めは駄目)を作ってもボールを2つまで回収できるというものです。1段目は4つ、2段目なら3つで1列になります。

ギークでは何故か評価が高いゲームです。昔「ピラオス Pyraos」という名前でアメリカで売っていたのを買ったことがありますが、付属の日本語ルールと英語ルールがほぼまったく別のゲームかというくらい異なっていて、プレイするのを止めてしまったという記憶があります。手元にゲームが無いので、おそらく誰かに譲ったのだと思います。「アッパーハンド」という似たような形状の傑作ゲームがありますが、「ピロス」の評価の高さを不思議に思ってルールをダウンロードして遊ぶことにしました。現物は無いので「渋」のセットを用いました。

基本ルールで遊びましたが、とにかく自分のボールを回収すれば良く、そのためには自分の手番の終わりに2x2の正方形を作らない(ただし自分のボールだけでの2x2は作る)という一点にプレイが絞られます。まあ、思っていたほど悪くはないけれど、プレイの幅が狭すぎて、どうしてこれがこんなに高評価なのかは疑問です。見た目が良いからでしょうか。

結果:自分 2、キノ 0



アッパーハンド Upper Hand
(プレイ時間 5分)
口直しに「渋」セットを使ってアッパーハンドを遊びました。「ピロス」より格段に面白いと思います。本来は5x5や7x7なので、今回の4x4はやはり小さすぎて、練習という感じでした。次回は7x7くらいで遊びたいものです。

結果:キノ 1、自分 0



六目並べ Connect 6
(プレイ時間 各5分)
Connect6-20130705.JPG「六目並べ」は碁盤と碁石で先に六目を作った方が勝ちというシンプルなゲームです。先手(黒)の第1手のみ石を1つ打ち、以後は2つずつ任意の場所に打ちます。展開が「五目並べ/連珠」よりもダイナミックになり、なかなか面白いです。なお、禁じてなどは一切無く、長連(七目以上を作る)を大丈夫です。「五目並べ」の先手の有利さを禁じ手などによって軽減させたものが「連珠」ですが、この「六目並べ」は複雑なルール無しに先手と後手がほぼ公平になるようにできているそうです。

手番に2つ打てるというのはボードゲームでは結構ありますが(2アクション制)、アブストラクトではあまりないと思います。五目をつくっても相手に両側を塞がれるのでまったく勝ちではありません。4x-4(xは片側が押さえられていることを示す)を作れば勝ちとなりますが、他にも色々と勝ちパターンがありそうです。なお最低でも19x19のサイズが必要で、できれば9つの碁盤を繋げた59x59(!)が良いなどとウィキペディアには書かれているのですが、そんなに大きくなっても勝負は変わらないのでは? と思うのは素人考えなのでしょうか。

結果:キノ 2、自分 1



ブルームーン Blue Moon
(プレイ時間 20分)
BlueMoon20130705.JPGブルームーン同族対決です。今回は一番難しいデッキと思う「アクア」と「アクア」の対決です。「アクア」は片方の数値が0のことが多く、また Aqua11「今、私は手札から何枚でも捨てることができる」や Aqua14「今、私は手札から何枚でも山札の底に戻すことができる」など、使いどころが難しいカードが幾つかあります。特に Aqua31のリーダーシップ「今、私は捨札をすべて山札に戻してシャッフルすることができる」というカードを2人とも持っているので、ゲームが長引くかと思いきや、わりとあっさりと勝負がついてしまいました。フリーのサポートが強く、それを良いタイミングで引いてきた自分が優勢になったのです。4-0となっての2ディール目。捨札のシャッフルカードを出そうかと思いましたが、出さなくても1点は獲得できたのでゲームを終わらせました。個人的にはこれもなかなか面白い対決だったと思います。あと残るは「ピラー」と「テラ」ですね。

結果:自分(アクア) 5、キノ(アクア) 0



バトル フォー オリンパス Battle for Olympus
(プレイ時間 各15-25分)
BattleForOlympus20130705.JPGネスターゲームズから2009年に発売されたゲームです。「クリンチ」「ティク」という名前のアブストラクトゲームに特殊能力を加えたものです。特殊能力を印刷したシートが英単語の間のスペースがまったく無くて、読みづらくてプレイできずに居ましたが、ようやくきちんとしたシートが手に入りプレイできるようになりました。

まずは元のゲームに慣れるために特殊能力無しで遊びました。元は6x6なのですが、せっかくなので8x8です。特殊能力無しでは8x8は少々冗長な気がしました。

2戦目と3戦目はいよいよ特殊能力のあるプレイです。各コマには特殊能力があり、ヒーロー側とクリエーチャー側で異なります。しかし各コマが能力を発動できるのはゲーム中に1回だけなので、それほど煩わしくなく楽しめました。クリエーチャー側のメドゥーサは的を1つ固まらせるという強力な能力があるのですが、2人とも結局その能力を使うタイミングがうまく使えずに終わってしまいました。また能力を忘れないうちに遊んでみたいです。

結果
1戦目(特殊効果無し8x8):キノ 0(勝利)、自分 11
2戦目:自分(クリエーチャー) 0(勝利)、キノ(ヒーロー) 6
3戦目:キノ(クリエーチャー) 0(勝利)、自分(ヒーロー) 7

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