ボードの対辺を結ぶ連結ゲームでの原点といえば「ヘックス」をあげる人も多いと思います。2人が菱形のヘックスボードでの異なる対辺を自分のコマで繋げるのが目的で、防御がそのまま攻撃に直結している鋭いゲームです。ヘックスボードではどちらかひとりのプレイヤーが繋がれば、もうひとりは繋がらないし、必ずどちらかひとりは繋がるという長所があります。一方、碁盤のようなスクエアボードでは斜めを連結とみなすかどうかによって、簡単に繋がってしまい防御の意味が無かったり、逆にどちらも繋がらないデッドロックになったりという問題があります。
しかし近年のデザインではルールを工夫することでスクエアボードを使ったものがかなりあります。ゴネクト(2000)、クロスウエイ(2007)、スリザー(2010)、シフティー(2012)、コノビ(2012)、クエンティン(2012)、ビンブル(2012)、コパノ(2013)などは通常の碁盤でプレイが可能です。他にはチェッカー版を使う、トレリス(1999)、ブリーク(2012)、さらに角をマス目にしたクアークス(2000)など変種も多いです。
今回は碁盤で遊べるもののうち「クロスウエイ」「スリザー」「シフティー」の3作を2回ずつ遊びました。なお、碁盤と碁石はネスターゲームズのものを使いました。これは9路盤、13路盤、19路盤がひとつになっており、とても便利です。
クロスウエイ Crossway
(説明 5分 プレイ時間 各10-30分)
「クロスウエイ」は2007年にマーク・スティアによってデザインされました。スクエアボードのコネクションゲームではおそらく最も簡単なルールです。縦横に加え斜めも繋がっているとみなします。ボードに何も無い状態から始め、手番には自分のコマを1つ置きますが、切り違い(クロスカットともいう、2x2の市松模様)を作ってはいけません。ボードは大きなものが必要で、19x19が推奨されています。
今回は19x19で遊びました。切り違い禁止のルールがあるので、斜めは先に置いた方しか繋げません。このあたりは少々ツイクストに似ています。少し遊ぶと分かりますが相手を止めるのが大変です。相手の5-6マス先くらいに置いても止めようが無かったりします。慣れが必要で、相手のコマの脇に置いて両側を同時に攻撃するのが有効かもしれません。2回とも後手で1勝1敗です。
結果:シミーズ 1、自分 1
スリザー Slither
(説明 5分 プレイ時間 各10-20分)
「スリザー」は2010年にコーリー・クラークによってデザインされました。斜めだけに繋ぐことを禁止しており、斜めに繋がっているコマは必ず共通の縦横に繋げるコマでL字になっていなければなりません。ボードに何も無い状態から始め、手番には自分のコマを1つ置き(必須)、そのあとボード上のコマを1つ縦横斜めの隣りに動かすことができます(任意)。手番の途中で斜めだけの繋がりができても終了時にそれが解消されていれば大丈夫です。ボードサイズは任意ですが、初心者は10x10、慣れたら13x13くらいが良いようです。
今回は9x9で遊びました。シンプルながら非常にダイナミックなゲームです。コネクションゲームではどうしても後半は無駄になってしまうコマが多くなるのですが、このゲームではそれらを動かすことによって再活用できるというのが素晴らしいです。このコマが少しずつ動いて行く様がスリザーというわけです。今回は2回とも先手が勝ちました。次回は13x13くらいで遊んでみたいです。先手有利が軽減されるでしょうし、もっと慣れたら作者も言っているようにパイルールを入れれば良いと思います。
結果:シミーズ 1、自分 1
シフティー Shifty
(説明 5分 プレイ時間 各5-25分)
「シフティー」は2012年にニック・ベントレーによってデザインされました。斜めも繋がっているとみなし、切り違いは禁止です。手番には自分のコマを置くか、既に置かれたコマを移動させるかのどちらかしかできません。コマを置けるのは既に置かれた自分のコマの縦横での隣りだけです(斜めは駄目)。動かす場合はチェスのクイーンのように縦横斜めに何マスでも動かせますが、縦横(斜めは含まない)で隣接した自分のコマ数がより少ない場所にしか動かせません。縦横に隣接したコマの無ければ動かせないというわけです。10x10が推奨されています。
今回は9x9で遊びました。スリザーよりもルールが少し複雑ですが、自分のコマを置ける範囲が限られており、置くか動かすかなのが良いジレンマを生み出しています。また動かす時にはクイーンの動きなので斜めで意外なところに動けます。ボードゲームっぽいコネクションゲームと言えるでしょう。2回とも後手で勝利。おそらく慣れたら先手有利になると思います。
結果:自分 2、シミーズ 0
次回は「コノビ」「クエンティン」辺りを遊んでみたいです。
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