久し振りにplay:gameデータベースのpuppiさん宅でのゲーム会に誘われました。長時間ゲームは「銀杏都市」「キーフラワー」という2本立てで、その他「すきもの」などを楽しみました。
銀杏都市 ギンコポリス Ginkgopolis
(説明 20分 プレイ時間 75分)
ちょっと変わったタイル配置のゲームです。ゲームの中心となるのは銀杏都市を構成するタイルと手札となるカードで、それぞれ、3色(赤青黄)が20枚(数値1-20)ずつの60枚、さらにA-Lのアルファベット12枚を加えた計72枚あります。ゲーム開始時には各色1-3の計9枚の正方形タイルを3x3の正方形状に並べて銀杏都市の始まりとします。ゲームを通してタイルが周囲に広がったり積み重なったりして銀杏都市が発展していくのです。銀杏都市の周囲には12枚のアルファベットの円形タイルを置きます。
カードの運用にはブースタードラフト方式(世界の七不思議方式)を用いており、1枚選択したらすべてを左隣りのプレイヤーに渡します。選んだカードを全員で同時公開し、その後スタートプレイヤーから順に選んだカードでタイル配置かパスを行います。そのあと右隣から廻って来たカードを受け取り、さらに1枚ずつ補充されます。スタートプレイヤーを左隣りに移し、これを繰り返してゲームが進みます。
変わっているのは、手札のカードは配置するタイルではなくその下敷きになるタイル、つまり配置場所を表すということです。銀杏都市の周囲に拡張する場合も同様で、該当するアルファベットのカードが必要です。さらに階層の分だけ自分のコマを置かなければならず、これができないときはタイルを置けません。
1層目を置いたときは周囲のリソースを得ます。赤、青、黄がそれぞれ、自分のコマ、タイル、勝利点に対応しており、階層に応じた数だけ獲得します。さらに置いたタイルの周囲の空き場所にアルファベットタイルを置き、どちらの方向に都市を拡張するかを決めることができます。
2層目以上を置いたときは使ったカードを獲得して自分の前に置きます。これは以後自分のアクション(1層目配置、2層目配置、パスなど)でリソースを追加で獲得できたり、ゲーム終了時のボーナス得点になったりします。タイルを置く時に色が異なると自分のコマをひとつ余分に支払わなければならず、数値がより低いとその差分だけ勝利点を支払わなければなりません。つまり無料で置けるのは同色のより高い数値のタイルだけとなります。
タイルが配置できない時やしたくないときはパスします。1層目のためのアルファベットのカードなら自分のコマかタイルを1つだけですが、2層目以上のための数字が書かれたカードならその場所の階層に応じた数のリソースを得ます。
この4つのケース(配置かパスか、1層目か2層目以上か)が慣れるまでは分かりずらいのですが、慣れてくるとなかなか面白いです。高い数値のカードは能力も優れていますが、配置するのも大変なわけです。
さらにゲーム終了時にはエリアマジョリティーのボーナスがあります。2タイル以上繋がった同色のエリアを見て、コマ数で得点が入るのです。1位には自分と他プレイヤーすべてのコマ数だけの得点が、2位以降は自分コマ数が得点になります。コマ数が同じなら階層、そしてタイルの数字がタイブレークになります。タイルはどんどん重ねられていくので難しい部分もありますが、中盤以降からは意識した方が良いと思います。なお自分が置いているコマに誰かが上にタイルを置くとコマは手元に戻りコマ1つにつき1点入ります。つまりエリアマジョリティーでトップを取らなければ最後まで残っても途中で戻されても同じ得点なわけです。もっとも1タイルだけにされてしまうと無得点なのですが。
かなり変わったゲームでタイル配置のシステムは気に入りました。しかしブースタードラフトにあまり意味を感じず、手札としてカードを取っておけないので長期戦略が立てられないと感じました。特に終盤はどのようにタイルが置き換わるかがエリアマジョリティに関連する大切なところなのに、置く場所がカードの運で決まってしまうというのはなんとかならなかったのでしょうか。おそらくブースタードラフトがない方が自分好みのデザインになったと思います。
結果:つなき 47、PHY 42、puppi 38、たむら 36、自分 30
ガラクタ集め Fundstücke
(プレイ時間 30分)
フリーゼの再販された「ガラクタ集め」です。これで2回目のプレイとなります。前回の経験を踏まえて、2や3でのビッドで序盤からうまいこと揃えていくことができました。「銀行強盗」のビッドシステムだけを抜き出したようなゲームで、同時ビッドが嫌いでなければ手軽で楽しめます。
結果:自分 116、PHY 110、たむら 95、puppi 76、つなき 59
すきもの Sukimono
(説明 10分 プレイ時間 各25分)
リアルタイムで骨董品を集めて高く売り、いち早く目標の50文に達することを目指すゲームです。株の要素もあり、ちょっと例を思いつかないプレイ感覚のゲームです。
骨董品カードはランダムに8つのデッキに分かれています。各デッキは日本の地方に対応しており、東山道、東海道、畿内などと名前がついています。骨董品は同じものが何枚か入っており、その頻度によって松竹梅とランク分けされています。ラウンド開始時に、手番順に8つのデッキから1つを選びます。そして一斉にデッキのカードを見て、リアルタイムで好きな骨董品カードを自分の資金の範囲で好きなだけ買うことができます。買い終わったプレイヤーから手番順が決定され、これは直後の売却と次のラウンドのデッキ選択での順番となります。ボード中央にはラウンドで売却可能な5種類の骨董品が示され、売却されると値段が下がります。あまり売却が多いと値崩れしてもう売ることはできなくなってしまいます。売却がすべて終わると、最も長く売却対象になっているものは破棄され、それ以外は値段が上がります。値段が上がりすぎると希少と見られて高値ですが1枚しか売れないなど良くできているルールです。
国産ゲームでは結構名前を聞いており、遊んでみたいと思っていました。リアルタイムでみわけのつきずらい骨董品を探すのが楽しく、また値段が上がるまで溜め込んでいたのに他のプレイヤーに出し抜かれて売却されて無価値にされてしまうなど、なかなかドラマティックなゲームです。2回続けて遊び、puppiさんが2連勝と強さを見せつけました。
結果
1戦目:puppi 55、つなき 53、自分 52、phy 27、たむら 13
2戦目:puppi 55、phy 48、つなき 34、自分 33、たむら 22
リサイクル Lixo?
(プレイ時間 20分)
puppiさんが手に入れたばかりということもあり、5人で遊ぶことになりました。自分も偶然に持参しており、久し振りに遊びたかったので丁度いい機会だと思ったのです。ソフトパスのルールがうまく働いている変わった競りゲームで、自分はかなり好きです。
序盤の最初の手札補充が起こる前に、自分は首尾よく2つも競り落としたのですが、これは決して良いことではありません。このゲームでは安く競り落とすことにはあまり意味がなく、いかに自分のカードをうまく使い切るかに意味があるからです。よって、手札から1枚や2枚でならば競り落としても競り落とさなくても大差ないのです。ただ他のプレイヤーからはかなり有利だと見られていたようです。もしこの序盤でカードを使わなければ、終盤により有利に進められたかもしれません。そのあたりがこのゲームの真髄だと思います。
ゲーム終了後に「荒削りなのですが好きなゲームです」と言うと「全然、削ってないよ、これ」という意見もありあまり受けは良くありませんでした。あとプラスで終わったのが1人だけだったというのがネガティブで気に入らないという意見もあり、そのあたりがまったく気にならない自分には興味深かったです。気になるならば全員に30点を足せば良いと思います。そうすればマイナスは起こり得ないので。
結果:たむら 5、PHY -6、自分 -7、puppi -8、つなき -14
キーフラワー Keyflower
(説明 40分 プレイ時間 130分)
2度目となる「キーフラワー」です。前回は6人だったのですが、今回はおそらく理想人数に近い4人です。最終ラウンドで自分の得意分野を得点化できるタイルを競り落とさないとほぼ脱落決定だと前回悟ったので、今回は四角いタイルでのセットコレクションを集中的に行い、得点化タイルもちゃんと手に入れました。しかしミープルが全体的に少なくてできることが無くなってしまうことが多かったこともあり、やはり最下位でした。4人ですが、前回の6人プレイよりも長かったです。まあ個人的にはもうこのゲームはいいかなあという感じです。核となる競りのシステムは面白いので、そこだけをうまく抽出したゲームが出ることを期待します。
結果:たむら 73、PHY 65、puppi 59、自分 57
息抜きに、たむらさんとミュルスガリカスを遊び、それから夕食をとって日付が変わってから残った3人で再開です。
フォルム ロマヌム Forum Romanum (ニューゲームズオーダー版)
(プレイ時間 25分)
久し振りに遊ぶ「フォルムロマヌム」です。去年ニューゲームズオーダーからコンパクトに再販されて遊びやすくなりました。3人でも遊べますが、もう少し多人数の方が良いかもしれません。と思って以前のレポートを見てみると、やはり3人は今ひとつだったみたいです。次回は4人以上で遊んでみたいです。また、完全情報なので、2人も良いかもしれません。
結果:PHY 25、puppi 22、自分 17
コーポレーション Corporation
(プレイ時間 55分)
ソロモンの多人数完全情報ゲームです。パズルっぽさが面白く時々遊びたくなるゲームなのですが、同作者の「ビラボング」などと同様に最適解を探すダウンタイムが長めです。パズルっぽいゲームが好きなpuppiさんに遊んでみて欲しかったのですが、思いのほかPHYさんからの受けが良く、最後はPHYさんが綺麗に勝利を決めました。
結果:PHY(1位)、puppi(2位)、自分(3位)
パトリツィア Patrizier / Patrician
(プレイ時間 30分)
シャハトのシャハトらしいきっちりとしたゲームです。エリアマジョリティーの変形で、各エリアに2カ所置くところがあることや、同数だとあと出し勝ちなところ、カードが丁度使い切りになるところなど非常によくできています。puppiさん所有のものは英語版の「パトリシアン」でしたが、言語異存がないのでまったく問題はないです。カードの補充がアールエコ方式(置いた場所の表のカードを獲得する)でこれがゲームに深みを与えています。
結果:自分 52、PHY 48、puppi 41
自由都市 Municipium
(プレイ時間 80分)
最後は「自由都市」です。今回はカードの出方が異常とも言えるほど偏っており、知事(白いコマ)が動くというのが5回連続で出てしまい、かなり調子を崩されました。さらに自分がタイブレークを司る0番の建物に少々重点を置きすぎてしまい、phyさんに楽々と風呂に3回も入られてしまいました。そんなこともあり、あっさりと終わりです。本来はそんなに運の要素が大きなゲームという印象はないのですが、運だけのゲームだという印象を与えてしまったようで少々残念です。
結果:PHY 5、puppi 4、自分 3
主催のpuppiさん、一緒に遊んでくれた皆さん、どうもありがとうございました。またの機会を楽しみにしています。
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