先月に引き続き、まんまるに参加しました。カタンを通常版2回とカタンエクスプレス1回の計3回も遊ぶというカタンな日となりました。
ベガス Vegas
(プレイ時間 55分)
アレア中箱シリーズ第8弾で、運の要素は大きいもののシンプルでよくできたダイスゲームです。テーブルの中央には6つのカシノが並んでいます。これは1-6のダイス目に対応しています。4ラウンドで最も多くのお金を稼ぐことを目指します。
お金は価値が1-9のお札カードのデッキになっています。ラウンドの始めにはこれらのお札カードを1-6の6つのカシノにランダムに5以上になるように置きます(1枚ずつめくって置いてゆき、5以上になったらやめる)。各プレイヤーは自分の色のダイス8つを受け取ります。
手番には手持ちのダイスをすべて振ります。出た中から1種類の目を選び、その目のダイスすべてを対応するカシノに置かなければなりません。振り直しなどは一切ありません。置いたダイスの数は一定でないのでダイスの数はプレイヤー間で差が出てきます。ダイスをすべて置いたらあとはパスするだけです。
全員がダイスをすべて置いたらラウンド終了です。各カシノで最も多くのダイスを置いたプレイヤーが一番大きな額のお札を、次の多くのダイスを置いたプレイヤーが次に大きな額のお札を、というように獲得するのですが、置いたダイスが同数の場合は取ることができません。例えば、あるカシノでダイスの数が、4、4、3、3、1個だとしたら、ダイスを1個置いたプレイヤーだけが最高額面のお札1枚を得るのです。この一見シンプルなルールがゲームを実に面白くしています。同数にして潰しにかかったり、最後に振った1つのダイスで強制的に同数になってしまったりと、大変なのです。他のプレイヤーの残りのダイス数を見て確率を考えてダイスを置いていくのは楽しいものです。
これを4ラウンド行って勝敗を決めます。なお4人だとダミープレイヤールールがあり、そちらもなかなかの面白さです。
結果:こたろう 39、うり 31、自分 23、こじろう 21、ひろみ 10
カタンの開拓者たち Die Siedler von Catan
(プレイ時間 各55-85分)
ドイツゲームの代表作として突出した人気を誇るゲームです。1995年にトイバーがコスモスから出版したゲームで、初版は赤い夕日が非常に印象的な箱でした。当時は「カタンの開拓」という邦題が付いていました。その後、アメリカからのメイフェア版を始め、世界中から何度も再販されています。日本語版はトライソフト版、カプコン版、そしてジーピー版があります。単に「カタン」と略されることも多く、英語圏では Settlers、ドイツ語圏では Siedler と略されるようです。拡張やスピンオフも実に多く、思いつくものだけでも「航海者たち(海カタン)」「騎士と古城(騎士カタン)」「シナリオ集1-3」「ニュルンベルグカタン」「カタンブック」「カタンカードゲーム」「3Dカタン」「カンダミール」「エラズンド」などがあります。これだけ続編が出るというのは元のゲームがしっかりしている証でもあります。メカニクスから見ても、可変ボード、ダイスロール、建設による陣取り、拡大最生産、交渉とセットコレクション、バースト、特殊カードの能力、と近年のドイツゲームの基礎となった様々な要素が含まれています。
ゲーム開始の前に19枚の地形タイルをランダムに一辺3の六角形状に並べ、その周りに海と港をランダムに交互に並べます。この「毎回異なったボードで遊ぶ」というのはカタンの大きな魅力の1つです。ボード上に決まった配置で数字チップを置いていきます。これらのチップは2-12でダイス2つの出目の和に対応しています。これでセットアップ完了です。
ゲームの目的は自分の開拓地や街を建設することにより誰よりも先に10点獲得することです。建設できるものは以下の表の通り4種類(発展カードは建設でなく獲得します)あり、そのためには決まった資源カードの組み合わせが必要になります。地形タイルはこの5種類の資源に対応しています。建設した開拓地や街からは資源が産出され、それをもとにさらに開拓地や街を建てるという拡大最生産なのです。
点数 | 資源 | |
街道 | 0 | 木 土 |
開拓地 | 1 | 木 土 羊 麦 |
街(アップグレード) | 2 | 麦 麦 鉄 鉄 鉄 |
発展カード | 羊 麦 鉄 |
開拓地は六角形の地形タイルの頂点に、街道は辺に建設します。開拓地は勝利点1点になるだけでなく、周りの地形タイルから資源を獲得します。街は既にある開拓地のアップグレードで勝利点は2点に増え、資源が倍獲得できるようになります。開拓地は既にある自分の街道で繋がっていなければならず、さらに他の開拓地や街に隣接する頂点には建てられません。街道は0点なのですが、このルールによりどうしても建設する必要があるのです。また5本以上の一筆書きで誰よりも長い街道を建設すると、最長街道賞として2点がもらえるので、あながち無駄ではありません。他のプレイヤーの開拓地や街を越えて街道を建設できないので、陣取り的な要素もあります。
ゲーム開始直後に、全員が開拓地2つと街道2本を無料で配置します。順に開拓地1つとそれに隣接するように街道を1本建てるのですが、手番の有利不利を軽減するために時計回りに1巡したあと、反時計回りに1巡します。2巡目で建てた開拓地周辺の地形に対応する資源が初期手札となります。初期配置が終わったら、いよいよゲーム開始です。
手番には、資源獲得、交易、建設、の3つを順に行います。
手番プレイヤーはまずダイスを2つ振ります。対応する数字チップの土地にある開拓地と街につきそれぞれ1枚、2枚の資源カードを得ます。ここで面白いのは該当する全員が資源を得るということです。もちろん手番プレイヤーはもらえず他のプレイヤーだけがもらえるということもあります。
次に他のプレイヤーや銀行と資源の交換ができます。他のプレイヤーとの交換では自由に交渉することができ、枚数が異なっても構いません。また、銀行とでは同種4枚を好きな1枚に換えられる4:1交換ができます。この交換レートは一般港に開拓地/街がある場合は3:1、特殊港だと2:1(ただし2枚は港で指定された資源)となります。
最後に建設です。街道、開拓地、街(開拓地のアップグレード)、発展カードを必要な資源を支払って好きなだけ建設(購入)できます。これで手番終了です。
数字チップは最も確率の高い7がありません。7を出した場合は、資源の産出が起こらず、代わりに手札削減、盗賊移動、資源掠奪の3つのイベントがこの順番に起こります。まず手札の資源カードが7枚を越えているプレイヤーは全員、半分のカード(切り捨て)を捨てなければなりません。次に手番プレイヤーは盗賊を別の地形タイルに移動させます。盗賊がいる間は、その地形タイルは資源を産出しません。最後に今盗賊を置いた地形タイルに開拓地/街を建てているプレイヤー1人を選んで、資源カードをランダムに(ババ抜きのように)1枚奪います。
発展カードは全部で5種類25枚あります。騎士カード(14枚)、街道2本建設(2枚)、資源2枚と交換(2枚)、指定した資源をすべて独占(2枚)、勝利点1点カード(5枚)という内訳です。発展カードは獲得した手番では使えず、また1手番に1枚しか使えませんが手番中で使うタイミングは自由です(勝利点カードだけは例外でゲーム終了時に何枚でも公開することができる)。獲得した発展カードは裏向きに、使用したものは表向きに自分の前に置いておきます。もっとも枚数の多い騎士カードはダイスで7を振ったのと同じ効果がありますが、手札削減はありません。盗賊移動と資源掠奪ができます(騎士が盗賊を追い払うということらしいです)。騎士カードを3枚以上最も多く使ったプレイヤーには最大騎士賞として2点が与えられます。
カタンでは初期配置がかなり重要です。資源が出ないと話にならないので、ダイス2つの出目の和の確率は感覚としてだけでも理解しておくべきでしょう。特に良く出る6と8は赤字になっており、確率の低いものほどフォントが小さくなっています。メイフェア版では確率がドットによって示されているのは分かりやすいです(1つのドットが36分の1を表している)。以下初期配置やそれ以降でどこに建てるべきかの簡単な戦略を書きます。
1:数字チップの確率が高い所を狙う:当たり前ですが、資源がないと何もできません。確率の高い6や8を狙うのは当然ですが、5-9-10などの組み合わせも高確率です。意外と見過ごされていますが、3や11は2や12の倍、5や9は4倍も確率が高いのです。よく8が出て6が出ないなどと言いますが、ゲームを通して統計を取ると、割と確率通りの分布になっています。なので確率を信じてプレイした方が良いでしょう。
2:資源の相場を読む:数字チップをよく見て、出やすい豊富な資源、出ずらい貴重な資源を見極めます。数字チップがあまり良くなくても、貴重な資源を得れば交渉で有利になるでしょう。
3:特殊港と豊富な資源の組み合わせ:すべての資源を取らなくても、1種類が豊富に算出するようなら、その特殊港を得ることにより他のプレイヤーと交渉をせずにすすめられます。こういう組み合わせが取れないかと考えます。
4:木と土が同じ数字チップ:ゲームを通して木と土は必ず同時に同数だけ必要になります。よって木と土が同じ数字チップにある場合はこれを組み合わせて取るのも良いでしょう。
5:一般的に、最初は資源がちょくちょく出た方がよく、後半はまとめて出た方が良いです。特に鉄鉱石は街へのアップグレードでは3枚必要となるので、確率が低くても一度に大量に出ることが大切です。
カタンの最大の魅力は、第一に他のプレイヤーの手番でも自分がプレイに関わっていることです。誰の手番でも自分の資源は増えるし、交渉ができます。よってダウンタイムをあまり感じさせないのです。第二に資源と建設などテーマが分かりやすいことです。何度か遊べば4種類の建設に必要な資源は覚えてしまいます。また開拓地は街道の資源プラス2枚になっていたり、街道と発展カードが補集合の関係になっていたりとよくできています。テーマを支えるコンポーネントも美しく、特に初版のパステル調のボードやカード、木製の開拓地や街はそれだけでカタンらしい世界を作り上げています。最後に色々な展開と勝ち筋があるバランスの良さです。可変ボードなので毎回展開が異なり、飽きさせない作りになっています。難を言えば、盗賊や交渉などでトップのプレイヤーを牽制するという個人攻撃的な部分があまり好きになれませんが、他の部分を考えると魅力の方が断然に勝っており、やはり突出したゲームなのだと感じます。特殊カードの種類も最低限で、ドイツゲームらしい作りです。(写真はコンテナストアで買ったカタンの木製コマがぴったり入るケース)
カタンは自分がドイツゲームの世界に引き込まれたきっかけであり、また500回以上は遊んでいるゲームでもあります。あまりゲーム会などで遊ぶ機会がないのでこれまれほとんどレポートに上がっていませんが、以前は騎士カタンもかなりの頻度で遊んでいました。海カタンは色々とシナリオを試したものの、基本的には冗長になるだけであまり好きではありません。拡張はそれぞれ工夫を凝らしていますが、カタンの本来の面白さである交渉が少なくなりがちな傾向にあるのは残念です。やはり「素カタン」ともいわれる拡張無しが完成度は一番高いと思いますが、たまにはカタンブックのシナリオなども面白いと思います。
近年はルールに変更があり、手番での交換と建設は混ぜて行って良いようです。本質的な違いは建設して獲得した港を同じ手番で使えるようになったということです。これはプレイ前にどちらのルールで遊ぶのか確認した方が良いかもしれません。
発展カードの1つ「独占」は資源を指定すると全員が持っているその資源カードをすべて渡さなければならないという強力なカードですが、ローカルルールでこの独占を使う時には他のプレイヤーとその前に交渉してはいけないというのがあるらしいです。自分は今まで最大限に活用するためにその資源を他のプレイヤーに渡す交渉をしてから掠奪していましたが、グループによってはタブーらしいので気をつけた方が良いかもしれません。
今回は主催のだださん持ち込みの初版をお借りしました。カードはあとから追加した新しいデザインです。うりさんが初めてなので、2回続けて遊びましたが、2度目は1時間未満で終わりました。3人のカタンに付いては賛否両論あるようですが、3人も4人も自分は好きです。特に最初だと3人の方がボードに余裕があって厳しさが薄まり良いのではと思います。写真は第1戦目です。
結果
1戦目:自分 10、たけ 7、うり 6
2戦目:自分 10、たけ 6、うり 3
カタンエクスプレス Catan Express
(カタンブック Die Siedler von Catan: Das Buch より)
(プレイ時間 75分)
(以前のレポートのミスを直す)
たけさんとだださんのリクエストにより、続けてカタンエクスプレスです。エクスプレスというのは急行列車という意味で、ボードには街道ではなく鉄道を敷いていきます。以前レポートを書いたので詳しい説明は避けますが、鉄道はヘックスの中心から頂点へ繋げること、開拓地は鉄道のない場所ならどこにでも建てられること、街は鉄道が通ってないとつくれないこと、鉄道は最後のレースに重要な役割を果たすこと、などが特色です。
8点になるとレースが始まるのですが、今回は発展カードを引いた自分が強制的に8点になってしまい、まだ始まって欲しくないのにレースが始まってしまいました。チェックポイントである給水塔を置けるプレイヤーは2人だけで、給水塔2カ所の争いとなりました。路線網を広げただださんが断線有利です。自分はそのまえに開拓地を作ったり連結したりと得点を重ねましたが、レースではあまり得点ができずに最後は1点差で敗退。また遊びたいバリアントです。
結果:だだ 12、自分 11、うり 9、たけ 8
ブルームーン Blue Moon
(プレイ時間 45分)
客商売さんに誘われて「ブルームーン」です。客商売さん持ち込みで、基本セットのヴァルカとホアックスです。日本語のテキストが上部に貼られており、見やすい作りです。自分がヴァルカを、客商売さんがホアックスを担当しました。1ディール目では2点を取られたものの、2、3ディール目で4点ずつ獲得して、なんとか勝つことができました。また遊びましょう。
結果:自分(ヴァルカ)8、客商売(ホアックス)2
ワードバスケット Word Basket
最後にテーブルをほぼ片付けたあと、5回ほど「ワードバスケット」を遊びました。このゲーム、ほとんど勝てた記憶が無いのですが、この日はついていたのか1度だけ勝つことができました。
このあとはいつものように近くのデニーズで夕食を楽しみました。
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