フォルテさんの家で5人でゲーム会となりました。5人で面白いゲームというのも探せば意外とあるものですね。皆で色々なゲームを持ち寄って大変楽しく過ごせました。
胡椒袋 Pfeffersacke
(説明 30分 プレイ時間 60分)
ゴルトジーバーから出版された「フィノ」と並ぶコンラッドのゲームです。「胡椒袋」が1998年で「フィノ」が1999年ということで同じ作者の同じ出版社から続けて出たゲームということは何故か覚えていました。「フィノ」は5回ほど遊んだことがありますが、「胡椒袋」は手に入れたのも遅かったためにまだ未プレイでした。フォルテさんによれば5人の方がおそらく面白いというので、まずはこのゲームです。フォルテさんの説明でスタート。
ボードには街が24と村が20描かれており、それらが複雑な道路で互いに結ばれています。道路にはコストが書かれており、街同士を結ぶ道路は一般的に高いコストになっています。
街は円形で表され、円の中央に2から8の数字が書かれています。円内には数値と同じだけコマを置くスペースがあり、最も多くのコマを置いたプレイヤーがその数値と同じ分を得点します。最多が複数の時は先に置いたプレイヤーが得点しますが、この場合は数値の半分となります。村はコマ1つ分しか無く早い者勝ちで、置くと1点となります。さらにゲーム終了時にそれぞれのエリアにコマがあれば各2点となります。得点を得るのは基本的にはこれしか方法がありません(ゲーム終了時にお金20で1点となる)。
各プレイヤーはお金20と村1つを持ってゲーム開始です。手番での主なアクションは「街での収入/拡張」と「新たな街や村への拡張」の2つでこの順番に行い、これがこのゲームの肝となっています。
「街での収入/拡張」は自分のコマが既にある街それぞれについて、収入を得るか、その代わりに自分のコマを置くかを決めて行きます。収入はその街の円内のまだコマが無いスペースです。例えば5の街に自分のコマ1つだけだと、収入を選べばお金4がもらえますが、拡張を選んでコマを置くと、次に収入を選んだ時には3に減ってしまうというわけです。お金は大切なのですが、得点になるのは街のコマ数のエリアマジョリティーなので難しいところです。
「新たな街や村への拡張」では自分のコマが置かれた街や村の道路で接した隣りの街や村にコマを置けます。街では既に自分のコマがあってはだめです。このとき道路に書かれたコストを支払います。村は即1点になりますが無収入です。ゲーム会指示に自分が選んだ村からしかネットワークを広げられないので難しいです。ゲーム終了時のエリアボーナスがあるので、なるべくネットワークは広げたいのですが、それには大量の資金が必要です。
これら2つのルールの他に、ゲームをより面白くしている要素として、街ディスクと追加アクションカードがあります。街ディスクはボードの街と同じく円形をしており数字が書かれています。ゲーム開始時にこれらを等分に分け、手札として持っています。手番の始めには手元から街ディスク1枚を同数値の街に置かなければなりません。そして単独最多が確定すると待ちディスクは取り除かれます。街ディスクが置かれている間に限ってコマを置くことができ、その街から収入を得ることができます。よって自分がコマを置きたい街のディスクを持っていると最初にコマが置けるので有利です。ディスクが除外された後にネットワーク目的で置くことも可能ですが、追加でお金がかかります。追加アクションカードは各自2枚持っており、ゲーム中に2回だけ追加で収入を得たりコマを置けたりします。
フォルテさん以外は初プレイでした。序盤はルールが少々わかりずらく思えましたが、慣れてくると、収入を取るか、エリアマジョリティーの戦いを取るかのジレンマが心地よかったです。お金もかなりギリギリで追加アクションは収入に2回とも使ってしまいました。途中で大量に得点を稼いでこのまま勝ちきれるかと思ったのですが、最後にクロマさんに追いつかれて逆転負けです。
地味ですがなかなか面白いと思います。
結果:クロマ 37、自分 36、COQ 31、JOSS 24、フォルテ 24
コンテナ Container
(プレイ時間 80分)
COQさん持ち込みの「コンテナ」です。いつものようにオフィシャルショートゲームです。フォルテさんが倉庫4つ、COQさんが工場4つという状態でした。工場4つは初期投資が大きいとはいえ、さすがに強そうだと警戒したので自分は工場で生産したものを格安で売って皆ながCOQさんから買うのを止める流れを作ろうとしました。その試みはある程度成功したものの、最終的にはCOQさんの勝利となりました。
この頃コンテナを遊んで思うのですが、そろそろ通常の各コンテナをプレイヤー数の4倍とした方が、戦略によりバラエティーが出てくると思います。コンテナ数を25%カットしたショートゲームも良いのですが、次回は通常ゲームで遊んでみたいです。
結果:COQ 83(16+67)、クロマ 79(44+35)、フォルテ 65(40+25)、自分 56(38+18)、JOSS 47(21+26)
(コンテナ+現金)
ラストコール Last Call: The Bartender Game
(説明 10分 プレイ時間 各20分)
カクテルを作るという洒落たテーマの並べ替えゲームです。カクテルの材料を表しているボトルが6色4つずつあり、最初は6カ所のテーブルに色別に分けられて置かれています。プレイヤーにはカクテルカード4枚がずつ配られ、それぞれにこのゲームで作らなければならないカクテルの材料(2-5個)の組み合わせが示されています。これらのカクテルの組み合わせを6カ所のテーブルのどこかで作れば良いのです。
プレイヤーの1人がバーテンダーとなり、テーブルカードを1枚ずつめくって対応するテーブルの脇に置きます。そして3秒待ったらまたテーブルカードをめくって、ということを繰り返します。他のプレイヤーは状況を見て、テーブルカードが置かれたテーブルのボトルを移したければ「オーダー!」と叫びます。もし2人以上が「オーダー!」を言った場合には最近「オーダー!」を言わなかったプレイヤーに優先権があります(これはタイブレークのタイルで常に決まるようにできています)。
ボトルは、テーブルカードが置かれた2つのテーブル間、またはカードが3枚置かれたテーブルと任意のテーブル間で1つ移すことができます。交換ではなく、どちらかのテーブルのボトルの数は1つ減り、もう片方のテーブルは1つ増えるのです。いずれにせよ、必要だったテーブルカードは捨てられます。ここで全員が手札のカクテルを完成させる権利があります。
カクテルを完成させるためにはどこかのテーブルに必要なボトルがすべて揃っていなければなりません。余分なボトルがある場合は1つにつき1ペナルティーとなります(氷のコマをペナルティー分だけ受け取ります)。不足がある場合は完成できません。このあと「オーダー!」をしたプレイヤーが次のバーテンダーとなり、ゲームは続行します。
だれかひとりがカクテルカード4枚を完成させたら、バーテンダーとテーブルカード抜きでゲームを行います。ここではボトルを任意に動かせますが、1つ動かすごとにペナルティ1点となります。こうして全員が4つのカクテルを完成させた時に最もペナルティの少ないプレイヤーが勝ちとなるのです。
これもCOQさんの持ち込みです。ボトルや氷のコマをお洒落なゲームです。「オーダー!」は自分が優先権が低い時には何度言っても構わないと思いますが、優先権が高い時や高くしたい時には肝心な時に言って完成させないと遅れをとってしまいます。全員が異なるゴール(カクテルカード)を持っており、それがわからないままボトルを移動させていくという不思議なゲームですが、「オーダー!」のルールが面白いと思います。1戦目ではフォルテさんのためにしらずに完璧なカクテルを作ってしまい、2戦目ではカクテルを1つも作れずにJOSSさんにあがられてしまったりと散々でした。手軽なのでまた遊んでみたいです。
結果
第1戦:フォルテ 3、JOSS 5、クロマ 5、自分 6、COQ 7
第2戦:JOSS 3、クロマ 6、フォルテ 8、COQ 11、自分 11
魔法にかかったみたい Wie verhext!
(説明 15分 プレイ時間 50分)
ちょっと変わったトリックテイクのような雰囲気の不思議なゲームです。アレア中箱シリーズのなかでは一番面白いと思います。和訳ルールだと「アクションをします」「支持します」と言うのは初めて知りました。やはりここはカードの役職で「I am xxx. 俺がxxxだ」「No, I am xxx. いや、俺だ」「So be it! じゃあそうすれば」というほうが雰囲気が出ると思います。最後まで「アクション」「支持」という言葉に違和感を感じてしまいました。
ゲームは自分が他の人と選んだ役職が異なったのでリードしつつ権利を得られたのが大きかったです。最後まで逃げ切ることができました。自分の左隣り(さらにその左隣りも)が選びそうにないカードを選ぶと「いや俺だ/アクションをします」が強気に言えるので良いですね。
結果:自分 23、COQ 21、JOSS 16、クロマ 16、フォルテ 12
シュリレ シュテレ Schrille Stille
(プレイ時間 75分)
久し振りに遊ぶミュージックのヒットチャートをモチーフにしたゲームです。投票システムがおもしろく極秘裏に投票できるCDや木製のCDプレイヤーなども凝っています。残念ながら、今回使用したものは木製のCDプレイヤーがスムースに働かず、投票したチップがしょっちゅう引っかかってしまったのは残念です。あいだに紙を挟むなどの応急処置をして少し良くなりましたが、このプレイヤーにも個体差があるのでしょうね。
序盤から中盤にかけてはフォルテさんと自分が1、2位を争っていました。最初の殿堂入りでトップスリーが抜ける直前に自分のレーベルのアーティストを皆が落としてくれたこともあり、中盤では単独トップです。しかし2回目の殿堂入りで一気に自分のレーベルのアーティストが消えてしまい、得点源がなくて最後はクロマさんに逆転負けです。写真は2回目の殿堂入りアーティストです。自分は赤だったので大量に得点できたのです。
少々長めなので50点勝負としても良いかもしれません。
結果:クロマ 73、自分 65、COQ 61、JOSS 52、フォルテ 46
ダブル オア ナッシング Double or Nothing (ピアトニク版)
(説明 5分 プレイ時間 各10-15分)
ここで何か軽めのものをということで「ダブルオアナッシング」です。短いので2回遊びましたが、2回とも順位が全く同じなのは面白かったです。2回目の方がみんな慣れてきて接戦になりました。個人的にはバースト系の傑作だと思っています。同種の「ダイアモンド」や「クラウドナイン」よりも逆転のチャンスがあり、ゲームとして良くできていると思います。
結果
1戦目:自分 66、フォルテ 43、JOSS 36、クロマ 33、COQ 25
2戦目:自分 66、フォルテ 62、JOSS 56、クロマ 53、COQ 51
花火 Hanabi (花火と生け花 Hanabi & Ikebanaより)
(プレイ時間 各20-25分)
COQさんが遊んでみたいとのことで「花火」です。お互いにヒントを与えつつ自分だけが見えない自分の手札から正しいタイミングでカードを出して行くのです。最初の数回はまったくなにも言わずに遊んだ方が面白いのですが、そのあとは勝つための方針みたいなものをゲーム前に話し合った方が良いように思います。
2回遊んで2度目は20点を越えました。まずますだとおもいます。
結果
1戦目:17
2戦目:22
ここでフォルテさん宅のゲーム会は終了です。自分はこの後、横浜某所でシミーズさんと2人ゲームを幾つか遊びました。
コーヒー Coffee
(プレイ時間 5-15分)
ネスターゲームズの新作で、ネスター自身がデザインしたものです。n連を作るのが目的という連珠系のゲームですが、次に相手が置く場所の範囲を指定できるのが面白いところです。自分のコマを置いた後、その上に白い棒を好きな方向に向けて置けます(ヘックスボードだと3方向、スクエアボードだと4方向)。このコマの上に棒が乗った様子がコーヒー豆に見えるというわけです。相手は示された方向の列のどこかに置かなくてはなりません。空きマスが全く無い方向は示すことができず、棒が置けなくなったら負けです。
ボードはヘックスとスクエアの2種類あり、ヘックスは2つの大きさ、スクエアは3つの大きさになっています。好きなボードとサイズを選び、好きなnでn目並べをするというわけです。
ルールで推奨されている初心者向けのヘックスボードの4連から始めました。4連だと冗長な気がしたので2ゲーム目は3連に変更です。その後はスクエアボードでも遊んでみましたが、すべて先手勝ちなのはこの手のゲームの宿命なのかもしれません。ただ「ヘックス」などと同様に交換ルール(後手は1手目に先手の置いた場所で先手と交換できる)を使ったので公平だとは思います。
結果
1戦目(ヘックスボード小:4連):シミーズ
2戦目(ヘックスボード小:3連):自分
3戦目(スクエアボード小:3連):シミーズ
4戦目(スクエアボード小:3連):自分
三頭政治 Triumvirate
(説明 5分 プレイ時間 各15分)
昔、「三頭政治の終焉」というゲームがありましたが、これは単なる「三頭政治」です。2人専用のトリックテイクで、3スート0-8の27枚を使います。第1ラウンドは5枚、第2ラウンド以降は3枚の伏せ札があり、残りがプレイヤー間で等分され手札となります。マストフォローで、あるスートが3勝したらラウンド終了で、そのスートに対応したマーカーを置きます。あるスートのマーカーが3つ置かれたらゲーム終了です。
ラウンドが終わるたびに1まいだけ自分の得点札として埋めることができます。埋められるのは各スートの3、5、7だけで、またゲームを通して最大3枚しか埋められません。ゲーム終了時にマーカーが3つになったスートをより多くの合計値で埋めていたプレイヤーが勝つというわけです。
ラウンドが終わると使ったカードと伏せ札がリシャッフルされるだけで手札は持ち越されるのも面白いところです。0には特殊能力があり、異なる色のリードに対して必ず勝ちます。ただマストフォローなので0の使いどころはそれほど多くはありません。
色々と面白いアイディアはあるものの、なんというかうまく機能していないように思えました。でも悪くないです。なん度か遊んでみたくなります。シミーズさん曰く「気になるアイツ、ってやつですよ」とのことです。なるほど。
結果
1戦目:シミーズ 8、自分 7
2戦目:シミーズ 7、自分 3
じろう
「魔法にかかったみたい」は和訳ルールしか知らなかったのでこれを読んで初めて知って驚いた!
確かに原文の方がゲームの雰囲気に合ってて面白い!
・・・なんか、ちょっと「アイムザボス」を思い出しました。
和訳版では全然そんな感じはしなかったのに。
言葉一つでゲームに与える印象の大きさにも驚いた!
けがわ
ゲームの本質とは関係はないのですが、でもこういう言葉は雰囲気作りには大切だと思います。「魔法にかかったみたい」では役職をそれぞれ和訳してカードに貼れば簡単にこの方法で遊べますね。