東京三鷹のテンデイズゲームズの店長タナカマさんの誘いで、Touko Tahkokallio のゲームを2つ遊びました。今一番ギークでは話題の「エクリプス」と比較的短時間な「ウォルナットグローブ開拓史」です。
エクリプス Eclipse
(説明 50分 プレイ時間 3時間55分)
壮大な宇宙を舞台とした新作です。プレイヤーは宇宙を開拓し、古代星人や他のプレイヤーと戦うことで名声点を稼いでいきます。
ゲーム開始時には場には中央の惑星タイルとそこから1マス離れた位置のそれぞれのスタートタイルがあるだけです。個人ボードには、自分の宇宙船の状況、獲得した技術タイルの配置場所、3種類のリソース収入チャートと現在の保有量スケールがあります。3種の大きさがある宇宙船は先制力、耐久力、攻撃力、移動力などをカスタマイズできます。技術タイルは技術リソースで購入します。毎ラウンド7枚がランダムに補充されますが、必ずしも欲しいものが供給されているとは限りません。技術タイルの大半は宇宙船のカスタマイズに必要なものです。
様々な宇宙船や基地の建設には資材リソースが必要です。3種類の大きさはそれぞれをカスタマイズすればその種類のすべての宇宙船の能力が変わるので、ある程度使う種類を絞った方が効率的だと思います。さらに防御に使う基地や得点源となるモノリスも同様に資材リソースで建設できます。
手番の可能なアクションには、開拓、技術タイル購入、宇宙船装備のカスタマイズ、宇宙船などの建設、などがあり、これを何巡でも好きなだけ行います。ただしアクションにはアクショントークンが必要で、使ったアクション数だけお金リソースが減るのです。またアクショントークンは惑星タイルを制圧するのにも必要なので開拓すればするだけ苦しくなります。
開拓では、場所を決めたあとランダムに惑星タイルを引いて配置し、そのタイルを制圧するか決めます。制圧後、移民を送ってリソース増産に貢献できます。
古代星人や他のプレイヤーとの戦いはダイスロールとなります。先制力で先攻が決まり、さらに色々と補正がありますが、買っても負けても勝利点が得られます。勝利点チップを袋から数枚取り、1枚を除いて袋に戻します。よってゲーム終了時ではあまり高得点の勝利点が残っていないことになります。この「テーベの東」のようなシステムは同作者の「ウォルナットグローブ開拓史」にも使われています。
こうして9ラウンド後にもっとも名声点を稼いだプレイヤーの勝利です。
ボードゲームギークで人気急上昇のこのゲーム。現在第7位です。「トワイライトインペリウム」を彷彿させるような非常にアメリカゲームなテーマとゲームないようですが、それをうまくユーロゲーム化していると感じました。でも全体的にはアメリカゲーム色が強いです。
最初に圧倒されたのがコンポーネントの量です。ここまでタイルやチット類が多いゲームはあまり見たことがありません。4人でコンポーネントを仕分けするだけでかなりの時間がかかりました。
途中まではほぼソロプレイで、古代星人と戦ったり、より多くの惑星を制圧したりするだけですが、後半ではプレイヤー間の戦いもあり、それなりに白熱します。色々と工夫はあるものの基本的には古きアメリカゲーム的なダイスフェストなので、運の要素がかなり強い部分もあります。それにボードの状況によってはまったく関わりのないプレイヤーも現れてしまいます。まあこういうゲームだと思うしかないのでしょう。自分は中途半端な装備のまま運が味方してくれることを信じて、古代星人との戦いに挑んだのですが全滅。その後も装備に時間をかける時間もなく全滅を繰り返し、最下位でした。
結果:シミーズ 47、タナカマ 35、KTC 27、自分 20
ウォルナットグローブ開拓史 Walnut Grove
(説明 20分 プレイ時間 55分)
BGGCONで一度だけ遊んだことのあるゲームで、「エクリプス」と同じ作者です。ルールがうろ覚えで、集中力が切れていたこともあり、なんどもルールを聞き返すことになってしまいました。このゲームもそれぞれのプレイヤーがマイボードでカルカソンヌ的なタイル並べやリソースマネージメントをしているだけで、プレイヤーインターアクションが非常に希薄です。さらに細かいルール(特殊タイルやら)が多く、余り好きなタイプではありません。それでも、前回よりは見通しがよくなり、より楽しめた気がします。
結果:タナカマ 32、自分 30、シミーズ 25、KTC 18
タカハシ
久々にコメント。
『エクリプス』に関してはかなり前に現物見せてもらって、ルールも読んだのですが、私自身もけがわさんと同じような印象を受けたんですよね(まだ未プレイ)。
実際プレイなされた方が抱いた感想ですから、これは私自身としてはかなり参考になりました。ちょっと今自分自身でも入手しようか思案中です。どうしようかなぁ~。
けがわ
タカハシさん、こんにちは。
他のプレイヤーは「非常に良いゲームだ」という意見だったので、自分の意見はかなりマイノリティなものだと思いますよ。少々洗練されてはいるものの、自分には合わなかったというだけです。自分にとっては90年代のミドルウエイトの鋭いドイツゲームがすべてなのかもしれません。
せっかくルールを読んだのならば、一度は試してみると良いと思います。
草場純
ウォルナットグローブをやってみましたが、私は面白いと思いました。
プレイヤーインターアクションがあるのは「秋」のプレイだけなので、それが濃厚だとは決して言えません。しかし「秋」での、教会に近い順にプレーしていくシステムは、手番の前後をよく考えて「春」のタイルの配置や、「夏」の収穫のときから前以て計画しておくことを要求するので、私は希薄とまでは感じませんでした。直接の足の引っ張り合いではないのですが、他人の財政や持っている特殊タイルの性質、リソースの多寡などにも目配りをせねばならず、潜在的なプレーヤーインターアクションは案外高いように思えたのです。
いろいろと悩ましいけれども、8年32シーズンですっぱり終り、みんなで一斉に考えるので案外ダウンタイムも少なく、うまくまとまったよいゲームだと思います。
けがわ
草場さんが面白いと感じたとはちょっと意外です。ルールやパラメーターが多いとは感じませんでしたか。
潜在的なプレイヤーインターアクションがあるというのは良いことです。次に遊ぶ時にはもう少し他人の動向に目を向けてみます。
草場純
ルールの分量は多いというほどではないでしょう。リソースも、機能が単純で取れるところが決まっているので、5種類でも多いということもないです。もっと少ない方が私の好みではありますが、アグリコラなどに比べればずっと単純で簡単です。
けがわ
客観的に見れば、確かにルールは多いというほどではないですが、なぜか多いと感じてしまいます。多分それぞれのリソースにはっきりした特徴がないからなのだと思います。