BGG.CON 2011 その1 2011.11.16

BGGCON-Westin2011.JPGテキサス州のダラスで毎年開かれるボードゲームギークコン BGG.CON に参加しました。世界最大のボードゲームデータベースであるボードゲームギークの主催で今年で7年目です。完全な定員制なのであらかじめ予約をしていないと参加できません。毎年、参加資格のチケットはすぐに完売してしまうという人気のあるコンベンションです。人数は毎年少しずつ増やしているらしく、今年は1150人くらいだとのこと。今年も、ふと気が付いたときにはチケットは完売だったのですが、DCゲーマーズのサイモンが都合で行けなくなった為にチケットを譲ってくれたのです。

早朝4時半起床、5時過ぎの始発のメトロで国立空港へ向かいます。7時過ぎ?のフライトでダラス・フォートワース空港へ。ダラスとフォートワースはテキサス州の双子都市で、その丁度中間に空港があります。会場であるウエスティンホテルは空港のすぐそばにあり、自分が宿泊するレッドルーフインというモーテルは道路を挟んで向かい側です。空港からホテルの送迎車で会場に着いたのが10時ちょっと過ぎ。既に沢山の人が受付の為に並んでいました。

BGGCON-NameTag.JPGこのコンベンションの特徴は各自の名札には本名と住んでいる町のほかに、ギークで使っている名前とアバターが印刷されているところです。普段ギークのフォーラムなどで意見を交わしている方々と実際に会えるという楽しみがあるのです。参加の間は、この名札に加えて参加しているという証の腕輪を付けていることになります。また初参加だと名札の下に First time Attendee という青いリボンを付けてくれます。自分も初参加なのでリボンを貼ってもらいましたが、リピーターが殆どらしく、あまりリボンを付けているゲーマーはいませんでした。登録を済ませ、プログラムやアトンなどの無料のゲームなどを頂いて受付終了です。一度、宿泊先のレッドルーフインにチェックインして不要な荷物を置き身軽になり、すぐに会場に戻ってまずはプレイスペースやライブラリーを探検することにしました。

BGGCON-Shelves.JPGライブラリーには3500程のゲームがあり、タイトルの頭文字ごとにアルファベット順になっています。貸し出しは1人1ゲームまで(ただし拡張セットは一緒に借りることができる)。すべてのボードゲームと各自の名札の裏にはバーコードが貼ってあり、チェックアウト、チェックインは非常に効率的にできるようになっています。数週間前のエッセンシュピールの新作だけは別の棚になっており、貸し出し時間が4時間までとなっています。他のゲームは時間制限はなく、最終日の午後1時までならいつ返却しても構いません。ただし夜の1時から朝の9時まではライブラリーは閉まっています。

BGGCON-Playarea2011.JPGプレイスペースももちろん沢山あります。ライブラリーのすぐ隣りのプレイスペースはエッセンの新作を遊ぶように既にゲームがセットアップされており、エッセンシュピールでの大手会社のブースのようです。壁にもエッセンシュピール2011と大きく書いてあります。メインとなるプレイスペースは巨大で、脇の方では、ウィズキッズやZ-MANのデモスペース、反対側の角にはギークチックというゲームテーブルを作っている会社のショウケースがあります。他にもたくさんの小部屋でゲームが出来る環境が整っており、トーナメントに使われたり、ウォーゲーム専門の部屋として使われたり、鉄道ゲームに専門に使われたりとさまざまです。

5日間の期間中に39種62ゲームを遊びました。最も遊んだゲームはブルーライオン(8回)とビッグファイブ(7回)です。どちらもエッセンの新作で(厳密にはビッグファイブは違いますが)短時間で終わる好ゲームなので色々な人に紹介しました。

新作はどれも今ひとつという感想ですが、そう思った人はかなりいたみたいで、時折そういう話題が出ました。しかしこんなときだからこそ旧作の長時間ゲーム1841を2回も遊んだりと存分に昔の名作を楽しみました。

またギークで良く見かけるクリス・ファアーレルや、ボードゲームニュースのエリック・マーティンと色々話せたことを始め、全米から来たたくさんのゲーマーと遊ぶことが出来ました。特にミシシッピから来たスコッティとナンシーリンの夫妻とは好みが似ていたので様々なゲームをお互いに紹介し合えて大きな刺激になりました。



片手いっぱいのペンギン A Fistful of Penguins
(プレイ時間 30分)
FistfulOfPenguins20111116.JPGまずはミシシッピから来たというスコッティとナンシーリン夫妻らのテーブルに混ぜてもらいました。エッセンでおのさんと遊んだゲームの一つで、手番が3回しかないというある意味ですごいダイスゲームです。ペンギンをうまく使ってサイコロを足したり振り直したりして高得点を目指します。ソロプレイ感が非常に高いのが難点ですが、戦略的ダイスゲームとしては短い部類に入るでしょう。高得点をとる方法がいくつか用意されており、バランスは良いと思いました。

結果:自分 89、ナンシーリン 80、ジェシカ 72、カルロス 60、スコッティ 56



レキシオ Lexio
(プレイ時間 45分)
Lexio20111116.JPGスコッティがお勧めだという韓国版大貧民とでも言うべきゲーム。タイルの色が黒と白の2種類の異なるエディションがあるそうで、ライブラリーからスコティが借りてきたのはデザインが美しいといわれている黒タイル版。内容は色にも順位があったり、複数枚を出す方法が多く用意されているトランプの大貧民といった感じです。一人が上がるとラウンド終了で、残ったタイル数の差分をそれぞれのプレイヤーに支払うというカンテットや斜釘(長天)のようなシステムです。 最強数字である1を持っていると枚数が2倍としてカウントされるというペナルティも効いています。この得点システムにより、ゲーム性が大分変わります。上がれなくてもタイル枚数を少なくした方が良いことも多いからです。スタートは149点という半端な数字で、スートの強弱などが面倒で洗練されていない部分がありますが、良いゲームだと思います。

結果:クレイグ 238、自分 163、ナンシーリン 150、ジェシカ 106、スコッティ 88



コンフュージョン Confusion: Espionage and Deception in the Cold War
Confusion20111116.JPG本当に暫くぶりにDCゲーマーズのクリスチャンに会いました。一瞬彼だとわからなかったくらいです。せっかくなので一緒に遊ぼうということになりエッセン新作の2人用ゲーム「コンフュージョン」に挑戦です。チェス系のゲームですが、それぞれのコマが動ける方向やマス目数は相手プレイヤーからしか見えないようになっています。手番には自分のコマを動かしますが、その度に相手が有効か無効かを宣言します。無効だと元の位置に戻ります。消去法によって、自分のコマの動きのパターンを推理しながら、最終的にはボードー中央にある秘密書類を敵陣の最奥まで持って行けば勝利となるのです。チェスのように相手のコマを取ることも可能です。またひとつだけ動きのパターンに?マークが描かれたコマがあり、これは自由に有効無効が宣言できるので、相手の推理を混乱に陥れることも可能です。

相手があっさり?マークを見抜いてしまったことなどから自分は一気に不利になり、中盤以降はコマを大量に取られてしまい投了です。コマはプラスチック製ですが、しっかりした作りです。

結果:クリスチャン 勝利、自分 敗北



遺言 Der Letzte Wille / Last Will
(プレイ時間 50分)
LastWill20111116.JPGエッセンの新作です。通常のゲームとは逆に「なるべく早く資産をなくすのが目的」というテーマが売りですが、つまり安く買って高く売るのではなく高く買って安く売れば良いだけで、やっていることはあまり変わりません。終盤に持ち金を0にするべく縮小再生産をしていく感じで、その辺りはちょっと「ビール侯爵」っぽいかなあと思いました。カードの種類や特殊能力のコンボなどが多彩ですが、その辺りにあまり魅力を感じないので何とも言えません。まあまあと言った感じでしょうか。

結果:クリスチャン -8(勝利)、スコット -2、自分 +11



ブルーライオン The Blue Lion
(プレイ時間 各10分)
続けてブルーライオンをプレイ。今回のエッセンでは個人的に一番のおすすめゲームかもしれません。この日だけで4回遊んでいます。ミニマルなコンポーネントですが、結構考えさせられるゲームです。

結果
1戦目:失念
2戦目:自分 7、クリスチャン 4



ビッグ ファイブ Big Five
(プレイ時間 20分)
BigFive20111116.JPGさらにエッセンのおすすめのビッグファイブです。携帯ポーチ版を持参してきたのですが、あとでみたらライブラリーにも普通のアミーゴ版がありました。これもこの日だけで4回遊んでいます。最後は接戦でした。

結果:クリスチャン 0(勝利)、自分 2



ハンニバル対ローマ Hannibal gegen Rom (古代ローマの新しいゲーム Neue Spiele im Alten Rom より)
(プレイ時間 各10分)
Hannibal20111116.JPGクリスチャンは「古代ローマ」を一度も遊んだことがないというので、2人用の「ハンニバル対ローマ」を陣営を変えて2度遊びました。シンプルながらも3カ所での戦いをうまく使って時にはブラフを掛けたりとやはり面白いです。

結果:
1戦目:自分(ローマ)勝利、クリスチャン(カルタゴ)敗北
2戦目:不明



一緒に夕食を食べようと誘ったのですが、クリスチャンは用事があるということで別行動になりました。他の知り合いもみんな忙しそうなので、ひとりでホテルのレストランに行くことにしました。このコンベンションの最大の問題点は食事です。このホテルのレストランか、ホテルの向かい側のデニーズくらいしか食べるところがないのです。ほかにはデニーズの隣りのガソリンスタンドに併設されているコンビニエンスストアがある程度。このレストランの食べ放題は14ドルとあまり安くありませんが仕方ありません。ホールで売られているハンバーガーやホットドッグも9ドルとかなり高いです。

同席になった東洋系のデイヴィッドと色々と雑談をしているうちに食後に一緒に遊ぼうということになりました。ライブラリーに行き、一緒に選んだのがティクです。



ティク Tiku
(プレイ時間 各5分)
Tiku20111116.JPGかなり昔のゲームですがシュテフェンシュピールが再販してくれたものです。
1戦目は通常ルール、2戦目はどのコマも1度だけ斜めに進めるというバリアントで遊びました。デイビッドはチェスプレイヤーだとのことで、完敗です。やはりこういうゲームはチェスを本格的にやっていると強いですね。

結果:デイヴィッド 2勝



アトン Aton
(プレイ時間 25分)
Aton20111116.JPGこのコンベンションの参加者全員が無料でもらったゲームのひとつが「アトン」です。1-4の数字が書かれたカードからなる個人デッキから毎回ランダムに4枚が与えられ、それらを4カ所に同時プロットして得点を稼ぐというゲームです。ボードは4つのエリアに分かれており、どのエリアにいくつのコマを置くことが出来るかというのがプロットによって決まるのです。悪くはないのですが少々ありきたりです。

結果:デイヴィッド 48、自分 40



ブルーライオン The Blue Lion
続けてブルーライオン。これも0勝2敗。彼は強いです。

結果:
1戦目:デイヴィッド 7、自分 5
2戦目:デイヴィッド 7、自分 6



ビッグファイブ Big Five
(プレイ時間 各15分)
最後にビッグファイブ。これは意地で1勝1敗に持ち込みました。

結果
1戦目:デイヴィッド 0、自分 4
2戦目:自分 0、デイヴィッド 不明



ペルガモン Pergamon
Pergamon20111116.JPGプレイスペースをうろついていると、今朝一緒に遊んだスコッティとナンシーリンを発見。彼らはペルガモンのルールと格闘しているところでした。一応遊んだことがあるので途中まで一緒に遊びましたが、どうもセットアップを決定的に間違えたことが発覚してゲームが頓挫してしまいました。ルールが煩雑なのでこういうことが起こりやすいのかもしれません。



メンバーズ オンリー Members Only
MembersOnly20111116.JPG続いてアメリカではまったく知られていないゲームの「メンバーズオンリー」を紹介することになりました。ギークでの自分のアバターでもあります。「グレン画廊」としてリメイクされていますが、そちらも評判が悪いのか殆ど知られていません。予想通り「ギークはしょっちゅう見ているけどこんなゲーム聞いたことがないよ」と言います。地元フォートワースのダリルも交えて4人でのプレイ。このゲームは結構好き嫌いがあると思いますが、皆は気に入ってくれたようです。4ラウンドくらいで終わったのも良かったのかもしれません。

結果:スコッティ 26、自分 20、ダリル 18、ナンシーリン 11



ビッグ ファイブ Big Five
今度は4人でビッグファイブです。4人だとやはり運の要素が大きくなりますが、それでもなかなか面白いと思いました。運が良く序盤に4枚目、5枚目と出して行く展開で上がることが出来ました。

結果:自分 0、ナンシーリン 6、ダリル 6、スコッティ 6以上



アップタウン Uptown
(プレイ時間 25分)
Uptown20111116.JPGこの日の最後のゲーム。9x9のマスに自分のタイルがなるべくひと固まりになるように置いていくゲームです。タイルは数独のごとく行か列か3x3のエリアのどれかが描かれており、決まった場所に置かなければなりません。また相手のタイルを自分のタイルで置き換えることも出来ますが、これはゲーム終了時にペナルティになるので注意が必要です。

2グループをうまく連結させることに成功した自分の勝利(黄色)、アブストラクトな作りですが、地味で面白いです。

結果:自分(勝利)、ナンシーリン、スコッティ、ダリル、ディーン



時計を見ると、夜中の1時半です。まだまだ大盛況でしたが初日なのでこのくらいにして宿に戻りました。

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