ワシントンDC郊外のメリーランド州ロックビルで行われるローカルコンベンションに参加してきました。今年は宣伝が足りなかったこと、土曜日1日だけだったこと、などの悪条件が重なり、参加者はかなり少なめに見えましたが色々と遊んで楽しみました。
キャント ストップ Can't Stop (フェイス2フェイス版)
(プレイ時間 35分)
まずはキャントストップに誘われました。4人だったので冗長になると思い、最初は断ったのですが、他のテーブルはすべてゲームの真っ最中だったこともあり、雑談を兼ねての参加。でも危惧していた通り結構時間がかかりました。自分は途中から2と12の列を押さえて5と10の列をあと少しというところまで進めたものの、エリックが10を連続で出して一気にゴール。もう一振りというところで止めるか進むかの決断がこのゲームのポイントです。
結果:エリック(1位)、自分(2位)、ローラ(3位)、ジョン(4位)
カリスト Callisto (ピアトニク版)
(プレイ時間 1回戦のみ10分)
エッセン2009で購入したものの、英語ルールが付属しておらず(英語以外の10種類くらいの言語でのルールは付属しているのに)誰もギークに英語ルールをアップしないので放っておいたゲーム。漸くルールがちゃんとわかったので、かさばる箱は家においてボードとコマだけ持っていきました。
八角形のボードの中央には、タイトルになっている木星の月のひとつ「カリスト」が描かれています。クニツィア版「ブロックス」と呼ばれるゲームで、「ブロックス」のようにコマをなるべく多く置くのが目的ですが、置くときには既に自分が置いたコマと辺で接しなければなりません。よって完全に相手を塞ぐのが基本になりアグレッシブな展開となります。さらに自分のスタート地点となる3つの1x1のコマのうち2つは最初の2巡で置きますが、3つ目は後で自分の手番にどこにでも置くことが出来ます(ただし中央のエリアには1x1のコマは置けない)。1手番消費してしまう上に、このコマは残してもペナルティにならない為、どのタイミングで置くかは結構悩みます。
3人でのプレイ。幾何学系は苦手だというローラとスコットが付き合ってくれました。「ブロックス」とはひと味違ったプレイ感覚で、これはこれでなかなか楽しいと思います。
結果:自分 0(勝利)、スコット 9、ローラ 11
指輪物語 旅の仲間 カードゲーム Der Herr der Ringe: Die Gefährten das Kartenspiel
(プレイ時間 35分)
ローラが即売会で購入したゲームを早速開封してプレイ。ちょっとルールが込みいっているのですが、雰囲気があり自分は結構好きなゲームです。同じシリーズの「二つの塔カードゲーム」を遊び始めるまではもっぱらこちらを遊んでいました。テーブルスペースを取るのが問題だったのか再販された「キングスゲイト」では小さめのタイルになっています。
2枚のカードがそのラウンドの舞台となり、周りの10カ所に影響力カードを置いていきます。10カ所すべてが終わると決算となり、1位に何点、2位に何点、と得点が与えられていくのが基本です。そして決算を起こしたプレイヤーは次のラウンドの舞台を好きな場所に出来るのです。これによって自分の強い影響力カードを2回使うことができます。さらにラウンドは白と黒の2種類があり、黒のラウンドでは他のカードをより強いカードで上書きできます。数値1のカードは一度にたくさん置ける、3のカードは指輪で守られており上書きされないなど細かい工夫があり、かなり色々と考えさせられます。また最後の10ラウンドまでいかなくても全員の手札がなくなると終了なので、どのあたりで手札を切らせてもよいのかというタイミングは大切です。
久し振りに遊びましたが、非常におもしろかったです。これはまた遊ばなければ。
結果:自分 20、スコット 19、ローラ 9
ロストシティ Lost Cities (パートナーシップ)
(プレイ時間 各15分)
ペア戦のゲームを何か遊ぼうということになり、ロストシティのペア戦を久し振りに遊びました。カードを2枚渡せるというのがこのペア戦の面白さですが、ゲームはあっという間に終わってしまいます。1戦目では5スートに手を出したおかげでマイナス41で惨敗。お互いにこの経験を生かしてか、2戦目はなんと同点でした。このペア戦はもっと遊ばれても良いと思います。コスモスもペア戦が出来るように75枚デッキのロストシティーを販売すれば良いのになあと思いました。
結果
1戦目:スコット&ロジャー 35、ローラ&自分 -41
2戦目:スコット&ロジャー 42、ローラ&自分 42
グレン画廊 Glenn's Gallery
(プレイ時間 80分)
一度は実際に遊ばなければとずっと思っていたメイフェアからの「メンバーズオンリー」のリメイク版、「グレン画廊」です。ルール的には全く同じですが、手番を表すというあまり意味のない「グレンカード」が付いてきます。
まず、ボードが6枚も付いてきます。1枚は得点ボードで残りの5枚はそれぞれのスートに対応するのですが、6枚に分ける理由は全くありません。ビッドをする場所は美術館の回廊が描かれているのですが、それぞれのボードによってこの構造が異なるためにゲーム中に状況が非常に把握しずらくなっています。さらにミスプリントもあります。
また、カードのインデックスが右上だけについているので右利きの人にとっては扱いずらいデザインです。さらにマイナス1に当たるカードがどのスートのものなのかも判別しずらく、プレイアビリティが非常に悪いです。さらにビッドトークンも何故か2倍トークンは小さめになっており、得点用のキューブは小さすぎです。スコアボードには0点のマスがないので、盤外からスタートさせることになります。とにかく問題だらけのコンポーネントと言っていいでしょう。
箱のデザインやボードカードの絵柄は個人の好みにもよると思いますが、目がチカチカするようなサイケな感じでプレイアビリティを考えた絵柄だとは言いがたいです。メイフェアのグラフィックは単体で見ると良いのですが、トータルで見るとプレアビリティを考慮していないものが非常に多いのは残念です。
「メンバーズオンリー」は日本ではちょっと評価が高すぎる気はするものの、好きなゲームの一つです。人によっては名作というかもしれません。そんなゲームをここまでまずい形で再販してしまったメイフェアの罪は重いのではないでしょうか? とにかく「メンバーズオンリー」の美しく機能的なコンポーネントがどうしたらこんなになってしまうのかと驚くばかりです。メイフェアのコンポーネントには感心しないものが多いのですが、これは落胆を通り越して驚愕といってもいいでしょう。
「メンバーズオンリー」をプレイしたことあるのはローラだけで、スコットとジョンは初プレイです。アメリカのメイフェアなのに全く知られていないらしく、おそらく売れてないのではと思います。メンバーズオンリーの欠点として、終了条件がすべてのカテゴリーで5点以上になるということなので時々長時間になってしまうのですが、今回はなんと7ディールもかかってしまいました。自分はそれでも得点システムをうまく利用して最後はトップになれました。
結果:自分 29、スコット 25、ジョン 24、ローラ 21
スケアリーテイル 赤ずきん 対 ピノキオ Scary Tales: Little Red vs. Pinocchio
(プレイ時間 10分)
時間調節をかねてローラに「スケアリーテイル」を教えました。このゲームは時と場合による当たり外れが大きく、今回はちょっと単調な展開でした。まあ短時間で結構楽しめるゲームだとは思います。
結果:自分 8、ローラ 5
花火 Hanabi (花火と生け花 Hanabi & Ikebana より)
(プレイ時間 20分)
久し振りに会うDCゲーマーズ首謀者のマークと一緒に「花火」を遊ぶことになりました。出せるカードのヒントでなく5のカードのヒントを言ったりなど、初心者が効率の悪いヒントを言ったりするたびに、つい口出ししてしまいたくなるのをぐっと我慢。まあ最初で18点というのはまずまずだと思います。マークは「思ったよりもずっと難しかった」とのこと。
結果:18(マーク、ローラ、イーサン、自分)
マスターズ ギャラリー Masters Gallery
(プレイ時間 25分)
「モダンアートカードゲーム」のデラックス版でグリフォンの本棚シリーズの第9弾にあたります。デラックスとは言ってもカードの絵柄が異なるだけで、コンポーネントの質は全く同じ。デラックスならせめて得点チップなりボードなりを付けて欲しかったところです。
マークがもう1ゲーム遊ぶ時間があるというので、短時間で終わるこのゲームをエントリー。「モダンアートは好きではない」という彼に「競りのないモダンアートだよ、こちらの方が好きって言う人もいる」と言うと興味を持ったようです。モダンアートに思い入れのないプレイヤーには概して名画を使った「マスターズギャラリー」の方が受けは良いですね。2ラウンド目までマークが勝っていましたが、カードをある程度貯めていた自分とローラが終盤で一気に追い上げました。
結果:ローラ 143、自分 130、マーク 116
スワット! Swat!
(プレイ時間 各5分)
「スワット」は「イッツマイン」などと同様のリアルタイムの競りゲームです。カードが多く、カード構成が多少異なりますが、主なルールは「イッツマイン」と同じです。最も多く集めると7点、最も少ないとマイナス7点というカードがあったりするあたりが大きな違いでしょうか。
3人で遊ぶ場合はデッキの約半分だけを使うという結構いい加減なルールです。すぐに終わるので続けて2回遊びました。
1戦目:ローラ 20、自分 20、スコット -4
2戦目:ローラ 46、スコット 20、自分 2
ポトマック ブラックアウト Potomac Blackout (オーヘルのバリアント)
(プレイ時間 50分)
トランプの「オーヘル(ブラックアウト)」のバリアントで、地元のプレイヤーが考案したそうです。ポトマックというのはワシントンDC、メリーランド州、バージニア州の境界の川の名前です。
毎ディール枚数が1枚ずつ減っていくのは同じですが、切り札はランダムではなく最も高いビッド(同数値の場合はディーラーの左隣りから時計回りで優先)をしたプレイヤーがプレイの前に自由に決定します(ノートランプでも構いません)。また得点方法がちょっとややこしくなっています。
ビットを満たした場合は「ビッドしたトリック数+5点」ですが、ハイビッド(切り札を決めたプレイヤー)ならば「ビッドしたトリック数の2倍+5点」となります。ビッドを満たさなかった場合はビッドしたトリック数との差がマイナス点となります。
切り札を決める権利を勝ち取る為に高いビッドにするか、どんな切り札になっても取れるような低いビッドを考えるかとなかなか面白いです。手札をよりじっくりと分析することが大切になってきます。
地元のゲームクラブに所属しているというジョンが教えてくれました。最初はコツが飲み込めなかったものの、ビッドは悩ましく、かなり楽しむことが出来ました。
結果:ジョン 58、自分 43、ローラ 26
ナインティナイン Ninety-Nine
(プレイ時間 80分)
ポトマックブラックアウトを教えてくれたジョーンにお礼にナインティナインを教えることにしました。パーラットが推奨するバリアントで、第1ディールはノートランプ、以後は前ディールでのコントラクト達成者数により切り札が決まります(0人=ダイア、1人=スペード、2人=ハート、3人=クラブ)。9回戦勝負で、スペードが切り札のことが多かったです。自分はデクレアを2回宣言したものの両方とも失敗し、大差をつけられてしまいました。最後の9ディール目でリビール(手札とビッドの両方を見せる)を達成できたのはよかったです(写真。1トリック獲得をビッドし、最初にクラブのエースをリードして成功)。
結果:ローラ 305、自分 231、ジョン 155
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