クルマが使えない状態なので、地下鉄とバスを乗り継いでの参加です。今月のウォルドーフは先月に比べて閑散としており、だいたい2テーブルほどで進んでいきました。久し振りに麻雀やフレッシュフィッシュが遊べたりホビットを試せたりとなかなか有意義でした。
麻雀 Mah-Jongg
(プレイ時間 65分)
エリックCは麻雀が好きで色々なルールを研究しています。是非日本のリーチ麻雀を知りたいというので教えることになりました。マージャンの牌は日本の小型なものと中国の大きなものの2種類を持っているということですが、中国の大きなものの方が見やすくて好きだということなのでそちらを使いました。なお両方とも英語のインデックスが入っておりわかりやすくなっています。
まずは中国麻雀ルールでプレイ。さいころを3つ使うところからして異なります。ボーナス(翻)はなくてもよく、どんな手でも上がれます。単純にポイント(符)を数えるだけです。門前清栄和(メンゼンロンホー half concealed)の加符のルールもあり、役を作れば翻もつきます(単純に倍々となる、プラス2翻は付かない)。もっとも大きな違いは振り聴の概念が無いこと。捨て牌は中央に表向きに投げ捨て、誰がどの牌を捨てたのかは覚えていない限りわかりません。またポン、チーは同じですが、上がるときはロンでもツモでも「マージャン」と言って上がります。また刻子のこともポンと呼びます。結果としては安い役や役無しであがることがおおく、ポンとチーのし放題なので日本式に慣れてしまうとちょっと拍子抜けしてしまいます。でもこれはこれで手軽で楽しいと思います。
さて日本ルールですが、振り聴、リーチ、ドラ、裏ドラのルールを教えて開始。「これは全く別のゲームのようだ。高い手が狙えるし面白い」と言っており、おおむね好評でした。今回は練習なので数回だけのプレイ。のちにフレッシュフィッシュを遊んだ後にも数回遊びました。役の一覧の英語のプレイエイドなどがあれば良いと思いますが、どこかにないでしょうかね。
ホビット The Hobbit
(説明 25分 プレイ時間 70分)
クニツィアの2010年のファミリー向けゲーム。世界観は指輪物語と似ていますが、協力ゲームではなくもっとも多くの財宝を目指すゲームです。カードの同時ビッドで能力を高め、チャレンジで財宝を得るというのが基本です。さいころを使いますが、さいころの使い方も良くできていてなかなか面白いです。ルールの書き方がややこしく、途中でプロビジョンタイルに関するルールを決定的に間違えていたので仕切り直して再スタート。それでもさらに70分かかってしまいました。あとでギークなどを読むとどうもカード補充のルールも少々間違っていたようです。きちんとルールを把握して再挑戦したいです。
結果:自分 20、ルーク 18、アダム 13、ローガン 7、サミー 5
フレッシュ フィッシュ FrischFisch
(説明 15分 プレイ時間 60分)
フリーゼの「フレッシュフィッシュ」は1997年に2Fから300部限定で出版されたゲームです。2003年にプレナリーゲームズから再販されたもののプレナリーゲームズ自体がなくなってしまったので、リメイクも非常に手に入れずらくなっているという不運のゲームであります。
都市建設をテーマにしたタイル置きゲームです。舞台となるボードは正方形でプレイヤー数によって大きさが変わり、一辺はプレイヤー人数プラス5区画(2、3、4、5人でそれぞれ7、8、9、10区画四方)です。この世界では、魚、原子力、ガソリン、ボードゲーム、という4種類の生活必需品があります。それぞれに対応するセンタータイル(漁港、製油所、原子力廃棄所、ゲーム工場)がゲーム開始時にボード上にランダムに置かれ、ゲーム終了までに各プレイヤーは4種類の対応するアウトレット(魚屋、ガソリンスタンド、原子力発電所、ゲームショップ)を1つずつ建設していきます。目的はセンターと自分のアウトレットの距離を出来るだけ短くすること。そうしないと魚は腐ってしまうし、ガソリンは漏れるし、原子力廃棄物は核融合を起こすし、ゲーマーは怒るし、ということなのでしょう。
センターとアウトレットの距離はその間の道路タイルの枚数で決められ、いくら近くでも道路タイルの置かれ方によっては遠回りになってしまうかもしれません。最低でも道路を1区画は通らなければならないので、隣りに置くと最低距離は2、斜めに置けば1となります。アウトレットは区画を予約し、のちに競りで手に入れるのですが、あまり競りにお金を使いすぎても負けてしまいます。最終的な勝利点は距離の合計から残りのお金を差し引いた数値でもっとも少ないプレイヤー(つまり距離が短く残金の多いプレイヤー)の勝利となるのです。理論上の最高得点はマイナス11点(4種類がすべて距離1で所持金15を一切使わない)です。距離が1長くなるのとお金を1余計に使うのは同じことなので、その辺りを考えると競りの相場がわかりやすくなります。
手番には自分のキューブを1つボードに置いて区画を予約するか、タイルデッキから1枚めくるかの2択です。キューブを置くのは何もない未開発の区画でなければならず、置かれたキューブは予約キューブと呼ばれます。予約キューブを置いた区画にしか自分は建物を建てることはできません。アウトレットを3種建てるまでは予約キューブを6個持ちますが、3種、4種と建てたあとはそれぞれ5個、4個と減っていきます。予約キューブは最初の1巡はまったく自由に置けますが、それ以降は他の予約キューブ(所有権キューブではない)の縦横隣りか道路タイルの縦横隣りでなければ置けません。このルールは非常に良くできた秀逸なルールだと思います。
タイルデッキはアウトレット4種が人数分とその合計とほぼ同数の建物タイルが混じっています(2~3人のときはアウトレットと同枚数、4~5人のときはアウトレット枚数マイナス1枚)。建物はオフィス、アパート、公園と絵柄こそ異なるものの機能はまったく同じです。めくったタイルが建物ならば自分の予約した区画を1つ犠牲にしてその建物を建てます(キューブは手元に戻ります)。アウトレットならば競りになります。競りはクローズドビッド(同時ビッド)でお金を握って同時に公開します。最も多く握ったプレイヤーが銀行に支払い、アウトレットを自分の予約した場所に置くのです。このとき予約キューブをアウトレットの上に置き所有権を表します。各プレイヤーは同種のアウトレットを2つは持てないので、自分が建てたアウトレットの競りには参加できません。つまりだんだんと競争相手が減っていき、最後の1つは無料となるのです。なお手番プレイヤーが競りに勝たなかった場合は、再びそのプレイヤーの手番となり、キューブを置くかタイルをめくるかが選択できます。当たり前ですが、予約キューブがボード上になければタイルをめくることはできません。
注意しなければならないのは、競りのタイブレークは手番プレイヤーから時計回りだということです。手番で自分が所有していないアウトレットに対応するセンターの近くを予約せずにうっかりタイルをめくってしまうと、全員0ビッドで引き取らされてしまうということもあります。特にゲーム開始時には、各センターの周囲にまんべんなく予約キューブを置いてからタイルをめくらないとひどい目にあってしまうのです。後半は自分の右隣のプレイヤーが既に持っていて自分が持っていないアウトレットにも注意するべきでしょう。そのアウトレットに関しては自分がタイブレークにさせられて引き取らされてしまうかもしれないからです。
このゲームの肝はなんといっても道路建設です。プレイヤーは能動的に道路タイルを置くことができず、アウトレットや建物を置くことで自動的に道路が建設されていきます。最終的にすべてのセンターとアウトレットが道路でつながることを保証する為に、アウトレットや道路が置かれるたびに以下の2つのことをチェックします。
1:センターやアウトレットに隣接する区画が1つを除いてすべてセンター/アウトレット/建物タイルで埋まったときにその最後の未開発区画は道路になる。
2:未開発区画と道路を同一視して考える。もし、ある区画に建物を建てたときに未開発区画と道路のまとまりを分断するならば、その区画は道路になる。これはすべての区画についてチェックする。
道路になった区画に置かれていた予約キューブはすべて持ち主の元に戻されてしまいます。つまり予約は絶対的なものではなく、相手の予約キューブをうまく道路で邪魔したりということも大切なのです。慣れないと難しいのは2番目のルールです。タイルが置かれる順番によっては分断にならないのでは? と考えてしまいがちですが、そのときのボードの状態で考えれば良いのです。例えば、下の写真の左の状態で、黒のプレイヤーがガソリンスタンドを競り落として角に置いたとします。すると、右の写真のように3つの区画に道路が置かれるのです。もしかしたら最終的にこれら3つのマスは道路や未開発地区を分断しないかもしれませんが、現在その恐れがあるのですべて道路になります。そして置かれていた予約キューブはすべて持ち主に戻されます。
終盤にタイルデッキが尽きたら、それ以降はタイルを引く代わりに能動的に建物か道路を自分の予約キューブのある区画に置くことが出来ます。このルールを利用すれば自分がどうしても道路にしたい区画にキューブを置いておくということもできますが、終盤までずっとキューブが1つ使えなくなるというデメリットもあります。
こうして区画がすべて埋まり町が完成したらゲーム終了です。4種のセンターとアウトレットの距離を合計して残金を引いて勝者を決定します。タイブレークは残金の多い方です。なお、プレイヤー数の2倍プラス4(2、3、4、5人でそれぞれ、8、10、12、14)が距離の上限となっており、これを超える距離になったり、競り落としたのにボードに予約キューブが無かったりしても(このときはボード上に置かずに自分の前にアウトレットを置く)この上限として換算するのです。全員がひとつずつ上限のアウトレットを持っているとこれはこれで結構良い勝負になります。
オプションルールとしてデモタイルと工事中タイルが2枚ずつ入っています。これは自由にタイルデッキに混ぜて使います。なお工事中タイル1枚につき建物タイルを追加で1枚デッキに加えます。これらを引いたプレイヤーは次の指示に従います。
デモタイル:建物と同様に自分の予約した区画に置き、予約キューブを手元に戻す。これは道路してみなされるが距離は通常より2つ長くなる(デモタイルは距離3の道路となる)。
工事中タイル:既に建設された建物タイルの上に置く。これ以降、どのプレイヤーでもこの区画をアウトレットを建てるために使って良い。もし建物タイルがひとつもない場合は一度わきによけておき、建物タイルが置かれたら直ちにその上に置く。
非常に変わったゲームで、似た例をまったく思いつきません。フリーゼの中では個人的には最も好きなゲームで2~5人のどの人数でも楽しいと思います。いかに建物を建てて道路の建設をコントロールするかというのがなかなか無い感覚でユニークです。3人だと後で建てた方が有利な部分が大きいのでビッドは低めですが、5人だとうかうかしていると建てられずに終わってしまうということもありビッドはもう少し高めになる傾向にあります。
2F版はセンタータイルにはリングを置いて一目で分かるようになっており、グラフィックも全体的に柔らかいタッチです。ボックスもなかなか渋い感じで FrischFisch の文字が魚の形をしているなど凝っていて好みです。シリアル番号が付いており、自分のは51番です。リメイクのプレナリー版は2F版に比べてボードやタイルが大きく、お金やキューブが小さいです。またタイルがボードの区画とまったく同じサイズで遊びがないためにきちんと置きずらいという設計ミスがあります。さらにセンタータイルは黄色なのですがなぜか魚だけはアウトレットが黄色になっていてわかりずらいです。タイルの裏側がプレナリーのロゴのミープルになっており、これが結構煩わしい気もします。
プレナリー版の最大の問題点はルールの曖昧さです。ルールを書いた人が道路建設の元のルールをきちんと理解していないのではと思われる部分があります。建設が不可能な場所は起こりえないはず(道路タイルになっているはず)なのに、建設不可能ならばペナルティを受ける、などというとんちんかんな記述があるのです。道路建設に関する図も間違っており、あとから追加されたエラッタもかなりひどいです。またルールの変更箇所も、競りのタイブレークは手番プレイヤーの左隣りから時計回り、というようになっており、これは明らかに改悪です。ぜひオリジナルの2F版のルールでプレイすることをお勧めします。
エリックCのリクエストで持ち込み。このゲームは好き嫌いがはっきり分かれるのですがエリックCは好きなようで何度かリクエストされています。他の3人は初めてだったのですが、あまり受けは良くありませんでした。エリックCが良いポジションをキープして勝っていたのですが、なんとか妨害工作を働かせて、遠回りをさせることに成功。リスクもありましたが、おかげでトップになれました。あまり拡張タイルを入れて遊んだことが無いのですが、今度は拡張タイルを入れてみたいです。
結果:自分 -7、サミー 1、エリックC 6、ローガン 14、アダム 17
花火 Hanabi (花火と生け花 Hanabi & Ikebana より)
(プレイ時間 25分)
自分以外全員初プレイの花火。5人なのか初めてにしては18点という悪くない成績です。連続して2度目を遊ぶことを提案したのですが、かなり考えるゲームだからまた次回、ということになりました。
結果:18 (エリックK、ネイト、カーク、自分、エリックC)
ジャングルスピード Jungle Speed
(プレイ時間 10分)
結構久し振りに遊ぶパターン認識のスピードゲーム。エリックKの持ち込みです。いくつかの特殊カードの役割を忘れていましたが、パターン認識は慣れてしまえばそれほど難しいものではないと思います。序盤はエリックKが勝っていましたが、最後には追い上げて自分の勝利。とろろで実力が拮抗しているとゲームが終わらないのではと思うのですがどうなのでしょうか。
結果:自分(勝利)
髑髏と薔薇 Skull & Roses
ここでシンプルなブラフゲームの薔薇と髑髏を出してみました。このゲームもメンバーによって受けが良かったり悪かったりの差が激しいのですが、予想に反してあまり受けが良くありませんでした。ちょっと残念です。
結果:ネイト 2、カーク 1、エリックK 1、エリックC 0、自分 0
レッドドラゴン亭 The Red Dragon Inn
(説明 15分 プレイ時間 60分)
この日の締めはエリックK持ち込みの「レッドドラゴン亭」です。「ファンタジーパブ」や「ドラコカンパニー」のように飲み屋で飲んだくれることをテーマにしたゲームで、酒をおごり合ってお金がなくなったり飲み過ぎると負けになります。最後の1人になれば勝ち。
全員が異なるデッキを持つのですが、カードはすべてテキストがあり、かなり面倒です。お金のやりとりが行われるギャンブルというのがあり、ギャンブルの主導権を取ったと思えば、他の誰かがギャンブルに勝利するカードを出し、さらに他の誰かがギャンブルでずるして勝てるカードをだし、さらにずるを発見して勝つカードを出す、といった具合で、まあ作戦もへったくれもありません。
大きな問題は生き残り式だということ。結構時間がかかるゲームなのに、負け抜けなので集中攻撃が起こりやすくなります。エリックKはみんなの集中攻撃を受けて脱落しましたが、ゲームの性質上それを促す形なのでしょうがありません。エリックCはお金がない状態が何度かあって脱落すると思いきや、なんとか乗り切って勝利を手にしました。
結果:エリックC(1位)、自分(2位)、ネイト(3位)、エリックK(4位)
usalapbit
日本のマージャンの役のプレイエイドですが、このあたりは参考になりますでしょうか
http://www.4windsmj.com/kb/kb.htm
http://www.gamedesign.jp/flash/mahjong/mahjong_e.html
http://www.mahjongtime.com/mahjong-japanese-scoring.html
草場純
16枚配牌の台湾ルールも面白いですよ。
けがわ
>usalapbitさん
貴重なリンク情報をありがとうございます。だいたい一通り見てみましたが、どれも詳細でプリントアウトしても使えそうですね。フラッシュの英語版ゲームは日本ルールを覚えるのに最適だと思います(思わず遊んでしまいました)。友人に送ってみます。クイタンや後付けがあるという設定みたいですが、これは変えられないのかな。
>草場さん
むかし16枚配牌も遊んだことがあります。確か2スートだけでも役になるとか結構役が異なりますよね。