アーリントン ボードゲーマーズ 2011.08.27

JohnGameShelves.JPGローラの紹介で、DC西郊のアーリントンにある別のゲーム会に参加させてもらうことになりました。ハリケーン・アイリーンの影響で大雨の降る中を歩いて会場のジョンの家に到着すると、なんと5テーブルで20人ものゲーマーが集結!! ラリー、トム、マイクJといったDCゲーマーズのメンバーもいました。最近は活動が停滞気味のDCゲーマーズですが、こんなところにいたとは。なお写真はジョンのゲーム棚です。



ベリシネベリシ Verish' Ne Verish'
(プレイ時間 15分)
とりあえずの時間調整として、まずはロシア版ダウトの「ベリシネベリシ」を教えることになりました。ところが説明を始めたとたんにブラフゲームが嫌いなラリーは思いっきり拒否。まあブラフだけではなく推理もあるので推理ゲームが好きなラリーには受けるかと思っていたのですが、残念です。やりたくない、というプレイヤーと遊んでも盛り上がる訳は無く、淡々と終了。

結果:エリック(1位)、ロブ(2位)、ローラ(3位)、自分(4位)、ラリー(5位)



フィガロ Figaro (ティルシット版)
(プレイ時間 50分)
Figaro20110827-1.JPGウォルドーフで好評だったフィガロの小箱版(ティルシット版)を持ち込んでみました。5スートしか無いので6人だとどう機能するのか試してみたかったということもあります。5スートしか無いと言うのはあまり問題ではありませんでしたが、ゲームとしては人数が少ない方がわかりやすく面白いです。次回は3人で試してみたいですね。今回は1、2ラウンドは最下位で最長の木の板を2本喰らいましたが、3ラウンド目でトップだったので最長の木の板を1つ最短のものと交換できました。この結果、逆転勝ちでの勝利。

Figaro20110827-2.JPGダヴィンチ版に付いてくる、不要かと思っていた城のタイルは実は必要かもしれません。木の板の差が数ミリということが多く、今回はボックスカバーを使いました。本当にわずかの差です。気になるのは、3ラウンド目の交換ルールです。最下位でも勝ち目があるという意味では悪くないかもしれませんが、結局3ラウンド目に勝てば勝ててしまうという状況が多いと興醒めです。そのあたり、どういったバランスになっているのかが少々気にかかります。

結果:自分(1位)、ロブ(2位)、ジャン(3位)、マイクJ(4位)、ラリー(5位)、エリック(6位)



ペロポネソス Peloponnes + 拡張セット Erweiterung + ヘラス Hellas
(説明 15分 プレイ時間 85分)
Peloponnes2011-827-1.JPGペロポネソスはタイルを競り落としていくゲームです。タイルには、最低のビッド額、競り落とすと獲得できるもの、その後毎手番獲得できるもの、ゲーム終了時の勝利点などの情報が書かれています。目的は勝利点を得ることですが、これがかなりややこしいです。まず、市民の得点と、タイルとお金による得点を比べて、どちらか少ない方が得点となるのです。市民1人=3点で、お金は3コイン=1点というややこしさ。つまり9コインと市民1人は同価値なのだが、どちらも別のカテゴリーであるということです。このあたり、もっとすっきりさせられなかったのでしょうか。ゲームの性質上、市民と建物をどちらかを無視するというわけにはいかないので、「チグユー式」の得点でなく単なる合算でも良かった気がします。

メインとなる競りはところてん式の一種で、プレイヤー数だけ並んだタイルを同時にビッドしていきます。誰かにオーバービッドされると直ちに別のタイルをビッドしなければなりませんが、面白いことに、ビッドした金額は変えることができないのです。よって、タイル固有の最低ビッド額の縛りなどの関係から、ビッドできるタイルがないということもあるのです。もちろんビッドは任意で、タイル獲得をあきらめると1コインもらえます。最初からあきらめるとなんと3コインもらえるので、お金がかなりきついこのゲームでは時にはしゃがむことも必要です。

Peloponnes20110827-2.JPGタイルは主に建物とフィールドの2種類あり、自分のスタートタイルの左には建物、右にはフィールドを並べていきます。フィールドは置くのに縛りがあったりとなかなか一筋縄ではいきません。さらに人口だけ食料が無くてはならず、その辺りのマネージメントは最近のヘビーゲームの流れに通じるものがあります。

主催者のジョンとは初めて一緒となるゲームです。後から知ったのですが、6人でプレイする為に拡張セットが2つも入っていたようです。隣りのテーブルのラリーに言わせると、ペロポネソスは人数か少ない方が良いから、今回だけで判断しないようにということですが、結構楽しめました。ただリソースの数がちょっと多く、建設用の木材と鉄鉱石をひとつにまとめたほうがすっきりしたのではと思います。

結果:グレチェン 26、ルエリン 24、自分 24、ローラ 18、ロブ 18、ジョン 16



綱渡り Drahtseilakt
(プレイ時間 30分)
Drahtseilakt-Boxes.JPG綱渡りは1999年にASSから出版されたクニツィアの数少ないトリックテイクのひとつです(2011年現在ではこのゲームと「革命万歳」のみ)。5年後の2004年にウーバープレイから「カップル危機一髪 Relationship Tightrope」としてリメイクされ、さらに2010年には、スコアリングを変更した「フィフティフィフティ Fifty Fifty」と「陰陽 Yin Yang」が発売されました。

Drahtseilakt-Cards.JPG50枚のカード(1-50)という構成のデッキを各プレイヤーに9枚ずつ配って9トリックで1ディールです。トリックは数値の大小で勝敗が決まり、トリックに勝ったプレイヤーがプラス点、負けたプレイヤーがマイナス点を受け取ります。ただしゲームの目的は9トリック終了後になるべく得点の絶対値を0に近づけること。つまりプラスもマイナスもバランスよく取らなければならないのです。得点表示カードは11枚あり、各トリックの直前に1枚を表向きにします。11枚のうち9枚は1~9点が1枚ずつですが、あとの2枚は特殊カードで、このカードが出た場合は続けてもう1枚めくり、そのトリックのプラスかマイナスが0点になるのです。ただし続けて特殊カードが2枚めくられたら相殺されます。得点表示カードは中央に並べていき、どのカードが出たかはわかるようにしておきますので、最後にうまく辻褄をあわせてプラスマイナス0点にしたいところですが、特殊カードが連続でめくられて相殺されない限りは、全体としてもアンバランスになるように出来ているのが心憎いところです。

Drahtseilakt-Score1.JPGディーラーを時計回りに順番に行って人数分のディールを行ったら終了です。絶対値がそのままペナルティの点数になります。もしもディール終了時に0点だったら、ボーナスとして以前のディールの得点を1回分だけ0点にすることができます。ゲーム終了時にもっとも得点が低かったプレイヤーの勝利です。

なお、ここではプラス点、マイナス点と呼んでいますが、本来は青の得点と赤の得点です。青と赤の得点用の棒が用意されており、これらは相殺するようになっています。ディール終了時にはどちらの色でも1本1点のペナルティという訳です。

スートが無い(単一スート)のでトリックテイクの範疇に入るかは微妙なところかもしれません。勝てるカードや負けられるカードは大切なのですが、中間のカードの使いどころが難しいです。配られた手札のアンバランスさとどう戦うのかが悩みどころですが、相手の出したカードで相手の手札のバランスをある程度予測するのも大切です。うまく0点を取ったときは気持ちがよいものです。シンプルながらも良くできたゲームだと思います。

Drahtseilakt-Score2.JPGリメイクの「カップル危機一髪」はテーマこそ綱渡りから恋人関係の綱渡りへと変更になったものの、ルール的には「綱渡り」と同じです。喜怒哀楽をテーマにした「フィフティフィフティ」や中国の思想をモチーフにした「陰陽」では得点表示カードが大きく異なり、特殊カードは無く、単純に10枚中9枚を使うようになっています。その10枚は、2種類の得点が異なり、1-4、2-5、3-5、3-6、4-7という組み合わせと、それぞれの逆というようになっています。3-5と5-3以外は差が3なのですが、これらを加えることにより、それぞれの種類で1、2、3、3、4、4、5、5、6、7という中央に厚みのある得点分布となっているのです。10枚全体では得点の総和は等しいのですが、9枚しか使わない為に必ず全体としても2点か3点の差ができるというアンバランスさを自然に生み出しています。どちらが良いかは好みにもよりますが、カウンティングがしやすい「綱渡り」「カップル危機一髪」の方が個人的には好みです。他にも0点に抑えたときの特典やバリアントなどが微妙に異なり興味深いです。

各エディションの違い

得点チップ
綱渡り:青と赤のバランス棒が25本ずつ
カップル危機一髪:青とピンクのバランス棒が25本ずつ
フィフティフィフティ:青と黄色の表情タイル26枚ずつ
陰陽:陰と陽のチップ24枚ずつ

得点表示カード
綱渡り/カップル危機一髪:11枚(1~9と2枚の特殊カード)
フィフティフィフティ/陰陽:10枚(1-4、2-5、3-5、3-6、4-7とそれぞれの逆の組み合わせ)

0点達成時の特典
綱渡り/カップル危機一髪:以前のディールのスコアを1つ0にする。
フィフティフィフティ:なし
陰陽:0点以外のプレイヤーはすべて2点加算。

Drahtseilakt-FiftyFiftyCards.JPGバリアント
綱渡り/カップル危機一髪
1:人数の9倍までの数値カードを使う(3人なら1から27)。
2:トリック方式ではなく、同時出し。
フィフティフィフティ:なし。
陰陽
1:手札10枚(最後の1枚は使わない)。
2:0点のときには以前のディールのスコアを1つ0点にする。

その他の特筆事項
綱渡り/カップル:1~9のスコアリングカードのグラフィックがそれぞれ異なる
フィフティフィフティ:青と黄色の塗り分けが11種類あり、対応して表情も11種類ある。「25」のカードは青と黄色が半々だが、本来なら「26」もそうするべき。なおスコアリングカードは「25」と同じ表情。
陰陽:ルールは英語と中国語で表記。

Drahtseilakt20110827.JPG今回はベストと思われる3人プレイ。3ディール勝負です。カードの偏りがひどく、それをうまく利用しようにも裏目にでて惨敗でした。普段なら1回くらいは0点に抑えられるのですが、それどころか2ディール目には11点という大失点を獲得。ローラは0点こそ取らなかったものの、毎ディールコンスタントに1点ずつに押さえて3点での勝利。エリックもローラも初めてでしたが、なかなか好評でした。

結果:ローラ 3(勝利)、エリック 14、自分 15



ラー Ra (リオグランデ/アレア版)
(プレイ時間 45分)
Ra2011-827.JPG続けて3人でできるルール説明が不要なもの、ということで「ラー」を選択しました。リオグランデ/アレア版(アメリカ版の初版)ですが、アメリカらしく袋が足されており、袋を使ってのプレイ。ファラオが全く出ない展開で、1ラウンド目はファラオを1つだけ持っていた自分が5点獲得。ファラオのおかげでかなり有利に進めることが出来ました。神様タイルを1手版に複数使うことができるというのは案外知らない人が多く、たまたまその話になるとローラもエリックも「それは間違いでは?」と言ってルールをあらためて見ていました。エリックは小さな数値のタイルでも場を膨らませすぎてしまい途中かなり不利になってしまいました。タイルの運も少々悪かったようです。最後は3点差での勝利。

ところで、2004年1月からボードゲームギークとplay:gameデータベースでプレイ回数を記録しているのですが、この「ラー」が記念すべきクニツィアの2500ゲーム目となりました。7年と8ヶ月かかった訳ですね。

結果:自分 63、ローラ 60、エリック 24



コンテナ Container
(プレイ時間 65分)
Container20110827.JPGいつものようにショートゲームでプレイ。マイクJと自分は工場を早々と3つにして生産に力を入れるというプレイになりました。工場を3つ買ったのは初めてかも知れません。倉庫はほとんど使わずに、生産と船での運搬で儲けるという作戦でしたが、あまりうまくいきませんでした。序盤にはマイクJの工場3つ体制を警戒してか、みんなあまりマイクJから買わずにいたのですが、最終的には彼の勝利。マイクJは強いです。自分にとって、好きだけどなかなか勝てないゲームの筆頭ともいえる「コンテナ」ですが、今回も4人中3位。懲りずにまた遊びたいですね。

結果:マイクJ 101(29+72)、エリック 83(77+6)、自分 74(59+25)、マーク 70(20+50)
(括弧内は現金+コンテナ、なお港と船のコンテナは現金として扱う)



花火 Hanabi (花火と生け花 Hanabi&Ikebana より)
(プレイ時間 各25-35分)
Hanabi20110827.JPGコンテナで皆かなり疲れていたのですが、せっかくなので花火をプレイ。みんな記憶力が曖昧で、同じヒントを2回出したりととんちんかんなプレイが続いて15点どまり。疲れているなら別のみんなが知っているゲームにしましょうかと提案したのですが、もう一度やりたいということで続けて2度目のプレイ。少しだけ連係プレイがうまくいって18点でした。今回に限らず、初めての方と遊ぶときには方針や作戦などは一切言わないようにしています。その方が、いろいろと変わったプレイが見られるし、なんというかわくわくする感覚も大きいのです。

結果(自分、マーク、エリック、マイクJ)
1戦目:15
2戦目:18



翌日の予定があったので、まだ10人程残っていたのですが、引き上げることにしました。大雨の中、ロスリンの駅までエリックが送ってくれました。

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