8月6日、WBC2日目。スケジュールによれば参加可能なトーナメントのうち興味があるものは以下の通りです。(☆は実際に参加したもの)
9時:カタンの開拓 ラウンド1/5
11時:乗車券 予選3/3
12時:☆プエルトリコ 予選3/3
13時:タイタンアリーナ 予選3/3
14時:☆ロストシティ 予選4/4、ラーダイスゲーム 予選4/4
18時:☆チグリスユーフラテス 予選2/2、メディチ 予選3/3
朝は予想通り(?)寝坊してしまい、9時の「カタンの開拓」はあきらめました。11時の「乗車券」に参加してしまうと12時の「プエルトリコ」にはおそらく参加できないので、「乗車券」には不参加。14時と18時は出たいトーナメントが2つバッティングしてしまっていますが、前日で勝利して望みがある「ロストシティ」と個人的にWBCのメインとも言える「チグリスユーフラテス」を選びました。そんなわけで12時の「プエルトリコ」まではのんびりとオープンゲーミングです。
アバンドンシップ Abandon Ship
(プレイ時間 25分)
まずは大人数で遊べる軽めのゲームということで、「アバンドンシップ」をライブラリーから借りてきました。「ロイヤルターフ」に似たプレイ感で、途中のチーズ点が結構大きいのでチーズを巡る戦いにもなります。途中まではうまいこと自分が支持する3匹を2-4位につけていたのですが、最後でやられてしまいました。
結果:ロドニー 10、ショーン 8、ベス 7、ローラ 6、自分 6
ベリシネベリシ Verish' Ne Verish'
次にピアス、ショーン、自分、ダグ、ローラの5人でベリシネベリシです。勝ったプレイヤーから抜けていき最後1人まで決めるはずなのですが、最初に1人抜けたらもう終わりだと思ったらしく、みんな手札を混ぜてしまいました。まあ1人が勝ったら終わるというゲームが多いのでしょうがないのですが、終盤で人数が減ってからがこのゲームの面白さなので、ちょっと残念です。
プエルトリコ Puerto Rico
12時、予選3/3。毎年参加しているプエルトリコに今年も参加できました。ところが手際が非常に悪く、ゲームを始められたのが漸く12時半。
自分は市場でお金を稼ぎ、さらに早いうちから港を得て追加勝利点を稼いだので、これは勝ったかもという手応えがあったのですが、最終的には2点差でロークに負けてしまいました。「小さな市場」のあとに「大きな市場」を買ったのが失敗だったように思います。
結果
アンドリュー 26(17+9+0)
スコット 42(11+19+12)
自分 48(27+15+6)
ローク 50(26+17+7)
(勝利点チップ+建物+ボーナス)
ロストシティ Lost Cities
(プレイ時間 35分)
14時、予選4/4。これに勝てば次に進むことが出来るという大事な試合です。1戦目は30対24と6点差を付けての勝利でしたが、ここからが悪魔のような展開になりました。2戦目にはどちらもゲーム中盤以降まで手を付けていなかった緑。これはデッキにかなりあると踏んであと1枚は来ることを頼りに緑を始めてしまいました。ところが、それ以降アレックスがすべての緑をデッキから引いたようで、1枚も得られずに大量のマイナス点。最後の2枚は緑の9と10だったそうです。3戦目はこの流れを引きずってしまい、やはり大差で敗北。
結果:アレックス 117(24+26+67)、自分 25(30-18+13)
ここで3時間ほど空き時間があるので、オープンゲーミングに行って遊びました。
ハンニバル対ローマ Hannibal gegen Rom (古代ローマの新しいゲームより)
(プレイ時間 各5-10分)
開いているテーブルで暇そうにしていダンを誘って手軽な2人ゲームの「ハンニバル対ローマ」を教えて一緒に遊びました。昨日はこのゲームを元にした「指輪物語・対決」では死ぬほど苦しめられたのですが「ハンニバル対ローマ」のシンプルさも捨てがたいです。1戦目は自分がローマ、ダンがカルタゴを担当し、2戦目は交代しました。
結果:自分 2、ダン 0
ラーの司祭 Priests of Ra
(プレイ時間 60分)
同じテーブルの反対側で「ラーの司祭」の説明書とにらめっこしていた夫妻がいたので、「よかったら一緒に遊びませんか、教えますよ」と誘ってダンも入れて4人で遊びました。「ラー」の経験者はダンと自分だけ。ダンは「ラー」は遊び過ぎて飽きてきたけど、これは両面タイルなので戦略性がまして面白い、と言っていました。流れにもよりますが、「ラー」と得点システムが異なるだけなのに、かなりプレイ感や考えることは異なる気がします。なんでもこのゲームは売店から買ったばかりとのことで、ラルフ&シャノン夫妻も楽しんでいたようでした。
結果:ダン 65、自分 50、シャノン 47、ラルフ 25
花火 Hanabi (花火と生け花より)
(プレイ時間 20分)
元DCゲーマーズのラファエルは「マカオ」のゲームマスター(トーナメントの管理人)をしていて、昨日その会場まで行って雑談していたのですが、ようやく今日、一緒に遊ぶことが出来ました。ラファエルはヘビーゲームが専門ですが、変わったカードゲームなどを好む部分もあって「落水邸物語」などは彼のお気に入りです。予想通り「花火」は面白いということで、紹介した 甲斐がありました。
結果:19(自分、ラファエル、ローラ、リチャード)
チグリス ユーフラテス Euphrat & Tigris
18時、去年に引き続き3年目となるチグリスユーフラテスです。今回の会場はこじんまりとした部屋で、最終予選(2/2)のあと、引き続いて準決勝と決勝が行われます。1位は確実に次へ進めますが、4人ゲームとする為に2位の上位者も進むことができます。タイブレークはいくつ財宝があれば1位になるかという財宝数で、当然少ない方が有利になります。またトーナメント独特のルールとして、1巡目の最初と2番目のプレイヤーだけは1アクションしか行えません。ゲームマスターはクレイグで、もうかれこれ7年もチグリスユーフラテスのマスターをしているそうです。
予選2/2(プレイ時間 90分)
まずは予選。なんとしても勝たなければ準決勝に進むことはできません。5-6テーブルほどに分かれて戦い開始です。丸テーブルが少々大きめなのでゲーム持参者の提案で、テーブルを部屋の角に寄せて半円状に座ることになりました。まあ自分としてはきっちりと4人で四方を囲む方が良いと思ったのですがお互いのついたての中が見えなければそれほど問題は無いですね。
使用されたのはメイフェアの旧版。自分の右隣ピートがスタートプレイヤーで自分は2番手、右隣がアンソニー、向いがチャカです。ピートが相手の王国を乗っ取るべく、手番で2連続の内戦を何度か仕掛けてきたのですが、それもうまくかわしてモニュメントで稼いで勝利です。
結果
自分 10-10-11-13(13-10-9-10-2)
アンソニー 9-9-9-10(8-8-9-10-2)
チャカ 8-9-9-10(9-10-9-8-0)
ピート 7-7-10-11(5-10-6-11-3)
(括弧内は黒-赤-青-緑-財宝)
準決勝(プレイ時間 80分)
準決勝まで残ったのは数日前の予選での勝ち残りも入れて12人です。3テーブルに分かれて行い、各テーブルの1位と2位のうちのベスト1人の4人が決勝進出となるのです。冗談で「それならベスト2位を狙おう」とかみんなが口々に言いながらゲーム開始。再びペガサス旧版でした。
向かいのスティーブが1番手で、時計回りにビル、自分、ブライアンと続き、自分は3番手です。右隣のビルは去年の予選で同じテーブルで戦ったことがあり自分のことを覚えていました。「こいつは色々な王国を飛び回るから気をつけろ!」とか他のプレイヤーに忠告していました。
移動するとアクションがそのときは無駄になるのですが、のちの外部戦争やモニュメントのことなどや盤面のバランスを考えると移動したくなることも多くなるのは自分の性格かもしれません。今回も他の3人が独立した王国を作るのを尻目に寄生虫のようにいろいろな王国を飛び回りモニュメントを建てたり戦争を起こさせたりしていました。派手に得点をしたのでマークされていたのですが、移動でかなりアクションを無駄に消費していたのでそれほど差がついているとは思っておらず、固く進めていったスティーブとブライアンの王国が一触即発のまま終盤を迎えます。ブライアンがようやく戦争を起こし、ここで彼は一気に大量得点。これは危ないと思いましたが、そのままブライアンの勝利となりました。自分は2位で、タイブレークの財宝は10です。これでなんとか3テーブルの2位の中でベストとなり、決勝進出となりました。冗談で言っていた「ベスト2位」達成です。
結果
ブライアン 8-10-12-13(12-13-7-10-1)
自分 6-7-9-11(9-5-11-5-3)
ビル 6-6-9-12(6-6-12-9-0)
スティーブ 6-6-6-7(6-4-7-6-2)
(括弧内は黒-赤-青-緑-財宝)
決勝(プレイ時間 115分)
ついに決勝まで来ました。右隣のパトリックから時計回りに自分、エリック、スティーブの順で自分は2番手です。3番手のエリックは去年のチャンピオンで、去年は準決勝で一緒にテーブルを囲みました。そのとき彼はベスト2位を達成し決勝で優勝した訳です。決勝らしくハンスイムグリュック版が使用されました。
早々とモニュメントを建てて順当に得点を稼ぐエリック(写真上、エリックはライオン、自分は牛)。まず赤青、次に川を挟んだコーナー緑黒と建て、手番ごとに1点という効率の良さです。かれは終始にこやかで微笑んでおり、非常に落ち着いています。他のみんなは完全に出遅れてしまいましたが、自分には外部戦争を仕掛ける地盤も無く、内部戦争のための赤のタイルも全くない状態でした。パトリックやスティーブはそれでも破壊タイルを無駄に使ったりとなんとか応戦して、自分にもエリックと戦うようにと促してくるのですが、たとえ自分が破壊タイルを使ってもその後が続かず、エリックは自分の左隣りなのですぐに修復できてしまい、無駄です。
ようやく緑のモニュメントを隙をうかがって奪ったものの、すぐに隣りの神殿が破壊されてアウト。これは手痛いミスでした。ただ、このモニュメントは地形的に離れ小島になっていたので、運良く黒をコントロールすることはできました。他にも懸念だった赤もエリックのモニュメントを略奪。少しはゲームらしくなってきたかなあと思います。ゲーム後半は少ない緑を得るべく、機会をうかがってどこかでモニュメントを建てようとするのですが、本当にタイルの巡り合わせが悪くてつらい戦いでした。
みんなの予想通り、エリックが1位で2年連続チャンピオンです。1位とは大きく差がついたものの、自分は2位になることができました。途中から1位はあきらめて2位を狙って落ち着いて戦ったのが功を奏したのかもしれません。2位までは賞品となる木製の板がもらえます。Euphrat & Tigris 2nd WBC 2011 と書いてあるだけで個人名などは入っていないのですが、入賞したのはWBCでは初めてなのでとても嬉しかったです。時間を見るともう夜中の12時を回っています。6時間に渡る戦いはかなり疲れましたが充実したトーナメントとなりました。またエリックとは戦ってみたいです。
結果
エリック 14-14-14-16(13-12-16-14-3)
自分 9-10-12-14(10-12-14-7-2)
スティーブ 7-7-9-10(7-7-9-10-0)
パトリック 6-7-7-9(9-6-7-5-2)
(括弧内は黒-赤-青-緑-宝)
このあとはオープンゲーミングの部屋に行って少し休憩。その後、別の部屋に移って、昨日「マカオ」を遊んでいた台湾系のペイシンと彼女のゲーム友達に誘われて「スタンプス」を2回遊びました。
スタンプス Stamps
(プレイ時間 各70-80分)
「モダンアート」の日本版「スタンプス」は大人気で「これはセンスがある」「絵が可愛い」「コンパクトなのも良い」とみな口々に言います。特にペイシンは「モダンアート」が大好きだそうで、前日から一緒に遊ぶのを楽しみにしていたそうです。コインの少なさと価格表の不備という2つの欠点を示しても「そんなのはたいしたことじゃない、これは是非欲しい」という人の多いこと多いこと。
遊ぶにあたってはペイシンの提案で頭脳絶好調のタイル立てを手札の切手立てとして使いました。「スタンプスにタイル立てがコンパクトに付いていれば最高なのに」という意見もありました。
夜中なのに2度連続で遊びましたが、チグリスユーフラテスの疲れが出たのか、2戦とも最下位。特にペイシンは経済関係に詳しいのか独特の戦術を持っており面白かったです。ペイシンはニューヨーク近郊だとのことなので、ニューヨークからDCに来たトムのことを聞いてみたら、知っているどころか同じゲームグループで遊んでいたとのこと。ゲームの世界は狭いですね。
結果
1戦目:ショーン 457、ペイシン 442、ニック 434、自分 356
2戦目:ニック 502、ペイシン 465、JR 434、自分 374
気が付けばもう朝の4時。ホテルに戻ってゆっくり眠りました。
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8月7日WBC3日目。この日が最終日です。10時のトランスアメリカくらいしか参加できるものは無く、昨日遅かったこともあってゆっくりと寝坊することにしました。オープンゲーミングで3ゲームほど遊びました。
今年は売店では何も買わなかったのですが、閉まる直前の売店でZ-MANのスタッフにエスカレーションのTシャツを見せながら雑談していました。
クレイジー ダービー Crazy Derby
(プレイ時間 35分)
持参した軽めのゲームから「クレイジーダービー」です。「トレンディ」のラベンスバーガー版で、この他にも「ホースフェアカードゲーム」という版もあります。5人だったので5ディールでの勝負。
結果:自分 129、ノア 111、ショーン 108、エリック 107、ヘンリー 97
花火 Hanabi (花火と生け花 Hanabi&Ikebana より)
(プレイ時間 30分)
続けてまだアメリカではまったく見ることのない「花火」です。好き嫌いはともかくとしてユニークなゲームであることには変わりなく、一度は遊ぶ価値はあると思います。初めてでしたが、全員の手札の運も良く、19点を獲得。
結果:19点(自分、エリック、ノア、ショーン)
ベリシネベリシ Verish' Ne Verish'
(プレイ時間 35分)
最後にラファエルに教えたかったもう一つのゲーム「ベリシネベリシ」をペイシンと3人でプレイ。ラファエルは「3人だったら直前のプレイヤーのカードしかダウトが出来ないので時計回りと反時計回りと交互にすれば良いのでは?」というので、最初はそうしていました。つまりダウト成功ならそのプレイヤーから逆回りに開始、失敗ならその次のプレイヤーから逆回りに(つまり失敗したプレイヤーが2番手になる)開始とするのです。このゲームは誰が次のラウンドの手番を始めるかにおいて非常にデリケートな為に、もしかしたらゲームが機能しないかもと思ったので、途中から通常通りに時計回りだけに戻しましたが、うまくやれば面白いバリアントかもしれません。2人とも非常にこのゲームを気に入ってくれたようで、教えた甲斐がありました。
結果:ラファエル(1位)、ペイシン(2位)、自分(3位)
オープンゲーミングは18時までですが、ショーンのクルマの調子が悪いということもあって、16時過ぎにはランカスターを出発することにしました。2時間半後には無事にDCに到着です。
今年は参加したいトーナメント同士がスケジュール的に重なり合ってしまうことが多く、オープンゲーミングでも去年一緒に遊んだ方々に事前連絡をしていなかったこともあって会えなかったのは残念です。会場に着いてからギークメールを送ったのですが、手遅れだったみたいですね。でも「指輪物語・対決」や「チグリスユーフラテス」など参加したトーナメントは十二分に楽しみ、また新たに素晴らしいゲーマーとの出会いもありました。来年こそは9日間参加してみたいものです。
草場純
詳細な報告、楽しみました。
ところでベリシネベリシは日本(笑)ルール?
けがわ
ベリシネベリシはオリジナルルールです。間違えた人の次の人からスタートです。草場式ルールも面白いのですが、ゲームとしてはオリジナルの方が良いかなあと思います。紹介するときにはどちらも説明して時間があれば両方やることもあります。
草場純
ベリシネベリシはオリジナルルールの方が初心者に分かりやすく、収束も良いので初めに教えるのはその方がいいです。
一方なかよし村ルールも、他のゲームでは味わえない不思議な魅力があって捨てがたいです。ただしあれは私が創作したわけではなく、Aさんから教わったとおりのルールなので「草場式ルール」というわけではありません。
けがわ
確かにオリジナルルールの方がゲームの肝はわかりやすいですね。オリジナルルールにも最後の2人になったときの必勝法があるのかな?