先週に引き続き、シミーズさんとの2人ゲーム会です。クニツィアのトランプゲーム集「灼熱のエース」からまだ未プレイだった2人用ゲームを3種、それにアブストラクトゲームをいくつか遊びました。なお、「灼熱のエース Blazing Aces」はもともとドイツで出ていた「未開の西部のカードゲーム Kartenspiele im Wilden Westen」の英語版ですので、当データベースでも統合することにしました。
イースト ウエスト East-West (未開の西部のカードゲーム Kartenspiele im Wilden Westen より)
(プレイ時間 各5-10分、7点勝負は30分)
スカートデッキ使用の2人専用ゲーム。場に3枚表にし、これがお互いの共通のカードになります。手番には1枚めくって自分の側の好きな列に置きますが、最初の1枚を含めて5枚までしか置けず、その5枚がポーカーハンドとなります。各列で強さを競い、3列中過半数を取れば勝利です。ダブリングキューブを使う方法では、自分の手番の最初に相手にダブルを宣言できます。受け入れられればそのゲームの得点は倍となりますが、降りられればダブルの前の得点がもらえます。ダブルをされた側は、あとでリダブルができるところはバックギャモンと同じ。また3列すべて獲得すると得点は倍になります。
今回は、お試しプレイを2回とダブリングキューブを使った7点勝負を1回遊びました。写真はプレイ途中で、デッキが置かれている3枚が各列共通のカード、その手前が自分、向こう側がシミーズさんです。タイマンポーカーの元になったと思われるゲームで、ルールとしてはタイマンポーカーのダイス目1のゲームに近いと思います。
結果
1戦目:シミーズ 2、自分 1
2戦目(7点勝負、ダブリングキューブ使用):シミーズ 7、自分 4
3戦目:自分 2、シミーズ 1
シッティングブル Sitting Bull (未開の西部のカードゲーム Kartenspiele im Wilden Westen より)
(プレイ時間 各10-15分)
スカートデッキ使用の2人専用ゲーム。それぞれ12枚ずつの手札を配り、残りのカードから1枚を表にして、そこを中心に5x5の格子状にカードを置いていきます。ひとりが縦列、もうひとりが横列を担当し、自分の列の5枚でできるだけ高いポーカーハンドを作ることが目的です。ストレートフラッシュは10点、フルハウス、フラッシュ、ストレートは5点、スリーカードは3点、ツーペアは2点、ワンペアは1点となっています。
5点の列を作るのはかなり難しく、その為には他の列を犠牲にすることも多いので、まんべんなくスリーカードやツーペアを作った方が得点は高くなるかもしれません。相手の列を邪魔しながら自分の列を育てていくというのはなかなか難しいものです。また、使わないカードが7枚あるので、きっちりと相手のカードが読めないもの良いところかもしれません。
結果
1戦目:シミーズ 15、自分 8
2戦目:シミーズ 11、自分 7
マニトゥ Manitou (未開の西部のカードゲーム Kartenspiele im Wilden Westen より)
(プレイ時間 各10-15分)
シッティングブルとルールは同じですが、スコアリングシステムを変えたものです。5列のうちもっとも弱い手の強さを競うのです。これは「ロボットマスター」と同じ方式であり、プレイ感覚もロボットマスターにかなり似ています。ただ、このルールではスリーカードくらいまでしか作る必要性が無いので、あまり派手な展開にはならず、じりじりとした読み合いになるので、シッティングブルの方が好みという方も多いかもしれません。自分はどちらも好きです。
結果
1戦目:自分(Jペア)、シミーズ(7ペア)
2戦目:自分(8ペア)、シミーズ(Aハイカード)
シックス Six
六角形の木製のコマだけを使ったシンプルなアブストラクト。6つの自分のコマで一直線かリングか三角形かのいずれかをつくることが目的という、連珠などの系統のバリエーションです。コマがあっという間になくなってしまい、そのあとはおそらく動かせるのだろうと思いましたが、ドイツ語ルールしか無く英語ルールをダウンロードし忘れていたためここで中断としました。
太極 Taiji
ネスターゲームズにはネスター自身が作っているゲームがいくつかあるのですが、これはそのなかでも結構好きなゲームです。すべてのコマはドミノ状の1x2の長方形で自分の色と相手の色がつながっています。これを交互にボードに置いていき、自分の色でつながった大きなエリアを作ることが目的です。ボードは7x7、9x9、または11x11の三種類あり、わかりやすいようにグラデーションが施されています。自分のコマでつながったエリアの最も大きい1~3のエリアの面積が得点となり、同点の場合は後手プレイヤーの勝ちです。
1戦目は7x7で最大エリアを、2戦目は9x9のボードで最大エリア2つの合計を競いました。やはり少々タイになりやすく、今回も2戦目は同点となりました。
1戦目(7x7):自分 9、シミーズ 7
2戦目(9x9):自分 23(後手タイブレーク勝利)、シミーズ 23
草場純
草場です。
①校正
二行目:アブストラクトヲ→アブスララクトを
②名称
「未開の西部」はいいですね。西部(ポーカー)の未開拓な分野を開発(新しいゲームを作る)しようという意図ですね。個々の名称も先住の人たち(ネイティブ)に関わる言葉を使おうというので、統一が取れています。「灼熱のエース」って何よ? ―尤も、民族問題に気を使って改称したのかも。(未開とは何だ、という意見もありそうですからね。Wildenをどう捉えるか、ですが、「開拓されていない西部を開拓する」というのは、明らかに白人視点ではあります。)
そうなると「灼熱のエース」に、「戻し」た方がいいのかもとも思えます。名称って、いろいろと難しいですね。
③ルール
シックスは打ち尽くしたら、自由に移動します。自分の駒を好きなところから取って、他の駒に隣接するところに自由に移動します。このゲームのすごいのはここからで、この移動によって分離が起った場合、小さい方の島は消滅し、そこにあった駒は(敵も味方も)全てゲームから取り除かれます(同じ大きさの島が二つできたら、分離させたプレーヤーが選べる)。このせいで、なかなか劇的に展開します。面白いゲームです。
勝負は3つのパターンのどれかを作るか、相手を5個以下にすれば(そのとき自分が相手より多ければ)勝ちです。
けがわ
校正チェック、ありがとうございます。直しておきました。
名称はpgdbで使われていたもので、原題の直訳と思われます。英語版での名称変更に付いては同じことを考えました。なお「灼熱のエース」というのは「燃え立つエース」と自分が言っていたものを、もうすこしセンスのあると思われるように言い直したものです。Blazing Aces! というのはなにかの言い回しなのかもしれません。
シックスのルール掲載ありがとうございます。分離のルールは凄そうですね。ちょっとどういう展開になるのか想像がつきません(デュボンみたいになるのでしょうかね)。
草場純
シックスはですから、「連珠などの系統」とは言い切れない側面があります。少なくとも序盤では、うっかりミスを除いてパタンは作れず、どちらかと言えば分離して相手を減らすのが目的のゲームになりますから(相手が減るとパタンが作りやすくはなるが)。デュポンは知らないのですが、どのような系統に分類されるのかは興味深いです。
あとついでですが、7月26日の記事の3番目のコメント文中「言語異存」は「言語依存」ですね。
草場純
訂正の訂正。7月26日→7月16日
けがわ
直しておきました。どうもありがとうございます。