先日に引き続き、クニツィアのポーカーバリアント集「灼熱のエース(未開の西部のカードゲーム)」から4種類を遊びました。
ポートランド Portland
(未開の西部のカードゲーム Kartenspiele im Wilden Westen より)
(プレイ時間 各10分)
「灼熱のエース(未開の西部のカードゲーム)」には「オレゴン」というソリテアゲームが収録されていますが、その多人数版といった趣きのゲームが「ポートランド」です。ポートランドはオレゴン州最大の都市なので、「プエルトリコ」に対する「サンファン」みたいなネーミングですね。プレイヤーはそれぞれ52枚のデッキを持ち、よくシャッフルして各自の山札とします。ラウンド開始時にはまず各自の山札から5枚めくり表にして、自分の前に並べます。これがポーカーハンドとなります。手番には自分の山札から1枚めくって5枚のうち1枚を上書きするか、あるいはパスをします。1度パスすると自分のポーカーハンドは確定し、このラウンド中はもう参加しません。全員がパスしたところで、それぞれのポーカーハンドを比べて、より強いプレイヤーから順位点がつきます(自分より弱いプレイヤー数が順位点)。
これを6ラウンド行うのですが、順位点は2ラウンド目には2倍、3ラウンド目には3倍と増えていきます。また52枚のデッキは6ラウンドを通して使うので、あまりカードを使いすぎると後半の高得点のラウンドでカードが足りなくなる恐れもあるというのが素晴らしいジレンマです。
シミーズさんとの2人プレイ。順位点は勝った方に1~6点となるので6ラウンドを通して計21点の奪い合いとなります。1~2ラウンド目にどのくらいで手を引くのか、相手に取らせるつもりのラウンドでも、どのくらいハードルをあげておくべきなのか、などと考えるのが楽しく、かなり気に入りました。写真は3の上に3を2度も重ねるはめになった自分。重ねなければフォーカードだったのに。
結果
1戦目:自分 14、シミーズ 7
2戦目:シミーズ 13、自分 8
サクラメント Sacramento
(未開の西部のカードゲーム Kartenspiele im Wilden Westen より)
(プレイ時間 5ディール35分)
「サクラメント」はほぼ完全情報のスカートデッキを使ったカードドラフト式ポーカーです。各プレイヤーの手札はたったの1枚。場にはプレイヤー数の6倍プラス4枚のカードを表向きに並べます。この場札から6枚をドラフトして手札を7枚とし、5枚のポーカーハンドを作るのです。つまり場にはちょうど4枚余ることになります。
2人の場合は場は16枚。相手から見えない情報がたった1枚の手札なので、かなり1手1手が重くなります。まず場の16枚をじっくりと観察し、相手に場札と同じ数値のカードでスリーカードを作らせないことが大切。スリーカードを作ってしまえば、フルハウスは簡単だからです。またフラッシュやストレートは割と簡単に阻止されてしまいます。そのあたり、ちょっと展開の幅が無いように思えました。3人以上で遊ぶとまた印象が異なるかもしれません。
結果:シミーズ 5、自分 0
ナゲット Nugget
(未開の西部のカードゲーム Kartenspiele im Wilden Westen より)
(プレイ時間 5ディール20分)
ナゲットはドラフト式のポーカーで、捨札があとでドラフトできるのと、2枚目は必ず手札にしなければならないのが悩ましいポーカーです。スカートデッキを使用。まず1枚ずつ手札として配ってゲーム開始です。手番には山札から1枚めくり、そのカードが欲しければそのまま手札に加えますが、要らなければ場に捨ててもう1枚めくります。ただしこの2枚目のカードは必ず手札に加えなければなりません。山札から1枚目をめくる代わりに捨ててあるカードをどれでも取ることができます。こうしてお互いが7枚になったらベストの5枚をショーダウンです。順位点は自分より弱いプレイヤー人数です。
捨札は相手に取られなければ自分も取ることができるのが面白い絡みをつくりだしています。ちょっとロストシティに似た部分がありますね。結構好みです。
結果:自分 4、シミーズ 1
シンカビット Thinkabit
(未開の西部のカードゲーム Kartenspiele im Wilden Westen より)
(プレイ時間 各5-10分)
神経衰弱式ポーカー。スカートデッキの32枚を裏向きにテーブル上に並べます。手番では5枚を表にし、ストレート、フラッシュ、フルハウスができていればそのまま5枚獲得。フォーカードやスリーカードは役に関係した枚数のみ獲得できます。ただしツーペアやワンペアは各ペアにつきどちらか1枚しか取れません。その後、取らなかったカードを伏せて次のプレイヤーの手番となります。終盤、もう役が無いと思えば好きな2枚を取ってゲームを終わらせることができます。このとき他のカードをすべて表にし、もう一人のプレイヤーはその中で役になっているものをすべて取ることができるのです。
基本的には5枚獲得を目指すゲームなのですが、ペアを作って5枚の組み合わせを崩せたり、防御としてわざと知っているカードをめくってお茶を濁したり、ときにはリスクを冒して勝負に出たりとなかなか面白いです。同作者の「ソクラテス」(またはその元になった古代ローマの新しいゲーム収録の「執政官」)や「ドラゴンの宝」「ノアの方舟」などを思い起こさせます。3戦3敗でした。写真はフルハウスを決めるシミーズさん。
結果
1戦目:シミーズ 19、自分 10
2戦目:シミーズ 21、自分 6
3戦目:シミーズ 16、自分 13
匿名
ポートランドというゲームをやってみたいですが
このゲームはパスした時に引いたカードも
次のラウンドの山札に加えますか?
シミーズ
どうもこんにちは。
「ポートランド」ですが・・・
いえ、パスした際にはそもそもカードを引きません。
カードを引く(めくる)か、もしくはパスをするか、です。
トランプデッキが人数分あれば、理論上は何人でも遊べます!
ぜひお試しになってください~。
けがわ
シミーズさん、補足ありがとうございます。
書き方がちょっと悪かったかもしれませんね。手番にはカードを自分の山札からめくってプレイするか、パスするかのどちらかです。
タカオカ
ポートランドのルールで、
自分の手番が来たら1枚を上書きするか、あるいはパスをするということは、
手番では1枚しか上書きできなくて、また自分の手番が回ってきたときにまた1枚上書きできるという解釈であってますかね?
けがわ
タカオカさん、こんにちは。
コメントの承認が遅くなりすみません。
パスをした時にはカードは引かず、一度パスをしたらそのハンドは確定します。
全員がパスするまで何順でもしますので、手番のたびに、まだパスをしていなければ
1枚を上書きできます。