この日は、Bragiさんが水曜日の会を訪ねてきて、一緒にバンジーなどを遊ぶことができました。さらに、課題となっていたシミーズさんとの「ローマ七丘」のバリアントや「灼熱のエース(未開の西部のカードゲーム)」のトランプゲームまで遊べて大満足。
バンジー Bungee
(プレイ時間 30分)
インターネット上でしかやり取りがなかったBragiさんが所用で上京してきたとのこと。せっかくなので一緒に遊ぼうということになり、彼が持参してきたバンジーを4-5人で遊びました。初めてまじまじとカード構成を見ましたが、最大数値の10のカードだけ枚数が多くなっていたりとよく考えられています。今回はあっという間にバンジー宣言が起こることが多く、運の要素は高いのですが気楽に楽しめました。イスラエルのゲーム「ヤニブ」を元にしたのですが、少々ルールやカード構成が異なり、もう少し両方を遊んで比べてみたいです。全部で4ディール遊びました。
結果:ちょめすけ 18(勝利)、まるむし 19、自分 28、Bragi 50、河原 74
カテリーナの陰謀 Die Verschwörung des Catilina(古代ローマの新しいゲームより)
(プレイ時間 25分)
以前「ブラックビエナ」を遊んだまるむしさんを誘って、今度は「カテリーナの陰謀」です。5色6数字があり、各プレイヤーに聞くか全員に聞くかがあるので4人プレイなら44通りの質問が可能です。質問によって自分と他のプレイヤーの情報の差がでるのが面白いところ。慣れてくれば「どうしてあの人はこの質問をしたのか?」まで推理の情報元になると思いますが、それはかなり熟練しないと難しいですね。4人だと2枚抜けているスートがあるのでそれを突き止めるという楽しさもあります。写真は今回の6枚の伏せ札。
結果:自分(勝利)、ちょめすけ、まるむし、河原
ローマ七丘 Die Sieben Hügel Roms(古代ローマの新しいゲームより)
(プレイ時間 各15-25分)
クニツィアの「古代ローマの新しいゲーム」に収録されている2人用カードゲームです。ルールブックに掲載されている主なバリアントが3つあります。つまり、通常ルールを含めて4種類の遊び方があることになりますが(実際は複合させたり、10や12のカードを加えるオプションをつければもっと多くなる)、今回はそれらすべてを先手後手を代えて2ディールずつ遊ぶことができました。相手は同じく「ローマ七丘」エキスパートのシミーズさんです。
以下は以前のレビューから、バリアントの記述の抜粋です(レビューはここ)。
1:同数値の禁止 同じ丘に同数値のカードを置く事はできない。 もし相手のカードがすでにある丘にプレイして相手が同数値を置いていた場合は自分のカードだけを捨てる。相手は次の手番では、通常通り別の丘に配置しなければならない。
2:バリケードカード 数値0のバリケードカード(旗印カード)を1枚ずつ持つ。バリケードが置かれた丘に次に配置さ れたカード(自分のでも相手のでも)とバリケードカードは共に捨てられる。裏向きのバリケードカードの効果は表向きになったときに適用される。もしバリ ケードの次がバリケードだった時はバリケード2枚を捨てる。
3:ハイカード それぞれの丘の勝者はカードの数値合計でなく最高値のカードで決められる。タイの時は2番目に高い数値で決める。このバリアントはすべてのカードを表向きでプレイするのに適している。
「同数値の禁止」だと相手の伏せ札に対して高いカードで攻めるのが危険になります。その為に自分の伏せ札を2枚にしてより起きずらくさせたり、捨てられることを覚悟で1や2を置いたりするのです。ゲームが進んで相手のカードが表になると、消去法で安全に相手の伏せ札に対して置けるカードが増えていくのも面白い。これはなかなか秀逸なバリアントです。シミーズさんはこのバリアントを中心に遊んでいたとのこと。
「バリケードカード」は唯一以前自分が遊んだことがあるバリアントです。フリント船長の大砲カードを思い起こさせます。シミーズさんは裏向きにバリケードを仕込み、自分はそれを1や2で潰します。対する自分はバリケードを表向きにして低い数値で実効支配します(バリケードを破り、さらにもう1枚置くという手順を踏むのは大変なので)。実は同様のことを1ディール目でもやろうとしたのですが、置くタイミングを失って結局最後の1枚がバリケードという馬鹿なことをしてしまいました。
「ハイカード」は一番期待していなかったのですが、予想を裏切ってかなり面白かったです。このバリアントはすべて表向きなので完全情報となり、基本ゲームや他のバリアントとはかなり趣きが異なります。ハイカードをある程度残しつつ、うまくローカードをタイブレークに使うというのはなかなか味があります。写真はこのバリアントでの戦いです。
4戦遊んで2勝2敗でした。8回のうち後手勝利は7回なので、やはり後手がちょっと強いのかもしれません。まあこうして先手後手を交代して合計で遊べば問題はまったくないですね。
結果
1戦目(基本ゲーム):自分 28、シミーズ 26
2戦目(同数値禁止):シミーズ 29、自分 23
3戦目(バリケード):自分 29、シミーズ 27
4戦目(ハイカード):シミーズ 30、自分 24
スプリングフィーバー Spring Fever
(説明 3分 プレイ時間 35分)
フリーゼがフィロソフィアから出した新作。フィロソフィアはてっきりフランスのメーカーだと思っていましたが、意外にもカナダのフランス語圏ケベック州を本拠地としているメーカーでした。ゲーム内容は軽いブラフのゲーム。デッキにはプラスとマイナスのカードが半々ずつ入っており、プラスはすべて3点ですがマイナスは10点から1点と幅があります(すべてを合計するとプラスがほんの少しだけ多い)。手番プレイヤーだけが4枚の手札を持ち、そこから1枚を選んで残り3枚を次のプレイヤーに伏せて渡します。渡されたプレイヤーは、選んだカードが4枚の中で最も低いカードではない、と思ったらダウトを宣言。ここで正しかった方のプレイヤーが、相手のプラスを1枚奪うかマイナスを1枚あげることができます。その後ダウトがあっても無くても山札から1枚補充し、同様に1枚さらして次のプレイヤーに3枚渡すということを繰り返していきます。
マイナス8や10という大量失点のカードを取っているプレイヤーに対してダウトを言うのはかなりのリスクがあります。また自分がマイナスしかなく、相手がプラスしかなければダウトには何のリスクもありません。そういった意味では気軽に遊んで楽しむブラフのゲームでしょう。
結果:アレイラス 22、自分 22、タナカマ 20、シミーズ -1、ささおやじ -32、草場 -32
スタートレック エクスペディションズ Star Trek: Expeditions
(説明 25分 プレイ時間 45分)
クニツィアの新作協力ゲームを再びプレイ。これで通算5回目です。黄色のミッションがなかなか見つからずに7日以内達成が無理になってしまったり、乗組員集めに準備に時間をかけすぎてしまったりとなかなか難しいですね。エンタープライズ号のシールドと長距離砲を強化したのは良いものの、エンタープライスが動けないというイベントが発生してしまい、まだクリンゴンクルーザーとの距離があるから大丈夫と思いきやあっという間に近距離に迫ってやられてしまいました。これはかなり厳しいバランスです。4人だと結構難しいのかもしれません。次回4人で遊ぶときには初級をやろうかと思っています。
結果(中級):エンタープライズ号壊滅(敗北)
(乗組員:クロマ カーク、ささおやじ スポック、タナカマ ウフーラ、自分 マッコイ)
ヤンキー Yankee(未開の西部のカードゲーム Kartenspiele im Wilden Westen より)
(説明 5分 プレイ時間 各10-20分)
「灼熱のエース Blazing Aces!」はクニツィアが書いたポーカーハンドを利用したトランプの本「未開の西部のカードゲーム Kartenspiele im Wilden Westen」の英訳で、15ゲームが収録されています。1人用のソリテアから20人までできるゲームまであり、通常の52枚、またはスカートデッキ(A-7)の32枚を使います。この本を買ったのは結構前なのですが、遊ぶ機会が今までありませんでした。シミーズさんの計らいで漸く2種類のゲームが遊べました。
「ヤンキー」は同作者の「ストロッツィ」式の競りでポーカーハンドを作っていくというゲームです。まずスカートデッキからプレイヤー人数の5倍のカードを分けてよく切って山札にします。それ以外のカードは使いません。手番には山札から1枚表にめくり、そのカードが欲しければそのまま自分の前に置いて獲得し、さもなければ左隣りのプレイヤーに渡します。渡されたプレイヤーも同様に、欲しければ自分の前に置き、さもなければ、さらに左隣りのプレイヤーに渡す、ということを繰り返します。誰もほしがらなかったカードは流れます。誰かが獲得した場合にはその左隣りのプレイヤーが、流れた場合には現在の手番プレイヤーが次の手番プレイヤーとなって同様に続けます。なお各プレイヤーは5枚までしか獲得できません。山札に余分はないので流れたカードが出ると誰かは5枚未満しか獲得できなくなります。
目的はこの5枚で最も強いポーカーハンドを作ることです。5枚未満でもペアやスリーカードなどは成立しますが、ストレートやフラッシュは5枚すべてに関わる為に無効です。各プレイヤーはより弱いポーカーハンドのプレイヤー数だけ得点します。4人の場合は、強い方から3、2、1、0点となるのです。これを人数分繰り返して勝敗を決めます。
まずはタナカマさんを誘って3人で、そのあとはBragiさんも加わって4人で遊びました。ストレートくらいなら結構狙えますが、崩れるとワンペアくらいになってしまうのは仕方の無いところ。またスカートデッキなのでフラッシュは成立が難しいと思いますが、実際の確率を見てみたいところです。自分が欲しくないけど左隣りのプレイヤーが欲しいカードが出たときが一番悩みます。あげてしまってより自分は高いポーカーハンドを狙うのか? あるいは犠牲になるのか? 手軽でなかなか面白いと思います。写真はストレートを完成させたところ。
結果
1戦目:シミーズ 4、タナカマ 3、自分 2
2戦目:シミーズ 9、Bragi 5、タナカマ 5、自分 5
ボナンザ Bonanza(未開の西部のカードゲーム Kartenspiele im Wilden Westen より)
(プレイ時間 10分)
「ボナンザ」はカードドラフト式のセブンポーカーです。場には常に5枚のおもてになったカードがあり、プレイヤーはランダムに配られた1枚の他は順番にこの場札からドラフトしていきます。獲得したカードは非公開です。7枚になったらそのうち5枚でポーカーハンドをショーダウン。各プレイヤーはより弱いポーカーハンドのプレイヤー数だけ得点します(「ヤンキー」と同じです)
Bragiさんとシミーズさんとの3人プレイ。手札非公開なので、他のプレイヤーがどういう手なのかを推理しながら、または他のプレイヤーの推理の裏をかきながら集めていく必要があります。これはなかなか面白く、カードドラフトを極限にまでシンプルにしたゲームのひとつかもしれません。誰も集めないハートでストレートフラッシュができたり、誰も集めないランクでフォーカードができたりと派手な手ができるのも楽しいです。写真はストレートフラッシュを完成させたところ。
結果:自分 5、シミーズ 2、Bragi 2
草場純
校正係の草場です。
ローマ七丘の下から14行目、「実行支配」は「実効支配」ですね。実質的に支配しているという意味であって、支配をまさに実施するという意味ではないでしょうから(それだと「支配実行」か?)。
「スピリングフィーバー」は、「スプリングフィーバー」ですね。英題の方が合っているのは、やはりけがわさんがアメリカ人だからでしょう。(スピリングフィーバーだと何かすごい意味になりそう。)
けがわ
草場さん、いつもありがとうございます。直しておきました。
ところで草場さんは「燃え立つエース」には興味がありますか?
草場純
もちろんトランプゲームですから、興味はあります。しかしクニツィアだからなあ…(笑)
けがわ
いやいや、なかなか面白いゲームもありますよ。最初は期待していなかったのですが、これからはとりあえず全部一通りは遊ぶつもりです。
クニツィアはもともと鋭い短時間カードゲームが得意なので、こういうのが得意なのかなあと思います。
匿名
ヤンキーというゲームを試しにそのまま遊んでみたのですが、パスして隣にまわすのは、全員もらってくれなかった時に自分の獲得枚数が1枚減ってしまう確率が非常に高くなるので、とてもリスクがあり、あまり有効でないように思ったのですが、どうでしょうか。
人数×5+3くらいにしたら皆1回はパス権があるといことでパスする割合も増えるかと思うのですが、バランス悪くなりますかね?
匿名
人数×5+3は人数×5+人数分のことでした。
すいません。
シミーズ
遅くなってしまいましたが・・・
>パスして隣にまわすのは、全員もらってくれなかった時に自分の獲得枚数が1枚減ってしまう確率が非常に高くなるので、とてもリスクがあり、あまり有効でないように思ったのですが、どうでしょうか。
いえ、パスして全員がもらわなかった場合、
1枚減って損をするのは手番プレイヤーからみて右隣の、ラストポジションに座るプレイヤーです。
*全員がパスをしたら手番プレイヤーが続けて1枚オープンします。
>人数×5+3(人数分)くらいにしたら皆1回はパス権があるといことでパスする割合も増えるかと思うのですが、バランス悪くなりますかね?
上記の通りですので、個人的にはこのギリギリいっぱいの方に魅力を感じます!バランスは悪くならないと思いますし・・次に記載する理由もご参照ください。
シミーズ
けがわさんが言及しておりませんので
私からになりますが・・・、
この「未開の西部のカードゲーム」を
「古代ローマの新しいゲーム」と同等の類だろうと
お考えの方は、ちょっと肩透かしを喰う可能性がありますから、留意してください(収録ルールの面白さは抜きにして、です)。
「古代ローマ」は間違いなくルール集だと思いますが、
こちらはどちらかといえば「読み物」です。
というのも、たとえば該当の「ヤンキー」には続きがあり、
「6枚/playerのカードを用意して、2枚ずつ処理するというバリアントはどうだろうなあ」的な提案があります(コメント頂いた方の仰るカード配分ですね!)。
こういった提案が随所にあり、手札枚数を変えたらどうなるだろう、とか、ポーカーの役を変えてみようとか、あれを入れてみよう、これはやめてみよう・・・。
「ヤンキー」なら「ヤンキー」という1つのルールが確固としてあるわけではなく、クニツィアの気の向くまま?に、ルールが差延していく感じです。
*もちろん基本ルールのようなものはありまして、それに基づいて今回は遊んでいます。
そういうわけですから、これから手に取る方はあまりルールブックとしての過度な期待をされない方がいいです。
むしろ、ポーカーという超有名なルールをネタにして、クニツィアと一緒にジレンマを考えたい人、クニツィアのデザイン過程を知りたい人、なんかにはオススメかもしれません(いずれも明記はなく、私の勝手な読書感想文です)。
そのうえで収録ルールが面白ければ儲けモノ・・なにかそのように捉えていただくといいように思います。
匿名
返信ありがとうございます。
一回渡したら、次プレイヤーに手番が移るものだと
勝手に思いこんでました。ちゃんと書いてありましたね
すいません^^;