やういちさん主催の「こうのすゲーム会」という1度限りのイベントのために、埼玉の鴻巣で遊んできました。フレッシュフィッシュやブレーキングアウエイなど、いつものマイナーなゲームを持っていきましたが、両方とも遊べるとは思いませんでした。
フィフティ フィフティ Fifty Fifty
(説明 5分 プレイ時間 50分)
クニツィアの数少ないトリックテイクの一つ「綱渡り」は、その後「タイトロープ」「陰陽」「フィフティ フィフティ」とリメイクされています。ツォッホやギガミックから出た「フィフティ フィフティ」はグリフォンから出た「陰陽」と同じ2010年なので、ヨーロッパ向けとアメリカ向けに分けたのでしょう。この傾向は近年のクニツィアのゲームには多く見られます(ケルトとロストシティボードゲーム、原始の生活とゾンビゲドン、など)。
元の「綱渡り」や「タイトロープ」との大きな違いはスコアリングカードです。黄色(笑った顔)と青(怒った顔)を両方同じ数だけ取るのが目的ですが、毎トリックで黄色と青の値が異なるのです。「綱渡り」では両方の数値は同じで1から9、それにどちらかの数字を0にするカードが混じっていたのですが、「フィフティフィフティ」では1-4、2-5、3-5、3-6、4-7の組み合わせとその逆という10枚になっています。このおかげで既にどのスコアリングカード出たのかが非常にわかりずらく、最初は使ったスコアリングカードは見ないでやっていましたが、途中からは今までのをすべて公開にしました。カジュアルゲーム派のPAN-TAさんも「これはさすがにスコアリングカードを見ないと厳しいよねえ」とのこと。9トリックなので最後の1枚は使わないのですが、以前のやり方の方がスマートですね。それに0を取ったときに以前のディールの1つのスコアを0にできるという特典が無いのも残念です。ばきさんは「あまりクニツィアらしさを感じないゲームだねえ」と言っていましたが、確かにクニツィアはトリックテイクをほとんど作らないので、ある意味異色作かもしれません。
結果:自分 6、シモシモ 11、PAN-TA 11、ばき 20
髑髏と薔薇 Skull & Roses
(説明 5分 プレイ時間 40分)
シンプルながらかなり気に入っているブラフのゲーム。コースターのような渋いコンポーネントもなかなか素晴らしいです。今回はみなチャレンジが失敗してしまい、ゲームはいつもよりもかなり長引いてしまいました。特に、どびーさんは騙すのがうまく、場をコントロールしていたと思います。結局、得点したのは、どびーさんと自分だけ。自分は6枚しか無いのに6と宣言してみましたが見事に失敗です。そのあと、どびーさんより前に勝つべく勝負を賭けましたが、失敗して脱落。Shunさんも最後の1枚が髑髏になってしまい事実上脱落です(あとでルールを読み返してみると、こういう場合はもうゲームに加わらずに脱落とするそうです)。最後には終始有利に進めていったどびーさんの勝利。
結果:どびー 2、HTP 0、にし 0、自分 1(脱落)、Shun 0(脱落)、ばき 0(脱落)
ブレーキング アウエイ Breaking Away
(プレイ時間 1時間50分)
プロット式のレースゲームです。自分の中では五指に入るレースゲームなので時々持っていくのですが、初プレイの方へのアドバイスの与え方が難しいです。最初はもうすこししゃがんだ方が良いということを強調した方が良いかもしれません。今回は、かなり熟考するシーンも多く、2時間近く掛かってしまいました。でもファーストスプリント、セカンドスプリントと途中にも山場があり、だれることなく楽しめたと思います。序盤には18など高い移動力を稼ぐことに成功するものの、ファーストスプリントでは上位8番以内に入れず、ここで大量得点を稼いだやすとしさんが勝つと思っていましたが、最後のゴールでワンツーフィニッシュを決めて逆転することができました。一度は9人で遊んで、38という移動力をものにしてみたいです。
結果:自分 51、やすとし 42、まるむし 30、くれない 17、あきぷ 16
ピーナッツ Peanuts!
(説明 20分 プレイ時間 45分)
2001年に出版された、手軽なギャンブルゲームです。ピーナッツとは小銭のこと。ついつい小銭を大量に使ってしまい、最後には破産してしまうという人間心理を良く表した恐ろしいゲームなのです。
ボードは円形に24のマスがあり、100から2400の金額が書かれています。また各マスには所有権を表すチップが置かれています。9700から始めて、この所有権チップを5つ取るか、誰かが破産したときに最もお金を多く持っていれば勝利です。
まずは1つずつ所有権を購入してそこに自分のコマを置いてからゲームスタート。手番にはダイスを振って、円形のマスを時計回りに進めていきます。ラウンド終了時に自分のコマが止まっているマスが最高金額ならば、他のプレイヤーのいるマスとの差額をそれぞれから受け取れて、さらに未所有のマスを1つ買うことができます。つまり2つの勝利条件のどちらにも1歩近づくのです。よって、みな最高額の2400、もしくはそれに近い2000以上のマスを目指すことになります。そこが最高金額となれば収入と購買権がもらえるし、そうでなくても支払いが少なくて済むからです。
納得がいくマスに止まるまで何度もダイスを振り続けることができますが、それにはコストが掛かります。まず、今いるマスの所有者に書かれた金額を払わなければなりません。所有者がいないときは銀行に払います。ただし今振ったダイスに0が含まれているときはこの支払いは免除されます。ダイスは黒(1-3が2面ずつ)が1つと白(0-5)が2つあり、同じ色のダイスなら幾つでも振れます。多く進みたければ白2つ、少なく進みたければ黒1つ、などと調節できますが、黒には0がないのもよくできています。
これで良い、と思って止まることを決めたマスに他のプレイヤーがいたら追い出すことができます。追い出しが無く全員が別々のマスに落ち着けば、各プレイヤー1回の手番でラウンドが終わりますが、追い出しが多いときには何巡もすることがあるのです。もちろん0を振ればすぐに追い出し返すことも可能です。
なお、自分の所有するマスは、自分に取っては安全地帯です。ラウンドの終わりに自分のマスにいると最高金額のプレイヤーへの支払いが免除されます。また、そのマスが最高金額なら他の全員からの支払いは2倍になるのです。
一度は遊んでみたいと思っていたゲームです。モノポリーの良い所だけを取ったようなプレイ感があり、ついつい欲張ってお金を使ってしまいます。草場さんが「300はお金じゃない、1000はお金じゃない、500はお金じゃない」などと繰り返しながら楽しそうにどんどんお金を払って進んでいくのが印象的でした。また、にしさんは非常にダイス運が強く、白を2つ振って00で追い出すという神業のようなことを2回もやっていました。最後には自分と草場さんが同時に破産して終了。最初はゲームの構造がつかめなかったのですが、次回はもう少しシビアに遊んでみたいです。
結果:にし 13300、きなこ 7100、あきぷ 6600、シヴ 2500、草場 破産、自分 破産
スチーブンソンズ ロケット Stephensons Rocket
(説明 25分 プレイ時間 75分)
ここで、最近の月斎さんと自分の間での定番となってるスチーブンソンズロケットです月斎さんは、得点チャートまで作って来るという力の入れようです。あきぷさんとクロノスさんを誘っての4人プレイ。今回は決定的なまずい手を少なくとも3回は打ってしまったと思います。緑に関しては月斎さんと自分で株と駅のあいだで張り合って共倒れという感じでした。北部の灰色と南部の黄色が結局最後には一つになってしまい、6社統合の巨大な灰色と小さく息絶えた緑という状態で終了。巨大灰色の株や駅にまったく絡めなかったのは大きな敗因です。ちょっといろいろな所に手を出し過ぎたかもしれません。このあたりのバランスは難しいですね。
結果:あきぷ 70、月斎 68、クロノス 58、自分 45
フレッシュフィッシュ FrischFisch
(プレイ時間 60分)
パズルっぽい思考を使った都市計画ゲーム。パズル好きなPAN-TAさんを誘って遊んでみました。前回は建物タイルを間違えていれ過ぎてしまったので今回はきちんと19枚入れたらちゃんとしたゲームになりました(当たり前か)。このゲームは初めてだとどのように町が発展していくのかを想像するのは不可能に近いのですが、慣れてくるとそのあたりがわかってきてかなり面白くなります。なので最初は面白さが伝わればと思うのですが、プレイヤーを選ぶゲームであることには変わりありません。危なくなる前のちょうどいいタイミングでアウトレットを競り落とすことができて、久し振りにマイナス得点になりました(点数が少ない程よい)。
結果:自分 -5、シモシモ 7、たもたもり 9、あきぷ 9、PAN-TA 19
ハイパーロボット Rasende Roboter
(プレイ時間 25分)
リアルタイムのパズル早解きゲームではおそらくこれ以上のものは無いと思われるゲーム。一時は毎日お昼休みに3回ほど遊んでいたものです。そのときよりはかなり感覚が鈍っていましたが、なんとか互角に戦うことができました。これは暫くはリハビリが必要かもしれません。
フォッペン Foppen(ゲームリンク版)
最後にまるむしさん持参のゲームリンク版のフォッペンです。フリーゼのトリックテイクではトリックマイスターよりもこちらの方が好きです。トリックテイクなのに手札をなくすことが目的というのが素晴らしい。このバージョンではフォッペンが木のトークンでなくカードなので少々プレイアビリティが悪いかもしれません。おそらくプレイ可能な最低人数の4人で遊びましたが、4人もなかなか悪くないんじゃないかと思います。相手2人のボイドを交互に攻めるなど、まるむしさんの面白いプレイを見ることができました。
結果:自分 -4、まるむし -10、おぼろ -30、くれない -37
名前だけを知っていながら初めてお会いできた方などもおり、楽しい時間を過ごせました。主催者のやういちさん、どうもありがとうございました。
草場純
ピーナツはまだロッキード事件の記憶の残る頃に遊んだので、とても印象的なタイトルでした。3億円なんて金じゃないよね!
けがわ
ピーナッツを教えていただいてありがとうございました。ルールの全体をとらえるのが思いのほか難しかったです。今回の記事のなかで、ルールの説明で抜けている所がないと良いのですが。
押し出し式で続いていくので、ちょっとアメンラーの競りみたいですね。アメンラーが「ところてん式の競り」と呼ばれているので、ピーナッツは「ところてん式すごろく」と呼びましょうか。
草場純
ピーナツはゲームの全体を捉えにくいゲームです。初めてルールを読んでやったときは、何が面白いかサッパリ分かりませんでした。また、人数によって、参加者によって、ダイス目によって、展開によって、ゲームが劇的に変わります。ですから、何回もやってほしいゲームです。
けがわさんのルール説明は間違ってはいません。間違ってはいませんが、これは六人用ルールです。
五人の場合はダミー駒が1つ登場します。これで銀行が勝利するケースが出てきます。
四人の場合はダミー駒を2つ使います。四人以下のときの勝利条件はタイル6つとなり、スタートで持っているタイルも2つとなります。
三人の場合はダミー3つで、二人のときは2つです。ただし私は二人でやったことはありません。
勝利条件は4とおりあります。
①誰かが6つ(5つ)のタイルを取る。→その人の勝利。
②誰かが破産する。→そのときの所持金の最も多い人の勝利。
③銀行が①の条件を満たす。→そのときの所持金の最も多い人の勝利。
④タイルが全て購入される。(かつ誰も①の条件を満たさない。)→そのときの所持金の最も多い人の勝利。これは六人のときにしか起りえません。
②③④のときに所持金が同額の場合はルールには書いていないので、一位タイだと思います。
なかよし村では、②場合だと、その中で最後に破産させた人がいればその人の勝ち。その中に破産させた人がいない場合や③や④のときは、取得タイルの多い人の勝ち、それも同じ場合はトップタイとしていますが、所持金同額は今まで起ったことはありません。
私は、モノポリーにもアメンラーにも全く似ているような印象がありません。すごろくともまるで違うように思います。むしろ倍々プッシュのギャンブルゲームに近い気がしますが、まあこういうものは主観ですので何とも言えませんね。
まるむし
ハイパーロボットは実力差が出そうですが、凄く面白かったです。
ギャラリーがいっぱい来るゲームですね。
ブレーキングアウェイは基本的に運の要素が無く、何処で前に行くかが難しかったです。
大きい数字を残しながらしっかりしゃがむのと、どのタイミングで点を取るかのバランスをしっかり考えないと勝てないですね。
国内で販売されてないのが不思議な位、面白いゲームでした。
コンポーネントだけが残念です。
今、購入を考えてます。
ゲームリンク版のフォッペンをやる場合は、別にトークンを用意した方が良いかも知れませんね。
カードの耐久度も少し気になります。丁度良いサイズのスリーブとかが有ると良いのですが……
個人的にはやはり5人が楽しいと思います。
一度も+10点を取れず、-10で終わってしまったのが悔しかったです。
けがわ
>草場さん
ピーナッツの細かい解説をありがとうございました。草場さんの印象では何人で遊ぶのが一番面白いのでしょうか? ダミープレイヤーはどんなものでしょう?
>まるむしさん
ハイパーロボットはまた遊びたいですね。第2版では片面に色付きの壁の要素があり、壁の位置も揃いすぎていて簡単になっています。もし買うなら初版がおすすめです。第3版は初版と同じだということを聞いたことがありますが、詳細はわかりません。ちなみに、こうのすで遊んだのは初版だと思います。
ブレーキングアウエイを気に入っていただいたようで嬉しいです。一種の完全情報なので好みの差が出ると思いますが、クライマックスが何度かあるしだれずに良いゲームだと思います。
ゲームリンク版のフォッペンは確かに耐久性が気になりますね。また暫くしたら2Fかアミーゴから再販されるのではないでしょうか。シュティヒルンで代用という手もあります。
草場純
>けがわさん
ピーナツは人数によって違う印象になりますが、全部面白いです。(ただし二人はやってないので分かりません。)
ダミーは、とても恐ろしいです。
やういち
返事が遅くなってしましたが、詳細なレポートありがとうございました。
レポートも見てわかるとうり、軽、重それぞれのゲームが全体的にバランスよく遊ばれたと思います、伝統ゲームやトランプなどパラエティー広く遊ばれていました。此処まで様々なゲームが遊べたのはひとえにけがわさんを始めとする様々なゲーマーさんたちのご厚意のほかならないと思っております。
長々となってしまいましたが、どうぞこれからもよろしくお願いいたします。
けがわ
>草場さん
ピーナッツ、また遊んでみたいです。ダミー入りで。
>やいうちさん
主催していただいてありがとうございました。次はいつなのでしょうか?