秋葉原水曜日の会 2011.04.20

ビール侯爵 Fürstenfeld
(説明 25分 プレイ時間 90分)
Furstenfeld20110420.jpg今回で3回目となるビール侯爵。まるむしさん持ち込みです。プレイ経験があるのは自分だけだったのでルール説明を頼まれたのですが、所持しているゲームではないのでルールがうろ覚えの所があって手間取ってしまいました。どうもすみません。リソースを売ることのできる条件が少々わかりずらかったです。初級ルールと上級ルールの違いは、宮殿を建てる場所が指定されているかどうかと、カードを最初に10枚とって9枚を好きな順序でデッキの底に入れるかというあたりなので、最初から上級ルールで問題ないと思います。今回も上級ルールで遊びました。

中盤から資源が2つ3つ出る建物を建てて、大量に資金を稼いで貯金します。最初に埋めた9枚のうち4枚が宮殿だったので、それが出始めたら一気に宮殿を建てられるようにしておこうという作戦です。ところが、プレイ中に初歩的で重大なミスを犯してしまいました。このゲームでは木製のコインが2種類あり、銀色が1、黄色が5の価値なのですが、なぜか勘違いして黄色が1で銀色が5だと思ってしまいました。収入が28なのに20しか取っていなかったのです。その前もおそらく一度は逆に取って、支払いも逆にしていたという大失態。おそらく銀色と金色という感覚ではなく、銀色と黄色と見ていたので黄色を安い1だと勝手に思ってしまったようです。

なんとか戻れる所まで収入をやり直して再開。自分を含めた3人が同ラウンドで6つの宮殿を建てきりましたが、残金のタイブレークで負けてしまいました。ロバートさんとまるむしさんが同着トップです。まだ勝ったことの無いゲームなので1度は勝ってみたいものです。

収入フェイズの後、新たにプレイヤーの順番を決めた後に、建築フェイズでは以前のプレイヤー順で行うというのが結構煩わしいと思っていたのですが、英語ルールやギークと照らし合わせてみた所、どうもフェイズの進行方法が異なるようです。リソースの売却、手札の建物の建築、手札を1枚残してデッキの底にまわす、の3つのフェーズはフェイズごとでなくプレイヤーごとに行うのです。つまり1人がこの3つをすべて終えてから次のプレイヤーがこの3つを行うのです。これだとプレイヤー順という問題も無くなるしルールがすっきりします。
(フリーゼ本人が答えているギークのページはここ

結果:ロバート 6(3)、まるむし 6(3)、自分 6(1)、不可思議 5



コルセア Korsar(アシンクロン版)
(説明 15分 プレイ時間 20分)
Korsar20110420.jpg「コルセア」は1992年にアミーゴから出た「海賊」のリメイクで、これまでも何度かリメイクされています。今回フランスから出たアシンクロン版は同社の「ゼロ」と同じサイズの小さな正方形の箱です。個人的には「2007年に最も遊んだゲーム」の5位にランクインしており、一時はよく遊んだゲームの一つです。残念ながら、日本語ルールには誤訳があるので、国内ではちゃんとしたルールで遊ばれていないと思われる不幸なゲームの一つです。正しいルールでは、まず手番にカードの補充とプレイのどちらかしかできません(両方できるというのは間違いです)。次にある宝船に対して複数のプレイヤーが攻撃する場合は、全員が異なる色でなければなりません(同じ色でなければならないというのは間違いです)。なお旧版の「海賊」では提督はプレイされると即座に勝ちますが、新版の「コルセア」では他の海賊と同じ扱いで、複数の海賊や提督が出されると後出しがちです。

クニツィアにしては個人攻撃色の濃い珍しいゲームですが、短時間ゲームであり、どこで勝負に出るかを考えなければならないという面白さがあります。今回は2や3の船はあまり攻撃されずにそのまま得点になってしまうケースが多かったです。手軽なファミリーゲームとして、なかなか面白いと思います。

結果:まるむし 27、客商売 25、不可思議 21、自分 17、ロバート 10



ティーレックス T-Rex
(プレイ時間 45分)
T-Rex20110420.jpgティーレックスとはティラノサウルスのことで、恐竜の滅亡をテーマにしたカードゲームです。各プレイヤーは全く同じカード17枚を自分専用のデッキとして持ちます。このカード構成が変わっており、5スート3枚ずつで、1-15の数値は5で割った余りが同じものが同じスートに属します。あとはスートに属さない0とコピーカードが1枚ずつ入っています。

目的は各ラウンドの勝負に勝って上位2位となり、恐竜の卵をできるだけ多く集めること。この卵も5色ありますが、同じ色を集めた枚数がその色の卵1つの点となります。つまり集めた枚数の自乗となります。1、2、3、4・・・個目の卵は1、3、5、7・・・点の価値があるわけです。

各ラウンドはスタートプレイヤーから順にカードを1枚プレイします。数値カードに補充シンボルが描かれていればその枚数(1-3)を補充できます。隕石シンボルならば、ここからトリックテイクとなり、あと1巡プレイして勝者を2人決めます。ただし、より強い隕石カードが出ると、そこからトリックテイクは仕切り直しとなります。0のカードは数値は最弱ですがもっとも強い隕石として扱われます。切り札スートと最弱スートがラウンド前に決まっており、同一カードだと後出しがちです。コピーカードは直前に自分が出したカードと同じ扱いとなるので、隕石が多発してトリックテイクとなるタイミングが伸びても対応しやすくなります。

ラウンドで負けたプレイヤーは切り札や最弱スートを変えられます。また全員、最後にプレイしたカードか自分のデッキのトップカードを捨てなければなりません。これは2度とゲームには使わないので、ゲームが進むにつれて自分のデッキはどんどん小さくなっていきます。最初は17枚だったのが12ラウンド終了後には6枚になってしまうのです。これは恐竜が滅亡する感じを表しているのでしょうか。

アイディアは悪くないのですが、カード構成がわかりずらく、カード補充の配分などももう少し考える余地があるように思えます。

結果:はいばら 16、ささおやじ 14、りゅういーそー 7、自分 7



ベリシネベリシ Verish' Ne Verish'
(プレイ時間 25分)
VerishNeVerish20110420.jpgトランプで遊ぶロシア版の「ダウト」。ダウトといえば収束しないしそれほど戦略も無いという子供ゲームですが、ベリシネベリシはそんな先入観を吹き飛ばす傑作です。ダウトとの違いは以下の通りです。

1:ラウンドの最初の数字は任意に決めることができ、他のプレイヤーはそのラウンドが終わるまで数字は変えられない。
2:出す枚数は1-3枚。
3:ダウトを宣言したら直前にプレイされたカードだけを見る。1枚でも違っていれば成立で、直前のプレイヤーがすべてのカードを取る、すべて正しいカードなら不成立でダウト宣言をしたプレイヤーがすべてのカードを取る。
4:このとき、同位札4枚揃ったら捨てる。よってゲームは収束に向かう。ただしゲームの最初に1枚を極秘裏に抜いておくので最後にどうしても揃わない札もある。
5:ダウト宣言をした次のプレイヤーから再びラウンドを始める。

このルールはゲームファームにも掲載されているので、興味がある方はそちらも見てみると良いでしょう。非常に不思議な感覚のゲームで、ダウトをするとカードが減らないのでできればダウトしたくありません。でも、右隣の直前のプレイヤーのカードが少なくならないようにほどほどにダウトを宣言しなければならないのです。ダウトをし過ぎると、左隣のプレイヤーが任意の数字でラウンドを始められるので、こちらにも気を配らなければなりません。またカードは一気に3枚まで出せるので、気がついたらなくなっているということもあります。よって、嘘だとわかっていてもダウトを言わずに流したり、本当だとわかっていてもダウトをしたりと奇妙奇天烈なプレイ感覚なのです。

ところが、ゲームファームが参考サイトとしてあげているpagatの英文だと、1つだけルールが異なります。上記の5は以下のようになっているのです。

5’:ダウトが成立したらダウト宣言をしたプレイヤーから、不成立ならダウト宣言をした次のプレイヤーから、次のラウンドを始める。

この件を草場さんに話したところ、ではやってみようということになり、この英文ルールで遊びました。ダウトして成功すれば自分から任意の数字で始められるので、ゲームファームのルールよりも正しいことを言うのが大切になります。ゲームファームルールほどの不思議さは無く、もう少しまともなゲームになっています。自分はどちらも気に入っており、ルール1つでこれだけゲームが異なるということの好例かもしれません。

結果:自分 1位、草場 2位、ささおやじ 3位、岡和田 4位



メディチ Medici(リュイメーム版:フランスルール)
(プレイ時間 75分)
MediciSpecialCards.jpgメディチと言えば一巡競りの名作ですが、2005年にフランスのリュイメームから出たバージョンではなんと何巡もする普通の手番順競りとなっています。これに関連して、手番にめくることのできるカードの枚数は手番プレイヤーが競り落とせる枚数以内という制限がつきました(一巡のルールでは少なくとも誰か1人が競り落とせる枚数以内)。さらに上級ルールとして特殊カードが4枚混じっており、これらがゲームにスパイスを与えてくれます。ラウンドの始めに人数に合わせてデッキの枚数を調節した後にこの4枚を混ぜるので、必ず入っていることになります。なお「神秘の5」以外は、購入可能な5枚の上限に含まれません。なお、特殊ルールが追加されるときの常として、例外処理などが起こり、すでにFAQが出ています。以下はそれをまとめた4枚のカードの説明です。

神秘の5:ラウンドの終了時にどれでも好きなスートの5として扱える。他のプレイヤーが5種類のマーカーを動かした後に決める。
過剰積載:購入可能な上限が6枚となる。また、既に5枚持っていて「過剰積載」と普通のカード1枚を競り落とすことなども可能。
船長:このラウンドのあらゆるタイブレークに勝つ。
新たな競り:このカードを購入後直ちに使わなければならない。既に誰かが購入している1枚(特殊カードでも良いし、自分のカードでも良い)をもう1度競りに掛ける。そのカードの以前の所有者は競りに参加できないが、競りが終わった後、競り値で買い戻すことができる(0ビッドのときは捨てるか、ただで引き取るかとなる)。もし「過剰積載」が競りに掛けられて、そのとき既に「過剰積載」の所有者が6枚所持していた場合には1枚捨てなければならない。

Medici20110420.jpg1巡競りが何巡もするようになったとはいえメディチであることには変わりありません。1ラウンド目では「新たな競り」をつかって「過剰積載」をくるみさんから奪うことに成功。それでもビッドにお金を使い過ぎて、くるみさんがトップでした。メディチの唯一の経験者であるぢ~ぷさんもなかなか鋭いビッドをしてきます。この2人の戦いだと思いましたが、2ラウンド目ではボーナスの10点を得て少し追いつき、そして迎えた最後の3ラウンド目。欲しかった5のカードをくるみさんに譲り、自分だけ残りの積載量が2枚というところで、自分の手番。なんと葡萄の3と10という組み合わせの2枚をめくって1で手に入れました。我慢して待った甲斐があったというものです。最後はぢ~ぷさんとくるみさんが残りの積載量が1つずつというところで、デッキは残り2枚。1枚めくって、2枚目はなんと「新たな競り」です。この2枚を競り落としたプレイヤーは積載量の上限いっぱいになってしまうので「新たな競り」に参加できるのはもう1人だけという何とも不思議なシチュエーションになってしまいました。結局ぢ~ぷさんがこの競りには勝ち「新たな競り」の対象として自分が競り落としていた10のカードを指定。くるみさんだけしか競りに参加できず、そのあと自分が買い戻せるので、指値の競りになりました。「22」という悩ましいビッドでしたが、パス。もうデッキが尽きていたので4枚だけでしたが、2種類で20点ずつのボーナスを得て勝つことができました。白熱した非常に楽しゲームでした。

フランスルールだと1巡競りではないので冗長になるかと思いましたが、それほど余計な時間はかからず、様子を見ながら競り上げられるのでメディチを初めて遊ぶにはこちの方が遊びやすいかもしれません。ルールを見たときには「新たな競り」が凶悪そうかなあと思いましたが、めくり運の良いプレイヤーに対して使うなど、バランサーになっている感じもあります。

結果:自分 116、くるみ 90、ふう 90、ぢ~ぷ 75、BOQ 69

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