ペンギン Pingvinas
(プレイ時間 10-20分)
「オイそれはオレの魚だぜ!」の初版で総木製です。この手軽な多人数アブストラクト(完全情報)ゲームは以前から欲しいと思っていたのですが、運良く初版を手に入れることができました。60枚のタイルには魚が1-3匹描かれています。これらのタイルをランダムに適当なまとまりに並べたらゲームスタート。まず自分のペンギンを置き、それ以降の手番では自分のペンギンのどれか1匹を動かすだけです。ペンギンは6方向なら他のペンギンが無い限りは何マスでも動くことができ、今までいたマスのタイルを取ります。つまり動いた先のタイルは完全に予約されるのです。よってできるだけ3匹や2匹の魚のタイルを目指す訳です。また、自分のペンギンをうまく大量の魚と一緒に孤立させるとそれらのタイルが全て取れるので、相手をブロックしながらの独占狙いもこのゲームの面白いところです。多人数アブストラクトながらも軽いプレイ感覚もあり、デラックス版まで出ているヒット作になったのもうなずけるところです。
今回は3人で2回遊びましたが1度も勝てませんでした。また持ち込んで遊んでみたいですね。
結果
1戦目:小野 37、まるむし 32、自分 31
2戦目:まるむし 35、自分 34、小野 28
モダンアート Modern Art
(プレイ時間 1時間25分)
水曜日の会の備品であるモダンアートを使ってのプレイ。2箱あったのですが、どちらもチップが足らずに最終的には水曜日の会の備品であるポーカーチップを使って遊びました。写真のようにチップのデノミネーションをサンプルで表示しておきました。初めての方が2人いましたが、非常に飲み込みが早く、かなり面白い展開になりました。各ラウンドとも4人以上の画家が売りに出されたので紙くずとなる画家が必ず出てしまいました。自分も競り落とした絵を何度か紙くずにされてしまいました。最後には大胆なビッドで攻めた小野さんが初プレイながらも勝利。
結果:小野 528、郡山 381、自分 371、猫 369、まるむし 361
象のトランペット Trötofant
ここで先週も遊んで楽しかった象のトランペットを20点先取での勝負です。専用の巻き取り笛をいただいたので、こんどからはこれを持参しようと思います。5人だとかなり争奪戦が激しく、なかなか取れません。肺活量が試されるかなりハードなゲームですが、やはりアクションゲームの怪作といってよいかもしれません。
総督 Prokonsul(古代ローマの新しいゲームより)
(プレイ時間 45分)
総督は3-5人用のカードの同時アクションと交渉をメインとしたゲームです。ボードには地中海近辺の7つの領域が描かれ、その領域での総督になったときの報酬(10-24)が書かれています。プレイヤーの目的はたくさんのお金を得ることです。総督になる以外でも他のプレイヤーが総督になるときの交渉を通じてシビアに稼いでいくのです。
各プレイヤーは10枚のカード(1-9、12)とマーカ-5個、それにコイン20を持ってゲーム開始です。第1ラウンドはシシリーで(ルールに明記されていないのですが、図を見る限りではそうなっています)、以後は前ラウンドの勝者が次のラウンドでの領域を決めます。ただし同じ領域を続けて選ぶことはできません。次に全員で手札からカードを1枚選んで同時公開。もっとも大きな数値を出したプレイヤーから数値合計の過半数を獲得すべく他のプレイヤーと交渉していきます。例えば、8、7、4、2と出されていれば数値合計は21なので、8のプレイヤーから過半数の11を取るべく交渉するのです。ただし、他のプレイヤーと1回ずつしか交渉できず、交渉は一方通行です。例えば「あなたの7のカードが欲しいのでコイン3をあげます」と言われたプレイヤーはイエスかノーを言うだけです。交渉を通じて過半数を獲得すればそのプレイヤーの勝ちですが、全てのプレイヤーと交渉が終わっても過半数が取れなければ、次に大きな数値を出したプレイヤーというように交渉権が移っていきます。最終的に全員失敗すると、最初に交渉を始めた(つまりもっとも大きな数値を出した)プレイヤーの勝ちとなります。
1度勝った領域には自分のマーカーを置きますが、まだ総督にはなりません。同じ領域で2度目に勝つと漸く総督となり10コインから24コインの報酬を得ます。さらに連続した領域で総督になるとボーナスで5コインもらえます。その領域の他のプレイヤーのマーカーは戻されて、その領域は2度と選ばれません。よって1度目を勝つためお金を使い、2度目に勝てないと非常な痛手を受けることになります。こうしてカード同時公開と交渉を続け、7つ全ての領域で総督が決まるとゲーム終了です。
ゲームは理論上は最短14ラウンドで終わりますが、普通はもう少しかかるでしょう。10ラウンドで手札10枚すべてを使うと、再び手札10枚から始めることになるので、ゲームの終わるタイミングを考えてきちんと数値の高いカードと低いカードを使うのも大切でしょう。交渉に絡んでいないとそのラウンドで利益が得られないので絡んだ方が良いのはもちろんですが、どれくらいのオファーなら受けた方が良いのかなど、難しい部分も多いです。このゲームは直接再販されていないのですが、一方通行の交渉は「レスパブリカ」を、全員のカード状況から、オファーを受けるかどうかの選択などは「バベルの塔」を思い起こさせます。
このゲームは今までに3回ほど遊んだことがありますが、今回は4人プレイです。自分は1度勝っただけで2度目が勝てなかった地域などもあり、ほぼ開始時と同じ22という惨敗での最下位でした。タナカマさんも24と16の領域の総督となり、ボーナスの5コインも得たのですが3位。一方一ノ蔵さんは最後一気に攻めて、特に最終ラウンドは自分のカードだけで過半数だったので交渉なしでの勝利という素晴らしい終わり方で2位。結局、それまでの交渉でうまく利益を得ていたユリチョフさんが1位でした。結構癖があるゲームなのですが、また遊んでみたいです。
結果:ユリチョフ 67、一ノ蔵 61、タナカマ 52、自分 22
ビール侯爵 Fürstenfeld
(説明 15分 プレイ時間 1時間20分)
フリーゼの新作で、システム的にはドミニオンと電力会社を合わせたような感じです。各自20数枚の同じデッキを持ち、そのなかに含まれている6枚の得点カードをすべてプレイするのが目的です。自分の場には最高で6枚しかカードを置けず、それ以降は以前のカードを上書きすることになります。得点カードは最終目的なのですが、拡大再生産には全く寄与しないので、得点カードを置くのが早過ぎると苦しくなるという仕掛けなのです。
場にカードをプレイするにはお金がかかり、そのお金は3つのリソース(水、麦、草)の拡大再生産によって得ます。リソースをマーケットに売り、手札からリソースを生産するカードをプレイしてより大量に生産する、といった具合です。もちろん生産するカードや得点カード以外にも様々な特殊能力と持ったカードがあり、これらをその場その場に応じて使いこなすのは、なかなか難しいと思います。手番の終わりには1枚を残してすべてを捨て札にしなければならないので、得点カードを下手なタイミングで捨てると勝つのが難しくなります。
マーケットは5つあり、それぞれ異なった需要と価格が設定され、ゲームを通じて変化していきます。需要と比べての過不足に応じて、次のラウンドでの価格が決まっていくシステムはフリーゼの電力会社に似ています。需要を越えて売られると価格が下がり、足りないとあがるのです。ただ、価格の変動は0から3なので、それほどダイナミックな変化が無いのが少し残念な気がします。
今回は客商売さんを除いては全員初プレイ。客商売さんは3回ほど遊んだことがあるらしく、得点カードを場に出し始めるタイミングなどもうまいなあと思いました。最後は余裕で客商売さんの勝利となりました。特殊カードの強弱などがわからないので、かなり手探りプレイとなりましたが、自分のデッキは2巡はしなかったので、得点カードは捨てずに温存しておくべきだったと思いました。フリーゼらしいきつきつのゲームですが、ドミニオンのデッキ構築のアイディアを利用してなかなか面白いゲームになったのではと思います。なんどか遊んでみたくなるゲームです。
結果:客商売 6、タナカマ 5、ユリチョフ 4(残金12)、自分 4(残金12)、一ノ蔵 2
トレンディー Trendy
(プレイ時間 3ディール15分)
最後に少し余った時間を使ってトレンディーです。遊んだことがないというプレイヤーも多かったのですが、手軽に相乗りして楽しめるという軽くて良いゲームだと思います。一応、各数値は2回(3だけ3回)しか決算が起こりえないことなどがわかると戦略的に楽しめると思います。アウトカードの使いどころが難しいらしく、ほとんどアウトカードは出ませんでした。
結果(3ディールのみ):黒野 87、ぎゃざる 82、れのん 79、自分 70、双六小僧 65
マクベス
「ペンギン」の初版の内容物の出来は素晴らしいですねえ。機会があれば僕も欲しいぐらいです。
2人で遊ぶと厳しいけど、3~4人で遊ぶ分には良いゲームですよね。アブストラクトだけど、老若男女選ばない素晴らしいゲームです。テーマで大分得してますねえ。
「モダンアート」は良いですよね。このゲームの競りが悩ましい理由に最近気がつきました。肝心の「モダンアート」は最近全然遊べてませんけどね。気力があれば記事で書いてみようと思います。
「総督」は「レスパブリカ」の原型なのですかね。実は「レスパブリカ」は気になるゲームなので、「総督」は近いうちに遊んでみたいと思いました。
このゲームは3人でも良いのでしょうか?3人で良ければ、できる限り早く試したいと考えてます。
「ビール侯爵」は複雑な処理を要する割に、変動相場制が活きてないような感じを受けましたね。どっちかというと、「ドミニオン」より「サンファン」をよい方向にアレンジしたという印象が強いです。
計3回遊びましたが、差がつくとほぼ逆転できない印象があるので2人ではもう遊ばないと思います。でも、不思議な中毒性がありますよね。
こんなところです。あとのゲームは知識が足りないのでコメントを控えさせていただきますね。
けがわ
ペンギンの初版は、かなり気に入っています。六角形のタイルが厚みのある木なので、漂う氷という雰囲気が良く出ています。タイトルのpingvinasは作者のAlvydas Jakeliunasの母国語であるリトアニア語でペンギンという意味だそうです。完全情報なのに、テーマの良さもあってか、さくさく進みますね。2人だとやはり長考したくなるのかな。2人はまだ遊んでませんが、遊んでみたい気もします。
>このゲームの競りが悩ましい理由に最近気がつきました。
おお、マクベスさんの記事を楽しみにしています。
「総督」は3人から5人となっていますが、3人だと交渉の綾が薄れるかなあという気がします。一番大きなカードを出した人がどちらと話しても変わらないというケースが多いので。そう言う意味では5人の方が良いかと思います。レスパブリカの方が先に出たのですが、出版された順番と考えられた順番は逆になることもあるのでなんともいえません。まあ「総督」はクニツィアらしく、一度目では面白さがわかりにくいのは確かです。
>「ビール侯爵」は複雑な処理を要する割に、変動相場制が活きてないような感じを受けましたね。
まったく同感です。変動相場制は好きなシステムなので勿体ないですね。でもまだ1度なので、とにかく2度目を試してからですね。