江戸川ボードゲームの会 2010.12.12

以前から誘われていた「江戸川ボードゲームの会」に行ってきました。場所は東京江戸川区の篠崎。会場は広くスタッフの方も親切で半日楽しく色々なゲームを遊ぶことができました。



どうぶつしょうぎ Let's Catch the Lion!
(プレイ時間 各5分)
LetsCatchTheLion20101212.jpg日本の将棋をもとに、盤の大きさを小さくして1マス以上動けるコマを無くしたものです。ボードは3x4の12マスで各自のコマはたったの4つずつ。歩に相当するひよこはと金のように成ることができます。あとは1歩しか動けない飛車と角行に相当するキリンと象、そして王に相当するライオンです。英語のタイトル「レッツ・キャッチ・ザ・ライオン」はこの王を詰ませるということを表しているのです。勝利条件はもうひとつあって、王を最深列まで進めること。これでも勝ちになります。コンポーネントのコマはとても可愛い絵柄で、さらにコマの動きが一目でわかるように工夫されています。

エッセンで2009年、2010年に販売されているのを見ていたので、一度は遊んでみたかったゲームです。草場さんに誘われて4ゲームほど遊びました。アブストラクトの中でも、チェスや将棋タイプのゲームは苦手なので遊ばないのですが、それでも、このどうぶつしょうぎは普通の将棋とはかなり勝手が違うというのは分かります。油断しているとあっという間に詰んでしまうし、コマ数が少ないので捨て駒はできません。基本的にはチェスのように等価交換で進めていくのです。4ゲーム目はフェアリー好きの草場さんの提案でボードをアニュラス(右辺と左辺を同一視する、チェイス同様)として遊びましたが、これだけは勝つことができました。なお、草場さんによれば84手ほどで後手必勝らしいというのがコンピューター解析で分かっているそうですが、普通に遊ぶには十分奥が深い良いゲームだと思います。

結果:1勝3敗



反乱 Cartagena 4: Die Meuterei
(説明 25分 プレイ時間 60分)
DieMeuterei20101212.jpg草場さん一押しのゲーム「反乱」です。船の中で2つのグループのどちらかを支持しますが、どちらなのかは誰にも分かりません。ゲームが進むにつれて、この2グループでの対決が起こります。ゲームの目的は、対決での勝者のグループを支持しており、さらにそれらのプレイヤーの中でもっともお金を多く持つことです。

ゲームの中心と成るメカニクスは12枚のカードによるアクション決定システムです。毎ラウンド、12枚のカードから7枚を伏せてボード中央に置きます。手番では、既に既に公開されているカードから1枚選ぶか、伏せてある次のカードをめくるかを決めます(公開されたカードが無い場合はめくらなくてはなりません)。めくった場合はそのカードを選ぶか次をめくるかのどちらかで、最終的に1枚選ぶまでこれを続けます。こうしてラウンドのスタートプレイヤーから順に1巡、このカード選択を行い、残りのカードで伏せてあるカードの枚数だけ船のコマが進み、ゲームは終了に向かって進むのです。12枚のカードは、金貨を得る、戦闘カードを得る、自分の支持する側を決定/変更する。他のプレイヤーの支持する側を見ることができる、など様々ですが、1枚だけ幽霊のカードがあり、これをめくるとバーストとなってそのラウンドでは何もできません。つまりカードをめくることには常にリスクがつきまとうのです。これが単純ながらも非常に面白く機能しており、ゲームの緊張感を生み出しています。なお草場さん考案のオプションルールにより、公開されたカードが無い場合で強制的に幽霊をめくってしまった場合だけは、コインを1つもらえることになっています。これは救済策としては優れていると言えるでしょう。

こうして、ゲーム終了までに戦力カードとお金を貯め、自分の支持する側を決めます。終了時には5対5の決闘が行われ、毎回、戦闘カードを出すか、猿カードを出して戦闘から身を引きカードを温存するかの選択のジレンマを戦闘解決まで行います。この戦闘部分もよくできており、どこまで戦闘を長引かせるか、あるいはカードを温存するかなど非常に悩ましいです。

今回は草場さん以外の3人が同じ側だったこともあり、5つの決闘のうち最初の3つで解決してしまいました。3人のなかではだださんが飛び抜けてお金を持っており、納得の勝利。晴さんと自分は同点でした。これはまた遊んでみたいゲームです。

結果:だだ 16、晴 12、自分 12、草場 脱落



アロザ殺人事件 Mord im Arosa
(説明 5分 プレイ時間 45分)
MordImArosa-1-20101212.jpg8階建て(イギリス式に0-7階の表示)のビルで起こった2つの殺人事件をめぐっての音を使ったアクションゲーム。8階建てのビルは各階で分割できるようになっており、どの階層も真ん中に同じ大きさ(2センチ四方くらい)の正方形の穴があいています。この建物の上から穴にキューブを落とすと何故か途中で引っかかったり下まで落ちたりとかなりランダムな動きをするのです。Raelさんは、この建物の構造を「奇跡の造形」だとか言っていましたが、どうなのでしょうか。落とすたびに、カラカラという音でどの階でとまったかを覚えておくと言うのがゲームの主旨です。

ゲームは前半と後半に分かれます。全員自分の色のキューブ20を持ってスタート。まず、赤いキューブ2つ(事件の被害者を表すと思われます)を建物の中に落とし、各プレイヤーも2つずつ落とします。前半では赤いキューブのある階を当てるのが目的。当たるとその階にあったキューブはすべて減点チャート上に動きます。はずれると、そこのキューブ全てに自分のキューブを一つ余分に入れなくてはなりません。8階までしかないので、この前半部分は長くても8ターンです。

MordImArosa-2-20101212.jpg後半はある階に誰が(複数のプレイヤーでも良い)いるかを当てるか、自分がいる階を当てるのが目的。他のプレイヤーを当てると、そのプレイヤーのキューブは減点チャート上に動き、はずれるとその分自分のキューブが減ります。自分がいる階を当てる場合は自分のキューブが既に減点チャート上にあるものでなくてはなりません。アリバイづくりというわけで、当たれば減点チャートの自分のキューブをどかすことができるのです。

会場が多少騒がしかったので、音で判別するのは難しく、自分はもっぱら理論的に確率論で当てていきました。つまり暫く公開されなかった階層には沢山のキューブがあるはずだという、それだけのことです。「1階に全員いる」で大当たりをし、直後にRaelさんが「2階に全員いる」でおおはずれ(実は彼だけいた)のときには笑ってしまいました。

最初の運要素(赤の被害者キューブと一緒の階層になってしまうかどうか)がかなり大きく、音の要素もそれほど必要ではないと思ったのが気がかりです。特に、さくやさんは最初の部分でほぼ負けが確定してしまい可哀想でした。このあたりは何か改善策があれば良いと思います。今度は静かな場所で遊んでみたいですね。

結果:自分 4(勝利)、HTP 12、Rael 12、さつき 14、やういち 16、さくや 22



ペンギンパーティー Pingu-Party
(プレイ時間 20分)
Pingu-Party20101212.jpgここでケルトスパイラルが定員オーバーとなったので、HTPさんに誘われてペンギンパーティーを遊びました。スタッフのHTPさん以外はボードゲームはほぼ全く初めてということでしたが、新鮮な反応を見るのも楽しく、つい4種も連続で遊んでしまいました。

ペンギンパーティーは5人だとかなり流れに任せる感じになります。簡単なようでいて楽しむ為にはそれぞれが何枚あるかなども考えることが大切なので、じつはそれほど初心者向きではないのかもしれないなあと思いました。5ディール勝負で失点1の勝利。

結果:自分 1(勝利)、奥見 5、HTP 5、浄蓮 6、前 8



ジャスト フォー ファン カラーズ Just 4 Fun Colours
(説明 5分 プレイ時間 各5分)
Just4FunColours20101212.jpg続けてHTPさんおすすめの「ジャストフォーファンカラーズ」です。ジャストフォーファンシリーズを遊ぶのは初めて。多人数4目並べですが、カードによって単なる完全情報ではない運の要素を加えてあります。マスには6色の色のどれかで塗られており、そこにプレイする為には該当するカードが必要なのです。相手のコマの上にも置けますが、2層目ならその色のカードが2枚、3層目なら3枚必要になります。手札は7枚で6色なのでなかなか揃いずらく、相手が3連を作ってもブロックするのは時の運という部分もあります。

さきほどのメンバーからHTPさんを除いた、奥見、浄蓮、自分、前の4人でプレイ。短かったので3ゲーム連続して遊びました。インスト専任になっていただいたHTPさん、どうもすみませんでした。

結果
1ゲーム目 浄蓮
2ゲーム目 自分
3ゲーム目 前



トレンディー Trendy
(プレイ時間 35分)
Trendy20101212.jpg今度はHTPさんも混ぜて5人でトレンディ。ルールを説明したときに、前さんの、これでゲームになるんだろうか?といった反応が印象的でした。各スートは多くても2回までしか得点しないこと(3だけは3回)など多少の考え方も交えてのプレイです。各自がスタートプレイヤーとなり5ディールでの総計を競いました。途中で流れに乗れないことも多く、考えすぎてしまったのが最下位。ファッションに強そうな奥見さんの勝利。

結果:奥見 165、前 133、浄蓮 124、HTP 116、自分 112



帝国 Imperium
(プレイ時間 各15分)
Imperium20101212.jpg次に、持参した「古代ローマの新しいゲーム」より「帝国」です。10分で終わるエリアマジョリティといいましたが、15分くらいはかかることが多いですね。読み合いあり、ブラフあり、リソースマネージメントありの素晴らしいゲームです。ベテランのHTPさんにも気に入って頂けたようです。せっかくなので2度連続遊びました。1度目はHTPさんが、2度目は奥見さんが、共にリソース(自分のチップ)を途中で使い果たして沈んでしまいましたが、ときには少し足りなくなるくらいでも勝てるので、そのあたりのバランスはさすがだなあと思います。

結果
1ゲーム目:奥見 22、前 19、自分 17、浄蓮 14、HTP 8
2ゲーム目:前 22、自分 19、浄蓮 17、HTP 14、奥見 10



ピフロッグ PiFroG
(プレイ時間 10分)
Pifrog20101212.jpgここで、他のテーブルの「花火」に参加するまでの間、リッパーさんをつかまえて、持参したアブストラクトのピフロッグを遊びました。エッセンで購入した依頼遊ぶのは初めて。こういうアブストラクトゲーム、とくに同人ゲーム的なものはなかなか遊ぶ機会を作らないと難しいですね。珍しく非対称のアブストラクトゲームで、将来はネスターゲームズからグレードアップされたものが出版される予定です。タイトルはフロッグとピッグの合成語で、フロッグはチェッカーのように、ピッグはチェスのように相手のコマを取れますが、コマが向いた方向にしか動けません。手番にはどれかのコマを動かすか、方向を変えるかのどちらかで、このあたりはオクティに似ている部分があります。リッパーさんがフロッグ、自分がピッグを担当。あまりのりきでないのに付合わせてしまって済みません。

結果:自分(ピッグ)



花火 Hanabi(花火 & 生け花 Hanabi & Ikebana より)
(プレイ時間 50分)
Hanabi20101212.jpg「花火&生け花」は同じカードのセットで「花火」と「生け花」の2つの遊び方ができるゲームです。両方とも面白いらしいのですが、特に「花火」はいままでに無いプレイ感覚とのことで、ずっと遊んでみたかったものの一つです。カードを使った協力ゲームで、目的は5スートのカードを1から5まで順番に場に出すことで、これを「花火をあげる」と表現します。各自の手札は5枚ずつなのですが、自分の手札は見ることができません。ドメモ、インディアンポーカー、などのように相手の手札しか見ることができないのです。手番には、手札からカードを場に出す(花火をあげる)、相手にヒントを出す、手札を捨てるの3つの行動から選びます。場にカードを出して、みごとにその色のまだ出ていない最小のカードならば成功ですが、間違うと手札に戻ります。間違いはゲーム中に全体で3回までしか許されないので、慎重にしなければなりません。相手にヒントを出すというのがこのゲームの面白いところで、他のプレイヤーひとりの手札を指して「これは◯◯です」と言うことができます。◯◯にはスートか数字が入るのですが、該当する札は全部指名しなければなりません(今回は例えば手札に3が3枚でも、場に出させたい安全な3だけを指して「これは3です」というように、プレイを誘導させるようなことをやっていました。でもこれはルールとしては間違いです)。ヒントを出すときはチップを1つ消費します。そのかわり、捨て札をするとチップを1つ得ます。チップは8つから始まるのですが、あっというまにヒントの出し合いでなくなってしまい、いかに捨て札とヒントの回数のバランスをみんなで取るかが難しかったです。

今回は、ヒントを出すルールを間違えてゆるめにやっていたのですが(他には1でないのに捨てさせたいので「1です」と言ったり、5でないのに捨てさせたくないので「5です」と言ったりなど、暗号的に使っていた)それでも難しかったです。なんとか成功したときには皆なすごい充実感を感じました。この日の最大の収穫といえるゲームです。

結果:勝利 (やういち、さくや、中むぅ、自分)



四匹を探せ Findevier
Findevier20101212.jpg最後に、ちょっと余った時間で「四匹を探せ」を遊びました。どこに持ち込んでも、コンポーネントの素晴らしさと手軽さで喜ばれるゲームです。前回遊んだときには惨敗だったので、今回は一応ちゃんと覚えながら理論的に考えて勧めていきましたが、やういちさんには及ばず。

結果:やういち 15、自分 12、さくや 11、中むぅ 4



この後、みんなで行った夕食ではRaelさんやさくやさんとエッセンやバトルラインの話を楽しみました。初めての江戸川ボードゲームの会ですが、噂通りアットホームで和やかな雰囲気でとても楽しく過ごすことができました。またお邪魔することがあれば、よろしくお願いします。

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