この日の水曜日の会では3ゲーム遊ぶことができました。どれも初めて遊ぶゲームです。そのあと草場さんに誘われてチェッカー/ドラフツの会に行ってきました。非常に面白い体験をすることができました。
ミューラ Miura
(説明 10分 プレイ時間 65分)
3人専用のカードゲーム。システム的には複数枚出せる一種のトリックテイクであるのですが、出すときは全て裏向きに、そして全員出してから表にしてトリックを取ったプレイヤーを決めます。リードプレイヤーが出す枚数を指定し、それには、1枚、2枚のペア、3枚のスリーカード、4枚のフォーカード、5枚のファイブカード、5枚のフルハウス(ペアとスリーカードの組み合わせ)、の合計6種類あります。ランクが高い方(フルハウスならスリーカードの方のランク)が勝ちますが、同じならば先出し勝ちです。
リードプレイヤーはその通りに出さなければいけませんが、他のプレイヤーは出せても義務はありません。つまり5枚のフルハウスがあっても5枚まったくバラバラの札を出しても良いのです。全員が出した後、リードプレイヤーが公開し、次のプレイヤーはリードに勝てるときだけ公開しますが、負けるときは誰にも見せずに捨てます。3番目のプレイヤーも同様にそれまでの勝者に勝っていれば公開、負けていれば見せずに捨てます。トリックの勝者は自分の勝ったカードを前に置いておき、これが得点となります。つまりファイブカードやフルハウスで勝てば一挙に5枚獲得となるのです。
カード構成が絶妙で、金>銀4>銀3>銀2>銀1>黒4>黒3>黒2>黒1>緑4>緑3>緑2>緑1というランクで、金銀は3枚ずつ、黒緑は5枚ずつなので計55枚です。各ディールでは18枚ずつ配り、余った1枚は表にしてそれと同じカードは最上位になるのです。よってフォーカードやファイブカードは黒と緑でしか作れません。自分に全体の3分の1は見えているので、他の2人の手札分配を考えて時には強気にブラフをかけることも大切です。最後にフォーカードやフルハウスを残していても、リードされなければ強くないので、自分がリードを取ったときにどういう攻め方をするかが非常に悩ましいです。
Raelさん持参で、今回自分もさわさんも初プレイ。最初にルールを聞いたときはありきたりに感じましたが、非常に良くできている面白いゲームでした。9ディール勝負で、自分がリードのときにいかに大量点を取るか、悪い手とどう戦うのかなど面白い要素がたっぷりです。再販が望まれる傑作だと思います。今日一番の傑作。
結果:自分 10、 Rael -9、さわ -1
鼠と密告者 Sneaks & Snitches
(説明 10分 プレイ時間 20分)
簡単な同時アクションのバッティングゲーム。毎ラウンド、8つの場所(A-H)のなかから2つ選びます。1つはそこにあるカードに書かれた宝石が欲しい場所に、もう1つはそこに誰かがビッドしたら取らせないよう邪魔したいところにです。全員が選んだら公開。邪魔されている場所は取れません。そうでないときには1人だけなら宝石がとれ、2人以上だったら残念賞としてカード(宝石1つ分)が取れます。どちらのカードもない場所は破棄され、これを繰り返すだけです。前半と後半で宝石カードの内容が変わったりと、あまり好きでない部分もあります。言語異存もないし悪くないと思いますが、それほど深みも盛り上がりもありません。タナカマさんと思考回路が似ているということがわかったのが唯一面白かった部分です。この手のバッティングゲームならばラッツィアで十分の気もします。あるいはバサリや宝石商とか。
結果:Rael 9、双六小僧 8、タナカマ 6、さわ 5、自分 4
パパヨー Papayoo
(プレイ時間 55分)
得点を取らないことを目的とした、切り札なしのトリックテイク。通常のトランプのスート(スペード、ハート、ダイア、クラブ)は各1-10、そのほかパヨースートが1-20の60枚。配られたらカード交換(6人プレイの場合は手札10枚のうち3枚を左隣に)をします。パヨースートは取ったカードの数値がそのまま得点、またディールごとにあるスートの7は40点になり、これはカード交換後に8面ダイスでランダムに決めます。合計で250点あるのです。
5スートありカード構成と得点が少し異なる以外はハーツ(ブラックレディ)と同じです。ハーツを知らなければ面白いと思ったゲームだと思いますが、ハーツをやり込んだ自分としてはシュートザムーンもないしなんだかなあと思います。(ハーツはハートが各1点でスペードQが13点の計26点。ただしハートAを5点とするルールや(計30点なので検算が楽)、ダイア10をマイナス10点(取ると良い)とするルール、さらに26点を全部取ると逆に自分だけプラスになるシュートザムーンなどいろいろなバリアントがある。トリックテイクの入門としては最適かもしれない。)カード交換の後に40点になるカードをランダムに決めるのも、それほどゲーム性を変えていません。
ゲーム序盤は自分が0に押さえ、中盤から終盤にかけては双六小増産が35点に抑えていました。最終ディールで双六小僧さんに大量の得点が、さらに2位を争っていたRaelさんとタナカマさんのうちRaelさんにも大量得点がいってしまい、棚からぼたもち的に自分は2位になってしまいました。ハートにあたるパヨースートの得点計算が少々面倒です。
結果:タナカマ 98、自分 172、双六小僧 207、Rael 234、さわ 364、まるぶし 415
チェッカー(ドラフツ)Checker / Draughts
このあと水曜日の会を抜けて、草場さんに誘われて一緒にチェッカー/ドラフツの会に行ってきました。チェッカーというと「西洋での子供の遊び」「チェスを買うとおまけでチェッカーのコマがほぼ必ずついてくる(将棋に対するはさみ将棋のようなもの)」「既に解かれたゲーム」「チェッカーボードで遊ぶならラインズオブアクション」といったネガティブな印象しかなかったのですが、それを見事に覆されました。
まずチェッカーというのはアメリカやイギリスでの呼称で、他の国ではドラフツ Draughts と呼ばれることが多いそうです。「ドラフツ」と草場さんが言ってもドラフトのことだと思いトーナメントの形式かなにかだと勘違いしていました。さらにこのドラフツには様々なルールがあり、自分が知っていたのはイギリス式と言う一番つまらない(と思われる)ルールだったのです。
今回はドラフツ協会のかたと計6ゲームを遊びましたが、すべてブラジリアンドラフツと呼ばれるブラジルで遊ばれているルールです。ボードはチェッカー(チェス)と同じ8x8の64マス。コマは12ずつという所は同じです。進むときは斜め前だけですが、相手を取るときに限っては後ろ向きにジャンプして取ることもできるのです。さらに最後列に到達してキングになるとビショップのように何マスでも斜めに進めます。その間に相手のコマを(つながってなければ複数)取って、その先の任意の場所で止まることもできるのです。最後の大きな違いは相手の捕獲に関することで、できるだけもっとも多くのコマを捕獲するように動かなければなりません。
たったこの3つの違いだけで、ゲーム性が驚くように変わったのにはびっくりです。これはファンがいる訳です。草場さんは「囲碁と並ぶ究極のアブストラクト」などと言っていましたが、確かにこのゲームが知られていないのは(特にアメリカで)非常に残念です。
最後にチェッカーボードでできるラインズオブアクションも遊んで、そのあとにドラフツ協会のみなさんとの忘年会に参加させて頂きました。どうもありがとうございました。アブストラクトが好きな方は、是非ドラフツを遊んでみましょう。月例会は東京の秋葉原であるので興味がある方は参加してみて下さい。
タカハシ
さすがに囲碁と並ぶとまではいかないかもしれませんが、チェッカーもなかなか歴史があって長年親しまれていますよね。
それでも草葉さんをはじめとする愛好家が地道な普及をしていかないとどんどん忘れ去られそうな気もしますが・・・^^;
けがわ
チェッカー(ドラフツ)のブラジルルールがこんなにゲーム性を変えてしまうとは思いませんでした。世界的には知名度の高いゲームなので、それほど忘れ去られるとは思いませんが、日本でもっと普及しても良いゲームだと思います。
アブストラクトゲームはドイツ系ボードゲームを遊ぶボードゲーマーには受けが悪いことも多いのですが、ゲームの面白さのエッセンスがあると思います。もっと気軽に遊ばれて欲しいジャンルですね。