同時多発テロから丸9年。この日のDCゲーマーズはペンタゴンそばに住むリシの家です。彼の住むアパートで大規模な停電があったらしく、一時は開催が危ぶまれましたが、無事遊ぶことができました。到着すると「もっとホイップを」の英語版がプレイされていました。4人ずつ2テーブルに分かれて「洛陽の門にて」と「ティチュ」を遊ぶことになり、自分は未プレイだった「洛陽の門にて」に加わりました。
洛陽の門にて At the Gates of Loyang
(説明 25分 プレイ時間 3時間)
ローゼンベルグの収穫三部作の3番目。前2作「アグリコラ」「ルアーブル」はルックアウトゲームズが出版していましたが、この「洛陽の門にて」だけはハルゲームズからとなっています。昨年のエッセンでは「アグリコラ」の作者ローゼンベルグの新作とあって、おそらく最も注目されていたゲームの一つです。中国の洛陽で様々な作物を栽培、収穫し、お客に売ってお金を儲け、そのお金で勝利点を買うというのがおおまかな流れです。コンポーネントはT字型のパーソナルボードなど機能的です。それぞれの作物は木製で可愛らしくできています。
ゲームは9ラウンドで、各ラウンドは、収穫、カードドラフト、アクションからなりたっています。畑に植えた作物は毎ラウンド1つ収穫できます。畑が大きければ大きいほど長期にわたって収穫できますが、高価な野菜は小さな畑でしか栽培できません。収穫後のカードドラフトでは各自4枚のカードが配られ、手番には手札から1枚場にさらすか、または場から1枚、手札から1枚を獲得して残りの手札をすべて場にさらして捨てるかのどちらかです。つまり最終的には2枚獲得する訳で、獲得したら以後カードドラフトには参加せずに抜けるのです。もし配られた4枚のなかにどうしても欲しい2枚があれば1枚を捨て札にして、誰も拾わないことを願い、次の手番で取るしかありません。このカードにはお客や畑や交換所、ヘルパーなど様々な種類があります。
最後のアクションでは、作物をお客に売ったり、交換所で交換したり、新たに植えたり、市場から買ったり、ヘルパーの特殊能力を使ったり、勝利点を買ったり、追加で2枚までカードを買ったりと様々です。アクションの順序や回数に制限はなく、追加でカードを買う以外のアクションは何度でもできます。
大切なアクションは作物をお客に売ることと勝利点を買うことです。お客は常連と飛び込みの2種類あります。常連は4ラウンドの間、同じ作物のペアを買ってくれますがもしも2度以上在庫切れになると罰金を支払わなければなりません。飛び込みは3つの作物を1度だけ買ってくれて、こちらの在庫が揃うまで待ってくれます。これらの使い分けでなるべく一度に大量に稼ぐようにします。勝利点は毎ラウンド買うことができますが、その値段は最初の1点は1キャッシュ、その後は勝利点と同じだけの金額が値段となります。たとえば現在12点だとしたら、15点まで進むのに30キャッシュ(1+14+15)かかるわけです。よって必ず1点は買うこと、それ以降もあまり貯金する意味はなく、使えるだけ使った方が良いと思います。ゲーム中にいつでも借金ができますが5キャッシュをもらい、ゲーム終了後に1勝利点引かれます。つまり最終的に15点であれば返済は15キャッシュと考えればよくかなり高い利子です。
今回はリシと自分は初プレイ。ラリーは2度目でアーロンがみなにルールを教えてくれました。最初は現金が少なく何もできない状態だったので、ゲームを楽しむ為に借金を2回してどんどん畑を作っていきました。7ラウンド目あたりまで、借金でのマイナス2点を勘定に入れても勝っていたのですが、終盤に経験豊富なアーロンに抜かれてしまいました。
4人だとスピードアップをはかる為にアクションフェイズでは2人ずつ2組に分かれてそれぞれ別にゲームを進めることになっています。いちおう2番手のプレイヤーは組になった1番手のプレイヤーのアクションが終わるまで待つことになっていますが、他のプレイヤーとの関わりはヘルパーカードのみの微々たるものなので、正直言って4人同時でも良かったような気もします。3人だとこの組み分けができないので2人や4人の50%増しのプレイ時間となるらしいです。
このゲームの最大の問題点はプレイヤーインターアクションが殆どないところです。わずかなインターアクションは、カードドラフトの部分で少しと、あとはヘルパーで他プレイヤーの交換所を使ったりする程度。作物も、お客も、交換所も、市場も、畑もすべて自分専用なのです。ソロプレイでも短時間のゲーム(テイクイットイージーやフィットなど)なら構わないのですが、3時間級だとどんなに面白いパズルでもさすがに飽きてきます。慣れれば2時間級くらいにはなりそうですが、それでも長いですね。
結果:アーロン 18、自分 17(タイブレーク)、ラリー 17、リシ 16
フォッペン Foppen
(4ディールのみ 説明 5分 プレイ時間 30分)
ここで隣のテーブルがティチュのあとに遊んでいた「乗車券」が終わったので、再び組み分け。アメリカの開拓者たちという最新作のカタンのアメリカ版に人気が集中し、残った4人でフォペンを遊ぶことにしました。本来なら人数x2ディールなので8ディール勝負なのですが、時間の関係で4ディールで終了。次こそ完全なゲームを遊びたいです。またバリアントである勝利宣言ボーナスも入れてみようかと思います。
リシ 17、自分 3、ローラ -17、ベッカ -36
じろう
「洛陽の門にて」は、自分は未プレイですが、評判が良くない印象です。
で、最初のプレイ時間の3時間という表記を見て、これは・・・と、ヒヤヒヤしながら読みましたが、割とマイルドな文章に徹されているようで、少し意外でした。
僕は、自分ではソロプレイ的な長時間ゲームも気にならない方だと思っていますが、それでもスピードアップのため2組に分かれて別々にプレイする、というのは、なんだか遊び心地が悪くて、いい印象を受けません。
まあ、けがわさんは「フォッペン」の方を大きく紹介したいというのが本音なのだろうと感じます。
けがわ
じろうさん、こんにちは。
「洛陽の門にて」はもし遊ぶのならばおそらく2人がベストでしょう。3人は4人よりさらに時間がかかるのでできれば避けた方が良いかもしれません。やっていることは「ソロボーナンザ」です。育てた作物を自分の中だけで交換して売るので。ローゼンベルグは自分にとってはカードゲームの方が好みです。そのうち近頃の流行にあわせて、アグリコラカードゲームとかできたら意外といけるかもしれません。
長時間ゲームでも好きなものはありますよ。でもそれに見合った深さと面白さが必須です。1830は好きなのでたまに遊びます。あとはディーマッヒャーも長時間では悪く無いですね。
フォッペンは、せめて完全に1ゲームをバリアント込みで遊んでから、詳細なレビューを書きたいと思います。いまのところ1ゲームを遊んでもらえない不遇なゲームです。
タカハシ
『洛陽の門』に関しては個人的には業界初の「ソロゲーム」として大々的に売り出せば良かったのにと感じました。
初プレイでたまたま運が良かったのか、ぶっちぎりで得点ボードを登りつめてしまったのも拍子抜けで、シリーズの他の2作に比べてかなり評価を下げていると私は感じました。
とにかくリプレイ欲求が沸かない時点で、PIAが少ない作品はダメですね^^;
けがわ
タカハシさん、こんにちは
初プレイで20点獲得してしまったのでしょうか? スコアボードが20点までしかないのが気になっていましたが、運が良ければ20点いけるのかもしれませんね。
確かにソロゲームとして売り出した方が良いかもしれませんね。あるいはコンピューターの多人数ゲームだとこのくらいのプレイヤーインターアクション(カード交換の部分やヘルパーの能力など)でちょうど良いかもしれません。
パズルとしては良くできているんですけどね。ちょっともったいないです。