月曜日が祝日ということもあり、DCゲーマーズは土曜日と月曜日の2回に分けて行われました。土曜日は参加できなかったのですが、月曜日は自宅が会場となりました。5-6人が参加予定だったのですが、当日になってキャンセルが続出。結局、ローラとトムと自分の3人でしたが、普段あまり遊ばないゲームも遊んで満足です。
ローゼンケーニッヒ Rosenkönig
(説明 5分 プレイ時間 25分)
ローラがオンラインでしか遊んだことがないというので出してみました。割とドイツゲームを知り始めた初期に購入したゲームなので当時はよく遊んだものです。今は缶入りの版なども出ているようですね。中盤から終盤になると、手詰まりで自分の騎士カードを使うはめになってしまうので、そうなる前に相手の領土を分断するように使いたいものですが、今回はうまく行きませんでした。結局ローラが惜しげ無く使ったことが幸いして、最大エリアはなんと17(つまりこれだけで289点)。対する自分の最大エリアは6(たったの36点)で大敗。
結果:ローラ 297、自分 103
市場のお店 Auf Heller und Pfennig
(プレイ時間 25分)
「市場のお店」はハンスイムグリュックから1994年に出版されました。のちにファンタジーフライトからテーマを変えたリメイクの「キングダム」が2002年から2003年にかけて、さらにタイルやボード構成を変え、特殊能力を加えた「ベーオウルフザムービー」が2007年に出版されました。「キングダム」の2002年版と2003年版の違いは、シルバーラインというロゴがあるかないかだけの違いだと思います。これらのうち「市場のお店」と「キングダム」のルールやタイル内容は同じです。絵柄はほのぼのとした市場のお店に対し、キングダムはファンタジー世界の王国で暗めのタッチです。携帯性は小箱の「キングダム」の方が格段に上ですが、タイルやコマのクオリティは「市場のお店」の方が良いと思います(写真参照)。
ボードには5x6のマス目が広がっており、これが市場を表しています。ゲームを通じて、各マスにお客タイル、または、自分のお店コマを置いていきます。目的は自分のお店から縦と横の列に高い価値のお客タイルを置くようにすることです。お客タイルは全部で22枚。うち12枚がプラス(1~6が2枚ずつ)、6枚がマイナス(-1~-6が1枚ずつ)、4枚が特殊タイルです。お店コマには1~4の数値が描かれており数値が高いものほど個数は少なくなっています。各プレイヤーは自分の色のお店コマと50点を持ってゲームスタートです(失点の可能性もある為、50点から始めるのだと思います)。
手番には、タイルを1枚めくって置くか、または自分のお店コマを置きます。どちらも空いている任意のマスに置きます。また、ラウンド開始時にあらかじめ1枚配られた手札としてのタイルがあり、ラウンド中に1度だけプレイできます。こうして30マスすべてが埋まるとラウンド終了となり得点計算です。
お店コマが得る得点は、その列にあるお客タイルの数値合計とお店コマの数値の積です。縦列と横列は別に扱われ、縦横11列すべての得点を計算します。3種4枚ある特殊タイルは、列を分断する炎タイル(2枚)、列の価値を2倍にする金袋タイル(1枚)、さらにプラスのお客タイルを無視し、マイナスだけを有効にする怖い顔タイル(1枚)で、これがなかなか良い味付けになっています。特に怖い顔タイルは凶悪で、これのおかげで一挙に大量失点ということも少なくありません。
得点計算が終わると、再びボードを空にして次のラウンドとなります。全部で3ラウンドでのトータルスコアを競うのです。なお、数値2以上のお店コマは使いっきりです。全部で6枚あるのですが、これを3ラウンドにうまく振り分けて使うと言うマネージメントが要求されるのです。「市場のお店」のルールで一つ不明瞭なのが第2、第3ラウンドのスタートプレイヤーの決め方です。リメイクの「キングダム」では最もお金を持っている人から、となっているのでそれに準ずるのが良いと思います。
非常にシンプルなルールですが、いつお店を置くか、いつ自分の手札タイルを使うかなどのジレンマにあふれています。タイルをめくるときには良いタイルでも悪いタイルでも置けるマスがあるようにしておくのが基本で、このあたりはショッテントッテンやゴールドラッシュに似たプレイ感覚です。タイル構成が比較的覚えやすい為に、ラウンドの終盤ではどのタイルが出てくる可能性があるかを常に考えながらお店を置いていくことになります。このあたり、運の要素とスキルのバランスがとても良いです。2人から4人まで遊べますが、個人的には2人がベストだと思います。
今回はローラがまだ遊んだことがないというので出してみました。2ラウンド目でローラの手札タイルは怖い顔で、見事自分のプラスを根こそぎキャンセルされましたが、経験の差で最後には勝利に持ち込むことができました。地味なゲームだと思いますが、タイル構成といい良くできています。何故かそれほど遊ぶ機会がないので、今後は積極的に遊んでいきたいゲームの一つですね。
結果:自分 358、ローラ 305
バルーンカップ Ballon Cup
(プレイ時間 30分)
次にローラの好きなバルーンカップをプレイ。どこで勝負に出るかが大切で、思いのほか考えどころがあるゲームだなあと思いました。今までで一番面白く感じました。デッドロックを避けるルールは使った方が良いです。あとカードの構成表は必須ですね。3、5、7のトロフィーを次々と取って3対0で勝ちました。これは、暫く定番として遊びたいです。
結果:自分 3、ローラ 0
レーパーバーン Auf der Reeperbahn nachts um halb Zwei
(プレイ時間 20分)
以前かなり遊んだ変則綱引きゲームです。ただ闇雲にカードを出すだけでは勝つことはできません。多少の計画性が求められます。その辺りまで分かってきてからがこのゲームが真価を発揮するところだと思うのですが、初プレイのローラには今ひとつだったようです。デッキを2巡してリリーの位置で自分の勝ち。
結果:自分(勝利)
ロンドン掠奪事件 Tatort Themse (Looting London)
(プレイ時間 25分)
最近面白いなあと思う地味なカードゲーム。グリフォンゲームズの本棚シリーズではあまり評価が高く無く、レビューも否定的なものが多いのが残念なのですが、2-3人で遊ぶとなかなか面白いと思います。今回はペガサス版の缶入りの Tatort Themse を遊びました。最後まで接戦で、お互いに都合の良いように証拠隠滅(ペアを使っての破棄)をかなり使った熱い戦いでした。4点差で負けてしまいました。
結果:ローラ 35、自分 31
ここでトムが到着。彼はニューヨークから引っ越してきた比較的新しいDCゲーマーズのメンバーなのですが、ボードゲームニュースに様々な記事を書いたりしており、またボードゲームギークのアドミニストレーターでもあります。彼は遊びたい未プレイゲームをリストにしており、今113あるそうなので、そのうちいくつかを遊びたいとのこと。そんなわけでそのリストから自由都市、パラッツォ、ケルトを遊び、さらにトムが好きなスチーブンソンロケットを遊びました。
自由都市 Municipium
(プレイ時間 40分)
今回で8回目。エリアマジョリティーと特殊能力の融合。3番手でしたが、初期配置で中央の神殿を勝ち取りタイブレークで1位になりました。他の建物に移動するまで時間がかかることもあり、またローラはこのゲームに割と慣れているのでローラとトムが既に3、4点を取っていたときにまだ自分は1点。これは負けたかなあと思ったのですが、タイミングよく市民コマ4つ自由配置の特殊カードを使って4点まで追い上げ、さらに次の手番で、自分の特殊能力をすべて使って、大市場と教会堂で5点目を獲得。逆転勝ちです。このゲームはやるたびに新しい発見がある良いゲームです。
結果:自分 5、ローラ 4、トム 4
残念なことにカメラの電池が切れてしまったので、ここからは写真なしです。
スチーブンソンズロケット Stephensons Rocket
(プレイ時間 65分)
次に今日の一番重いゲームである完全公開情報ゲームのスチーブンソンロケット。クニツィアの中でおそらく一番重いゲームだと思うのですが、スコアリングが直感的でない部分もあり、面白さが分かるのに時間がかかります。自分の駅に路線を通すのも大変で、株を重視するか駅を重視するかも悩ましいところです。
結果:トム 80、自分 76、ローラ 67(単位1000)
パラッツォ Palazzo
(プレイ時間 35分)
次にパラッツォ。これも久しぶりです。クニツィアでは唯一のデッキ分割システムを使っています。競りか購買か、という辺りがパラッツォらしいところですが、少々ルールが煩雑なのが問題で、今回も何度かルールブックで確認するところがありました。建物の組み替えを許さない方がデザイン的には相当すっきりしてよかったのでは? などと考えてしまいます。それだとキツ過ぎるかな。
結果:自分 45、ローラ 34、トム 24
ケルト Keltis
(プレイ時間 20分)
トムがまだ未プレイのケルト。基本ボードを遊ぶのは久しぶりです。彼はSdJ(ドイツゲーム大賞)をすべて遊ぶのが目的の一つだそうで、これは数少ない未プレイのゲームだったそうです。最近はケルトと言えばタイルゲームかカードゲームが多いので、ボードゲームの感覚を忘れていました。そんなわけでトムが6つも願いの石を取って圧勝。
結果:トム 43、ローラ 32、自分 29
そんなわけで、トムの遊びたい未プレイゲームリストは113から110に減ったようです。ちなみに彼の評価はスチーブンソンロケットが8(これは初プレイではないですが)、自由都市が7、パラッツォが6、ケルトが4だそうです。
マクベス
「ローゼンケーニッヒ」はやはり大きな集合を作るゲームですね。小さくてもそこそこのサイズの集合を数作れば勝てるバランスならばもう少し面白くなったような気がしますが、いまのままでもそれなりに面白いですよね。
「市場のお店」はお互いにあまり得にならないような手を打ち合う印象があり、確かに「ショッテントッテン」に近い印象がありますね。クニツィアはこういう下手に先に動くとダメなゲームを作るのが上手いです。
怖い顔タイルは名前がそのまんま過ぎるので強面(こわもて)タイルと名づけてはいかがでしょうか?
「バルーンカップ」はなかなか良い2人用ゲームなんですか、これは要チェックです。
「ロンドン掠奪事件」はドイツアマゾンから輸入のついでに安いので買っちゃいました。クニツィア好きには「乗車券」より良い乗車券風ゲームと聞いて試してみても良いかなと思いました。
「自由都市」はなかなか周囲の理解を得られないので遊び難いタイトルです。全員が肝を分かってないと楽しめないので、一度習熟した人たちと遊んでみたいという思いがあります。そしたらあと評価1ぐらいは上がるかもしれません。
「パラッツォ」は未プレイのまま所有してます。遊ぶのはもう少し先になりそうですが、アレアブランドのクニツィア作品というだけで結構期待は大きいです。
「ケルト」は基本マップは、クローバータイルが固まっている色を引いた人が勝つ印象があるので、拡張マップを試してみたいという思いもあります。
じろう
「キングダム」に良い印象がなかったのですが、なんだか面白そうに思えてきました。「市場のお店」のほうが断然コンポーネントが良さそうですね。
「自由都市」は、けがわさんが前から推している様子なので、気になって一応は所有しています。紹介されるたびに、これは遊んでみなくては、という気にさせられます。
「スチーブンソンロケット」は、とてもスコアリングが分かりにくいゲームで難しいですが、独特で不思議な魅力があり、テーマもわかりやすく、僕の仲間内では受けがいいゲームです。
なにより、鉄道会社の鉄道敷設と株式のやりとりをたっぷりと楽しめるテーマのゲームをこれだけの短時間で遊べるようにデザインしているセンスが素晴らしいです。
トムさんはケルト基本ボードで圧勝したのに評価4ですか。ケルト基本ボードはやっぱり今一つな感じのようですね。
タカハシ
『バルーンカップ』は私の中ではかなり名作です。『ローゼンケーニッヒ』よりもはるかに面白いと思います。
『キングダム』は人に譲ってしまってかなりプレイ機会に恵まれていないのですが、その友人のゲーム棚を見る度に遊びたくなります(笑)。
私の場合、テーマから『市場のお店』ではなく『キングダム』を選んだ口ですね。
『ロンドン~』は遊べていないんですよね~。周りに購入予定の人も見当たらないですし、自分で買うしかないのかなぁ~><
けがわ
>マクベスさん
ローゼンケーニッヒは最大のエリアを取らずに勝ったことは1度しかありません(以下のレポートの時だけです。オリジナルのテキサスですが)。
http://www.gamers-jp.com/playgame/archives/000877.html#texas
バランス的にはエリアの自乗でなく、三角数1、3、6、10・・・(つまりエリアをnとするとn(n+1)/2)にすればちょうど良かったのではと思いますね。
「強面タイル」とは良いネーミングです。たしかに怖い顔タイルだとストレートすぎたかも。センスがなくて済みません。和訳だとどういう名前なのでしょうかね。
「ロンドン掠奪事件」をドイツアマゾンからということは、缶入りのペガサス版ですね。カードの質はこれが一番良いです。ケースも洒落ているし。乗車券に比べたら地味かもしれませんが、ゲームとしての完成度は高いと思います。
「自由都市」はクニツィアにしては特殊能力をフルに使ってます。といっても各建物だけの計7つなので、近年のゲームに比べたら控えめですね。思いの他自由度が高く色々な手が打てます。おすすめです。話は変わりますが、「コンテナ」「自由都市」と続くヴァレーゲームズのモダンラインシリーズの第3弾「スーパーノバ」のプレイを見る機会がありましたが、全2作とは異なるかなり冗長なゲームのようです。このシリーズには期待していただけにちょっと残念です。
「パラッツォ」はクニツィアの競りゲームの中では一番クニツィアらしくない感じはします。「ケルト」の拡張ボードは面白いですよ。基本も悪く無いですが。
>じろうさん
自分は、ほのぼのとした「市場のお店」の方が好きですが、コンパクトなので「キングダム」も重宝しています。
「スチーブンソンズロケット」は確かに分かりずらくて損をしている部分がありますね。株はアクワイアのように、駅は新しい町に到達するたびに、というのだけでも混乱します。拒否のシステムなどは非常に面白いですよね。一時間強で終わるのも良いです。
「ケルト」は拡張ボード入りの方がやはり面白いですね。ロストシティ的なジレンマを多人数で楽しみたいなら「ケルトカード」の方がおすすめです。捨て札が多くなるようにできているのが秀逸です。
>タカハシさん
おお、タカハシさんはバルーンカップ派でしたか。今までの評価は6だったのですが、7に上げました。また変わるかもしれませんが。
「キングダム」は手放してしまったのですね。まあかなり出回っているので、その気があれば再購入をするのも容易だと思いますよ。ファンタジー系が好きならキングダムでしょうね。
「ロンドン掠奪事件」は日本だったらグリフォンの廉価版(アジア版)も出回っていますね。クニツィアの乗車券風ゲーム(カードドラフトとメルドの部分ですが)で、乗車券よりも他人との絡みがあるので好きです。まあ興味があったら遊んでみて下さい。