ジャックの自宅のゲーム会に誘われました。TGCというゲームグループのゲーム会ですが、独立記念日前夜の土曜日とあって、人があまり集まらず最大で5人でした。
グラディエーター Kampf der Gladiatoren
(説明 10分 プレイ時間 1時間20分)
2002年製で、クニツィアがハンスイムグリュックから出した大箱ゲームです。この組み合わせは1992年のモダンアートに始まり、市場のお店、クオヴァディス、チグリスユーフラテス、サムライとクニツィアの90年代の黄金時代を思わせるゲームがずらりと続きます。丁度このグラディエーターからハンスの大箱はひとまわり小さくなったのである意味で転換期だったのかもしれません。これ以降はアメンラー、バベルの塔が出ただけです。グラディエーター登場当時は、比較的軽いダイスゲームという内容に失望を感じたプレイヤーも多かったようです。しかし今、改めてみるとしっかりと作られたダイスゲームだということが分かります。
グラディエーターはクニツィアのダイスフェスト(サイコロを振り合って敵を倒していくゲーム)の元祖で、同系統のパイレーツやリスクエクスプレスと比べてると一番ゲーマーズゲームっぽいダイスゲームだと思います。敵となるのは他のプレイヤーの剣闘士(グラディエーター)と放たれた猛獣たちです。プレイヤーは枠を3-4つ持ち、それぞれの枠には4人の剣闘士を乗せます。剣闘士は、剣士、槍使い、網使い、盾使い、刺又(さすまた)使いの5種類。そのうちメインとなるのが剣士で、この数によって振れるダイスの数が決まるのです。
ゲームはまず、剣闘士をドラフトして枠に乗せるところから始まります。様々なまず、剣闘士の組み合わせを楽しめるのがゲームの魅力の一つだと言えます。全員が枠に4人ずつ乗せたらいよいよ戦闘開始です。
手番には自分の枠の隣にいるプレイヤーや猛獣をダイスを振って攻撃します。6つ付いている6面ダイスは星が各面に2、1、1、0、0、0個描かれてます。星1つは黄色で、星2つは赤で描かれいます。黄色の星は盾使いが無効にできるため色で区別してあるのです。ここでそれぞれの剣闘士の特殊能力が発揮されます。細かい手順は以下の通りです。
1.先手の決定:槍使いが多い方が先手となる(同数の場合は手番プレイヤーが先手)。
2.網使い:持っている網使いの数だけ相手の剣闘士をこのラウンド無効にする。まず先手が、次に後手が行う。先手に網使いを無効にされたら、後手は当然その網使いは使えない。
3.攻撃:剣士の数プラス1個のダイスを振って相手を攻撃する。刺又使いが後手より多ければ振り直すことができるが、そのときは全て振って、新たな結果に従わなければならない。相手は盾使い1人につき黄色の星(1の目)を1つ無効にする。合計と同じだけの星を相手のマスに置き、相手は星2つにつき任意の剣闘士を1つ取り除いて先手に得点として渡さなければならない。攻撃は先手が1回、次に後手が1回行う。先手の攻撃により後手の剣闘士がすべてなくなれば当然後手の攻撃はなく終わる。
猛獣への攻撃も基本的には同じですが網使いは役立たずとなります。こうして毎手番戦いを繰り返します。隣に敵がいなくなったり自分の剣闘士が3以下になると枠を動かして戦い続けることができます。自分の剣闘士がすべて死んでしまったら、こんどは猛獣を使って他のプレイヤーの剣闘士に戦いを挑むことができます。負け抜けの脱落がなく、ゲームを最後まで続けることができる配慮は素晴らしいと思いますし、最初に全滅したプレイヤーが勝つことも結構あります。なぜなら点数は得た剣闘士と猛獣の数で決まるからです。ただし、剣闘士は1点、猛獣は2点なので、全滅すると猛獣とは戦えなくなることから点数をそこから伸ばすのは難しくなります。1人以外が全滅するか、猛獣をすべて倒したらゲーム終了で、最後まで残っていたプレイヤーは自分の剣闘士を得点にできます。
TGCは伝統的にダイスフェストが好きなので、久し振りに持ち込んでみました。ルールはすっかり忘れていましたが、なんとか解読して開始。思いのほか4人の剣闘士の組み合わせによる妙が面白く、うまくできているなあと感心。ダイスも当たりである星は半分の面にしかなく、自分が倒しかけた敵を次のプレイヤーに取られてしまうなど、インターアクションも十分あります。クニツィアのリスクといえばリスクエクスプレスですが、グラディエーターはよりリスクらしいゲームです。5人でのフルプレイだったので最初は猛獣は2匹。猛獣をどんどん倒した方が得点になると気づいたのは後半でした。また忘れないうちに遊びたいです。
これを機に他のレポートなどを読むと、刺又使いのルールなど間違えてプレイされていることが多いようです。また星はその戦車に置くのであり、特定の剣闘士に置くのではありません。星が2つになって初めて攻撃された側はどの剣闘士が死ぬのかを決めることができるのです。
結果:イアン 15、イヴ 14、ジャック 14、自分 14、ジャスティーン 13
ごいた Goita
(プレイ時間 25分)
ジャックのリクエストで持って来た「ごいた」。DCゲーマーズでは人気がないのですが、ウォルドーフやカジュアルゲーマーの友人らは、みな凄く面白いと言います。ジャックと自分が経験者なので別のチームになります。ジャックは手製で、ごいたカードを作るくらいこのゲームが好きで、よくリクエストされます。
DCゲーマーズではごいたよりティチュ。ティチュの面白さが分からない自分にはごいたの方が数段鋭くてユニークで面白いと思うのですがねえ。ゲームマーケットで新版を買う予定だったのが気が付いたら忘れていたのが悔やまれます。売り切れないうちに買わなければ。
結果:イヴ&自分 160、イアン&ジャック 100
ホースフェア カードゲーム Horse Fair Card Game
(プレイ時間 30分)
トレンディーやクレイジーダービーのリメイクで、テーマは競馬になっています。トレンディーとの違いは馬のフィギュアを使ったボーナス得点があること、得点方法が2通りあること、そしてパートナーシップのルールがあることです。カードは馬の写真になっており、スーパーモデルはセカンドルック、アウトはサムスダウンと名前が異なりますが役割は同じです。nの数字カードのn枚目を出して決算を発生させたプレイヤーは馬のフィギュアを1つもらえます。これは1点のボーナス点で4つ集めるとサドンデスで勝ちとなるのです(数ディールプレイする場合には4つ集めたら、そのディールは終了となる)。このボーナス点のルールが意外と面白く、決算させないようにと結構色々な種類の数字カードが出る傾向になるので良いルールだと思います。
得点方法は基本ルールでは1枚1点、上級ルールではトレンディーと同じに数値が得点となります。パートナーシップは4人または6人で行い、基本ルールの得点が推奨されているのですが、まだ試してないのでわかりません。
イヴは「モダンアートカードゲームみたいだね」と言っていましたが、トレンディーの方が先でそれを発展させたのがモダンアートカードゲームなのだと思うよ、というと納得していました。このエディションはあまり普及していないみたいですが、フィギュアも可愛いし良いと思います。
結果:自分 125、イヴ 115、ジャック 111、ジャスティーン 104
エスカレーション Escalation!
(プレイ時間 各25-30分)
エスカレーションはZ-MANから出版されたカウントアップ系のカードゲームです。目的はカードをなるべく取らないようにすること。ちょっと日本のトランプゲームの大富豪(大貧民)に似たルールの中毒性のあるゲームです。2010年にピアトニクから「魔術師たちの戦い」としてテーマを変えてリメイクされました。もとのZ-MAN版の「エスカレーション」はアメリカの郊外戦争(サバービアウォー)をテーマにしたちょっとブラックな感じで、絵柄も近所にどうやって仕返しをするかが描かれています。数値1では生地を引き延ばす棒が武器ですが、それがどんどんエスカレートしていき、2では水鉄砲、5では防犯用の目つぶし、10ではミサイルを付けた猫、そして最大数値13では核のキノコ雲になってます。ピアトニクからのドイツ版「魔術師たちの戦い」はこれに比べるとかなりまともで、ほのぼのとした魔術師の絵が描かれています。これら2つのゲームのルールは同じですが「魔術師たちの戦い」では、何故かワイルドの枚数が1枚少なくなっています。
デッキは合計56枚(「魔術師たちの戦い」では55枚)。1-13の数値カードがちょっと変則的な構成で入っています。その他には、1-7のどの数値にもなるワイルドと△のマークの近所監視カードという2つの特殊カードが2-3枚ずつ含まれています。構成は以下の通り。
1:1枚
2:5枚
3-6:各6枚
7:5枚
8:4枚
9-10:各3枚
11-13:各2枚
ワイルド:3枚(魔術師たちの戦いでは2枚)
近所監視:2枚(魔術師たちの戦いでは「クリスタルカード」)
手札は6枚。手番には直前のプレイヤーの数値合計を越えるようにカードを出すか、出さずに(或は出せずに)それまでにプレイされたカードを引き取るかのどちらかです。引き取ったカードは裏向きにして自分の前に重ねて置き、これが終了時に1枚1点のペナルティとなるのです。引き取ったプレイヤーが好きなカードを手札から出して次のラウンドを始めます。常に出した枚数だけ補充するので手札は6枚。山札が無くなり、そして誰かの手札が無くなると終了。このとき手元に残ったカードも1枚1点のペナルティになってしまいます。
面白いのが、同じ数字だったら何枚も出すことができ、枚数と数字の積が数値合計になることです。13が1枚より7が2枚や5が3枚のほうが強いのです。1-7のワイルドは複数枚出す時にとても便利です。近所監視はどのカードの上にも出せるパスカード。数値は変わりませんが、危機を救ってくれる有効なカードです。
これだけのルールですがスピーディーでとても緊張感があります。難しいのはまだ場の枚数が少ない時に引き取るかどうかの決断です。理論上の数値合計は42が最高値、そして36、35、32、30、28、26・・・という順番ですが、現実的には20以上だと大体誰かがパスをします。誰か一人でもパスをすれば良いのでそれほど高い数値合計を狙う必要はありません。3人だとその辺りの読みが大切で、なかなか緊張したゲームとなります。
今回は4人プレイなので以前遊んだときの3人とは勝手が少し違います。ペアになるように温存したり、思い切って高い数値合計を出したりとなかなか考えます。考えても仕方が無いのかもしれませんが、それでも考えてしまうのです。他のプレイヤーに言わせると「グレートダルムチ(大富豪に似たゲームでカード構成はピラミッドゲームと同じようにnがn枚)」の方が最初から全ての手札が見えているので作戦が立てられて面白いとのこと。自分は大富豪は子供の頃やり過ぎて、戦略も単純すぎると考えているので、エスカレーションの方が数段面白いと思ったのですが、これは単に慣れているかいないかの違いなだけかもしれません。あと自分の左隣(直後)のプレイヤーに対してしか攻撃できないのも不満だという意見がありました。手軽で良いゲームだと思います。2ゲーム目でコツをつかんで勝利。色々な人数で試してみたいですね。
結果
1ゲーム目:ジャック 28、イヴ 30、自分 45、ジャスティーン 103
2ゲーム目:自分 18、ジャスティーン 56、ジャック 60、イヴ 71
フィット Fits
(プレイ時間 各15-20分)
最後にジャックと2人でフィットを3ゲーム遊びました。ソリテアなのですが、夜も遅いのでこの位がちょうど良いです。一応31点のマスタービルダーを目標にしているのですが、まだ一度も達成したことがありません。31点取る為には各ラウンドで8点取らなければならないのでかなり厳しいです。そろそろエクスパンションをギークからプリントアウトしようかなあと思っています。
結果
1ゲーム目:自分 25、ジャック 16
2ゲーム目:ジャック 23、自分 22
3ゲーム目:自分 15、ジャック 13
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