秋葉原水曜日の会 2010.05.19

1年半振りの東京。どうしても休日は個人的な用事があるので水曜の会は貴重なゲームの時間です。2週間の滞在中に水曜の会に2回、さらに帰国の目的の3分の1であるゲームマーケットに前日イベントも含めて参加しました。順次レポートを書いていこうと思っています。まずは5月19日の水曜の会。あらかじめビートさんから一緒に遊ぼうと誘われていたチグリスユーフラテスの他、トレシャムのアブストラクトである「古代王国のゲーム」、草場さん考案のタロットゲームの「ロタロット」、そしてクニツィア版ライアーズダイスとでも呼ぶべき「サギ師」など、初プレイのゲームも沢山遊べて大満足。



ヤバラス Yavalath
(プレイ時間 各10分)
Yavalath-3-player.jpgまずは持参したヤバラスの3人プレイ。ヘックスボード上で繰り広げられる、3目を作ってはいけない4目並べで、去年かなりやり込んだゲームです。完全情報のアブストラクトなので、2人が基本だと思いますが、3人でも遊べるように3色のコマが付いてきます。3人のときは、もし次のプレイヤーが勝ってしまう時には必ず防御しなくてはならないというルールがあります。つまり直前のプレイヤー(上家)が勝ちそうでもそれを止めるのを次のプレイヤー(下家)に任せることができるのです。防御したら3目をつくってしまって脱落ということがよくあります。ヴァイスさん、きんどーさん、疾風さんとメンバーを替えて3ゲーム遊びました。3ゲーム目はボードが埋まってしまい勝者が決定しませんでした。でも一般的にどういう展開になるのかはまだ未知数といったところ。

1戦目:きんどー、(ヴァイス、けがわ)
2戦目:自分、(ヴァイス、疾風)
3戦目:勝者無し



古代王国のゲーム The Game of Ancient Kingdoms
(プレイ時間 65分)
TheGameOfAncientKingdomBox-Vice.jpgフランシス・トレシャム作、ハートランドから1975年出版の多人数アブストラクトゲーム。見た目も気になって、かなり昔から探していたのですが、DCゲーマーズの元メンバーから手に入れることができました。箱を開けてみてビックリ。何とは箱の裏にはシドサクソンの所有物であったサインとスタンプがあります。おそらくシドサクソンの死後、行われた大規模なゲームオークションで競り落とされたものがまわりまわって自分のところに来たのでしょう。(箱の写真提供:ヴァイスさん)

各自18枚のプラスチック製の六角形のタイルを持ちます。タイルは王が1枚、戦士が1枚のほかは無地の普通のタイルが16枚です。場に並べられ自分のタイルのつながりがエリアで王タイルが入ったエリアは王国となります。順番に1枚、2枚、3枚・・・と直前のプレイヤーより1枚多くタイルを配置し、全員がすべてのタイルを並べ終わったらゲーム開始。このとき自分のエリアは最大5までです。

TheGameOfAncientKnigdom.jpg目的は自分のタイル18枚をすべて繋げて王国を完成させることです。手番では直線上にある任意のタイル2枚を交換します。ただし相手の王国にあるタイルは自分の王でなければ交換できません。よって王は防御としての働きを持ちます。この相手の王国を崩す交換は2度目以降はペナルティがつき、他のプレイヤーはそれぞれ自分のタイルを1枚除去できます。戦士タイルは交換の代わりに移動ができ、また自分の他のタイルを戦士タイルの隣に移動することもできます。この移動がなかなかくせ者で、全体図の形を変えてしまいます。こうして誰かが自分のタイルをすべて繋げると勝利です。

今回は王国を崩す時のペナルティのルールを見落としていたのでゲームが収束せずに長引いてしまいました。でもシンプルで面白いこともあって、翌週3人で再戦です。

結果:シロアリ、(けがわ、ヴァイス、疾風)



チグリスユーフラテス Euphrat & Tigris
(プレイ時間 70分)
ET-Vice.jpgビートさん持ち込みで新版のペガサス版です。ビートさん、いわたまさんは初プレイとのこと。説明にもそれほど時間はかからずにスムースにスタートしました。黒関係のモニュメントが3つすべて建つという展開で、それ以外の色をどう取っていくかに焦点が置かれたようです。ヴァイスさんが順当に要所を押さえての勝利。あと1ラウンド廻っていれば自分に有利な戦争ができたのに、というタイミングで終わってしまいました。もう1ゲーム続けて遊びたいと思ったのですが、それは叶わず。今度は財宝が14ある新しいボードで遊びましょう。(写真提供:ヴァイスさん)

結果:ヴァイス 8-9-10-15、けがわ 7-7-8-13、いわたま 5-8-11-13、ビート 4-4-5-7



ここで再び草場さんとヤバラスを遊びました。かなり気に入って頂けたみたいです。これがきっかけで、翌週の水曜日の会やゲームマーケットでアブストラクトの王者ナグナツさんと色々なアブストラクトを遊ぶことになりました。

結果:けがわ、(草場)



ロタロット Lo Tarot
Lotarot.jpg草場さん考案のタロットを使った4人用ゲーム。なかよし村の1000回を記念して作られたゲーム用のタロットは自分も持っていますが、まだ遊ぶ機会がありません。タロットを使ったゲームは、以前ハンガリアンタロックを少しかじったくらいで、すっかり忘れていました。このロタロットは「ロングタロット」の略から来た名前で、枚数を減らした「ナタロット(なかよし村タロット)」に対して78枚使うという意味だそうです(草場さん談)。タロットでは普通のトランプよりランクが一つ多くCがQとJの間にあり4スートで56枚。さらに切り札スートが0から21まで22枚あるので計78枚になるのです。各札に点数があり、合計110点のうち半分の55.5点を取るのが目的です。デクレアラー1人対他の3人となるので、かなりよいカードでないとビッドは難しいです。6枚のウィドウ(うち5枚は公開)のうちどれだけ使ってデクレアラーになるかがビッドとなります。

プレイ自体はマストフォローでマストトランプ(マストラフ)、つまりフォローできなかったら切り札で切らなければならないのです。そのほか捕獲のルールや最終トリックを特定の切り札で勝つルールなどもあり、なかなか楽しめます。規定通り4ディールプレイして草場さんの圧勝。

結果:草場 143、ヴァイス 41、ニッパー -47、自分 -137



サギ師 Hochstapler
(プレイ時間 各10-15分)
Sagishi.jpgクニツィアの去年の作品。ギークでは英訳がまだ上がっていないため、プレイ機会に恵まれなかったのですが、漸く遊ぶことができました。カードで遊ぶライアーズダイス(ブラフ)でなかなか良くできています。

プレイヤーは7種類のカテゴリー(宝石、クルマなど)のカードを1枚ずつ、合計7枚持ちます。自分の手札と、捨てられた札、さらに他のプレイヤーのビッドの仕方などから、あるカテゴリーのカードの数値合計が最低でいくつになるのかをビッドしていきます。手番では以前よりより高いビッドをするか、ダウトをかけるかの2択。ビッドをした場合はカードを1枚、山札と交換できます。面白いのは、ビッドではカテゴリーを変えられること。これでかなりいろいろな展開があります。

最初は相場が分からず、負けてしまいましたが、2回目は順調に同着1位。脱落が無いのでライアーズダイスより良いかもしれません。ダイスを振る楽しみはありませんが、こういうアレンジの仕方も悪くないですね。

1戦目:草場 0、りゅうしん -1、アル -1、ぎゃ猿 -1、自分 -4
2戦目:ぎゃ猿 0、自分 0、草場 -1、りゅうしん -2、アル -4



ピッグテイル Pig Tail
PigTail.jpgこの日の最後はトランプでできる簡単なゲームピッグテイル。2年ほど前に草場さんに教えてもらったゲームです。まずカードを豚のしっぽのように扇形に広げ、これが山札となります。確率的には同じなのですが、山札のどこからでもめくれるという遊びが入っているわけです。手番ではこの山札のどこからでも1枚めくるか手札から1枚出すかです。場は赤黒のカードが交互に出されなくてはならず、また同じ数字は続けておけません。もし同じ色か数字を出してしまったら、それまでの場札をすべて引き取って手札とします。次のプレイヤーは任意の札を(めくって、又は手札から出して)最初の場札とします。山札が無くなったときに手札の枚数が点数となり、最も点数の低いプレイヤーの勝ちとなります。

これだけではただの運のテームに思えますが、これがなかなか奥深い。最初はわざと取って手札を増やした方が有利なのです。山札が終わるタイミングで手札を最低限にすれば良いのですから。このゲーム、プレイヤー数が偶数(4人や6人)でないとうまく機能しません。偶数だと誰も取らない間はずっとどちらか一色を出すことになるのでより戦略的になるのです。1戦目は順当に勝ちましたが、2戦目は終盤に大量にカードを取らされてしまいました。

1戦目:自分 4、ぎゃ猿 9、タナカマ 10、アル 13、草場 15、りゅうしん 28
2戦目:ぎゃ猿 4、タナカマ 6、アル 7、草場 8、りゅうしん 14、自分 40



このあとは近くのレストランでストーンRさんやタナカマさんなどと色々話すことができました。エッセン以来でなんだか同窓会みたいで楽しかったです。次回は5月26日の水曜日の会のレポートです。

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