DCは大雪。そんな中を隣のバージニア州アーリントンのトムの家でDCゲーマーズです。外は雪なのでゲーム日和なのかもしれません。地下鉄は大混乱で、地上区間はすべて運休中とのこと。でもこれを信用してはいけません。目的地のクリスタルシティまではブルーとイエローの2経路あり、どちらも地上区間があるのですが、ポトマック川の橋を渡るイエローラインはまだなんとか走ってました。クリスタルシティの駅に着くと、ショーンが迎えにきてくれました。珍しく地下街があるので、ダンキンドーナツでコーヒーを購入。駅から隠れた地下道でトムのアパートまで繋がっています。大雪の時にこれは大助かりです。
ヤバラス Yavalath
エッセンで購入したネスターゲームズの1つ。エッセンで買ったゲームのうち最大の収穫はこのゲームです。ルールは単純。1辺5マス、計61マスのヘックスボード(ギプフよりひと周り大きい)に交互にコマを置き4連以上を作れば勝ちなのですが、3連を作ると即負けになります。つまり必ず飛び3連を作ってから4連を作ることになります。勝つ為には相手が3連を作らないと自分の4連をブロックできない状態にするか、または飛び3連を同時に2つ作るのです。自分が置いたコマが必ずしもプラスにならないというのが面白く、シンプルながらも非常にうまく機能しているルールです。作者のキャメロンブラウンはコンピュータープログラム LUDI を使ってこのルールにたどり着いたそうです。
トムの家に到着した時にはおいおいそれはオレの魚だぜが既にプレイ中だったので空いていたショーンを誘って2ゲームプレイ。ショーンも僕も何度もプレイしており、大分慣れてきました。パッケージもボードもコンパクトだし、アブストラクト好きにはおすすめです。
結果:自分(2勝)
ハンザ テウトニカ Hansa Teutonica
(説明 25分 プレイ時間 70分)
ボード上に点在する街(ギルド)が街道で繋がっています。これらの街道に自分のコマを配置して都市間を独占し、得点を稼いでいくゲームです。手番は開始時は2アクションで、可能なアクションはコマの補充、配置、他人のコマを除去、移動、街道の支配、の5種類です。
都市間の街道は2マスから4マスあり、それがすべて自分のコマで埋まると、街道の支配のアクションを選ぶことが出来ます。これは
1:両端の都市のどちらかの支配権を得る
2:その都市が与える能力を1段階進める
のどちらかで、その後自分のコマは取り除きます。よって同じ街道は何度も何度も様々なプレイヤーによって支配されるのです。
都市の支配権を得ると、その都市に繋がっている街道が誰か(自分でも良い)に支配されるたびに1点を得ます。ゲーム中の得点源はほぼこれが唯一なので、小さいながらも重要です。
能力は5種類あり、各プレイヤーの能力チャートのコマを取り除くことによって進歩を表します。取り除いたコマはすぐに自分のコマになります。5種類の能力は、手番アクション数(2-5)、コマの移動数(2-5)、コマの補充数(5-無制限)、都市支配権の拡大(色別に4段階)、最終決算の基本点(1-4)です。この能力チャートがちょっとゴアに似ていると思いました。
手番では基本的には1アクションでコマの配置が1つなので、3アクションまで手番アクション数を増やせば3マスの都市間街道を一気に独占できます。他のコマを除去させるには自分のコマを余計に捨てなければならない上、相手は除去されたコマに加えてもうひとつを隣の街道に置くことが出来るので、除去はあまり起こりません。
このゲームは、あらかじめ打ち合わせのメールで5人用のお勧めゲームとしてトムが言及していたものの一つ。運の要素が無いマルチプレイヤーゲームですが、これは近年の流行で、ロンデルシステムのものなどを中心に結構な数があります。運の要素が無いとなると結局ゲームシステムを非常に複雑にするわけですが、このゲームは思ったよりもプレイアビリティは良かったです。
悪くはないのですが、今ひとつプレイヤー間の絡みが無いかもしれません。ちょっと淡々としていて、よく言えばさくさく進むゲームです。他人の街道を邪魔して、除去されようと色々なところに配置したのですが、除去アクションは抑止力であまり使われず、移動アクションに自分のアクションをかなり浪費してしまいました。誰かが20点を越えたら最終決算(支配都市の繋がり具合など)をして終了で、今回はショーンが引き金を引きました。最下位の14点。得点バランスが分かったのでもう一度続けてやろうよ、と提案したのですが受けいられず。次にプレイするのは大分先になりそうです。
結果:ショーン 45、トム 37、リシ 28、ベッカ 26、自分 14
ディクシット Dixit
(プレイ時間 40分)
非常に綺麗な絵柄のカードから1枚選んで見せずに説明します。説明は「雪」「ああ、もっとお金があれば」「ララララ~♪」のように単語でもフレーズでも歌でも、またジェスチャーでも構いません。他のプレイヤーはそれに合うと思われるカードを選び、見せずに手番プレイヤーのカードとよく混ぜます。これらを表向きに並べたあと、同時アクションでどのカードが手番プレイヤーのカードを他の全員が当てるのです。当てても当てられても3点。手番でないのに自分のカードが選ばれたら1点です。ただし誰も手番プレイヤーのカードを選ばなかったり、全員が選ぶと手番以外のプレイヤーに得点が入ります。
数ヶ月前に一度遊んだことがあり、今回が2回目です。ベネチアの仮面舞踊会のようにさりげない説明をするのが大切ですが、何人に当てられても3点というのはどうなのでしょうか。当ててくれた人数が点数になるなどの方が良いかもしれません。カード運も大きく、たまたま手番プレイヤーの説明内容と似たカードがあれば儲け物。まあこのあたりは運ですね。
途中リシが手番中に説明として歌を歌いだし、僕以外は全員その歌を知っていたのですが、僕は意味が分からずに困りました。ショーンがヒントをくれたのですが、そのヒントはショーンの出したカードの内容で、まんまと誘導されてしまいました。まあ、そんな途中経過がありましたが、終盤で手番の説明と似たカードが来てかなりラッキーに得点を重ねることが出来、初勝利。
結果:自分 24、ショーン 23、ベッカ 22、トム 22、リシ 21
ミュー Mü (4 in 1より)
(説明と練習 25分 プレイ時間 65分)
ミューは以前一度だけ数ディール遊んだトリックテイク。リシが「5人いるんだしやってみないか?」ということでエントリーです。トムが持っているのは Mü & Lots More で、4 in 1 の英語版です。以前の英語版が Mü & More (ドイツ語版はミュー&メア Mü & Mehr)だったのでそれよりもさらに多くのゲーム、というわけですが、もとのミュー&メアに入っていたミュー以外のゲームは割愛されているようです。ちなみに、他の3つはニエット、ヴァスシュテッヒ、ウィリーが入っているそうです。僕が 4 in 1 を作るとしたら、ハットトリック、ダビデとゴリアテ、落水邸物語、綱渡りあたりは入れたいところです。
さて、ミューはトリックテイクの最高峰とも時々呼ばれる名作。マストフォローのトリックテイクで5人がベストだと言われています。「チーフ&パートナー」と「ヴァイス&その他」の2チームに分かれて戦います。ポイントトリックテイクなので、トリック数ではなくトリックで取ったカードの点数の合計を競います。カードは12枚(0ー9で1と7が2枚ずつ)が5スートの60枚。得点はカードによって0-2点で合計60点なので、平均すると1枚1点。ちなみに6と7が2点、1と9が0点、他は1点です。
このゲームの最大の魅力はラウンド前のビッドにあります。このビッドで、2チームのボスに当たるチーフとヴァイス、それにチーフが目標とするカードポイント、さらにチーフとヴァイスによる切り札の決定が行われるので非常に需要です。
ビッドは時計回りで手札のカードをさらすことで行います。さらした枚数がビッドとなり、これまでのビッドの最高値プラス1を越えてはいけません。ただし自分が最高値の場合(これはビッド開始のスタートプレーヤーの場合も含む)には1枚だけ足すことが出来ます。パスはソフトパス。つまりパスしてもまたビッドに参加できます。これを全員が連続してパスするまで行います。最も高いビッドをしたプレイヤーがチーフ、2番目に高いビッドをしたプレイヤーがヴァイスとなります。チーフはさらしたカードの枚数が多いほど目標のカードポイントも高くなり、ハイリスクハイリターンになるので、自分の手がどのくらい強いのかを考える必要があります。
ビッドが終わると、まずヴァイスが切り札を指定し、次にチーフがヴァイスとは違う切り札、そしてパートナーを指定します。切り札は、スート、又は数値(ランク)で、必ず自分がビッドでさらしたカードのスートか数値を選ばなくてはなりません。ヴァイスとチーフが選んだ切り札は合わせて一つの切り札スートとみなされ、チーフの選んだ切り札が常にヴァイスの選んだ切り札よりも強くなります。例えば、ヴァイスが「緑」、チーフが「6」を選ぶと6と緑はすべて切り札スートとなり、緑の6は最高の切り札、そして他の6(先出し勝ち)、そのあとに緑という順番になるのです。チーフとヴァイスが共に数値やスートを選ぶこともあり、切り札は最低10枚から最高で24枚(デッキの40%)となります。
チーフはヴァイス以外からパートナーを選びます。この時に選ばれる為に、ビッドでチーフに有利なカード(切り札やハイカード)をさらすのも大事です。ただし、2番目に強いビッドだとヴァイスになってしまうのでパートナーになりたければ3番目以下になるように、かつ重要と思われるカードをさらすことになります。ここでミュー特有のビッドシステムが生きてくるのです。もちろん2番目になりヴァイスとなってチーフと敵対するのも時には大切です。
リシの定番ゲームで、彼の説明を聞いたあとに最初に試しで1ディールプレイ。もう1年以上前に遊んだっきりなのですっかり忘れてました。その後一応規定の200点を目指して本番です。1ディール目で手札に1が5枚(1は10枚あるのでその半分)あったので1を切り札にしてチーフになろうと思いましたが、さらしたのが赤3枚だったので、ショーンはパートナーになるべく赤をビッドしてきます。チーフになった時に切り札は赤を指定すれば良かったのですが、初志貫徹で1を指定したのが大失敗で大敗。このあとは慎重にパートナーやバイスになり、時間切れで終了した時にはトップになっていました。これは面白い。
ポイントトリックで数字もスートも切り札になるなどスカートやドッペルコプフを連想させるところがあります。トリックテイク好きなら一度は試して欲しいゲームですね。和製ナポレオンでは飽き足りなくなった方、どうでしょうか?
結果:自分 174、リシ 140、トム 105、ベッカ 91、ショーン 55
ウェンズリーデイルへの最終列車 The Last Train to Wensleydale
(説明 20分 プレイ時間 1時間45分)
ワレスの新作です。彼の作品らしく鉄道がテーマで、イギリスのウェンズリーデイルで、鉄道を敷いて乗客や生産物を運ぶゲームです。運んだ物はすべて1点ですが、4種類(2種の乗客と2種の生産物)のセットごとに2点追加となるので、なるべく4種類をまんべんなく集めるようにします。各プレイヤーは、このウェンズリーデイルの小さな鉄道会社を受け持ち、既にある赤と緑のメジャーな鉄道会社の駅から自分の鉄道を分岐させていくのです。これまでの鉄道ゲームとの大きな違いは自分の鉄道の線路がマイナス点になるところ。これを回避するために、不要な路線は接続している赤か緑の鉄道会社に売却していきます。最終決算でも自分の鉄道はマイナスになります。
5ラウンドのゲームですが、各ラウンドは、競り、線路建設、列車購入、運搬、線路売却という細かいフェーズを重ねていく方式で、それぞれのフェーズで固有の手番順があり、手番のチャートだけで3種類もあります。
トムはもう6回もプレイしたとのことで、クリアに説明してくれました。普段はこういう込み入ったゲームの説明を聞くのは苦手なのですが、非常に分かり易かったです。僕は南東部から線路を敷いて、終始南東部を中心に路線を拡張、売却していきました。競りでは4種類の権利(農民除去、列車購入、2種類の会社への鉄道売却券)を競るのですが、線路建設と同じ通貨を使う為にそれほど高騰する訳でもなく、あまりタイトに感じられませんでした。線路建設は将来の売却まで考えなければならず、慎重なプランニングが必要です。売却した線路はもう自分の物ではないので、まず乗客や生産物を運搬してから売却するようにします。列車購入はドラフト方式ですが、やはりそれほどジレンマはありません。3つもある手番順もかなり煩雑な割には効果が低く、これは果たして必要だったのだろうか?と疑問に思いました。もっとも3人プレイだからで4人だったら競りも列車のドラフトももっと面白いのかもしれません。
気になったのはブリキの小径同様に終盤になればなるほど選択肢がほとんどなくなっていくところです。でもブリキの小径よりは面白かったです。ワレスの長時間ゲームではスチールドライバーが好きな方なのですが、これはその次くらいかもしれません。とにかく写真のように6セット獲得して勝利。
結果:自分 45、トム 34、ショーン 34
エクストラブラット Extrablatt
(説明 15分 プレイ時間 1時間20分)
モスキートから出ている古いゲームです。新聞の記事の割り振りという非常にユニークなテーマで、鬼才シュミールの新たな一面を見る気がします。システム的には各自紙面に見立てたボードを持ち、そこに色々な大きさの記事を配置していく変則タイル置きなのですが、6つある記事の分野ごとに最大エリアを競ったり、相手プレイヤーに売春婦の広告を押し付けて邪魔したり、相手の記事を無効にしたりなどなかなか楽しいゲームです。また、記事はあとになればなるほど出版間近のスクープということで高得点になります。
昔から遊んでみたかったゲームのひとつだったので、この機会にとリクエスト。記事の見出しがドイツ語なのですが、それでもそれほど支障無く遊べました。4人の方が面白いと言われていますが、今回の3人でも面白かったです。写真は最終的な自分の紙面。雰囲気も良いし、また是非遊んでみたいゲームの一つです。
結果:自分 610、トム 540、ショーン 360
夜の10時半にさよならをしてショーンとクリスタルシティの駅までいきますが、地上区間はイエローラインも含めて走ってないとのこと。タクシーを呼ぼうかと考えているとショーンは「DCまで歩いてそこから地下鉄に乗ろう」ととんでもないことを言います。結局、1時間半も歩いてDCのスミソニアン駅に到着。高速道路やポトマック川の橋を徒歩で歩いたのは初めてです。ショーンはさらに歩くというのですが僕は体力の限界でした。20分後に地下鉄に乗って帰宅。家に着いたのは1時半でした。
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