友人宅ゲーム会 2009.07.31

ショーンの家でブラスをプレイするという会に誘われました。総勢7人でブラスが2卓立っているのはなかなか圧巻でした。



歴史の糸車 Das Rad der Geschichte
(古代ローマの新しいゲーム Neue Spiele im Alten Rom より)

(プレイ時間 各10分弱)
WheelOfHistory.jpg5色各5枚(1-5)の計25枚とポーンを1つ使っただけのミニマリスティックなゲーム。プレイヤーは手番にポーンを時計回りに1、2、または3マス動かし、動かした先のカードを取って自分の前に表向きに置きます。ある色が全て取られると決算。その色のカードを持っているプレイヤーはカードの数値と同じだけ得点します。またある数字が全て取られるとマイナスの決算でゲーム終了。その数字を持っているプレイヤーはカードの数値と同じだけ失点するのです。

たったこれだけですが、ゲームを終わらせるには失点を被らなければならないので、終わらせるタイミングの難しいゲームです。7人揃うまでに5人で2回と6人で1回プレイ。本来は5人までなのですが、まあ6人でも機能します。でもおそらく3、4人くらいが適正だと思います。

結果:
1&2戦目:アンチュマン 10、ジェイソン 10、自分 8、ショーン 7。ジャック 0
3戦目:自分 10、ジャック 4、ショーン 4、アンチュマン 0、マイク 0、ジェイソン 0



ブラス Brass
(説明 50分 プレイ時間 3時間25分)
BrassatShawn%27s.jpg今日のテーマであるブラス。通算4回目のプレイですが、ルールをかなり忘れてました。ブラスはワレスのゲームの中では特殊カードも無くクリーンデザインだと思うのですが、かなり非直感的なシステムのように思えます。何をすれば勝利に近づくのかがなかなか分かりずらいのです。勝利点は使われた建物、運河/線路、そして現金ですが、どういうバランスになっているのかが未だに良く見えません。

建物を建てる制約がきつく、選択肢があるようであまりありません。特に後半は建物に石炭か鉄が必要になるので、それらが供給される場所でないと建てられません。まるでパズルを解いているみたいです。

後半は線路の為に石炭の需要が大きいにも関わらず、炭坑を建てるのは割に合わないので石炭が高騰します。このあたり、石炭のマーケットを4で止めずにせめて8くらいまでにすれば、石炭を建てる意味も出る(高額の現金収入があるから)し、もっとうまくこのシステムが働くと思うのですが、どうなのでしょうか?需要があるのに最高の買値は5、売値は4と上限あるのがまずいと思います。

前半終了時では最下位。後半では船を2つも建てたのですが、線路を殆ど敷かなかったためにショーンには追いつけませんでした。以前よりは楽しめたような気もします。プレイ時間がもう少し短ければ良いのになあ。

結果(前半終了時)
ジェイソン 36、ショーン 34、ドリアン 30、自分 27
最終結果
ショーン 132、自分 113、ジェイソン 112、ドリアン 111

他テーブルのブラスの結果
ジャック 173、アンチュマン 159、マイクB 122



ごいた Goita
(説明 5分 プレイ時間 40分)
goitaindex.jpg通算2回目。4人用のパートナーシップのゲームは意外とプレイ機会がありません。前回の反省をふまえてプレイアビリティをあげる為にインデックスステッカーを貼りました(写真参照)。King(王)、Rook(飛)、 Bishop(角)、 Gold(金)、Silver(銀)、Knight(馬)、Lance(香)、Pawn(し)というようにです。King を赤のステッカーに、Lance と Pawn を緑のステッカーに、それ以外をオレンジのステッカーにして、赤はオレンジを受けられるけど、緑は受けられない、というように説明しました。ジェイソンは中国系で多少日本語の知識があるらしく、「どうして歩じゃなくて『し』なのか?」と質問されたので、「『歩』って掘りたかったけど面倒だったから『し』にしたらしいよ」と答えました(合っているでしょうか?)。

このステッカーのおかげでプレイアビリティは格段に上がりました。アンチュマンはステッカーを貼る前に一度プレイしているのですが、前回と比べて分かり易くなったと言われました。ゲーム自体はまだ全員手探り状態と言ったほうが良いのですが、パートナーの手札を考えながら出す楽しみがあります。初めて「し」を5枚配られたのですが、どんなものかとリディールせずに黙ってプレイしてみました。でもこれは難しいですね。殆ど防げずに役立たずの手札だということが分かりました。ショーンがかなりコツをつかんだらしく、2倍点を獲得して勝利。

結果;ジェイソン&ショーン 160、アンチュマン&自分 110



チグリス ユーフラテス Euphrat & Tigris
(プレイ時間 1時間)
ETboxes.jpgクニツィアのタイル置きトリオロジーのひとつ。当時にしてはヘビーなゲーマーズゲームで、ハンスイムグリュックから1997年に出版。その後メイフェアから2回(微修正を含めると3回)、ペガサスから1回リメイクされています。メイフェアとペガサスからの最新版は両面マップで文明の建物という追加ルールがあります。よって play:game では別エントリーとなっています(ここ)。またペガサス版にはジッグラト Die Zikkuratという Spielbox からのミニ拡張の新モニュメントがありますが、メイフェア版の新版には既に含まれています。今回はオリジナルのハンスイムグリュク版のルールについて詳しく書きたいと思います。

チグリスとユーフラテスの二つの川が流れる11x16マスのボードがこのゲームの舞台です。プレイヤーは4色の勝利点をまんべんなく集めることが目標です。何故なら4色のなかで最も低いものが最終的な得点となるからです。この最小値最大化 max-min のシステムは「チグリスユーフラテス式得点方法」などと呼ばれ、ドラゴンズランド、頭脳絶好調などに利用されています。

プレイヤーは4色の勝利点に対応する4色のリーダーコマを持っています。またタイルも同様に4色です。これら4色は赤(宗教)、青(農耕)、緑(商業)、黒(市民)で、赤と青のタイル、それに緑と黒のリーダーには特別ルールがあります。

ETboards.jpgゲームが進むにつれて、リーダーとタイルがボードに置かれていきます。このリーダーとタイルが縦横(斜めはダメ)に繋がったひとまとまりが王国です。王国には各色最大1つまでのリーダーが置かれ、それは異なったプレイヤーのものでも構いません。すべてのリーダーは常に赤タイルと接していなければならず、隣接している赤タイルの数(1-4)がリーダーの内部戦闘力となります。また、それぞれの色について、王国にある全てのタイルの数が、該当するリーダーの外部戦闘力となるのです。これら2種類の戦闘力は、後述する2種類の戦争と密接に関わっています。

手番開始時には常に6枚のタイルを手札として持っており、プレイヤーは以下のアクションから自由に2アクションを行います。同じアクションを続けて行っても構いません。

1:リーダーを配置する/移動する/手元に戻す
2:手札のタイルを配置する
3:任意のタイルを捨てて同じ枚数だけ補充する。

タイルの配置によって、王国の拡張、モニュメントの建設、財宝の獲得、外部戦争などさまざまなことが起こります。タイルはどこに置いても良いのですが、青のタイルだけは河川上のマスにしか置けず、また河川上のマスには青のタイルしか置くことが出来ません。また各自2枚災害タイルを持っており、これを別のタイルの上に置くことによって王国を分断したり、リーダーに接する最後の赤タイルの上に置いてリーダーを追放したりできます。

得点は次の5通りの方法で得ることが出来ます。

王国の拡張:王国がタイルによって拡張されると、そのタイルと同色のリーダーが1点獲得。黒リーダーはその王国にないリーダーの代わりとなる。
財宝:2つ以上の財宝が王国にあるときには、アクション終了時に(外部戦争があったときはそれを処理した後に)緑リーダーが1つを残して全ての財宝を得る。
モニュメント:同色のリーダーは手番終了ごとに1点獲得。これは定期収入なので非常に強力。
内部戦争:赤1点を獲得
外部戦争:該当する色を1点以上獲得

このうち、最もオーソドックスなのは王国の拡張で黒リーダーの特殊能力が生きてきます。また財宝は通常の得点の3-4倍の価値があるので緑リーダーをうまく使って優先的に取りたいところです。でも何と言ってもこのゲームの最大の醍醐味はモニュメントの所有権を巡る内部戦争と外部戦争を軸としたダイナミックな展開です。

ETtiles.jpgモニュメントは、2色から成っており、全ての組み合わせが揃って合計6つあります。王国にあるモニュメントは対応する色のリーダーに定期収入(手番終了時に1点)をもたらすので非常に強力です。モニュメントの建設は、同じ色のタイル4枚を正方形の形に置くことによって行われます。それら4枚のタイルを裏返して、タイルの色と1色が一致するモニュメントを4枚のタイルの上に建設できるのです。注意しなければならないのはモニュメントによって裏返したタイルは外部戦闘力に数えないというところです。

戦争は内部戦争と外部戦争の2種類あり、この違いを理解するのがルール上の最大の難関だと思うので少々詳しく書いてみたいと思います。

内部戦争はリーダーを既に同色のリーダーがいる王国に配置することで起こります。内部戦闘力(隣接赤タイル)を比べ、負けたほうがリーダーを取り除きます。勝った方は赤の勝利点1点を得ます。勝利点自体は小さなものですが、モニュメントをコントロールしたり、その後の外部戦争での外部戦闘力の地盤を得るのに使います。

外部戦争はタイルを置いて2つの王国を繋げることで起こります。最大で4色4つの戦争が起こる可能性があり、手番プレイヤーが随時、次の戦争の色を決めていきます。該当する色のリーダーはお互いの外部戦闘力(王国にあるすべてのその色のタイル)を比べます。負けたほうがリーダーと王国にあるすべてのその色のタイルを取り除き、勝ったほうは取り除いた分(タイル数+1)の勝利点を得ます。取り除かれたタイルによっては起こるはずだった戦争が起こらないこともあるので戦争の順番は非常に大切です。なお、よく間違え易いルールとして、赤の外部戦争後の例外処理があります。負けても、その王国でリーダーに隣接する赤タイルと財宝がある赤タイルは取り除かれません。

ETscreen.jpg
内部戦争、外部戦争ともに手番プレイヤーが攻撃側、他のプレイヤーが防御側となります。(なお外部戦争で手番プレイヤーが関わっていない場合は時計回りに近いほうから攻撃側、防御側となります。)攻撃側から順番に手札のタイルを戦闘力として追加できるのですが、同数だと防御側の勝利なので攻撃側は先出しということもあって非常に不利です。

こうしてタイルが尽きて手札を6枚に出来なくなったときか、残りの財宝が2つになったときにゲームは終了します。とにかくゲーム終了時までにできるだけ平均的に集めていくということさえ理解していれば、初めてでも楽しめると思います。タイルの引きによる運のゲームと言われることもありますが、むしろその運命といかに戦っていくのかというゲームだと思います。

所感
1:自分だけの王国を築くのは一般的には得策ではないです。何故ならタイルを置く場所が限られてくるし、モニュメントも自力で作らなければならないからです。
2:モニュメント建設によって外部戦闘力が4減るということをうまく利用します。相手のモニュメントを完成させれば自分の色のタイルを減らすことなしに、モニュメントの2色目として自分の色が選べます。また隣接する王国の相手のモニュメントを完成させて外部戦闘力を低下させ、直後に外部戦争で乗っ取るというのは有効な作戦です。
3:財宝を簡単に取らせないように自分の緑リーダーで牽制するようにしましょう。
4:外部戦争の順番は非常に大切です。時には、不要な色の戦争にわざと負けることによって、相手の別の色の外部戦闘力を分断させたりすることができます。

ETHIG.jpgさて、今回使ったハンスイムグリュック版はメビウスで最初に買ったドイツボードゲームの一つということもあって、特別な思い入れがあります。とはいってもプレイしてくれる人が見つからず、本格的に遊び始めたのはここ数年のことですが。ケイラスの登場まではギークでも2位(1位はプエルトリコ)の地位を長いこと保ってきたこのゲーム。今は7位ですがこれからも長く遊ばれて欲しいと思います。

今回は全員経験者なので説明不要。早速ゲームに入ります。乗っ取られることを覚悟で割と早期にモニュメントを建てたのですが、うまい具合に戦争が起こってモニュメントを長いことコントロールできたのは幸いでした。何だか非常についていて、他プレイヤーが自分の都合の良いように王国を拡張してくれたり、戦争してくれたりするという非常に稀なゲームでした。戦争にも殆ど勝ってしまったし、こんなこともあるんですね。財宝は一つしか取れなかったものの大勝利。

結果:自分 9-9-10-12、ジェイソン 6-7-8-8、アンチュマン 4-4-6-8、ショーン 3-3-5-9



ペンギンパーティー Pingu-Party
(プレイ時間 30分)
ショーンの母親のタンディも交えての5人。彼女はゲームが結構好きらしく、ルールが簡単なものなら、ということなのでこのゲームを選びました。初めてきちんと5ディールプレイした気がします。自分のペンギンを犠牲にしても相手がより犠牲になるのならばそれは良い手なのです。面白い。

結果:自分 0、タンディ 1、ジェイソン 1、ショーン 4、アンチュマン 9



指輪物語 二つの塔カードゲーム Der Herr der Ringe: Die Zwei Türme das Kartenspiel
(プレイ時間 40分)
TwoTowersShawn%27s.jpg最後に5人で二つの塔。このゲームはテンポが早いので待ち時間も少なく、5人がベストの気もします。最初の方は順調に戦って5ランド終了時までは勝っていたと思うのですが、ちょっと欲張ってカードを使い過ぎで最終ラウンドでは最下位。すべてのラウンドで順調に点数を取ったショーンに1点差で負けました。悔しい!

結果:ショーン 19、自分 18、ジェイソン 17、アンチュマン 16、タンディ 14

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