自宅ゲーム会 2009.05.29

昔のTGCでの旧友、ジャックとマイクを交えて自宅でのゲーム会です。サンタフェや推理ゲーム、それに気になっていたイリウムもプレイできました。



犬夜叉 アクションダイスゲーム Inuyasha: Das Action Würfelspiel
(説明5分 プレイ時間45分)
InuyashaDice.jpg2週間前(前回のレポート)に引き続き再び犬夜叉。今回は上級ルール(デーモンストームバリアント Demon Storm variant)でプレイしてみました。たけるべさんに言われて気がついたのですが、クニツィアのゲームでは上級ルールでないと真価が発揮されないものが多いです(ベオウルフやアンギャルドなど)。

ゲームは日本の高橋留美子の漫画、ジャパニメーション(日本のアニメ)をもとにしており、プレイヤーは犬夜叉とかごめに分かれて共通の6つの敵を倒します。どちらがより敵を倒す事に貢献したかを競うのです。どうもトレーディングカードの要素を含んでいるらしく、入っている6つの敵カードは箱によってランダムに違うようです。自分の持っている物には Jaken、 Kanna、 Gokuraku Cho、 Saimyosho の4枚とあとの2枚は無名でした。敵カードはカードというよりはミニボードです。いくつかのエリアに分かれており、ミニ陣取りがカード上で展開されます。

各プレイヤーは決められた11のダイスを受け取ります。ダイスには4種類あって、犬夜叉とかごめでは内容が異なります。各自キャラクターダイス(正8面体)1つ、戦闘ダイス(立方体)6つ、ブースターダイス(4面角柱)3つ、レスキューダイス(4面角柱で透明)1つという内訳です。レスキューダイス以外は赤、青、黄色の3色に分かれていて、これは倒す敵の色と対応させなければなりません(黄色はニュートラル)。犬夜叉はどちらかたいえば赤、かごめは青が強い色となっています。このダイスに色々と特殊能力のシンボルが書かれており、見た目はお菓子のようです。

Inuyasha-Standard.jpg手番には戦闘ダイスを1つ、または戦闘ダイスとブースターダイスを1つずつ振ります。出目以下の敵カードのエリアを選んで自分のマーカーを置きます。あらかじめどの敵カードと戦うかは宣言しなければなりませんが、その敵の中のエリアは振ってから決めるのがポイントです。ダイスには様々な特殊能力があり、手番をもう一度出来るもの、マーカーを追加で置けるもの、相手のマーカーと自分のマーカーを取り替えるもの、ダイスと回収できるもの、などがあります。ダイスは手番を放棄して全て回収するか、特定の目のときに2つ回収するかです。ここでダイスマネージメントのジレンマが生まれるという訳です。

振った目がどうしてもダメな時には無駄となりますが、レスキューダイスという透明なダイスはあとから追加で振る事が出来ます。また戦闘ダイスやブースターダイスを振るかわりに、すでに振ってあるキャラクターダイスを使う事も出来ます。このあたり、同作者のブルームーンのリーダーシップ、キャラクター、ブースターといったカードを思い起こさせます。

こうして、敵のカードがマーカーで埋まると敵を倒した事になり、各エリアにおいて、より多く自分のマーカーを置いている方が得点を得ます。プレイ感はダイスマネージメントの要素を入れたサムライ、といった感じです。やはり一度に敵カードを3つ公開した方が戦略に幅が出て、かなり面白かったです。接戦でしたが、ジャックが1点差で勝利。また遊びたいゲームですね。

結果:ジャック(犬夜叉)28、自分(かごめ)27



ロスバンディット Los Banditos
(プレイ時間 各5-10分)
LosBanditos2.jpg2人専用のダイスゲーム第2弾。前回は先手番の初手はダイスは1個というルールを忘れていましたが、今回はきちんとルール通りにプレイしました。運もかなりありますが、どんな目が出てもなるべく対応できるように、欲張りすぎないようにするマネージメントが大切です。

結果:自分2勝



バケツ消防士 Bucket Brigade
(説明 5分 プレイ時間 20分)
BucketBrigate.jpg暫く前にフェイス2フェイス社から出た、はちみつくまさんのリメイクです。フェイス2フェイスのゲームは、ラインランダー、ウィナーズサークル、ジェネシス、チーキーモンキーなどいくつか持っているのですが、全て箱のサイズが違います。普通は同じ会社からだと箱のサイズの種類は限られると思うのですが、不思議ですね。

はちみつくまさん(以前のレポートはここ)は手軽にジレンマを味わえる良いゲームです。洞窟のなかにある蜂蜜に魅かれる熊と、上階での火災に急ぐ消防士。どちらがテーマとしてあっているのでしょうか?馬券でその馬を動かす競馬のようなものなので、いっそのこと、競馬がテーマのほうが良い気もします。

結果:ジャック 68、マイク 58、自分 55



サンタフェ Santa Fe
(説明 25分 プレイ時間 1時間20分)
SantaFe.jpgムーンがホワイトウインドから限定で出したゲームのひとつ。サンタフェはサンタフェレールズの元になったゲームです。思えば、サンタフェレールズをプレイしたのはもう5年半前。その時のレポートは記念すべき play:gameでの初のプレイレポートです。それ以後、オリジナルの特殊カードが少なく後発会社もないサンタフェを遊びたかったのですが、ギークマーケットでも滅多にお目にかかる事は無く、最近になって漸く手に入れる事が出来ました。

地図にはアメリカのシカゴ以西が描かれています。シカゴ近辺に5つの鉄道会社の出発点があり、西に行くに従って都市の基本価値が2から7へと徐々にあがっていきます。最終的な都市の価値は、基本価値にその都市に乗り入れている鉄道会社の数を掛けたものになります。つまり基本価値が3の都市に4社乗り入れていれば、価値は12。いくら基本価値が7でも鉄道が繋がっていなければ価値は0という訳です。

ゲーム終了時には、自分の前にさらした都市カードだけが得点の対象になります。よってプレイヤーは手札の都市カードを公開しつつ、その都市の価値を高めるべく線路を引いていくのです。

ターン毎に新たにさらす都市カードを同時アクションで一斉公開。その後、スタートプレイヤーから線路を1つ敷くことを2巡します。いままで鉄道の無かった都市に繋げたり、その鉄道会社の目的地に繋げたりするとボーナスがもらえます。線路は分岐する事は出来ませんが、どうしても分岐させたい時には直前のターンでその会社の分岐許可カードを買わなければなりません。これは各会社2枚ずつなのでタイミングも大切です。

都市カードの代わりにx2のカードを公開すると、線路やボーナスがそのターンだけ2倍になります。これは一見するとパワフルに思いがちですが、さらす都市カードが1枚少なくなるのでかなり良いバランスだと思います。

ムーンのゲームにしてはジレンマが多く、完成度の高いゲームだと思います。ひとつだけルール間違い(分岐カードを取った時には都市カードをさらさないという間違い)がありましたが、それでもジレンマをたっぷりと味わう事が出来ました。最後の計算が面倒だという意見も多いようですが、都市の基本価値ごとに、乗り入れ路線の総数を数えれば、わりと楽に計算できます。ルールもすっきりしたこのゲーム、是非又近いうちに遊びたいですね。
(サンタフェレールズのレポートはここ

結果:ジャック 223、自分 142、マイク 117



リスク エクスプレス Risiko Express
(プレイ時間 30分)
RiskExpress.jpg2回目のプレイ。前回は6人でしたが、3人くらいの方が盛り上がると思います。ヘックメックやすしゾックも良いですが、リスクエクスプレスも悪くないですよ。

結果:マイク 14、自分 11、ジャック 8



フィット Fits
(プレイ時間 30分)
FitsLevel3.jpgテトリスが好きな人というのは多いので、受けは良いゲームです。かなり得手不得手が分かれるゲームだと思いますが、いつかは30点を越えてみたいものですね。レベル3で初の2桁(10点)を記録したのはちょっと嬉しかったです。

結果:ジャック 24、自分 21、マイク 8



皿洗いゲーム Qui Va Faire la Vaisselle?
(プレイ時間 10分)
ここで時間調整もかねて皿洗いゲーム。だんだんと定番化しつつあるゲームです。ニムっぽいのですが、なんとも戦略が分からない不思議なゲームですね。日本版「お先に失礼します」も欲しくなってきました。

結果:ジャック 7、自分 6、マイク 5



リトルイタリー Little Italy
(プレイ時間 15分)
以前レポートを書いたとき以来2回目。前回はサイコロを振ったらそのプレイヤーからひとつずつ使用していく(振り直さない)というとんでもない間違えたルールでのプレイでしたが、今回はきちんと振り直しながら遊びました。やはり正しいルールの方が数倍面白かったです。ロイヤルターフと似た雰囲気ですが、プレイ時間が非常に短い割には、駆け引きもあって面白いと思います。4人プレイなので対面同士は完全な敵となるわけですが、自分は惨敗し、対面のアンンチュマンが勝ちました。

結果:アンチュマン 21、ジャック 17、マイク 13、自分 10



クローク アンド ダガー Cloak and Dagger
(プレイ時間 40分)
CloakAndDugger.jpg4年振りに出してみました。推理ゲームとパーティーゲームの境目のようなゲームです。最近遊んだ、インコグニトやデデュースオアダイ以来、推理ゲームをやりたくてしょうがないアンチュマンと自分。まずはこれでウォームアップです。

箱は中華料理のデリバリーの時に使うような壊れそうな箱なので、今回はあらかじめ丈夫な箱を用意しておきました。今回は二重スパイもハザードも使わず、ごくシンプルな基本ルールでプレイ。スパイの1人が誘拐されてしまい、敗北。アンチュマンが首尾よく3種類の書類を集めて勝利です。

アイディアとしては面白いのですが、手番ごとに封筒をごそごそとするため、ダウンタイムが少々長いのが玉に傷。でもたまに遊びたくなるゲームだと思います。

結果:アンチュマン



カテリーナの陰謀 Die Verschwörung des Catilina(古代ローマの新しいゲームより)
(各20-30分)
Catilina.jpg推理ゲーム第2弾はカテリーナの陰謀です。以前プレイした時は、面白いと思いながらも漠然とした印象しか無かったのですが、今回は違います。これは推理ゲームの中でも傑作だと思います。使うカードは5スート6枚(1ー6)の30枚だけ。各スートから1枚、合計5枚を除き、4人プレイなのでさらに残りのカードからランダムに1枚除いた24枚を6枚ずつ手札にします。除かれた6枚の数値の合計を当てるのが目的です。

手番には他のプレイヤーの手札について質問していきます。このゲームの凄いところは質問の仕方に2通りあるところです。特定のスートか数字について質問することが出来ますが、全員に聞く時は各プレイヤーの該当するカードを1枚ずつ、1人だけに聞く時には、該当するカードをすべて見る事が出来ます。他のプレイヤーも枚数だけは分かるので、それも重要な情報になります。この手番プレイヤーとそれ以外のプレイヤーの得る情報が違うところがミソです。

最大限の情報を引き出す質問は何だろう?他のプレイヤーの手番に得た枚数の情報をどうやって自分に有利に生かせるのか?といった部分が非常に面白く、短時間で終わるので2度続けて遊びました。論理と少しの直感で2度勝利。合計は19と25でカードの内容も予想通りでした。

結果:自分 2勝



プエルトリコ Puerto Rico
(1時間10分)
PuertoRicoHospisHarbor.jpg宿屋とハーバーを取ると言う、普段とは違う戦略を取ってみました。宿屋は使い勝手が良いですが、100%その能力を生かしたとは言えません。トウモロコシがあっても採石所を取るプレイヤーが多かったため、3番手でもトウモロコシをとれることもあり、その恩恵にあずかったアンチュマンはトウモロコシのプランテーションが5つ。ワーフを手に入れて大量得点を稼ぎます。マイクはひたすら建築で、唯一4点の建物を2つ建設。ジャックはコーヒー生産と出荷の組み合わせ。誰も工場を買わないという、いつものプエルトリコとはかなり違った展開になりました。最終的にはとうもろこしの王者、アンチュマンの勝利。

結果:括弧内の数字は、(勝利点チップ+建物+ボーナス)です。
アンチュマン 58(33+17+8)
マイク    52(13+23+16)
自分     50(22+21+7)
ジャック   49(25+19+5)



イリウム Ilium
(プレイ時間 40分)
Ilium.jpg今まで小粒なゲームを多く出してきたプレイルームの大箱ゲームで、リトルイタリーに続いて2つめです。考古学がテーマですが、基本は陣取り。ボード上に散らばる発掘所にランダムに置かれたアーティファクト(細長い棒)。これらのアーティファクトを巡っての攻防が繰り広げられるのです。

手番には調査隊を石畳の道に1-3人置くだけ。その数はランダムにめくったカードで決まります。各自専用のデッキがあり、調査隊が2個、3個置ける回数は決まっているのでそれによって多少の計画を立てる事が出来ます。

石畳の道は2つの発掘所をつないでおり、その道のマス目がすべて調査隊で埋まった時に発掘が起こります。調査隊の数が最も多いプレイヤーと2番目に多いプレイヤーが、道の両端にある発掘所のアーティファクトを得るのです。このとき、2番目のプレイヤーは最低でもトップのプレイヤーの半数の調査隊がなければならず、半数未満の場合にはトップのプレイヤーがアーティファクトを独占して2つ得る事になります。さらにアーティファクトは価値が最も低いものしか取る事が出来ません。よって僅差で1位になるのか大差で1位になって独占するのか。どのタイミングで発掘するのか、といった万里の長城やブルームーンシティ、バベルの塔のようなジレンマがあります。悩ましい要素が満載です。

アーティファクトは種類別に最多数もっていたり、全種をまんべんなくもっていると得点になります。さらにゲーム終了時には極秘裏に決められたある種類のアーティファクトのもっとも高価なものを献上しなければならないので、そのあたりも考慮して集める必要があります。

ゲームはカードが尽きると終了。またある種のアーティファクトが全て取られた後は、どのプレイヤーも好きなタイミングで終了を宣言できます。自分がこの先関わる発掘と他のプレイヤーの発掘を考えると必ずしもすぐに終了宣言をする事が得策ではないと思いますが、そのあたりはやり込まないと分かりません。

点数はロストシティボードゲームやストロッチのようにアメリカナイズされていて5単位です。ミドルウエイトの上質なゲームだと思います。近々再戦希望。

結果:アンチュマン 50、マイク 40、自分 35、ジャック 25



指輪物語ボードゲーム Lord of the Rings - 拡張セット 敵たち Friends and Foes
(プレイ時間 1時間30分)
LOTRFF.jpg今日の最後のゲームは協力ゲーム。ジャックやマイクとは一時期かなり遊んだゲームです。敵たちの拡張を入れてサウロン12からの中級で遊びました。フロドは自分、サムはアンチュマン、ピピンはジャック、そしてメリーはマイクというパーティーです。このゲームでは4カ所ほどシナリオをショートカットできるところがあり、それを使わなければ勝利は難しいと言われています。以前レポートを書いた時には最初のショートカットを使っていましたが、今回も同じショートカットを使いました。モリアとロスロリエンを飛ばすものですが、以前書いた通りこのショートカットはあまり割が良くないかもしれません。ロスロリエンでの特殊カードがあまりもらえないし、次回は別の作戦が良いかと思います。終盤には皆弱り切ってヘルム峡谷の途中で敗北。この拡張はやはり難しいです。次から次に現れる敵が恐ろしいです。次こそはバトルフィールド拡張かな。

結果:67点(44点(ヘルム峡谷)+23点(敵の数))

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