DCゲーマーズ 2008.06.21

今回はコンベンションに行っている人が多く、3人だけのDCゲーマーズです。
場所はバージニアにあるフィルの家。初対面のフィルと強者ラファエル、それに僕というメンバーです。とにかくどのゲームもラファエルの圧勝で唯一勝ったのはカッツェンジャマーブルースだけ。



テラノバ Terra Nova
(プレイ時間 20分)
TerraNova.jpgとりあえず、ということでフィルが出してきたのがこのゲーム。完全な多人数アブストラクトです。ボードはヘックスで覆われていて、いくつかの地形に分断されています。最初に自分のコマを好きな場所にボードにおいてからスタート。手番には3アクションで、コマの移動と石の配置ができます。ただし石の配置はその手番に移動したコマの隣でなくてはならないので、必然的に1アクション目は移動となります。移動は他のコマや石が無い限り一直線にどこまでも動かせます。石の配置は、その手番で既に動かしたコマのまわりのヘックスに置くことができます。洗練されたルールですね。

ボードの一部分が石で囲まれたときに囲まれた部分の地形が3種類以下だと決算が起こります。囲まれた中で最もコマが多いプレイヤーが、囲まれたヘックス数x(4-囲まれた部分の地形の種類)を得点します。つまり地形が3種だと1倍ですが、1種だと3倍の価値があるわけです。よってうまく1種類の地形だけになるようにかこってその中の自分のコマを相手より増やす、ということなのですが、これがなかなか難しい。

最初は手探り。中盤くらいになって漸くコツがつかめてきました。下手に潰しあいになっても損なのですが、戦うところは戦っていかないとやはり不利だと思います。もう一度続けてプレイしたかったのですがDCゲーマーズではそれはかなわず。次のプレイ機会が楽しみです。ところでヘックス全体と、各地形の領域の形が不規則なのですが、これはもうちょっと対称性をもたせたほうがデザインとしては美しいと思うのですが。

結果:ラファエル 82、自分 67、フィル 59



指輪物語 二つの塔 カードゲーム Der Herr der Ringe - Die Zwei Türme das Kartenspiel
(プレイ時間 50分)
TwoTowers3.jpg帰国時に秋葉原の水曜会で好評だったジレンマゲーム。ラファエルもフィルも重いゲームが専門のようなので軽めのゲームをいくつか持っていきました。そのうちのひとつがこれ。このゲームは勝負どころでどのくらい力を入れるかが難しく、自分はどうもケチってしまう傾向にあるみたいです。3列出していれば勝てたのにガンダルフ惜しさに2列で勝負してあっさり負けたり。2人とも長考ということもあってかなり時間がかかりました。

結果:ラファエル 17、自分 15、フィル 14



アグリコラ Agricola
(説明35分 プレイ時間 2時間)
Agricola.jpgローゼンベルグの噂の新作です。「多分君には向かないゲームだよ」と色々な人に言われたのですが、一度くらいプレイしてみなければ評価できません。プレイヤー数に比例して時間がかかるケイラスタイプのゲームらしいので、3人というのは絶好の機会かもしれません。ラファエル持参で特殊カードはすべてスリーブにはいって英訳が貼ってあったのでプレイアビリティは抜群です。

ローゼンベルグと言えば、ほぼカードゲーム専門。手札の順番を変えられないボナンザ、みんなで捨て札デッキをつくり上げていくマンマミーア、など思いもよらないカードの使い方をするデザイナーだという印象がありましたが、今回は特殊能力満載のカードが多いだけ。それも嫌になるほど多いのです。150くらいだったかな。まあ一度に使うのなそのうちの一部分なのですが、それでも圧倒されてしまいます。とにかく、あまりローゼンベルグらしくないデザインだな、と思いました。

AgricolaBoard.jpgタイトルの通り農場と畜産をテーマとしたゲームで、箱庭型のゲームです。自分のボード(箱庭)で自分の家を拡張し、畑を増やして収穫し、フェンスで囲って家畜を放牧します。その他に子供を作ったり食料を蓄えたりと、要素が沢山あります。それに追い討ちをかけるように特殊カードの山。それも各プレイヤーごとに全く違うカードです。

ゲームの主軸は、ワーカープレイスメントです。つまり、自分のコマを色々なアクションに対応する場所に配置していき、全員がすべてのコマを置くと終了。アクションは配置直後に行っていく、というもので、これを14ラウンド繰り返して終了です。アクションはモルゲンランドやケイラスのように早い者勝ちなのですが、アクションの種類自体が多いのでそれほどジレンマは感じませんでした。さらにアクションの遂行はプレイヤーごとなので結構ダウンタイムがあります。

選択されなかったアクションは次のラウンドでより魅力的になるように得られる材料の数や特典が増えるのですが、それもひとつひとつ異なります。このへん、もう少しすっきりとならなかったのでしょうか。プエルトリコの1ダブロン追加、みたいに。

AgricolaCards.jpg14ラウンド終了後に得点計算、これも嫌になるほど多岐に渡っています。3種の家畜や畑の数にはじまって、家の材質やフェンスの数、さらには無駄になったスペースまで。スプレッドシートが欲しくなるようなゲームです。各ジャンルでまったく持っていないとマイナス点になるのですが、それ以外は様々でとても覚えきれません。

初めてなので手探り状態。さらに特殊カードは面倒なので自分のだけオープンにして、経験者のラファエルに使い方を手取り足取り教えてもらいました。これ特殊カードが無くても良いような気がするのですが。

率直な感想を言うと、プレイヤーインターアクションはコマの配置の部分だけで、2時間級のゲームとしては少な過ぎます。そのコマの配置も予定調和という感じがして、どうもソロプレイ感覚が高いゲームです。さらに要素が多過ぎて、ゲーム自体がぼやけて感じます。この手のスプレッドシートゲーム(つまりスプレドシートが欲しくなるようにデータが込み入っているゲーム)はやはり苦手です。

もう一度くらい遊んでも良いのですが、そのときは特殊カード抜きで遊びたいです。無理かなあ。

結果:ラファエル 48、自分 31、フィル 23



ラストパラダイス Das Letzte Paradies
LastParadise.jpgフランクコスモスの大きなブルーの箱にはいった一風変わったクニツィアのオークションゲーム。箱の大きさとは裏腹にプレイ時間は短く30分くらいです。最後の楽園(ラストパラダイス)と呼ばれる島のリゾート開発をテーマにしたゲームで、島の中央にはホテル建設予定地4カ所、周囲にはヴィラ建設予定地が12カ所あります。プレイヤーは島の緑を守りつつ、緑あふれたホテルやヴィラを所有することを目指します。

これらのホテルやヴィラのタイルひとつずつ同時入札のオークションで競り落としますが、なんと競り落としたプレイヤーは2番目に高いプレイヤーの金額を払うのです。つまり5人プレイで15、4、3、2、1と入札されていたら、15を入札したプレイヤーは4だけしか払わなくて良いのです。ネットオークション式といえば分かりやすいかもしれません。

競り落としたタイルはそのまま自分のホテルやヴィラとして建てるか、あるいはタイルを裏返しにして、その予定地の自然を保護するかの選択出来ます(タイルの裏は森になっている)。ここで他のプレイヤーはお金を払って建設か自然保護のどちらにするべきなのかを交渉しても構いません。自然保護に最も貢献したプレイヤーにはボーナスが付くのでこれも悩みどころです。このボーナスも最終的に残った自然の数によって激しく変動するのでさらに悩ましいです。

自分のホテルやヴィラのある地区に自然が残ると収入になり、さらに地区を独占したり全部の地区にホテルやヴィラを持つとボーナスがもらえます。それでも金銭的にはかなりきついゲームで、何度かプレイして慣れるまでは全員が元本割れということもよく起こります。今回も全員元本割れになってしまい勝者は無し。

ビッドのシステムと自然保護ボーナスのシステムが面白いです。交渉のルールは特に見落とされがちですが、あとで交渉することまで考えてビッド出来るようになるとゲームが俄然面白くなります。おそらくアムステルダムの商人と同じくらい元本割れしやすいゲームなので何度か続けて遊ぶのがおすすめです。
(写真は2日前の5人プレイのときより)

結果:ラファエル 75、自分 69、フィル 64 (全員80未満なので負け)



ブラス Brass
(プレイ時間 2時間20分)
Brass2.jpg2度目のプレイ。ルールをすっかり忘れていたこともあって、ミスが多かったです。綿工場と港がセットになっていることをすっかり忘れており、また石炭と鉄の供給方法の制限の違いなども忘れていました。悪くはないのですが、やはりパラメーターの多いスプレッドシートゲームなので大変です。

結果:ラファエル 158、フィル 144、自分 106



カッツエンジャマー ブルース Katzenjammer Blues
3人が面白い変形オークション。フィルは初プレイでジョーカーをものともせずに使ってきます。僕は5と4を4枚ずつ揃えて一気に勝負に出ました。かなりジョーカーを使ってしまったのですがきちんとカウンティングをしていたこともあって、予想通りフィルのジョーカーが僕より1枚多かったので勝利。この日、唯一勝ったゲームです。良いゲームだと思うのですが、好き嫌いは分かれるようで、あまり好評ではありませんでした。

結果:自分 9、フィル 4、ラファエル 2



レース フォー ザ ギャラクシー Race for the Galaxy
RaceForTheGalaxy.jpgギークでも僕の周りでも人気のゲーム。ラファエル曰く「この世にサンファンと呼ばれるゲームは2つある。良いサンファンと悪いサンファンで、いまここにあるのは良いサンファンの方だ」といってレースフォーザギャラクシーの箱を出します。まあどちらが好みなのかは分かれるところだと思いますが、ラファエルの言う通りサンファン、さらにさかのぼればプエルトリコのフェイズ選択のルールをもとにしたカードゲームです。

テーマは宇宙。12枚カードをプレイすれば勝ちというところやカードを裏返して物資のかわりにするところなどはサンファンそっくりです。サンファンと違うところはカードの種類が莫大に増えたことと、フェイズ選択が同時選択で、フェイズの順番はあらかじめ決まっているというところです。

3回目のプレイなのですが、どうもほとんどソロプレイな気がします。カードはアイコンを駆使しているのですがなんといっても数が膨大でとても覚える気になれません。アイコンも慣れるまでが大変です。印象としてはプエルトリコに比べてプレイヤーインターアクションが薄めらてしまったサンファンを、さらに薄めた感じです。フェイズの順番が決まっているし、かならず自分のやりたいフェイズが選べるのでそのあたりのジレンマは皆無。これでいいのでしょうか? もともとサンファンをあまり面白いとは思えないので、このゲームの良さが分かりません。唯一の長所はダウンタイムがあまりないところだと思います。

DCゲーマーズでは非常に人気があるゲームで、BGGでは現在10位。評価7.86。まあはまる人ははまるのでしょうね。好みが分かれるゲームだとは思いますが。

結果:ラファエル 54、自分 47、フィル 29

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