自宅ゲーム会 2007.11.02

プライベートな自宅のゲーム会も久し振りです。TGCという名のゲームクラブで知り合ったいつものメンバー、ポール、マイク、アレックス、ジャックと久しく会っていない旧友のトムも招待して全部で6人となりました。新しいゲームをやらずに旧作ばかりですが、非常に楽しい充実したゲーム会でした。先に到着したジャックとブルームーン、その後、5人でジェノバ、6人で電力会社、ヴィジョナリーと流れ、最後は3人でボーナンザとアベカエサルです。



ブルームーン Blue Moon
(プレイ時間 3ディール1時間)
BlueMoon.jpg2人用ゲームでは最もプレイ回数の多いゲームの一つです。マジックザギャザリングなどに代表される、トレーディングカードゲーム TCG (コレクタブルカードゲーム CCG とも呼ばれる) に似た側面を持っています。違いは、8つの種族、全てのカードを一緒にデザインしてバランスをとってあること。相当なテストプレイを重ねたようです。また、8つのデッキがあらかじめ組まれており、デッキビルディングよりもゲームプレイ自体を楽しめるようにできています。ルールも他のTCGよりはずっとわかりやすいです。

目的はドラゴンを獲得すること。戦いで勝つとドラゴンを自分の側に引き寄せられます。相手が既にドラゴンを持っているならば、それをボード中央に戻させます。持っていないならば、中央のドラゴンを自分が獲得するわけです。つまり常にどちらかのプレイヤーしかドラゴンを持てない綱引きなのです。カードが尽きたときにドラゴンを持っているほうが勝ちですが、ドラゴン全てを獲得した状態で、さらにもうひとつ引き寄せると(もう引き寄せるドラゴンがいないので)サドンデスで勝利となります。得点は引き寄せたドラゴンの数プラス1点で、何度かプレイして5点先取で勝利です。

BlueMoonBoxes.jpgカードは8つの種族とミュータントから成り立っていて、それぞれのデッキにはその種族26枚、他種族3枚、ミュータント1枚の30枚が組まれています。カードはキャラクター、ブースター、リーダーシップ、サポートの4種類です。殆どのカードには炎と大地の要素が数値で書かれていますが、色々な特殊カードもあってそれを使いこなすのが楽しいです。

手札は6枚。スタートプレイヤーは炎または大地のどちらかの要素を選び、キャラクターカードをプレイしてその数値を宣言します。戦い続けるには手番に必ずキャラクターカードをプレイしなければなりません。それに加えて、ブースター(その手番のみの効力)かサポート(その戦いの間、効力持続)を1枚プレイできます。そして、相手の数値と同じかそれ以上になるようにカードをプレイしなければなりません。直前にプレイしたキャラクターやブースターはもう効力を持たないので、毎手番、数値を上書き更新していかなければならないのです。こうしてどちらかのプレイヤーが撤退すると、その戦いは終了となります。勝ったプレイヤーはドラゴンを1匹引き寄せます。そして負けたプレイヤーから次の戦いを始めるのです。

面白いのは戦いに勝ったプレイヤーが6枚以上のカードをその戦いでプレイしていると、ドラゴンを2匹引き寄せられるのです。うまく6枚になるところで強力なカードを出すのが基本となります。

リーダーシップカードはキャラクターをプレイする前にプレイすることがます。撤退する直前でもプレイできるのが特徴です。ミュータント(キャラクター)は唯一戦いの真っ最中に戦いの要素を変えてしまうカードです。

8つの種族に際立った特徴があるのも魅力です。戦いの要素である炎と大地の他に、テーマとして中立的な要素といえる水と空があります。リストの最初の4種族はこれらの要素をテーマにしたもの、あとの4+1種族は特殊能力をテーマにしたものだと思います。それぞれの種族はべつのグラフィックアーティストによって描かれていて、絵柄も非常に綺麗です。またミミックスやキンドはそれぞれのペアやギャングを並べると、1枚の絵になるようになっています(写真参照)。

ヴァルカ Vulca:炎がテーマの種族。炎の数値の強いデッキ。テキストが少なく比較的シンプル。基本セットに含まれる。

テラ Terrah:大地がテーマの種族。大地の数値の強いデッキ。地震と嵐が強力。

アクア Aqua:水がテーマの海洋種族。炎と大地は同等だが、どちらかが0というカードが多いので難しい。また自分の手札を捨てるカード、捨て札をリシャッフルしてデッキにするカードなど、使い方が難しいカードも多い。テラの嵐に似た洪水もある。おそらく8デッキの中で一番プレイが難しいと思う。

フリット Flit:空がテーマの鳥種族。炎と大地は同等。空を舞うかのように、直前にプレイした手札を回収出来るretrieveが中心。さらに不特定のペアで使えるのブースターも強力。サポートは皆無。retrieve を使い過ぎると場を6枚にしずらい。

ミミックス Mimix:アマゾネス種族。炎と大地は同等。キャラクターは特定のカードとペアになると強い。特殊能力では捨て札やデッキからカードを選べるので、それをうまく使ってペアにする。カードカウンティングが大切。

キンド Khind:子供種族。炎と大地は同等。中心となる4種類のギャングキャラクターは、数値を上書きせずに足していくので集団で強くなる。また特殊能力もあっといわせるものが多い。ミミックス同様、カードカウンティングは大切。

ホアックス Hoax:長老種族。わずかに炎が強い。特殊カードがアクセントとなってバランスが取れている。特に5枚補充のリーダーシップは強力。基本セットに含まれる。

ピラー Pillar:昆虫種族。わずかに大地が強い。相手の手札を強制公開させるカードと、相手の手札を捨てさせるフリーブースターが強力。

ブカ Buka:唯一あとから発売された9番目の種族。特定のカードをブラフとして数値2のサポートとしてプレイできる。また船にためたカードを一気にプレイできる。ルールが増えたのが難点。

デッキビルディングをする場合は、種族をひとつ選びます。そしてその種族と他の種族で合計30枚になるようにカードを選ぶのですが、カードには強さにあわせて月が0-4個書かれており、他種族からは合計、月10個までという制限があります。

BlueMoonCards.jpgまたあらかじめデッキに混ざっている3枚の他種族をそれぞれもとの種族のデッキに戻して単一種族のデッキでプレイするのも面白いです。これをコンソリデートデッキといって、僕は殆どコンソリデートデッキで遊んでます。

さらにデッキを拡張出来るセットが2つあって、これで各種族は32枚となり、ミュータントやハイラという別種族とあわせて40枚で遊ぶ方法もあり、これもなかなか面白いです。

今回はジャックは初プレイなので、基本セットの2つのデッキ、ヴァルカ(自分)とホアックス(ジャック)で遊びました。いつもコンソリデートデッキで遊んでいるので、両方とも29枚の単一種族とミュータント1枚という構成です。ゲーム慣れしているジャックはすぐに要領を飲み込んで、初戦はジャックの4点勝ち、その後第2戦目と3戦目で僕が勝って、5点に達しました。

クニツィアの同系統のゲーム、スカラベロードやその続編のミノタウロードではフェイズ0、1、2、Sという分け方とカードをプレイ出来る場所(6カ所)があり、手番でもカードをプレイ、既にプレイしたカードのアクションを起こす、呪いトークンを取り除くなどゲーマーズゲームっぽい部分がありましたが、それがブルームーンになって非常にすっきりしたと思います。

数比べですが、自分の数値を上書き更新していかなければならないという基本システムと、6枚以上が場にあれば2匹のドラゴンを引き寄せられるというルールが秀逸だと思います。この骨格がしっかりしているので特殊能力も引き立つのだと思います。

結果:自分(ヴァルカ)7、ジャック(ホアックス) 4



ジェノバの商人 Die Händler von Genua
(プレイ時間 1時間50分)
Genoa.jpg結構久し振りです。交渉ゲームの中では込み入っている方ですが、アクションを取引出来るというなかなか斬新なゲームです。ドーンのゲームの中では一番好きで、ドーン歩き(ボードのマス目を5マスほど歩いて止まった場所で競りや行動をする)の元祖です。詳しいルールは以前のレポート(アレアキャンペーン6)を見てください。

今回は建物の特権カードを交渉に使う時は非公開としました。その方が交渉がぐだぐだにならず、またカードの多いもの同士で交換する方がメリットがあるということもあって面白いです。中央の広場で始まる事が2回もあって、7ラウンドが5ラウンドに短縮。ゲームは短めでした。1:1の特殊カードを皆巧みに使います。また六角形のマーカーを巡る攻防もあり、今までで一番面白いジェノバでした。終わってみれば各自の差が5か10という僅差。面白いですね。

結果:マイク 570、自分 560、ジャック 555、アレックス 550、ポール 545



電力会社 新版 Funkenschlag (ドイツマップ)
(プレイ時間 3時間10分)
Funkenschlag.jpgここで旧友のトムが到着。6人で出来るゲーマーズゲームということで電力会社(新版)です。6人なので6都市でステップ2。さらに14都市でゲーム終了となります。

序盤はいつもの通り、03の発電所を買います。なぜか誰もほしがらなかったので、定価で買う事が出来ました。なんとラッキーな。エッセンとデュッセルドルフという一等地を本拠地に勢力を広げようとしましたが、すぐに他のプレイヤーの封じ込めにあって暫く停滞してしまいました。それでも高額を払って北東部へと活路を見出します。

ステップ2のトリガーを引いたのは僕です。その直後のラウンドで一番手(建設は一番最後)になってしまったため、みんなに都市を次々と建てられてしまい、このときは本当に失敗した、負けたと思いました。しかしその後、自分の原子力発電の競争相手が殆どいないこともあり、安価で安定した発電が出来たこと、さらに風力発電も安価で買えた事もあって、これは最後の発電所次第ではなんとかなるかも、と思うようになりました。

終盤、皆はなるべく発電所を買う数を押さえたいため、5都市以上供給出来る発電所が競りに出されるとビッドがヒートアップしていきます。何度も凄い値段につり上がりましたが、特に25の発電所(石炭2で5都市)になんとトムとアレックスで110の値段がつきました。その後、僕とマイクだけになった時にうまく6都市(だったかな?)の発電所をほぼ定価で買う事が出来ました。果報は寝て待てですね。ビッド戦争に巻き込まれずに良かったです。

みんなが12都市くらいで都市を14にすると発電出来ないという状態になった時にお金を貯めて、その次のラウンドで一気に16都市建てて終了。16都市に電力供給できた僕が勝つ事が出来ました。高額の競りに巻き込まれなかった事が勝因だと思います。途中までかなり接戦で、6人の誰が勝ってもおかしくない状態で非常に緊迫した面白いゲームでした。3時間があっという間です。

ところでアメリカマップをプレイするプレイヤーはいるのでしょうか?やはりバランスが悪すぎるという意見が大半みたいですが。

結果:自分 16(51)、トム 15(6)、ジャック 14(27)、ポール 14(26)、アレックス 14(13)、マイク 13(106)
(数字は、電力供給都市数(残金))



ビジョナリー Visionary
Visionary.jpg夜中なので帰るというトムを引き止めて、軽く2チームに分かれてビジョナリー。積み木12個(長方形、正方形、三角、円柱、長角柱、短角柱、各2つずつ)が2セットはいっており、各チーム二与えられます。各チームの建築者は目隠しをします。目標カードには積み木の積み上げられた写真があって、同じチームの助言者はその通りに積み上げるように建設者に指示するわけです。こうして早く積み上げた方が勝ち。これを気の済むまで繰り返します。

今回は各チーム3人が3回建築者をするということで合計9回。途中から積み木を机の上に置くのでなく、箱に入れてかき混ぜたものから探さなければならない、というようにしました。このルールはなかなか面白いです。慣れると、カードがちょっと簡単すぎるような気がしますね。途中まで僕のチームが4勝していたのですが、そこから一気に追い上げられて、逆転負け。でも楽しかったです。

結果:ジャック、アレックス&マイク 5、ポール、トム&自分 4



ボーナンザ Bohnanza
(プレイ時間 30分)
Bohnanza.jpg買った当時は定番だったのに、もう長い事遊んでいなかったボーナンザ。ポールが未プレイだというので出してみました。ローゼンベルグのゲームで、これを超えるものは未だに無いと思います。カードゲームで手札の順番が変えられないというのは画期的です。

カードは豆を表しており、6、8、10、12、14、16、18、20の8種類あります。それぞれに名前がついているのですが、いつも数字で呼んでいるので数字で呼ぶ事に慣れてしまいました。数字はそのカードがデッキに何枚あるかを表しています。つまり6はレア、20はその3倍もあるありふれた豆、というわけです。

各自は2つ畑を持っており、2種類の豆を育てる事が出来ます。手番で植えたり、他人の手番で交換で得た豆を植えて、同じ豆のカードをあつめていくのです。集めた枚数によって収穫時に現金1-4に交換出来るのですが、枚数が多いほどレートが良くなります。例えば16の豆だったら3、5、7、8枚集めると1、2、3、4の現金になります。カードの裏が現金1となっており、必要な枚数のカードを裏にする事で得点を表すというシステムは見事です。

開始時には手札は5枚ですが、決して順番を変えてはなりません。配られた順番で使っていかなければならないのです。手番では3つのフェイズがありますが、1枚植える、2枚公開してトレード、3枚補充となっており、1-2-3と覚えやすいです。

植える:手番が来たら、まず手前のカード1枚を必ず植えなければなりません。もし望むなら2枚目を植える事も可能です。
トレード:デッキの上から2枚めくって場に公開します。この2枚を含めて、自分の手札から他人の手札とトレード出来ます。この時に限り手札のどの位置のカードでもトレード出来るので、有効に使って手札を整えておく事が大切です。トレードしたカードは直後に全て植えなければなりません。
補充:手番の最後に3枚を手札の最後尾に補充します。

面白いのは収穫はいつでもできることです。これで相手の手番にトレードした豆を植えるために収穫するなどというプレイが可能になります。また1枚だけの畑は収穫出来ない、という縛りが非常に良いルールです。

また各豆もレートによって特徴があります。

豆の種類:レート(現金1-4にするため必要な枚数)
6:無-2-3-無
8:2-3-4-5
10:2-4-5-6
12:2-4-6-7
14:3-5-6-7
16:3-5-7-8
18:3-6-8-9
20:4-6-8-10

見てわかるように12の豆は現金3まで線形なのですぐに交換してしまいます。また10や18は現金2まで線形なので5枚又は8枚集まる見込みが薄い時は現金化すると良いでしょう。逆に、8や14や20は集める価値のある豆です。

久し振りだったので感覚を忘れていました。かなりの頻度で交換していたのであまり現金を稼げずにビリでした。ポールにはあまり受けは良くなかったみたいですが、僕は久し振りに又続けて遊んでみたくなりました。

結果:ポール 23、ジャック 21、自分 18



アベ カエサル Ave Caesar
(プレイ時間 4レース1時間)
最後に何かレースゲームを、ということになり、3人でアベカエサルです。全部で4レース。時計回りと反時計回りで青と白のコースを全てプレイしました。1位から6点、4点、3点と点数を付けます。ゴール出来なかった場合は0点。

バリアントとしていつも使っているのがデッキをシャッフルしたあと最後の一枚を見る事が出来るルールです。もし6だったら全員に公開してリシャッフル出来ます。これは最後が6だとかなりどうしようもないシチュエーションになってしまうのを避けるのと、最後のカードを知っている事での戦略が立てられる事もあって気に入っています。

また進めない時はカードを公開します。そのほうがルールとしてすっきりしているし、良いと思います。

結果:ジャック 19、自分 19、ポール 11

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