本当に久し振りの自宅でのDCゲーマーズ。どうも今週はゲームのコンベンションがあるらしく、コンベンションに参加しないプレイヤーたちでどこかで集まろうとのラリーの誘いにのったのですが、メンバーは殆どDC市内ということで交通の便の良い僕の家になりました。
インシュ Yinsh
(プレイ時間 各20分)
ギプフシリーズの第5弾(正式には第6弾)です。ギプフシリーズ自体をプレイするのも久し振りなのですが、リシが言いうにはこのシリーズで一番の出来だそうです。ボードは六角形をもとにした雪の結晶のような形をしています。5目並べとオセロをあわせたようなゲームで、コマはオセロのように両面別の色。自分の色で5連を3回作るのが目的です。
ボード上には自分の色のリングが5つあって、これらは次の手番でコマを置ける場所を示してます。手番には好きなリングの所に自分の色を上にしたコマを置いて、リングを好きな方向に好きな数だけ動かします。このとき、リングが越えていったコマは全てオセロのように裏返ります。リングをかざすとマグネットで自動的にコマが裏返るというギミックがあれば面白いのにと思います。
リングの動きはかなり自由ですが2つだけ縛りがあります。リングは他のリングを越えられないこと、そしてコマを越した場合にはその直後のあいている場所にリングを置かなければならないことです。この縛りがよく出来ていて、リングの場所取りを巡って、激しい攻防が繰り広げられるのです。
5連が出来たらその5つのコマを盤上から取り除きます。さらに任意のリングを1つ取り除かなければなりません。つまり、勝っているプレイヤーに適度なハンディキャップが与えられるのです。
さすが、評価が高いだけあって、とっつきやすいながらも奥が深そうです。列を作るところや作ると盤上から取り除くところなどがギプフと同じであり、またコマを置くところに制限があるのがギプフと似ていますが、ギプフよりもダイナミックです。ギプフはコマのスライドが複雑なので、インシュの方がプレイしやすいと思います。
結果:1勝1敗
フェニキア Phoenicia
(説明 40分 プレイ時間3時間5分)
今日一番のヘビーゲーム。先週のDCゲーマーズで「何度かプレイしないと面白みがわからないゲーム」の例として挙げられていたゲームで、2人ほどいるフェニキアファンによると、それでもこのゲームはお勧めだそうです。ということで、内容は知らなかったのですが興味はありました。ラリーが持参して、丁寧に説明してくれました。
ザバンドールの王笏の余計な部分をそぎ取った短縮版と言われるだけあって、ザバンドールに比べるとかなりすっきりしています。拡大再生産のゲームで、20種類以上あるカードの組み合わせで勝利点(円柱コマ)と生産能力(円盤コマ)が向上します。収入は生産能力で決まり、カード(価値4-6)とコインの組み合わせです。この収入で次のカードを競り落としたり、労働者を育てて、さらに勝利点と生産能力をあげていく、というゲームです。
各自には、倉庫、育成、狩猟、農場の4つのボードが与えられ、さらに特定のカードを競り落とすことによってボードが増えたり、ボードを裏返して進化させることができます。倉庫はカード上限やコイン上限、育成は労働者の管理、狩猟や農場では労働者を置くことで勝利点と生産能力がもらえます。
全体的な構成はシンプルなのですが、カードは競りなので価値がある程度把握できないと値段のつけようがありません。カードの組み合わせが多いのでそれだけでも大変です。競りは電力会社方式で手番には対象となる5つのカードのどれかにビッドするかパスします。パスすると、その後の競りには参加できません。
僕は考えどころがわからなかったので、とりあえずビッドできるものにビッドして、勝利点と生産能力をあげていきます。そのうち各自がそれまでに競り落としたカードによって、欲しいカードと要らないカードがかなりはっきりしてくるので、この電力会社式のビッドがあまり生かされてない様に思えました。競りの結果はほぼ予定調和です。ここで他人を邪魔するほどのメリットがないので、どうしてもそうなってしまうのだと思います。
序盤ではガラス作り Glassmaking を2つ手に入れ、その後、染料 Dyer を2つ手に入れた時点でほぼその後の方向性が決まってしまいました。染料によって、競りでの割引が効く染料工場 Dye House を2つ競り落とし、あとは細かいことは考えずにプレイして2位。とにかく待ち時間も長く、かなり疲れました。確かに色々なパターンの勝ち方がありそうで、慣れれば90分くらいだと思います。シビリゼーションタイプのゲームが好きな人は試してみると良いと思います。
結果:サイモン 35、自分 25(4)、ラリー 25(2)、リシ 24、ショーン 23(括弧内は残金)
生きてる! It's Alive!
(プレイ時間 45分)
体のパーツを競り落として集めて人造人間をつくるという怪しいテーマのゲーム。でも内容は結構しっかりしています。体のパーツは正方形の小さなタイルになっていて、書かれた値段がそのまま点数になります。各パーツごとに6枚、それにワイルドが数枚入っており、これをシャッフルして山札にしてゲーム開始です。
山札から一枚めくったあと、それを買うか売るか競りにかけるかの3通りの選択肢があるのが面白いところ。売る場合は値段の半額が収入として入り、、売ったタイルは場に表にして置いておきます。競りは一周だけですが、自分が最初に値段をつけるというのが普通の一周の競りと違うところ。他のプレイヤーが競り落とした場合は収入は自分に入ってきます。適度な値段を適度なタイミングで言えば、普通に買うより安く買えるかもしれません。また、場合によっては売るよりも高い収入が入ってくるかもしれません。これはなかなか面白いジレンマです。
また、山札からめくる代わりに、誰か(自分でも他のプレイヤーでも)が既に売ってしまった場のタイルを買ったり売ったり競りに出したりすることが出来ます。この場合はまず、タイルの値段を現金か別のタイルで支払わなければなりません。面白いです。
こうして誰かが8つの体のパーツを全て集めるとゲーム終了(終了させたプレイヤーはボーナス5点)。このとき、もっとも価値の高い人造人間を作ったプレイヤーの勝利です。
初めてなのですが、ちょっと変わったジレンマがあって面白かったです。クニツィアやシャハトっぽいですね。既に持っているパーツでも、他の人に取らせないためにビッドしたり、それを場のタイルを使うために取っておいたりと、結構色々な戦略がありそうです。一番最初にパーツを集めたてボーナス5点を得たのですが、ショーンにわずか1点差で負けてしまいました。これはぜひ再戦希望。
結果:ショーン48、自分47、サイモン 38、ラリー 36、リシ 35
ハイパーロボット Rasende Roboter
ここでデリバリーしたタイ料理を食べながらでも出来るゲームとして、懐かしいハイパーロボットを出してみました。初版の紫色の箱の方です。コロナやマニキと同様の多人数早解きパズルです。
ボードには格子状のマス目が描かれており、ところどころに壁があります。一見するとロボラリーのようにも見えますが、もっとずっとシンプルです。ボード上に17箇所あるターゲットは必ず2方向が壁になっています。4色のロボットは将棋の飛車のように縦横に動きますが、壁か別のロボットにぶつかるまでは止まれません。ぶつかったら方向を変えてまた進むことが出来ます。これらのロボットを駆使して、目的のロボットを目的のターゲット間で動かす最短の手筋を、ロボットを実際に動かすこと無く探すのがこのゲームの目的です。
ターゲットチップをひとつ選んで表に返したら一斉にスタート。全員、ロボットを実際に動かすことなく、頭の中だけでターゲットまでの道筋を考えます。殆どの場合、目的のロボット以外のロボットも動かして、壁の役割をさせることが必要になります。最初に探した人が手数を宣言し砂時計をひっくり返します。その後、砂時計が落ちきるまでの間に最も少ない手数を発見した人がチップを得点します。もちろんみんなの前で、その手数でたどり着けるのかデモンストレーションをしなければなりません。失敗すると、次に少ない手数を宣言した人にチャンスが与えられます。こうして17箇所のターゲットが終わったあと、最も多くのチップを持ったプレイヤーの勝ちです。
今回はラリーの提案で負けているプレイヤーは同じ手数を宣言することが出来る、というのを採用しました。これは結構良いバリアントだと思います。
多人数パズルは厳密にはゲームとは言えないかもしれませんが、ランドルフの作品の中では一番好きです。ターゲットを2つ同時に公開する(どちらを先にクリアしても良い)にするのがお勧めです。
なお、ボードは4つにわかれており、それぞれが両面ボードなので、全部で96通りの組み合わせが楽しめます。第二版(青い箱)では全てのボードの片面には所々に45度の斜めの壁があって、特定のロボットは手数なしで斜めの壁をバウンドできるのですが、全体的に初版よりもかなり簡単になりがちで、正直言ってちょっとがっかりしました。また、初版の英語版と第二版には可能な組み合わせが92通りと書いてあるのはどうしてなのでしょう。ドイツ初版がちゃんと96通りと書いてあるので、誤訳ではないし、リオグランデが数え間違えたのでしょうか?
結果:自分(8チップ)
アメンラー Amun-Re
(プレイ時間 2時間20分)
5人ということもあり、ラリーの提案でクニツィア最後のヘビーゲームと呼ばれるアメンラーをプレイ。確かにこのあとは重くてもミドルウエイト級のゲームしか出しておらず、チグリス・ユーフラテスやスティーブンソンロケット、タージマハルのようなヘビーゲームは出ていませんね。ショーンとリシは初プレイ。
最初に何を間違えたか、サウを1で落札します。仕方なく、らくだで稼ぐ作戦に出ます。捧げものをせず、マイナス3のカードをプレイします。これが大当たりで、水量は前半の3ラウンド中ずっと1か2で、らくだ大暴れ。さらに農民を殆ど買っていない僕は相対的に有利になりました。さらに3ラウンド目ではお金が12も戻ってくるダクラを6で競り落としたこともあって、かなりのお金を貯めることが出来ました。ピラミッドもサウに2、その他に1ずつで、サウは最多ピラミッドボーナス5点を稼げて大満足(写真右)。
後半最初の4ラウンド目にピラミッドが2つ既にあるエディフを28で落札(写真左)。ラリー曰く「クレイジービッド」とのことですが、どうなのでしょう? エディフにピラミッドを適度に建て続けたおかげで、比較的楽に最多ピラミッドボーナスを獲得できたので、十分に28の価値はあると思っているのですが。5、6ラウンドは、それまでに貯めておいたボーナスカードに見合うように、ナイル沿い、川の片側の土地を落札、さらに農民9人も達成し、ボーナスカードで9点を得たこともあって勝利しました。やはり面白いですね。
結果:自分 44、ショーン 39、リシ 35、ラリー 35、サイモン 24
ゲシェンク No Thanks! / Geschenkt ist noch zu teuer!
(プレイ時間 10分)
最後の締めはリシが持参した英語版のゲシェンク、その名もノーサンクスです。ここでショーンのカード集め戦法がすごかったです。手番にはほぼ必ずカードを取るショーン。一周くらい廻せるのに、そういうことは殆どせずに取って行きます。おかげでみんなチップが枯渇。しかたなく、1、2枚は選択の余地無く取るはめになってしまいます。こんなクレイジーな戦法ですが、ゲームが終わってみればなんとショーンの勝ち。カード17枚とチップ46枚(写真)での勝利というのはすごいですね。カード運が良かったこともあると思いますが、この展開は長いゲーム会の最後を飾るにふさわしいものだったと思います。
結果:ショーン 12、リシ 15、ラリー 18、自分 29、サイモン 45
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