ウォルドーフゲーム会はワシントンDCから南東に30分、メリーランド州ウォルドーフという小さな町で開かれます。毎月第2金曜日の夜7時から夜中までで重めのゲームがプレイされることもありますが、バランスよく色々なものが遊べることや知った仲間であることもあってよく参加しています。今回は年の始めとあってか参加者も多く、一時は3テーブルとなる大盛況でした。
チグリス ユーフラテス 王たちの戦い Euphrat & Tigris - Wettstreit der Könige
(説明 20分 プレイ時間 35分)
念願の初プレイ。あのチグリスユーフラテスのカードゲームということで期待は高まります。でもプエルトリコに対するサンファンをはじめ、ボードゲームのカードゲーム化には失望させられることも多いので不安でもありました。ルールはボードゲーム版に近いというよりほぼ同じ。最もボードゲームに忠実なカードゲームかもしれません。ルールの主な違いは以下の通り。
1、得点するのには同色2枚が必要。カードを場の王国に足してから、もう一枚を自分の得点札の山に加える。これによってボードゲーム版とは違ったカードマネージメントが必要になります。
2、得点札の山は自分のものでも見ることは出来ない。記憶力が必要ですが45分程度のゲームなのでこれはこれで有りかなあと思います。バリアントで4つの山に分けることもできます。
3、手札は8枚で手札交換のオプションはなし。これは一部で不評みたいですが、普通に得点することを2回繰り返すだけで手札の半分の4枚を消費するので、要らないと思います。本家でもあまり使わないアクションだし。むしろ、与えられた手札をいかにして回していくか考えるのがこのゲームの面白いところ。
4、外部戦争による得点は低い。これは指導者を直接カードの上に乗せることによる副作用です。指導者の乗っているカードは除去できません。
5、船(ボード版のモニュメントにあたる)によって指導者が取り除かれることがある。また船による得点も低い。つまり外部戦争とは逆に船になりそうなカードの上にいる指導者は危険だと言うことです。船による得点も手札にカードがなければ出来ないので、万事安泰とはいきません。
6、王国同士の連結の条件が厳しい。最低4カードが隣接する列(王国ではない)の両方にないと連結できません。よって、船を作ってカード数を減らして戦争を回避したり、反対側との戦争で、その列のカードが減ってしまい計画していた戦争が起きなくなるなど、状況を読むのが難しいです。
7、カードはプレイ前に30枚ランダムに取り除かれる (2人プレイ時のみ)。これによってゲームに使われるカード構成が毎回変わるということだと思うのですが、果たしてどのくらいの効用があるのやら。(英訳では人数に関わらず30枚抜くとなってますが誤訳です)
8、宝物を取れるのは外部戦争直後だけ。緑の指導者が宝物をとれるタイミングですが、交換出来る神殿カードがないと、次の戦争まで待たなければなりません。また、宝物が2つ以上ある国に配置、または内部戦争によって緑の指導者を置いても宝物は次の外部戦争まで取れません。(2007年10月21日追記)
ボードゲームをカードゲーム化する際、コンポーネントをカードに絞るためにカード自体に複数の役割を持たせるのが一般的だと思います。例えばサンファンではカードに建物、産物、お金と3つの役割を持たせ、プランテーションと植民者をなくして簡略化を図りました。今回の王たちの戦いでも同様に、カードに宝物、勝利点の役割を持たせてますが、簡略化されたのは河川を含む地理的な部分だけで、むしろ勝利点としての役割が足されたためにボードゲーム版より難しいかもしれません。
実際にプレイしてみると、ボードゲーム版よりひねりがかかっている感じがします。特に手札のマネージメントの妙が面白く、携帯性があって短時間。今回は初プレイなのに35分しかかかりませんでした。既にチグリスユーフラテスを知っている方には是非プレイして欲しいゲームです。
結果 ハリー 3-3-4-5、ダン 3-3-3-3、自分 2-3-3-5、ダグ 2-3-3-4
ハンザ Hansa
(説明 10分 プレイ時間 1時間5分)
隣のテーブルが長時間ゲームのケイラスを始めてしまったので、その間、まずはハンザをプレイすることになりました。ゲーム自体久し振りですし、4人でプレイするのは実は初めてかもしれません。パズル的な要素が高く、ダウンタイムもあるので3人が適当かと思いましたが、4人の方がダイナミックで面白い、との意見も一部であります。確かにそうかもしれませんが、1時間強は長いです。3人でも面白さが殆ど変わらないのでやはり3人専用かな。あるいは2人というのも面白いかもしれませんね。今度は2人でやってみたいです。
結果:ダグ 45、ダン 42、自分 40、ハリー 36
スチーブンソンズ ロケット Stephensons Rocket
(説明 15分 プレイ時間 1時間25分)
予想通りまだ終わらないケイラスを横目に、スティーブンソンロケット。好きなのだが勝てないゲームのトップ3に入ると思われるゲームです。何故勝てないのかというと、妙な手を試しすぎることと人の邪魔ばかりして株を使い果たしてしまうこと、さらにトークンを軽視しすぎることもあるかもしれません。今回もイギリス南部での争いに足を突っ込みすぎてダントツびりです。悔しいのでまた来月に持ってこようかな。
結果: ケビン 64、ルーク 63、マット 49、 自分 35
カルタゴの貿易商たち Traders of Carthage
(説明 20分 プレイ時間 30分)
ここでグループの分け直し。マイクHが興味を持ったカルタゴの貿易商(試作品版)をすることになりました。農場は6枚とし、運の要素を抑えたバリアントでのプレイです。予想通りなかなか好評で、特にR-ECOを高く評価しているマイクは「どうしてこの作者はR-ECOやこのゲームを大手に売り込まないんだ?ギャザリングオブフレンドにもって行くのが大手に目をつけてもらうためには手っ取り早いかも」などとしきりに言っていました。そんな日が来るのを僕も楽しみにしています。
結果:マイク 49、ケビン 41、 ハリー 38、 自分 30
バベルの塔 Der Turmbau zu Babel
(説明 15分 プレイ時間 40-50分)
最後にまた組み分け直しで、ピートとルーク、そしてルークの友達のマットと4人でバベルの塔をプレイすることになりました。ルークと僕以外は未プレイ。特殊カード(青のカード)は抜き、2色ディスクは使わずのシンプルプレイです。1ゲーム目はみな独自路線を歩んでいる間に、カードをためて勝ちましたが、2ゲーム目はみなコツをつかんだらしく、かなり面白いゲームになりました。このバランスが取れているさまは本当に素晴らしいです。
結果
1ゲーム目:自分 88、ピート 78、ルーク 76、マット 52
2ゲーム目:ピート 87、マット 57、自分 56、ルーク46
カワサキ
いつも拙作を紹介してくださって、ありがとうございます。
農場6枚バリアント、面白そうですね。最新版のルールでは、農場にあるカードを予約することができるので、農場に6枚あるとだいぶ先々のコントロールが効きますね。
最新版ルールとの相性を見て、良ければルールブックに組み込ませていただきたいと思います。
ギャザリングオブフレンド、行けるんだったら行きたいです。最低限の英会話を勉強しなければ……
arlt
>30枚ランダムに取り除かれる
これは2人用のみかと。
けがわ
>カワサキさん
6枚バリアントは農場には常に6枚置いておき、市場に補充するときには左から必要な枚数だけを市場に移します。山札から直接市場には行きません。農場にあるあまったカードは左詰にして、6枚になるように足りない分を山札から農場に補充します。これにより、船をコントロールする書くプレイヤーの思惑がより鮮明になるので、僕は気に入ってます。DCゲーマーズのラリーの考案です。
>arltさん
英語ルール(ギークの)を読み直してみましたが、常に30枚を抜くように書かれています。もしかしたら翻訳ミスなのかもしれませんが、今のところそのような記事はギークにはありません。日本語訳ではどのように書かれているのでしょうか?
おの
メビウス訳をやった者です。30枚抜くのは2人用の場合のみの措置です。「ゲームの準備」の最後の一文、ドイツ語では「Im Spiel zu zweit」とあり、zu zweitのところが太字になってもいますよ。
けがわ
おのさん、どうもありがとうございます。
今、ドイツ語ルールを見てみました。ドイツ語はわからない自分でもわかるくらいに太字になっていました。英語ルール(ギークからのダウンロード)はもう一度見てみましたが、2人のときとは書いてません。こうなるとリオグランデ版はどうなっているのか気になります。英語圏の人は実はみんな30枚抜いて短時間ゲームと化しているのかもしれません。
今ショッテントッテンもルールが日本語と英語で違うのでギークで調べています。
http://boardgamegeek.com/thread/97935
おそらく簡単なドイツ語だと思うのですが、もしよろしかったらコメントをお願いします。