海賊(Freibeuter)

海賊(Freibeuter) ライナー・シュトックハウゼン
freibeuterplay.jpg 先日、さとーさんと二人ですこし古めのゲームで海賊(Freibeuter)というのを遊んだのですが、これがことのほか面白かったので、すこし紹介します。海賊は1998年にハンス イム グリュック出版からリリースされたゲームで、作者はライナー・シュトックハウゼン。シュトックハウゼンはこのゲームの他にドルチェ ヴィータ七人の賢者をデザインしています。このゲームでプレイヤーはタイトルの通り、海賊になり、ゲームボード上に散らばる商船を襲っていきます。ゲームボードに描かれた海域には格子状に商船とボーナスタイルが配置されていて、それぞれ縦横の列にアルファベットのA<>G、数字の1<>7が割り振ってあります。プレイヤーは列に対応する手札をプレイして、自分の海賊船を置いていきます。基本的には王と枢機卿のような陣取りと同じなのですが、単純に商船を多数で囲んだからといって、商船の積み荷を独り占めに出来るわけではありません。商船の積み荷は完全予約制で、手札をプレイする代りに、好きな商船につばを付けておけるのです。では他の人が予約している商船を取り囲んでなんのメリットがあるかと言うと、予約しているプレイヤーは商船が取り囲まれた時に、周りを取り囲んでいる他の海賊に分け前を支払わなければなりません。そして、これがこのゲームの一番変わっている特徴なのですが、商船から得られるお金はゲーム終了時にしか精算されません。つまり商船を予約したプレイヤーは他のプレイヤーに支払いを即座に行う義務があるのに、自分自身の分け前はゲーム終了時にしか手にすることが出来ないのです。しかも借金は2倍返しなので、安易に商船の予約ばかり行うと、大変な目に遭います。

 海賊はアブストラクトなので、万人にお勧めしませんが、王と枢機卿カール大帝等のゲームが好きな方ならおすすめです。適度な運があり、戦略パターンも一つでは無いので、それなりに深みがあります。終盤に出来ることが少なくなり、若干間延びする場合もあるのですが、プレイ時間自体が短めなので、我慢できる範囲だと思います。このゲームは残念ながら現在では絶版になっているのですが、幸いにもコンピュータと対戦できるPC版がウェブサイトで公開されています。このゲームはギュンター・ローゼンバウムさんがウィンドウズ用にプログラムをして公開しているフリーウェアです。インターフェイスはドイツ語なので、試行錯誤する必要はあるかもしれませんが、メビウス訳でルールも公開されているので、プレイするにはそれほど難しくないはずです。

ソース:ギュンター・ローゼンバウムさん ウェブサイト

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