ウォルドーフゲーム会 2005.05.13 前編 モトリーフール

先週のハリーの誕生日パーティーに引き続き2週連続でウォルドーフのメンバーとゲーム。今回は初参加の方もいて2-3卓で常時進んでいきました。結果的にはフィレンツェ以外、全てクニツィアになってしまいました。



モトリーフールの安く買って高く売れ The Motley Fool's Buy Low Sell High
(説明 15分 プレイ時間 55分)
MotleyFools BuyLowSellHigh.JPG到着するとパルミラのリメイクであるモトリーフールがプレイされていました。ではこちらも、というわけで2卓モトリーフール状態に。このゲームは説明書の最後に書いてあるように、クニツィアが2002年の秋にモトリーフールの招待でアメリカ、ワシントンDCを訪れたことをきっかけとして出来たゲームです。僕は運良くそのときのモトリーフール主催のパーティーに参加し、クニツィアに会えたので、今回はそのことを少し書こうかと思います。


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モトリーフールというのは投資に関するアドバイスをするグループで、兄弟で運営されているようです。ラジオ番組も持っており、その分野では有名みたいです。後日、ある友人に「モトリーフールとかいう兄弟の主催するパーティーに行ってクニツィアに会った」と言ったら、クニツィアのことは全く知りませんでしたが(あたりまえか)、「モトリーフールに会ったのか!すごい!」と言われました。

2002年の秋、偶然にボードゲームギークで「クニツィアが今週末ワシントンDCに来る。クニツィアに会いたい人はメールを」というような記事を見ました。DC近郊に住んでいた僕としてはこれを逃すわけはなく、友人2人を誘って会いに行くことにしました。場所はDCのすぐ隣、バージニア州アレキサンドリアの中心街にある高級ホテルの広間。実は、裕福なモトリーフール兄弟の兄が弟への誕生日プレゼントとしてクニツィアをイギリスから週末の数日間招待し、ずっと一緒にゲームをしていたそうです。その週末の一日、クニツィアに会う機会をファンにも作ろうということでギークに招待状を載せたそうです。

クニツィアが現れるまではホストのモトリーフールや会場に来ていた方々と雑談。フリーのドリンクとスナックでなんだか豪華な気分です。参加者も全部で25人くらいだったので、色々な人と話す機会がありました。特にこの時に会ったマイクHは、その後もウォルドーフゲーム会に誘ってくれたり、最近ではDCゲーマーズに誘ってくれたりとこのパーティーをきっかけにゲーム関係の人脈が一気に広がったような気がします。

メインのイベントはもちろんゲーム。クニツィアのゲームをメンバーを入れ替えて各自2ゲームプレイ。勝者は自分の名前を書いた紙をモトリーフールがあらかじめ用意した箱に入れることが出来ます。あとでこの箱からランダムに選ばれた4人がクニツィアと一緒に遊べるというわけです。僕はハリウッドとモダンアートをプレイし、運良く両方とも勝ってしまいました。(ハリウッドは初プレイでしたが) 自分の名前を書いた紙が2枚も箱に入っているのでクニツィアと一緒に遊べる可能性は高いです。抽選のとき、祈るような気持ちでしたが、残念ながらモトリーフールが箱から選んだ4枚に僕の名前はありませんでした。しかし、一緒にゲームした方が「僕は都合でもう去らなければならない。君は2回も勝ったのだから君にプレイ権を譲るよ」といわれてクニツィアとのプレイ権を獲得。捨てる神あれば拾う神あるという思いでした。

種目はラー。実はラーは一度しかプレイしたことなく、そのときの印象が悪かったので未購入でした。(ルールは大体覚えてましたが) タイルを布袋に入れて混ぜゲーム中は袋をまわす事を提案するプレイヤーにクニツィアは「テーブルの上にタイルをばら撒いた方が良い」と言い放ちます。アメリカではタイル類は必ず袋に入れて引くのを良しとするプレイヤーが多いのですが、確かにラーだと毎手番袋を受け渡すのは煩雑です。僕が今だにラーに関してはプレイマットも使わず袋も使わないのはこの時の影響だと思います。他に覚えているのは「ファラオはなくても良い」とゲーム中何度かつぶやいていたことです。僕はこれを真に受けて、後日ラーにはまってからも暫くはファラオを軽視してました。でもそれでは勝てないということに気付いたのはもっとずっと後です。

ギャラリーも多く、一種独特な興奮の中ゲームは進み最後の3ラウンド目。途中で皆、競り落として抜けてしまい、最後に僕とクニツィアの2人だけになった時は本当にどきどきしました。あとラータイル1つで終わるという所で2人とも首尾よく競り落とし、結果はクニツィアは2位。僕は1点差で3位でした。こんなにゲームで緊張し、かつ充実したのは初めてです。

他にもクニツィアによるゲーム製作に関するスピーチがあったり質疑応答があったりと充実したパーティーでした。自由にクニツィアと話せる機会もかなりあり、「侍の地図はおかしいんじゃないか?」とか「ショッテントッテンとバトルラインはどちらが気に入っているのか?」といった話から、彼の数学の話までいろいろなことを話せました。皆な様々なクニツィアのゲームを持ち込んでゲームボードなどにサインをしてもらったのですが、クニツィアは単純なサインだけでなく一人一人にメッセージを書いてくれました。僕はメンバーズオンリーのボードにサインしてもらったのですが、そんなマイナーなゲームを持ち込む人は僕以外にはなく彼自身もちょっと驚いていたようです。でも、「このゲームは僕にとっても特別なゲームだ」とクニツィアが言ってくれたのが嬉しかったです。

Who can see into the future? Be sure - it will arrive faster than you think. Carpe Diem! (誰に未来が分かる?そう、それは君が思うよりずっと早く訪れるだろう。さあ今日を楽しもう!)

これがクニツィアから僕へのメッセージです。メンバーズオンリーを思わせるようでもあり、またクニツィア自身の哲学(So many things to do. Never enough time)を思わせる様でもあります。


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「モトリーフールの安く買って高く売れ」はこのパーティーがきっかけでできたゲームなので特別な思いがあります。もとのパルミラは短時間で出来る経済ゲームとしてかなり気に入っているゲームで、慣れると30分くらいで楽しむことが出来ます。スピーチでは「僕にはゲームを作るときに避けているテーマが2つある。ひとつはスポーツ、もうひとつは経済だ。ボードゲームではスポーツのスピード感は出せないし、それにみんな毎日あくせく働いてお金に関わっているのにどうして経済ゲームをやりたがるのだろう?」と言っていたクニツィアですが、数少ない経済ゲームのパルミラをこういう形でリメイクしたというのが面白いですね。

元となったパルミラとカードの構成が違う以外は同じゲームです。3種類の業種にカード構成で特徴を出そうとしていますが、プレイ感はあまり変わりませんでした。3つある株マーカーがパルミラのアンフォラ同様、多少倒れやすいのも同じですね。長くなってしまったので、ゲームの流れなどはいつかパルミラのレポートを書いたときに書こうと思います。(パルミラの概要はここ

結果:自分 108、ポールM 100、アレックス 89、ルーク 82


後編に続きます。

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