雑誌大国のアメリカでも残念ながらボードゲームの雑誌というものはありません。僕の場合はイギリスからカウンターマガジン Counter 、それにカナダからアブストラクトゲームズマガジン Abstract Games Magazine を定期購読しています。どちらも年4回の季刊誌です。カウンターマガジンは表紙だけはちょっと厚手の色紙ですが中身は図や写真は一切無く、文章だけです。しかしボリュームがあり、ドイツゲームを中心に様々なゲームのレビュー、記事、考察、討論が書かれていていつも楽しみにしている雑誌です。昨日そのカウンターマガジンの25号(2004年6月) Counter Issue25 (June 2004) が届きました。表紙はコルサリ Corsari です。
全部で82ページ、中心は32ページに渡って詳細に書かれているサンファン、ハンザなど新しいゲームのレビュー18点です。これらのレビューは数ヵ月後にファンアゲインの該当するゲームのページで読むことが出来るので知っている人も多いと思います。もちろんそれ以外にもボードゲームにまつわる様々な記事があって、目次を見るとギャザリングオブフレンズのレポート、ヒッポダイス優勝のゲーム、アメリカのゲーム4社へのインタビュー、ゲームクラブを始めるに当たっての心得、アレックスランドルフ氏への追悼、ブルームーン特集など盛りだくさんです。
この中で、僕が特に楽しみにしている記事にレ・レビュー Re-Review (リ・レビュー、再レビュー?)があります。これは雑誌の一番後ろのページの目立たない記事です。レ・レビューはカウンターマガジンが5年目に入った21号から始まったもので、丁度5年前にレビューされたゲームを再び幾つかレビューするというものです。目的は新規のゲーマーに古いゲームを知ってもらうことと昔からのゲーマーに昔のゲームを再訪する機会を作ることだそうですが、他にも、5年の時の洗礼に耐えてきたゲームなのか?5年の間にどのようにプレイされてきたか?(コンスタントにプレイされる、すぐに飽きられる、2-3年目に再びプレイが盛んになるなど) 今どれくらいプレイされているか?などの疑問に対して、5-6人の書き手による今現在での生の意見を知ることが出来ます。今回25号では5年前の5号(1999年)にレビューが載った操り人形、ミステリーラミー1、ラー、ティカル、ユニオンパシフィックがレ・レビューされています。
ボードゲームの情報はインターネットが中心とはいえ、やはり紙ベースでの雑誌には味があります。とにかくとてもいい雑誌なので英語が苦にならない方は是非購読を勧めます。(定期購読はここ、また試しに1冊だけというならファンアゲインでバックナンバーが注文できます。) 余談ですが、カウンターマガジンで取り上げられたゲーム全てのインデックスがあります。のちのちあるゲームについて知りたいときなど、とても便利です。(カウンターのインデックスはここをクリック)
moon
細かいツッコミですが(^-^;
シミュレーションゲーム系の雑誌ならアメリカでも発行されていますね。
けがわ
moomさん、どうも。
そうですね。シミュレーションゲーム系統は詳しくないので見過ごしていました。どんな雑誌がお勧めですか?
レイ
RPGなら「Dragon」という雑誌が昔から発売されてましたね。あとパズル関係の雑誌にゲームの記事が合ったと思います。
インデックスで紹介されているゲームで22号で紹介されている「Territory」は日本のゲームでグランペールの物だそうです。
けがわ
レイさんこんにちは。
Dragonですか。聞いたことはありませんが、RPG=ファンタジー=ドラゴンという流れのアメリカではいかにもという名前ですね。ドラゴン好きってまわりにも多いです。
パズル関係の雑誌はゲームズマガジン Games Magazine でしょうか?昔定期購読していたことがありますが、殆どパスルでボードゲームの記事は結構いい加減だったのでやめてしまいました。でも一年に一回のゲームズ100が載る号は買ってしまったりしますが。
カウンターで紹介されている日本のゲームは結構あって以前、トレインレイダー(12号)、マーメードレイン(21号)、レジスタ(21号)のレビューがありました。テリトリーは帰国したときに買いましたがまだ未プレイです。アブストラクト系は好きなのでそのうちプレイしたいのですが。
つばき
ウォーSLGだと、現在刊行中なのはStrategy & TacticsとC3i、Movesでしょうか。この他にもGeneral、Wargamer、Command、GameFix、Campaign Magazineなどがありましたね。
いずれもうろ覚えの知識ですみません。
Web-Grognards( http://grognard.com/ )へ行くと、いろいろな情報が手に入ると思います。
けがわ
なるほど、ウォーゲームだと結構あるのですね。ドイツ系ボードゲームはだんだん広まってきているとはいえアメリカではまだまだ認知度は低いです。逆にリオグランデ版のゲームが同じ英語圏としてかなり出回っているイギリスで先にボードゲーム系の雑誌がでているのは興味深いですね。(G3-Games Games Games, Sumo, Counter, Pure Games など)
アメリカでボードゲーム系の雑誌が出て、漸くボードゲームが文化として根付き始めたと言えるんじゃないかな、なんて思っています。
つばき
カウンターマガジン、バックナンバーのうち入手可能なものを揃えてみました。まだ一冊しか読めていない(英語、得意じゃないんです)ですが、とても面白い雑誌だと思いました。日本の国内でも、こういうスタイルの雑誌が出てくれないかぁ……と思いました。
けがわ
おお、バックナンバーを手に入れましたか!
なんだかこういう反響があると嬉しいです。
僕は最初12号あたりから買い始めて、徐々にバックナンバーも買っていって、最後はイギリスのゲーム屋に直接電話をかけて取り寄せた覚えがあります。それでも創刊号だけはどこにも無くて結構な値段でEbayで競り落としたという・・・そこまでするか?と自分でも思いましたが。まあ読みたいところだけ読んであとは気になったゲームをインデックスを使ってバックナンバーで読むなど、けっこう資料的に使っています。
インターネットが充実しているとはいえ、やはり紙ベースの雑誌は捨てがたいですね。写真が無いけど80ページというのが魅力です。(写真はインターネットなどを見ればよいことですし)
つばき
はい、けがわさんの記事を見て、翌日には申し込んでおりました>Counter Magazine。定期購読もしようと思ったんですけど、英語で申し込みのメールを書くのが苦手でして……。
ぼちぼち読んでおりますが、面白いつくりだと思います。国内の雑誌だと、どうしても「写真」「イラスト」などのビジュアル面にこだわった作りになってしまいがちですが、こういう文字だけの雑誌にも「スルメイカ」のような良さがありますね。活字中毒者の私には、もってこいの雑誌でした。ご紹介、ありがとうございました。