毎週月曜日と木曜日、7時から12時まで行われるTGCゲーム会。先週からキャンペーンとしてゲーマーズゲームとして名高いアレアの大箱シリーズを、番号順にひとつずつ、毎週木曜日にプレイすることにしました。
第1回目の2月26日は競りゲームの傑作、ラー Ra です。メディチ Medici を発展させたようなゲームで、競りゲームの代表としてこのゲームをあげる人も多いようです。ゲームは3エポック(ラウンド)勝負。各手番にはタイルを引くかラーを宣言して競りを始めるかをします。タイルにはファラオ、ナイル、文明、モニュメント、神、金貨、などがあり、それぞれ得点の仕方が異なります。また、種類によって各エポック終了時に得点されるものと、ゲーム終了時にのみ得点されるもの。エポック終了時に破棄されるものと手元に残るもの、など色々です。たとえば、ファラオは最も多く持っている人に5点、最も少ない人にマイナス2点で各エポック終了時に得点され破棄はされない、といった具合です。この辺はリアルタイムオークションのイッツマイン It's Mine とちょっと似ています。手番にラータイルを引いてしまうか、自発的にラーを宣言すると競りが始まり、各自3-4枚(プレイヤー数によって異なる)ある競りチップで一周のみの競りが行われます。よくできているのが、この競りチップは1-16(あるいは13)の通し番号で、使ったチップは次の競りの対象になることです。競り落とすと場の全てのタイルと前回使われた競りチップが手に入ります。大きい数のチップも小さい数のチップもそれぞれ使いどころが悩ましく、またラータイルには時を刻む役割もあり、ラータイルが一定数に達するとエポック終了となるのであまりのんびりもしてられません。
今はプレイ機会も多いラーですが、実は最初にプレイしたときの印象がよくなかったこともあって、その後ずっとプレイ機会が無く、2度目にプレイしたのは3年後、何と作者のクニツィア本人とでした。作者本人とプレイしてようやく面白さが分かり、その後いつか買おう買おうと思っているうちに絶版に。ようやく手に入れたものはタイルの状態が良くなく破損してしまい、さらにもう一度買いなおしたという、いろいろな意味で印象深いゲームです。
ラーは有名なゲームだけあって、様々なプレイエイドがあります。特に布袋とプレイマットは使う人も多いようです。ライナー本人とプレイした時も、プレイヤーの誰かが、自前の袋にタイルを入れようとしました。ところが、ライナーは「タイルはその辺(テーブルの上)に散らせて置いたほうがいい」と提案し、結局袋なしでプレイしました。そういった影響もあって、僕は袋は使わない主義です。ラーではほぼ毎手番タイルをめくるので、テンポ良く進めていくにはテーブルの上に散らせておくのがベストだと思います。B5くらいの大きさの緑色のフェルトと布袋をラーの箱に入れておき、布袋はタイルの保管用とゲームの最初にタイルを混ぜるために使い、混ぜた後はフェルトの上にタイルをあけて散らせてプレイするのが好きです。
プレイマットはここの管理者のPuppi氏や友人のマークをはじめ、様々な方がBGGからのダウンロードや自作の物を使っているようです。プレイマットは競りで得たタイルを綺麗に分けて置くようになっており、得点方法が書かれているので、一見良いように思えるのですが、僕はあまり好きではありません。まず、各自のタイルがマットの絵柄と混ざって、なんだかごちゃごちゃしてしまって見ずらい(busy)のと、同一のタイルは重ねて置くようになっているので、誰が何枚ファラオを取ったか、ナイルは何枚あるかなど現在の状況がぱっと見ただけでは分かりにくく、プレイアビリティーを損ねているように思えるからです。ラーはシンプルでさくさく進んでいくのが好きなので、布袋やプレイマットは不要かなというのが僕の個人的な意見です。
初めてプレイするにしても、多少得点の取り方が何種類もあって面倒だとはいえ、3枚で5点の原則と、各エポック終了時に残るタイルと残らないタイルさえきちんと理解していればそんなに難しいゲームではないと思います。今回も初めてのプレイヤーが2人いましたが、なかなか好評でした。今回はキャンペーンということもあり2度続けてプレイしました。
1ゲーム目:アレックス45、自分43、ポール39、ノーム27、デイブ21
2ゲーム目:アレックス45、ノーム41、自分35、デイブ20、ララ4
ビジネスゲームが得意なアレックスはラーも強いです。自分はあまり勝ったことがなく、でも中毒性のある良いゲームですね。
ラーの他にはスティームトンネルとブラフをプレイしました。
スティームトンネル Steam Tunnel は久し振りにプレイするチーパスです。最近アブストラクトめいたゲームを出す傾向にあるチーパス。この系統は初めてなのでちょっと期待したのですが、少々バランスの悪さが目立ちますね。プレイ中、本当にどうにもならないときはどうにもならないので、もう少し練りこんで作ればいいのになあと思いました。
デイブ 286、アレックス 127.5、 自分 56.5 ノーム 44
ブラフ Bluff/Liar's Dice は最近再び色々なところで広めているゲームです。ラーの前に1回、スティームトンネルのあとに3回、合計で4回もプレイしました。3ゲーム目は特に白熱し、皆考える考える。なんと45分もかかりました。こんなに長いブラフは久し振りです。すごい。最後の1回はフラブ Ffulb を試してみましたが、なかなか好評でした。フラブという名前もどう発音していいか分からないこともあってか受けが良く、これなら国際的に通用するかもしれません。
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